老後破産という言葉を知っていますか?
現在、「老後破産」が問題になっています。この老後破産は、年々増加傾向にありその対策を早期から実施していくことが大事だとされています。
しかし、まだまだ老後破産の対策を講じれていない人が多く、その問題はますます我が国の課題になるとさえ言われています。
そこで、今回は、「老後破産」の現状と、将来にそうならないための方法についてご紹介していきましょう。老後の生活が楽しくなるためにも、今から工夫をしていきませんか?
1:老後破産とは?
そもそも「老後破産」とは何でしょうか?
言葉通り、老後の生活になってから破産するということはご理解いただけると思いますが、本当にそんなことがあるの?などと思う方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは「老後」「破産」ということについてご紹介していきましょう。
1-1:そもそも「老後破産」とは何?
「老後破産」とは、「老後」におきる「破産」という文字通りのことです。
しかし、そもそも「老後」「破産」とは何かについてから整理していきましょう。
「老後」=人により様々な解釈があります。実際に、老人とは何歳からという定義は存在していません。人それぞれの感覚がありますが、多くの方が定年後というイメージを持っている方が多くいます。確かに、日本企業の一般的な定年(60歳)を迎えた先を老後を呼ぶ人が多くなります。これは、社会人として長年働いてきた1つの終焉であり、その節目を意識していること。そして、フルタイムで働いていた生活が終了することなどもあり、生活スタイルが変化することも影響しています。それだけではなく、多くの方が住宅ローンの終了や子育ての終了などのタイミングがこの時期であることも関係しています。
「破産」=破産とは、解りやすく言うと思わぬトラブル等で借りていたお金などの返済が出来なくなり、資産を失うことです。住宅ローンや自動車ローンから消費者金融などお金を借りる事は決して珍しくないですが、収入があり借りたお金を返済していけば何も問題はありませんが、収入がなくなった上で大きなお金が必要になった場合や、収入と支出のバランスが崩れることで、この破産という現象が起こるのです。
この2つのキーワードが組み合わさったのが、「老後破産」といわれる俗語です。勤め人である社会人が終了したのちに、破産という出来事が生じる。言い換えれば、社会人としての収入がなくなった時に破産という事態が生じることでもあります。現在では、国の施策である年金の支給開始年齢の見直しや年金支給額そのものの見直しもあり、老後の世代の収入が低下しているといわれています。
そして、そもそも、正規社員としてフルに働いていないことも多く企業からの給料という形での収入も低下している世代になりますので、様々な経済的な課題が残る時です。こうした際に起きてしまう「破産」という出来事は、かなりの精神的負担にもなりますし、そこから先の生活基盤の立て直しなども容易ではありません。そこで、老後破産の問題をより多くの人が理解し、それを防ぐ施策を構築する必要性が出てきています。
1-2:老後破産の増加率
老後破産という言葉を知らない方もまだまだ多くいます。そして、知っていても自分には関係ないと思う人も多いのが今の現状です。
しかし、老後破産とはすでに他人事ではなくなっています。そもそも、自己破産をする人の人口は増加傾向にあります。2017年に公式に発表されている数字をご紹介しましょう。自己破産をしている人の年齢割合は「40代=27%」「50代が21%」と主流となりますが、「60代が19%」となり老後世代の破産も少なくないことがわかっています。
そして、この「60代」の破産人口は増加しており、まだ現役で働いている50代の割合を超える勢いとされています。実際には、自己破産件数自体は2003年の23万件をピークとして年々さがり始めていましたが、2016年からは世の中の変化や金利の低迷化や正規・非正規社員の給料格差などの社会課題を受けて増加傾向に転じています。
直近の2017年では、自己破産件数6万8791件となり、現在では、老後破産の件数割合は20%程度、約1万4千件程度になる予測がされています。
つまり、もう他人事ではない時代に突入しているということです。こうした状況を踏まえると、今のうちから「老後破産」に対しての理解と対策を講じる必要性があるということをご理解いただけるのではないでしょうか。では、今度は、こうした「老後破産」が起きる原因について、ご紹介していきましょう。
2:老後破産の原因
