入院に備えるのに保険は必要?必須の保険と公的制度の知識について

もし、病気になって入院することになった時を考えると、やはり保険で備えておいたほうがいいのかと考えることがあるかと思います。

しかし、実は必要ではないと言う声も聞くし、どちらがいいのか全然わからない。と言うより保険の事が、そもそも分からないなんて悩んでいませんか?

そんな悩みを解消するには、やはり保険のことに詳しくなるに限ります。むしろ、これがお勧めだからと流されるままに決めるのはよくありません

ですので、今回は入院した時に保険が必要かどうかを判断できる保険と公的制度に関する知識を厳選しました。

これさえ知っておけば、少なくとも入院時に保険が必要かどうかを考えられる知識が揃います。そうすれば、自分の状況に合わせた保険選びができるようになるでしょう。

目次


1.入院したらいったいいくら掛かるの?
目次

  • 1.1平均的な1日あたりの平均費用
  • 1.2平均的な入院日数
  • 1.3入院費用を考えるなら逸失費用まで考えよう

2.入院した時にかかる費用って何?

  • 2.1入院した時にかかる費用の種類
  • 2.2差額ベット代について
  • 2.3地味に効いてくる食事代

3.必要な入院給付金の日額とその注意点とは

  • 3.1まずは必要な入院給付金について
  • 3.21回の入院で保障される日数には限度がある
  • 3.3さらに、通算して保障される日数の限度もある。

4.入院した時の保険の請求について

  • 4.1まずは生命保険会社に連絡をしよう
  • 4.2医者に診断書をスームズに書いてもらうには?
  • 4.3診断書がいらない場合もある。

5.こんな時どうする?保険の3つの困り事

  • 5.1海外滞在時のことで保険を請求する時
  • 5.2出産する時に保険の保障は受けられるの?
  • 5.3出産した後は保険に入りづらいことも

6.忘れてはいけない公的医療保険の制度について

  • 6.1高額療養費制度は確実に利用しよう!
  • 6.2限度額適用認定証があるとすごく便利
  • 6.3会社勤めしている方などは傷病手当金を検討しよう

7.まとめ

1.入院したらいったいいくら掛かるの?

まずは、入院した時にかかる費用の統計を見ていきます。

ただ、この統計で注意しなければいけないのは病気によってかなりの差が出てきてしまうということです。

そこに気をつけながら、とりあえずの大枠をつかむことを念頭にこの統計を見ていくと、よりこれらの統計を役立てることができます。

 

1.1平均的な1日あたりの平均費用

直近の入院時の1日あたりの自己負担費用

5,000円

未満

5,000~

7,000円
未満

7,000~

10,000円未満

10,000~15,000円未満 15,000~20,000円未満 20,000~30,000円未満 30,000~40,000円未満 40,000円以上 平均
(円)
12.5% 8.3% 13.7% 24.5% 7.9% 14.1% 6.9% 12.0% 19,835

※治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や 衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

出典:平成28年度「生活保障に関する調査」(平成28年12月発行)|公益財団法人 生命保険文化センター

直近の入院時の自己負担費用

5万円未
5~10
万円未満
10~2
0万円未
20~3
0万円未
30~5
0万円未
50~1
00万円
未満
100万
円以上
平均
(万円)
7.6% 17.5% 39.3% 13.1% 13.1% 5.3% 4.1% 22.1

※治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や 衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

出典:平成28年度「生活保障に関する調査」(平成28年12月発行)|公益財団法人 生命保険文化センター

まず上の表を見てみると平均が19,835円、1番多い費用帯が10,000~15,000円未満で4分の1程がここに含まれてることがわかります。これは、保険関係の話をするとよく出てくる数字になります。

ですが、下の表を見てみると平均が22.1万円1番多い費用帯が10~20万円未満で4割程がここに含まれています。ここであえてこれを30で割って1日換算すると、平均は7,000円ちょっと、1番多い費用帯は3,000~7,000円弱になってしまいます。

