20代の若い方は、生命保険は必要ないと捉えている方も多いかもしれません。
生命保険は貯蓄目的でも活用できることをご存知でしたか?
20代におすすめの生命保険や、活用方などをご紹介していきます。
目次
20代からの生命保険の加入率や月額の相場は?
「死亡したりケガや病気などで働くことが出来なくなったりした場合のリスクに備えて、お金を準備するため」
というのが保険の加入理由です。
20代の生命保険の加入率・月額の相場は?
生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると世帯主年齢が20代での生命保険の加入率は「79.2%」です。
10人に8人ほどが保険に加入していることになります。
また、平均金額23.3万円が20代の年間払込保険料です。
また20代の平均死亡保険金額の平均は2,475万円となります。
これは世帯主1人だけの場合だと全年代で1,509万円となっており、配偶者がいる場合は平均金額も高くなっています。
20代で大きな保障内容の保険に加入する必要性は薄い
20代というと、社会に出て活発に行動されている時期だと言えます。
そして健康状態も良好な場合には、どのような生命保険に加入すれば良いのかと悩んでしまうかもしれません。
松葉 直隆
死亡保障も葬式の資金に充てられる分の額で十分ですし、病気やケガで入院した場合も「高額療養費」の制度を利用すれひと月あたり約9万円で医療費は賄う事が出来ます。
また必要を感じる方は、がん保険や三大疾病をカバーする保険に加入するのも良いでしょう。
男性・女性別の20代の生命保険事情
20代の男性でまだまだ結婚の予定もなくて病気をせずに健康であると、生命保険への加入は必要ないと思うかもしれません。
ですが、将来を見据えて貯蓄性の高い生命保険へ加入して老後の蓄えにと考えている方もいるかもしれません。
金銭的負担や、若いから大丈夫という思い込みによって、20代のうちには生命保険加入を渋ってしまうかもしれません。
松葉 直隆
20代から生命保険に入る必要性
どうして20代から生命保険の加入が必要なのかという所から考えていきましょう。
保険が必要な人
- 保険に入る何かしらの目的がある
- 収入はそこそこあるが貯蓄がない(これから貯蓄する)
- 保険に入っていないと落ち着かない
保険へ加入する目的がはっきりとあるのであれば、保険に加入しても問題ありません。
収入があっても貯蓄がない人や、貯蓄がたまるまでに備えたいという人にも生命保険への加入をおすすめできます。
保険は何歳から必要?
生命保険に加入するのは、結婚して子供が生まれてからでも遅くありません。
松葉 直隆
20歳独身で生命保険に入る必要性は?
社会人になると、生命保険に加入するのが当たり前というような風潮がありますが、無理に加入する必要はありません。
病気や怪我で亡くなる可能性は、男性8.1%、女性4.3%とかなり少なく、60歳まで生きる人が多いからです。
20代から生命保険に加入するメリット
万が一に備えながら資産形成が出来る
松葉 直隆
終身型で契約していたが万が一の場合に備える必要が亡くなったという場合、保険を解約して老後の生活費に回すことも出来ます。
また、孫の教育費も貯蓄しておくことができるのです。
税金対策になる
亡くなった人が資産を遺していると、相続税が発生します。
ですが生命保険を利用すると相続税対策ができます。
生命保険料を相続の対象となる貯蓄から支払っておけば、その分、相続すべき財産が減っていくのです。
また、生命保険の保険金には一定の控除が設けられています。
非課税内の場合、相続税を発生させずに保険金を受取可能です。
生命保険を相続の対象となる貯蓄から支払っておけば、その分相続すべき財産が減っていくのです。
ライフプランに合わせた保障が受けられる
生命保険は大きく分けて4種類あり、満期金や死亡保険金を自由に決められる商品が多いです。
生命保険の利用によって、収入や老後生活の最適な保障を受けられます。
20代から生命保険に加入するのは不要といわれる理由
十分な貯蓄がある
保険は自分で賄いきれない部分を補うために加入するものです。
貯蓄が十分にあれば、他の投資を利用した方が効率よく資産の運用ができることがほとんどです。
独身で扶養する人がいない
松葉 直隆
死亡時の保険金は親や兄弟や受取人となることが多く、残された家族にとっては、必要最低限の備えにしかならないことも多いです。
不要な人でも生命保険を活用できる
ただし保険が不要な人でも生命保険が活用できるケースも存在します。
生命保険の中でも終身保険には貯蓄性があって中・長期的にお金をためていくことが出来ます。