老後破産が起きる原因には、いくつもの理由が考えられます。
もちろん、ここでご紹介していることが全てではありません。
ここでは、問題とされる大きな事柄について抜粋してご紹介していきます。
老後破産原因①|気持ちの問題
仕事が終わり自由な時間が増えた。そんな気持ちの解放感が1つの原因です。解放感は問題ありません。しかし、ここから先に生じる収入と支出のバランスを、ここでしっかりと把握することも大事です。確かに、今まで忙しくしてきた人であれば、あるほど、旅行に行きたい、●●をしたいという思いがあります。しかし、あくまでもバランスが大事ということに注意しましょう。もちろん、老後になる前に「したいことリスト」を作成し、予め準備をしておけば問題ありません。
老後破産原因②|病気やケガの治療費
年齢が高くなればなるほど、病気やケガをしやすいもの。そこで、生じる治療費が生活の負担になる方も多いのが実情です。また、若いうちに無理をしてきた結果がここに影響することもしばしばです。日頃から健康に気を付けているかどうかが、老後には大きく影響するといえます。
老後破産原因③|収入源の確保
やはり、この原因が外せない、大きな課題です。
既にご紹介していますが、老後になると現役時代よりも格段に収入が低下します。しかし、原因①で記載している通り、●●をする、●●を買うなどの大きな支出をしてしまう可能性があるので、収入面、貯蓄面などを考慮する必要性があります。
また、現在、現役の人は将来に貰える公的年金額が今よりも格段に低下する予測が出ています。年金があるから安心という時代ではなくなっています。同時に、多くの企業で退職金制度を廃止する動きがあります。定年時にまとまった退職金があるという時代にも終わりがきているということは、いかに自分で老後の貯えをしておかないといけないかが必然的にお分かりになると思います。
現在では、確かにシニア層をターゲットとした求人もあり以前に比べれば格段に働き続けることが可能な環境となりました。収入の低下については、そのまま働き続けるという方法もありますが、現役時代と同等の給料を得れる人は少ないとされるだけに、収入源の確保をするというのも1つの方法です。
現在、少子高齢化の影響もあり老後となる数年先には労働力の確保が難しい会社が増えています。そうした企業においては、「再雇用制度」を設けていたり、定年の年齢を引き上げる施策を講じています。現在、お勤めの企業にこうした制度がある場合には、積極的に活用する方法があります。しかし、こうした制度を利用する場合にも、「健康状態」「現職中の勤務態度」などが契約における基準となっている場合が多くあります。つまり、働く意思があっても勤務を継続する状態であることや現職中にどこまで会社に貢献しているかなどにより勤務できない場合があるということです。こうしたことも含め、今の時点で想定できる老後の収入源を整理しておくことや、そこで得られる収入の目安などを整理しておくことはとても大事なことになります。
老後破産原因④|家族の支援
原因③の収入源と関連しているのがこちらです。老後になれば子供が面倒を見てくれる。支援してくれると思っていても、実際には無理だったという声をお聞きすることが増えてきています。
これは、現在の少子高齢化により面倒を見てくれる子供の数が減少していること。そして、年功序列制度の廃止などにより子供の経済的な余裕がないというのも影響しています。お互いが一人子の場合に両方の家庭の両親を応援することは家庭の負担も大きく、それほどの支援はできないという結果になります。また、現在ではお子様が居ない家庭も多く、必然的に自分たちの生活は自分たちでという場合があります。
老後破産原因⑤|支出の問題
既にご紹介している治療費以外にも、住宅ローンが残っている場合や車の買い替えなどでまとまった費用が必要になる場合もあります。
そして、現在、増えているのが高齢出産をしたご家庭で定年後に子供が成人式を迎える場合や結婚をする場合の支出も大きな課題の1つです。喜ばしいことではありますが、どうしても支出する金額が大きくなることもあり予め想定していないと思ったことができないという結果にもなってしまいます。
この様に、収入が低下する部分がもっとも大きな側面として原因分析されています。しかし、使わなければいいという世代でもないということです。普通に生活していれば問題ないでしょう?と思う人も注意してください。年齢に応じて、病気やケガのリスク、そして長寿国日本だからこそ介護の問題などで様々な課題が残されているのです。
3:老後破産を防ぐ方法とは?