なぜ、このような差がでるのかというと上の表には短期入院も含まれているからです。例えば、4日間入院して8万円の自己負担がかかったとすると1日あたりの自己負担額は2万円になります。このように1日あたりの自己負担額には気をつけねばならない点があります。

もちろん、総額にあたる下の表を30で割って1日あたりの金額を求めることも不正確な表現になります。なので、総額は総額1日あたりは1日あたりで考え、日数をかけたり割ったりして考えるのはあまり良くありません。

 

1.2平均的な入院日数

主な傷病 総数 男性 女性 0~14歳 15~34歳 35~64歳 65歳
以上
75歳
以上
全体 31.9 29.8 33.9 8.4 12.0 24.4 41.7 47.6
結核 58.7 61.4 54.5 32.8 40.7 65.2 58.4 58.6
ウィルス肝炎 16.3 13.6 19.2 5.1 12.5 12.5 21.4 38.2
胃の悪性新生物 19.3 17.8 23.2 5.5 12.1 13.9 21.0 25.7
結腸及び直腸の悪性新生物 18.0 17.1 19.2 8.0 10.8 13.5 20.0 24.5
肝及び肝内胆管の悪性新生物 18.8 18.9 18.8 47.8 12.1 15.8 19.3 21.6
気管、気管支及び肺の悪性新生物 20.9 19.0 25.2 10.1 9.8 16.7 22.3 26.9
糖尿病 35.5 27.5 45.4 13.0 14.1 20.0 47.4 65.2
血管性及び詳細不明の認知症 376.5 290.4 439.7 231.0 267.5 380.7 383.1
統合失調症等 546.1 630.5 473.8 91.4 93.3 334.1 1,295.8 1,470.9
気分(感情)障害 113.4 113.6 113.3 41.1 45.7 93.7 157.0 161.3
アルツハイマー病 266.3 210.5 300.8 217.8 267.4 257.6
高血圧性疾患 60.5 29.4 80.5 8.9 11.0 13.8 68.4 83.3
心疾患 20.3 13.8 30.1 30.5 10.2 9.0 23.7 30.5
脳血管疾患 89.5 70.0 112.3 20.7 44.6 46.9 100.7 116.0
肝疾患 25.8 23.7 28.5 9.3 10.7 17.1 33.2 40.7
骨折 37.9 28.9 43.4 5.3 14.4 21.9 47.7 51.9

注:
1.2014年9月1日~30日に退院した者を対象としたもの。
2.総数には、年齢不詳を含む。
3.統合失調症には、統合失調症型障害と妄想性障害を含む。
4.心疾患は高血圧性のものを除く。
5.気分(感情)障害には、躁うつ病を含む。

<厚生労働省「患者調査」/平成26年>

出典:入院した場合、入院日数は何日くらい?|公益財団法人 生命保険文化センター

この総数の平均は31.9日ですが、例えば悪性新生物(がんなどがここに含まれる)は20日程度にまとまっています。また、やはり65歳以上になると一気に入院日数が長くなる傾向があります。ですので、総数はあまり参考にならないものと考えたほうが良いでしょう。

また、最近では医療技術の進歩とともに入院日数は短くなる傾向にあります。ただし、内科関係は体の中のことなので、手術を改良すれば短くなるといったものではないのであまり短くなりづらいです。

 

1.3入院費用を考えるなら逸失費用まで考えよう

直近の入院時の自己負担費用と逸失収入の総額

5万円未
満(%)
5~10
万円未満(%)
10~2
0万円未
満(%)
20~3
0万円未
満(%)
30~5
0万円未
満(%)
50~1
00万円
未満(%)
100万
円以上(%)
平均
(万円)
全体 8.1 13.3 34.6 14.3 15.1 10.2 4.4 27.0
自営業者 8.0 16.0 32.0 8.0 16.0 12.0 8.0 33.6
常雇被用者 6.9 11.7 33.8 16.6 15.9 11.0 4.1 27.1