老齢年金だけで生活が厳しいと言われている時代です。
松葉 直隆
具体例の一つとして生命保険である低解約返戻金型終身保険を使って老後資金を貯めるという方法があります。
また解約返戻金型終身保険は、保険料払込終了後に解約すると支払った保険料の総額よりも大きな解約返戻金を受取ることが出来ます。
また相続税対策としても使うことが出来ます。
生命保険の保険金を相続人が受け取る場合は一定の金額までは相続税がかからずに済みます。
その非課税枠は「500万円×法定相続人の数」となっています。
相続税には元々基礎控除などの非課税枠がありますが、それらを超えて税金がかかる場合には生命保険の非課税枠が生きてきます。
なので遺族に十分な資産を残せる人こそ、相続税の節税に生命保険を活用することが出来るのです。
また遺産を確実に渡すために生命保険を使います。
遺産相続を「遺産争族」などと言う事があるように、誰が何を相続するのかで、遺族が揉める場合があります。
それに備えて遺言を用意するというのが基本になりますが、生命保険を使えば受取人を限定出来ますので、特定の人に受け取ってほしい金額を確実に残すことが出来るのです。
また資産が現金であれば、遺言で遺産を分け合うことが容易なのですが、資産の大部分が居住している家や土地であったり、所有している会社であったりした場合は遺族が分け合うことが難しくなってきます。
このように生命保険は相続税対策にうまく活用することが出来て、そのような視点では遺族のための生活保障が不要な資産家こそ必要になってくるのです。
20代で生命保険に入る目的とは?
葬式代の準備
保険の相談を保険屋さんにすると、葬式代を準備するために終身保険に入りましょうと言われることがよくあります。
終身保険は保険期間が一生涯にわたる貯蓄型の死亡保険で、例えば200万円で契約すればいつ死亡しても必ず200万円を受け取ることが出来ます。
ですが葬式代が200万円も掛かるとは限りません。
最低限の整理だけで済ませるなら20万円程度で何とかなるでしょう。
それなら貯蓄でも賄うことが出来るでしょうから保険に備えなければいけないわけではありません。
病気やケガに備える
病気やケガに備える保険については治療費の支出に備えるという点と仕事を長い間、休まざるを得ない場合の収入減少に備える点となります。
医療保険は入院した時に保険金を受け取ることが出来る保険になります。
健康保険には高額療養費制度があり、たとえ入院をしていても短期間ならそれほど高額な費用はかかりません。
そのために医療保険は不要だという専門家も多くいるのですが、病気の種類によっては医療保険が効果を発揮する場合もあり、貯蓄できちんと蓄えていれば無理に加入する保険ではないと言えます。
松葉 直隆
ただし働くことが出来ない状態になったらすぐに保険金を受取ることが出来るわけではありません。
老後の準備
保険でも老後の準備をするのであれば通常は個人年金保険を考えるかもしれません。
個人年金保険は保険ですがほぼ貯蓄に近い商品にになります。
保険料の払込が終わった後に死亡するまでずっと年金と言う名の保険金が受け取れるなら良いのですが、実際は年金を受け取れる期間に限りがある商品が大半になります。
また個人年金保険は契約時の利率が固定されてしまう商品が多くて、その後の金利上昇やインフレに対応できない弱点があります。
所得税や住民税の優遇措置を受けることが出来るので、メリットがない商品ではないのですが、インフレに対応できない弱点もあります。
所得税や住民税の優遇措置を受けることが出来るので、メリットがない商品ではないのですが、積極的にお勧めは出来ません。
もしそうであれば安全性の高い商品に投資をするのが良いでしょう。
資産運用
- 保険会社による運用益が得られる
- 所得税や住民税の優遇措置が受けられる
資産運用目的で使える保険は貯蓄型の保険であり、例えば終身保険や養老保険、学資保険、変額保険などがあります。
貯蓄型保険を活用すると保険会社が「予定利率」という形で利回りを約束します。
その結果として保険料として払ったお金が増えて戻ってくるのです。
ですが加入してから一定の期間内に解約すると、払い込んだ保険料よりも少ないお金しか戻らずに損をしてしまうというリスクがあります。
中途解約をしても損をしないタイミングは代理店に行って試算してもらわないとわかりません。
またそのような商品は多くありますので、損をしないタイミングはやはり代理店に行って試算してもらわないといけません。
では生命保険に入らずに貯蓄する方法があるのでしょうか?
生命保険に入らない他の方法は?