では、老後破産を防ぐ方法にはどんな方法があるのでしょうか。原因をいくつかご紹介していますが、対策をとればいいのです。決して、大変な準備をするということではありません。ただし、時間をかけてコツコツしていくことが大事だという点を踏まえて、その方法についてご紹介していきましょう。
3-1:貯蓄する
「貯蓄をする」という当たり前のことが、最も有効な施策の1つです。貯蓄といっても、現役時代でも物入りになる時はあります。住宅やマンションを購入した際、車を乗り換える場合や結婚、子供の出産や進学など様々なライフプランの変更が生じてきます。しかし、まったく貯蓄ができないということはありません。少しの家計見直しで、1000円、2000円でもOKです。まずは、貯蓄をする習慣を作ること。そして、どうしてもローンや支払いが多い場合には、できるだけ短期間に支払いをすることで利息(利子)を削減する方法もあります。
家族三人の場合の平均生活費は約25万円とされています。これも1つの指標です。各ご家庭により、収入のばらつきや支出の違いはありますが、家計の見直しの際によくモデルケースとして紹介される例をご紹介しておきましょう。
【男性30代 子供含む3人家庭の収支目安】
生活費内訳 |
目安の金額 |
家賃 |
約55,000~65,000円 ※駐車場代を含む場合にも差が広がります。 |
水道光熱費 |
約15,000円 ※ただし、冬などの季節は地域差が大きくなります。 |
食費 |
30,000~40,000円程度 ※お子様の年齢や性別により幅が出てきますが、1週間1万円と決めているご家庭が多い。 |
生活雑貨費 |
10,000円程度 |
通信費 |
6,000~10,000円程度 ※キャリアやプランに応じて幅が異なりますが、モデルケースの場合には、ここの見直しを優先的に進められます。 |
保険料 |
10,000~30,000円程度 ※加入していないご家庭が増えています。 |
教育費 |
10,000円前後 |
娯楽費 |
20,000円 |
お小遣い(夫) |
20,000円 |
貯金 |
84,000~30,000円 |
この様に、実際にモデルケースを参考にしても残る金額(貯蓄額)には幅があります。現在では、家計を圧迫するなどの理由で女性(主婦)の保険加入をしていないご家庭やそもそも家族全員が保険商品に加入していないご家庭も増えています。
また、家賃などは実家暮らしの場合にはかかりませんが賃貸などの場合には、住んでいる地域に応じて幅が異なる点も注意が必要です。
こうして計算してみると、貯蓄はできるという判断をするご家庭も多いのですが、実際には見えていないお金があります。つい遊びに行っている際にコンビニで買い物をしたや食費が少し超えたなどの場合に残りがあると考えて油断してしまい最終的には残金が無かったとう声も聞きますので、そうしたことが無いように家計簿などを取りながら予算と実際の収支の比較をしておくことも大事です。ここでいう家計簿ですが、細かくしすぎるのも問題です。整理するのに時間がかかり、挫折してしまう場合や意識しすぎてキツキツの生活となりストレスになる。こんな声も多いので、継続して付けることを意識しある程度の余裕を持たせることも大事です。
3-2:働き続ける