※直近の入院時の自己負担費用と逸失収入の合計  自己負担費用が無い場合、逸失収入が無い場合は「0円」として平均を算出

出典:平成28年度「生活保障に関する調査」(平成28年12月発行)|公益財団法人 生命保険文化センター

逸失収入とは病気や怪我で入院するとその間当然のことながら働けなくなるわけで、そのように本来得るはずだった収入が減ったり無くなったりする損失のことをいいます。また、その本来得るはずだったお金も含めた入院時にかかった費用というのが上の表になります。

 

やはり、自営業者の方のほうが働けなくなった時の逸失金額が大きくなるので、平均総額が大きくなってしまいます。また、常雇被用者、公務員や会社員だと給与の3分の2程を給付してくれる傷病手当があるのですが、自営業者にはそれがありません。

なので、自営業者の方のほうが保険の必要性が高いといえるでしょう。逆に、常雇被用者の方の場合は公的制度を上手く活用すれば貯蓄を切り崩すことでしのぐ道も考えられ、保険の必要性はそこまで高くないでしょう。

 

2. 入院した時にかかる費用って何?

次に、入院したらどんな所にお金がかかってくるかを紹介します。ここをが分かると、ここは自分にとっては必要ないから削れる所だと分かったり、ここは充実させたいから保険を考えてみようなどが考えられるようになります。

 

2.1入院した時にかかる費用の種類

  • 医療費
  • 入院基本料
  • 食事代
  • 差額ベット代
  • その他雑費(着替え、テレビが有料の場合に払う代金、家族がお見舞いに来る際の交通費など)

この時、医療費と入院基本料は、後で解説する高額療養費制度の対象になっていますから、月毎に払う費用の上限額が決められています。また、食事代ですがその制度の対象ではありませんが、特別なメニューを頼まない限り一定の負担で済みます。

次に差額ベット代ですがこれは高額療養費制度の対象でもなければ、一定の負担で済むものではありません。なぜなら、これは患者が望んで受けるものであり、逆を言うなら望まなければ基本的に必要ありません。

 

2.2差額ベット代について

入院した時に入る病室ですが普通大部屋になって複数人で共用することになります。ですが、患者が希望すれば個室であったり2人部屋などの特別室に入ることが出来ます。この時にかかる費用が差額ベット代です。

差額ベット代ですが厚労省によると平均して以下のようになっています。

1日当たり 平均徴収額 (推計)
1人部屋 7,828円
2人部屋 3,108円
3人部屋 2,863円
4人部屋 2,414円
平均 6,155円
参考 最低 50円

最高 378,000円

出典:中央社会保険医療協議会 総会(第337回) 主な選定療養に係る報告状況より

最高で約38万円も掛かるのを見ると如何にもセレブのための制度のような気もしますがそうではありません。例えば出産した後で落ち着いた環境がほしいなんてことも考えられます。そのため、より治療に専念し治療の効果を高めるための費用とも考えられます。

 

2.3地味に効いてくる食事代

入院時の食事代は標準負担額といって負担すべき金額が厚生労働大臣によって定められています。また、これは1食あたりの金額になっています。

 ~平成28年3月 平成28年4月~ 平成30年4月~
一般の方 1食につき 260円 1食につき 360円 1食につき 460円
住民税
非課税世帯の方
1食につき 210円
住民税非課税世帯の
方で過去1年間の入院日数が
90日を超えている場合
1食につき 160円
住民税非課税世帯に
属し、かつ所得が一定基準に
満たない70才以上の高齢受給者
1食につき 100円

出典:入院時食事療養費 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

ここで言う所得が一定基準に満たないとは70歳以上の高齢受給者とは、年金収入のみで単独世帯の場合は年収約80万円未満夫婦2人世帯だと年収約130万円未満の方をいいます。

また、現役並み所得者と呼ばれる標準月額報酬28万円以上の収入がある70歳以上の高齢者とその被扶養者は一般の方と同じ金額を負担することになります。

 