保険が必要だと思っていても、もう一度代替案はないかと検討するようにしましょう。
保険以外の方法で同じ効果が得られるのであれば、わざわざ加入する必要もありません。
貯蓄をする
保険の代替案としてまず挙げられるのが貯蓄をすることです。
毎月支払う保険料分のお金を貯蓄することで賄える可能性があります。
また貯蓄の場合は保険金が支払われるような事態の他にも現金を引き出すことがあります。
松葉 直隆
定期預金であれば簡単に引き出すことが出来ますし、預金は基本的に元本が保証されています。
ものを買わない
2つ目の方法はものを買わないことです。
例えば車を買えば自動車保険に家を買えば火災保険に加入しなければいけません。
さらにローンを組んでそれの返済もしなければいけません。
もし車が無くても十分に生活をすることが出来るのであれば、わざわざそれを購入する必要はありません。
保険もローンも組む必要がないのです。
「社会人になったら車を買う」といった憧れで購入するのはうれしいかもしれませんがそんな時代ではもうありません。
返済地獄があなたを待っているだけなのです。
松葉 直隆
違うことにお金を使う
保険の根本的な効果は安心を得られることです。
例えば病気やケガになっても少しでも不安を弱らげるのが保険なのです。
また現在の医療保険は入院保険が主流なのですが、政府は高齢者の医療費を削減するために入院期間の短縮化を進めています。
松葉 直隆
20代で生命保険が不要な人
では反対に生命保険が不要な人はどんな人なのでしょうか?
貯蓄が十分にある
まずは貯蓄が十分にある人です。
貯蓄が十分にある方はわざわざ生命保険に加入する必要はありません。
例えば生命保険文化センターでは生命保険への加入金額は男性で1,882万円で女性は876万円となっています。
性別や年齢別に注目すると年齢では40代が最も高くなっており、性別では男性で2,460万円、女性では1,032万円が保険金額の平均となっています。
まだ若く、単身世帯である
例えば20代で独身の世帯であれば生命保険に加入する必要はないのです。
収入があまり高くない状態で生命保険に加入をしても固定費がかさむだけになります。
よほど不安を抱えていない限りは保険料の分を貯蓄に回すほうが懸命です。
必要性を感じない
松葉 直隆
「親が言うから」といったような理由で加入するのはお勧めできません。
20代で生命保険に加入するには定期型と終身型のどちらがおすすめ?
実は、定期保険と終身保険の定義は保険会社によって変わってきます。
基本的には定期保険は掛け捨てで終身保険は積立タイプとなっています。
- 定期保険:保険期間の自動更新や他の保険への変更が比較的自由にできる保険
- 終身保険:一生涯保障が続く保険
積立型は、死亡保険で終身の場合が多く、終身保険と呼ばれるものはたいてい該当します。
死亡保障の無い医療保険では終身タイプでも掛け捨てになっている場合がほとんどなのです。
定期は、はっきりとした契約期間を選択し、定年までの場合、年齢で決められています。
終身保険は定期保険同様、保障が一生涯続きます。
終身は保険料が高くなりますが決められた払込期間まで支払うと、その後は保険料を支払う必要がありません。
有期払いは、保険料を支払った後も解約しない限り契約が続きます。
死亡保障などの貯蓄性がある終身保険は、解約返戻金が多くなっていくため、確認する必要があります。
定期保険のメリットとデメリット
松葉 直隆
反対に年齢が上がると掛け金も比例して上がっていくのは、デメリットと言えるでしょう。
20代で定期保険に加入した場合、保険料は比較少額です。
しかし、契約更新時に掛け金も上がります。
例えば25歳で定期の医療保険に加入した場合、35歳になると契約満了になってしまいますが、そのまま同じ保険を更新する場合は月々の保険料は上がります。
終身保険のメリットとデメリット
松葉 直隆
特約を付けた場合にその分だけ保険料が上がる場合もありますが、保障内容が厚くなります。
反対にデメリットは、加入時の年齢が上がれば上がるほど月々の保険料が高くなる点です。
20代で終身保険に加入すると月々の保険料は安いままで継続でき、積立型の場合、支払い続けると返戻金もあります。
しかし、途中解約すると返戻金は支払った金額よりも低くなります。
また、解約し新規で終身保険に加入すると保険料が跳ね上がります。
若いうちは定期保険で月々の負担を減らすのがおすすめ
返戻金があり、コスパが高いと言える終身保険ですが、返戻金がない場合は定期保険の方がコスパが高く自由度もあります。
終身保険の返戻金は投資と同じような仕組みですが、利率が低く他投資と比べてもほとんど増えるお金がありません。
また途中で解約する人がとても多く、支払った金額よりも少ない返戻金しか受け取れないということが殆どです。
松葉 直隆
まとめ
結婚や子供の誕生を機に、生命保険への加入を考える人も増えてきます。
事前に知識があった方が、より良い保険選びを行うことができるでしょう。
松葉 直隆