そして、「働き続ける」というのも方法の1つになります。ご紹介していますが定年後の再雇用制度を利用するなど、老後においても収入源を確保しておく方法もあります。ただし、働く先が現職中の職場でないといけないということではありません。今まで経験した業務経験を活かして他の職場を探す方法もあります。現在ではシニア向けの転職案内サイトなどもありますので、そうした場所を定年前から登録し活用する方法もあります。また、手に職をつけ独立開業をしておくなどの方法もあります。基本的には、どんな仕事でも継続して働くことで何らかの収入源を作るという方法は得策といます。
3-3:副業
現役時代に、副業をして家計に余裕を作り老後に備える方法も1つの方法として有効です。例えば、奥様がパートをする場合もそうでしょう。実際に、今している仕事にプラスαをする方法もあります。なんにせよ、現役時代に余裕ができればそれを使わずに貯蓄しておくということになります。これは、家計の見直しにより余裕が出た場合も同じです。
そして、今現在、家計が苦しいというご家庭はまずは収入を増やして余裕を作ること。ローンなどの返済を早期に終わらせる方法があります。ただし、企業によっては副業を禁止している場合も多々あります。あくまで、本業をおろそかにせず実施できることをしていくことが前提となります。
3-4:保険商品の活用
もう1つ有効な方法としてあるのが保険商品の活用です。ご紹介しているモデルケースの場でもご紹介していますが、現在保険商品に加入していないご家庭は意外とあります。この保険商品ですが、加入するかしないかは当然自由です。安価なモノも多く販売されていますが、この保険商品を老後の資金作りの為に活用するという方法があります。一家の大黒柱が現役世代に万が一があれば、それは老後のことを考える以前の問題です。現在の保険商品は、通常で銀行にお金を預けるよりも金利が良いのが特徴の1つです。そうしたメリットを最大限に活かして、若いうちは万が一に備える。そして老後には、保険商品を解約し解約返戻金を受け取る方法があります。この場合には、加入する保険商品は解約返戻金のあるタイプとなり掛け捨ての保険商品よりも割高になりますが、ある一定の年数を掛けておくことで老後でなくても返戻金を増やして手元に準備することが可能になります。
また、お子様の成長の側面から「学資保険」に加入し、現役時代には進学時の出費に備えておき、お子様が未成年の間に加入者(親)に万が一の場合には、払い込み免除の特約を利用し進学の道を担保する方法があります。学資保険の場合には、高齢出産の場合でも加入が可能ですので、こうした商品を利用することでお子様の大学進学時などに定年を迎えている場合でも、貯蓄を切り崩さなくても良い様にする方法があります。
また、Idecoなどの制度を利用して自分で年金を準備する個人年金型の保険商品に加入するなどの方法もあります。公的年金だけでは、不十分だと考える場合には現役時代に自分で年金を準備する方法です。
いくつかの方法をご紹介していますが、現役時代から無駄が生じにくいのは、やはり保険商品の活用という方法になります。副業の様に、会社の規則を意識する必要もありません。現役時代は、つまり働き盛りです。この時期に自分の体に何かあると老後どころの問題ではありません。
4:老後の計画の作り方
では、老後に破産をしたくないと思った場合にしなければいけないことがあります。それは「老後の計画」を立てることです。この老後の計画にどんな要素を組み入れないといけないのかをここではご紹介していきます。
4-1:老後に必要な資金はどの程度?