このように、食事代は460円まで引き上げられることが決まっているのですが、そうなると1日あたり1,380円の負担となり地味に辛い出費となります。

 

3. 必要な入院給付金の日額とその注意点とは

医療保険などの保障の軸となるのが入院給付金になります。というのも、他に代表的な手術給付金も入院給付金の何倍かで支払われる金額が決まってくるからです。

また、その倍率は手術によって異なってくるものもあります。

ですので、この入院給付金をいくらにするかは医療保険などを考える時に特に重要なことになります。

 

3.1まずは必要な入院給付金について

  1. 逸失収入
  2. 医療費と入院基本料
  3. 差額ベット代
  4. 入院時の食事代
  5. その他雑費

これらが、入院する時に発生する負担の内訳になります。そのため、これらの内どれくらいを保険によって賄うかが入院給付金を決めるポイントになります。

まず、これらの内、2番目と4番目は費用の枠が決まっています。2番目は一般的な収入の方でしたら高額療養費制度を使ってひと月あたり8~9万円程度、4番目は1日あたり1,380円(平成30年4月以降)になります。

そして、月始めから入院したとして20日間入院したとしましょう。また、差額ベット代は希望しなかったとします。すると、自己負担額は最大の9万円で考えると食事代の2万7600円と合わせて11万7600円になり、1日あたりの自己負担額は5,880円です。

さらに、合わせて手術給付金などが出れば、入院給付金は5,000円もあれば足りるといえるでしょう。むしろ、その他雑費まで賄えそうなくらいです。また、会社員の方ですと有給や傷病手当を活用すれば、逸失収入も気にしなくていい程に収まる可能性もあります。

もちろん、医療保険は医療費の保障のみに当てるという考え方もあるでしょうから、その場合は貯蓄で食事代などを補うことを考えれば、ますます5,000円もあれば十分だと考えられます。

 

ですが、これではギリギリすぎて心もとないと考える方もいると思います。家族がいる方は特に様々な入院とは直接関係のない費用が発生します。例えば子供を何処かに預けたりなど様々に考えられます。

また、自営業の方は傷病手当のような収入を保障してくれるものがないので、日額1万円も検討しても良いかもしれません。ですが、医療保険はあくまで医療向けに設計された保険であり、収入を保障するなら所得補償保険の方を検討するのもありです。

ただし、所得補償保険は一般的に医療保険より保険料が高くなるので注意が必要です。

さらに、最近の傾向として入院期間がどんどん短くなっていることにも注意が必要です。そのため、1日あたりで給付される入院給付金は実情にあっていないという意見もあるのです。そのため、貯蓄を主軸として保険でどれくらい補填するかを考えたほうがいいです。

 

3.2 1回の入院で保障される日数には限度がある

病気や怪我での入院で入院給付金が受けとれる1回あたりの期間が決まっており、それを1入院の支払限度日数と言います。つまり、これを超えた期間入院した場合、入院給付金を受け取れなくなってしまうのです。

さらに、1回あたりの入院にカウントされなくなるのは、退院後一定期間、多くの場合で180日を過ぎてからなので、180日以内に同じ病気が原因で再入院した場合は前回入院した分を含めて数えることになります。

この時、同じ病気が原因かどうかは医師の診断書をもとに保険会社が判断します。このことについては素人では中々判断しづらいところがあります。例えば、がんになった部位が違っても転移なら同じ原因だと考えられます。

 

それで、この1入院の支払限度日数を何日にするかというと、多くの人が60日にします。確かに、平均的な入院日数を見る限り、多くの病気で60日もあれば足りるような気がします。

ですが、この判断もまったくもって正しいとは言い切れない側面があります。というのも、例えばがんという病気は確かに20日程度の入院期間になっています。しかしながら、再発する可能性も十分に考えられます。それが、がんの怖いところでもあります。

もし、その再発が180日立った後で起ってくれたらいいのですが、そう都合よくいくとは限りません。このように60日だと繰り返し再発する可能性のある病気長期に渡る病気に対してあまり手厚い保障を望めません。