最初に知っておきたい老後の生活費など。つまり「資金がどの程度必要であるか」についてです。
例)25万円×12カ月×20年=6,000万
→モデケースと同じ生活をした場合の試算ですが、80歳まで生きていた場合にはこの金額になります。
※参考)平成29年総務省公開数値:老後に必要となる生活費の目安
家賃(賃貸の場合) |
50,000 |
食料 |
36,000 ※夫婦2名で1日1200円 |
光熱・水道 |
13,000 ※現役時代と変動はあまりなし |
家具・家事用品 |
6,000 |
被服及び履物 |
4,000 |
保健医療 |
8,000 |
交通・通信 |
14,000 ※年齢関係なく携帯電話を利用した場合 |
教養娯楽 |
17,000 ※月に1~2度夫婦で近隣を訪問する程度 |
諸雑費 |
14,000 |
交際費 |
19,000 ※子供や孫との飲食代を含む |
税・社会保険料等 |
15,000 |
支出合計 |
196,000 |
年金収入 |
146,000 ※平成29年度時点の数値 |
収支 |
▲50,000 |
総務省が公表している数値を基にご紹介しています。現在の公的年金を利用しても現役時代とほほ同じ生活はできません。逆にマイナスとなることをご理解いただけると思います。
仮に、この表を基に計算すると
◇-50,000円 × 12カ月 × 20年 = 1200万円の赤字となります。
しかし、これは、見ての通り贅沢をしていない、大きな病気にもかかっていない場合の数値です。つまり、貯蓄がなけければ余裕はなくマイナスになるしかないということです。具体的な例を踏まえてご紹介しましょう。
①車の購入 5年ごとに車を乗り換える前提
→60歳、65歳、70歳 300万円×3回=900万円
②治療費
→月に2万円(1人1万円/月)×12カ月×20年=480万円
③夫婦で旅行
→年2回×10万円×20年=400万円
どうでしょうか。③の旅行などは、贅沢と考える方もいらっしゃいますが、時間ができた老後に楽しむには多少の余裕が必要になります。
この他にも様々な経費を想定した場合、定年時には約4000~6000万円程度の貯蓄が必要となります。ただし、注意しておいて頂きたいのが治療費です。ここでご紹介しているのは、あくまで入院などがない場合の費用です。つまり、入院などをすると必然的にプラスαの費用が必要になるということです。
最終的に老後の心配をするのであれば、やはりある程度の備えをしておかなければいけないという結論に至るのです。
4-2:老後の計画(未来プラン)の作り方
では、こうした必要経費を踏まえて、どんな未来プランを作ると良いかという点もご紹介します。
①基本項目の整理
最初にしておきたいのは、基本項目(生活費の基礎)を整理することです。
家賃 |
・住宅ローンがある場合には、その支払い金額を整理する。 |
食料 |
・現在の食費を基に計算をする。 夫婦の場合には、月1万円程度を予算化すると数回の外食もOKになります。 |
光熱・水道 |
・現在の利用料金を参考に |
家具・家事用品 |
・年数が古くなったモノを買い替える予定を組み込んでおく。 |
被服及び履物 |
・年数が古くなったモノを買い替える予定を組み込んでおく。 ・下着などの必需品は、予め予算化しておく。 |
保健医療 |
・医療費は現状よりもプラスαを見ておくこと。特に、入院費を毎月予算化する必要はないが、ある程度の想定をしておくことが大事。 |
交通・通信 |
・現状の利用料金よりも安価になるプランの検討を。 |
教養娯楽 |
・夫婦の時間を大事にしたいのであれば、ここは計画を立てる必要あり。 海外旅行などは、まつまった費用が必要になる。 |
諸雑費 |
・急な出費に備える費用として、月3万円程度は予算化すること。 |
交際費 |
・近所の集まりや友人との食事用 |
税・社会保険料等 |
・老後の差し引かれる税金を考慮 |
支出合計 |
合計金額 |
年金収入 |
想定される年金を考慮 |
収支 |
残りがどうなるのか? |
②プラスαの計画
①は日常の生活をしておく上で必要な事柄がメインとなります。それ以外にも、旅行、孫の誕生、家のリフォームなど、わくわくすることを計画するのも老後の楽しみです。特に現役時代は忙しかったということ、家庭を守ってくれた感謝の気持ちで夫婦の旅行を楽しむ方も多くいます。こうした部分を備えるとなれば、いつ頃にどこに行きたいかなども整理しておくと、後々の予算化に便利です。