 

そこで、そういう時の対策ですが、特定の病気、がんや3大疾病のみに対して保障を手厚くすることで期間の延長をしたり無制限にすることをお勧めします。これだと単純に全体を120日間に伸ばすよりも保険料を抑えられ、なおかつ保険の無駄を省くことが出来ます。

 

3.3さらに、通算して保障される日数の限度もある。

これはどちらかと言うと気にしなくていいです。むしろ、これに魅力は感じないで下さい。なぜなら、この通算の支払限度日数はおよそ使い切ることはまず考えにくいからです。

というのも、例えばよくある1,000日通算の支払い日数があるとすると、先ほど紹介した60日間の1入院の支払限度日数だと16回入院して、17回目に使い果たすことが出来るからです。いくら、この通算日数が減ること無く加算し続けていくものだとしても流石にここまでのことは起こりづらいです。

ですので、この通算何日保障してくれるのかではなく、1入院あたりどれくらいの期間を保障してくれるかを考えるようにして下さい。

 

4. 入院した時の保険の請求について

ここで少し話が変わって、保険の請求について解説します。たかが請求と思うかもしれませんが、ここをどう切り抜けるかが保険の給付を上手く受けられるかに関わってくるので実はかなり重要です。

また、入院する時に保険を活用する時に間違いなく必要な手順になりますので、入院の為に保険に入ろうと考えている方にとっては必須の知識になります。

 

4.1まずは生命保険会社に連絡しよう

生命保険会社は自ら行動を起こさない限り保障はしてくれません。なので、手術や入院したときにはしっかりと連絡をするようにして下さい。もちろん、長期入院の場合は入院途中でも請求はできます。

この時、どのタイミングで連絡すればよいのかというと、実のところどこでもいいです。入院計画書が病院から提示された時にとりあえず連絡をすれば保険が降りるかの確認もできるでしょうし、退院の日が決まってから連絡すれば医者の診断書を入院中にお願いしておくことも出来ます。

もちろん、退院して全てが終わった後に連絡するのもありです。つまり、忘れない内にすればよいのです。また、請求できる時効は一般的に3年になっています。

 

4.2医者に診断書をスームズに書いてもらうには?

  • 自分の個人情報などは自分で記入しておき、医者が記入するのは医者が書かなくてはならないところだけにしておく。
  • 診断書にどんなことを書けばよいのかをあらかじめ保険会社に聞いておき、医者に具体的に書いてほしい情報を伝える。
  • できればいつまでに欲しいのかを伝えておく。

基本的に医者というのは忙しい職業ですので、こちら側も丁寧に対応したほうが上手く診断書を書いてもらえるようになります。なので、特に保険会社に診断書にどのようなことを書けばよいのか、複数の保険会社に加入している場合はコピーでもよいのかを確認しておくと良いです。

 

4.3診断書がいらない場合もある。

診断書は書いてもらうのに場合によっては5,000円ほどかかる場合があります。ですが、これが無くても保険の請求が出来てしまう場合があるのです。

細かい詳細は各保険会社に問い合わせるしか無いのですが、入院給付金の請求額が少ない手術を受けてない場合にそのように取り計らってくれることが多いです。

ようは、診断書にお金がかかるのでこのような場合に書いてもらっていたのでは何のための保険かわからなくなるので、そのための措置だと考えて下さい。なので、あらかじめ診断書が必要なのか保険会社に問い合わせておくと良いです。

 

5. こんな時どうする?保険の3つの困り事

ここで保険会社に関する、よくある疑問やトラブルについて紹介します。特に、最後の2つは保険に加入する際に気をつけておいた方がいいことになってきます。

 

5.1海外滞在時のことで保険を請求する時

保険の請求は海外にいる時でも、帰国後でも、どちらでも可能です。ですが、必要になる書類、特に診断書もしくは入院証明書は海外にいる時に準備したほうが賢明です。また、入院なりをした病院が保険の適用を受けられるような施設かを確認する必要があります。