5:老後を楽しむために
最終的に、老後破産を避けるというよりも老後の生活をどう楽しみ、どう過ごすかが大事になります。
現在では、様々な書籍や雑誌で老後の生活に対しての備えや心構えを紹介しています。そうした特集は、どうしても投資や預金の紹介と連動していくのですが、そうした内容を理解して備えていくのも1つの方法です。もちろん、きっちりと退職金があるので安泰という人もいますので、そうした方は、今度は使い過ぎに注意をする必要があるといえます。宝くじにあたった人の多くは破産するということを聞いたことがあると思います。人間は、ある程度、まとまった金額を手にすると気持ちが大きくなり、予定していた以上の買い物などをする傾向にあります。退職金も同じです。あるからといって、派手に使ってしまっては、そこから先の長い期間に資金不足の課題が生じてしまいます。結果は、老後にどうした生活を送りたいか、それだけの資金があるか。という課題でしかないということです。
老後を楽しむために、チェックするポイントをご紹介しましょう。
老後の楽しみ方①|家族
→今まで以上に家族と過ごす時間を確保できるようになります。家族と過ごすなら、どんな時間を楽しみたいか。一緒にしたいことはなにかを整理してみる。
老後の楽しみ方②|友人
→友人との時間も家族と同様に確保しやすくなります。友人と一緒に何をするかなど考えてみるのも1つです。
老後の楽しみ方③|仕事
→改めて、仕事という事柄に対して考えてみるのも方法の1つです。リタイヤするのも、継続するのも、まったく新しい分野にチャレンジするのも自由自在。
老後の楽しみ方④|様々なチャレンジ
・国外、国内旅行
・お稽古事
・ゴルフなどのスポーツ
・ボランティア活動
・海外永住
等、いずれはと思っていたことを具体的にしていく方法もあります。
こうして列挙すると、楽しみなことが多いと感じていただけますか?
「死ぬまでにしたいこと100のリスト」などとも呼ばれているのでご存知の方も多いと思いますが、実際にしたいことを一度、自分自身でそして家族で話あってリストアップするのも良いでしょう。そうすることで、自分や家族が何を楽しみにしているのか。場合によっては、現役時代にできてしまうこともあります。逆に、現役時代では用意を開始していないといけないこともわかってくるのではないでしょうか。老後が楽しみになれば、今の生活もわくわくすることが増えてくるはずです。
6:まとめ
いかがでしたか?
「老後破産」というテーマでご紹介してきました。自分のことではないと思っている人も多いのが実情ですが、現在よりも先、つまり、この記事をお読みの方の将来には現在よりも多くに割合で老後破産ということを体験する時代と言われています。どんなに努力しても、年齢を重ねることで体力は落ちます。しかし、気持ちの部分で若くい続けることは可能です。そして、どんなにワクワクした予定を立てても健康でなければ楽しむことができません。それだけではなく金銭的な余裕もやはり大事です。
そこで、いくつかの対策をご紹介しています。その中で可能な対応をして頂くことで老後の心配を払拭する方法があります。しかし、全てが完璧でこれさえやれば問題なし。と言い切れることは少ないということが実情です。つまり、完璧な対策はないことになります。こうして端的に言ってしまうと不安になる方も多いでしょう。しかし、これは仕方ないといえます。今と十年後では物価の考え方も異なります。そして、将来、どの様な収入源が準備できているか。こうしたことを考えるだけでも、いくつもの選択肢を想像することが可能になります。最終的には、どの選択肢を選び、どれを準備していくか、準備できているかで変わるということを念頭のおいて頂きたいと思います。
老後は、誰にでも訪れるものです。だからこそ、楽しい老後を迎えること。現役時代ではできなかったことをする。ゆっくりとした時間を楽しむ。様々な想いを実現できるように。そして、老後破産をすることなく楽しめる様に今から準備をして頂きたいと思います。今から準備することは決して無駄にはなりません。逆に、自分の将来の安心を作ることになるということを理解してください。楽しい老後を送れるかどうか、それは自分次第だということです。