なので、海外から保険会社に連絡ができるようにしておきましょう。そして、そこで必要な書類は何かと、どのように準備すればよいかを聞いて下さい。例えば、インターネットからダウンロードするなんて方法もあります。

また、どのような情報を書いて貰わなくてはいけないかを、しっかりと確認しておきましょう。後で、記入漏れがあったなんて時は非常に面倒くさいです。

また、病院には、いつまで書類を書いてもらえるかも確認しておきましょう。診断書などが発行されるまでには時間がかかるので、滞在の日程などとの兼ね合いを検討するようにしましょう。

 

5.2出産する時に保険の保障は受けられるの?

これは結論から言うと、結局のところ加入している保険によるとしか言いようがありません。ですので、出産に関して手厚い保障が欲しい場合はできるだけ妊娠する前にそういう保険に加入して下さい。

というのも、まず多くの場合に当てはまる考え方は、健康保険の適用になるかどうかです。適用になれば、保険がおりる可能性はありますし、無いならおりる可能性は低いです。

また、健康保険の適用になるのは帝王切開などの異常分娩切迫早産などで、これらの場合は入院給付金が出る可能性があります。逆に自然分娩のように健康保険が適用されなかった場合、入院給付金もでない可能性が高いです。

ただし、これらは一般論で保険会社によって条件や判断がまちまちなので、あらかじめ確認をしておいたほうがいいです。

 

5.3出産した後は保険に入りづらいことも

出産した時に、自然分娩ではなく、異常分娩など何らかの医療行為を受けての出産の場合、特定部位の不担保といって特定の部位を保障しない制約がつきます。この場合では多くが子宮に関して保障を受けられなくなります。

この特定部位の不担保で保障を受けられなくなる期間は、長いもので5年で、保険会社によってそれぞれに決められています。

また、妊娠中でも27週目より前でしたら保険に加入できる可能性があるのですが、その場合でも特定部位の不担保が付く場合があり、帝王切開などの保障が受けられません。

ですので、出産などを考えて保険に入る場合は出来る限り、第1子を妊娠する前に入るのが一番いいです。

 

6. 忘れてはいけない公的医療保険の制度について

入院した時に保険で備えるかどうかを考えるときには、やはり公的医療保険制度を忘れてはいけません。日本の保険制度というのは民間の保険が必要なのかどうか考えさせられるほど優れています。

ですので、今回はその中でも重要な2つの制度と、高額療養費制度に関してはより便利な使い方をご紹介します。

 

6.1高額療養費制度は確実に利用しよう!

69歳以下の方の上限額

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと) 多数回該当の場合
年収約1,160万円~

健保:標報83万円以上

国保:旧ただし書き所得901万円超

252,600円+(医療費-842,000)×1% 140,100円
年収約770~約1,160万円

健保:標報53万~79万円

国保:旧ただし書き所得600万~901万円

167,400円+(医療費-558,000)×1% 93,000円
年収約370~約770万円

健保:標報28万~50万円

国保:旧ただし書き所得210万~600万円

80,100円+(医療費-267,000)×1% 44,400円
~年収約370万円

健保:標報26万円以下

国保:旧ただし書き所得210万円以下

57,600円 44,400円
住民税非課税者 35,400円 24,600円

出典:高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省

70歳以上の方の上限額(平成29年8月から平成30年7月診療分まで)

適用区分 外来(個人ごと) ひと月の上限額(世帯ごと) 多数回該当の場合
現 役 並 み 年収約370万円~

標報28万円以上

課税所得145万円以上

57,600円 80,100円+(医療費-267,000)×1% 44,400円
一 般 年収156万~約370万円

標報26万円以下

課税所得145万円未満等

14,000円

(年間上限 14万4千円)

57,600円 44,400円
住 民 税 非 課 税 等 Ⅱ 住民税非課税世帯 8,000円 24,600円 無し
Ⅰ 住民税非課税世帯 (年金収入80万円以下など) 15,000円 無し

出典:高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省

 

このように健康保険の適応となる、いわゆる3割負担は月毎の上限額が、表のように決められています。ただし、注意しなければいけないのが月をまたいでしまった場合で、その場合はそれぞれの月毎の上限額に計算されます。

例えば、8月に24万円の窓口負担があったとすると元の医療費は80万なので、区分ウで85430円になります。もし、これが8月と9月に12万ずつだと、同様に区分ウでそれぞれ81430円になるので、計16万2860円になります。このように同じ金額でも月をまたいでしまうと負担額に差が出てしまうのです。

 

また、この医療費は世帯ごとに合算ができます。ただし、69歳以下は2万1000円以上の窓口負担から合算出来るようになります。1人で上限額に達する程ではない場合でも合算すれば達する可能性が出てきます。

さらに、多数回該当といって、この制度の対象となった月を含めて過去12ヶ月の間に3回以上対象となった月があった場合に更に低い上限額、表で言うところの多数回該当の場合の金額になります。

 

また、70歳以上の方は上限額が平成30年8月から変わるので注意が必要です。

 

6.2限度額適用認定証があるとすごく便利

先程の高額療養費制度ですが、凄く医療費を抑えられるのはいいのですが事前に申請せず後から払い戻しを受けるとなると、一時的とは言えすごい金額を窓口で払わなくてはなりません。

また、払い戻しを受けるにせよ、上手く申請が通っても3ヶ月程度かかってしまいます。もちろん、高額医療費貸付制度と言って高額療養費制度を使って払い戻される金額の8割、国民健康保険の方の場合は9割を無利子で借りることは出来ます。

ですが、それよりもあらかじめ高額な医療費を払うことがわかっているのであれば、事前に申請して限度額適用認定証を受け取っておくと窓口での負担が高額療養費制度の適用を受けた金額になります。

一時的であれ高額な医療費を請求されなくなるのですごく便利です。ですが、申請月からでしか有効にならないので早めに申請しておくようにしましょう。

 

6.3会社勤めしている方などは傷病手当金を検討しよう

自営業の方などが入っている国民健康保険にはこの制度はないのですが、会社員の方などが入っている協会けんぽや組合健保、公務員の共済組合にはこの傷病手当金という制度があります。

これは、業務外での怪我や病気で働くことができなくなった時に、連続で3日休んだ後に4日目から支給を受けられる制度になります。また、この3日間を待機期間といいます。

また、この傷病手当金が支給される他の条件は、給与などが支払われていないことで、このとき傷病手当よりも少ない金額しか支給されていない場合はその差額が支給されることになります。

支給される期間は支給されてから1年6ヶ月でこの間支給されなかった期間があってもその分延長されたりすることはありません。例えば、少し復職してもまた同じ病気で休むことになったといった場合です。

支給される金額は、支給開始日以前の継続した12ヶ月の各月の標準月額報酬の平均した額を30で割った3分の2が日額として公休日など関係なく休んでいた日数分支払われます。もし、おおよそでいいのであれば給与の平均を30で割った3分の2と考えて下さい。

この傷病手当金か、もしくは有給を適切に使うことで、逸失収入を補填することが出来るようになります。

 

7. まとめ

入院した時の費用を考える時に1番大事なことは貯蓄をしておくことです。これがいくら用意できるかによってとるべき対策というのが決まってきます。

次に公的医療保険制度を確認し、実際に入院した場合はどれくらいの費用を最終的に自己負担しなければいけないかを考えてみて下さい。この時、働けなることで生じる逸失収入のことも忘れないようにしましょう。

そして、最後に貯蓄に対して予想される費用がどれだけ足りないかで、加入すべき保険を検討して下さい。つまり、何をともあれ費用の主軸は貯蓄なのです。

ですので、全てを保険でどうにかしようとして無理に高額な保険に加入することは良くないです。ここを間違えずに自分にあった保険というものを探してみて下さい。

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