確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

1年間にかかった医療費の一部を所得から差し引くことができる医療費控除は、確定申告の時期になると注目されます。

しかし、医療費控除の対象にはどんなものがあるのか、気になることではないでしょうか。

今回は、医療費控除の対象にはどのようなことがなるのか、対象とならないのはどんなことなのか、分かりやすく解説していきますので最後までお読みください。

1.医療費控除とは

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

医療費控除とは、年間に医療費を一定額以上支払った場合に、納めた税金の一部が戻ってくるというものです。

ただし、医療費控除を受けるためには、会社員であっても確定申告をする必要があります。

最初に医療費控除の仕組みや、どのような場合に医療費控除が受けられるのか解説していきます。

1.1医療費控除の仕組み

医療費控除について多くの方が勘違いしていることに、支払った医療費の額がそのまま還付されると思っていることがあげられます。

実は、医療費控除は税金を、支払った医療費に応じて計算し直すというものです。

給与を支払われている会社員の場合は、給与から医療費控除によって天引きされた所得税の還付を受けることができます。

自営業者の場合は、確定申告で医療費控除を受けることによって節税効果が見込めると言えます。

1.2医療費の合計が10万円を超えると控除が受けられる

医療費控除の対象になる金額は、1年間に支払った医療費から保険金などで補填された額と10万円を引いた額となります。

なお、支払った医療費から保険金で補填される額として差し引くのは、

  • 生命保険の入院給付金
  • 健康保険で支払われる高額療養費
  • 出産育児一時金

などが含まれます。

また、上限額が200万円となっています。

ただし、総所得が200万円以下の人の場合には、10万円という金額ではなくて、総所得の5%を引いた額となります。

計算方法としては、次のようになります。

医療費控除額(上限200万円)=医療費(保険金で補填された額を除く)-10万円(総所得が200万円以下の人は総所得金額の5%)

例:
医療費控除額90万円=手術・入院費用200万円-保険金100万円-10万円
医療費控除額28万円=出産・入院費用80万円-出産一時金42万円-10万円

1.3医療費控除は家族の分もまとめて申告可能

医療費控除の対象となる医療費は、確定申告をする年の1月1日から12月31日までに支払った金額となります。

自分以外にも生計を同一にする家族の分もまとめて申告することが可能です。

なお、所得税は累進課税です。

ですから、税負担を減らせる額を大きくするためには、家族の中で一番所得の多い人が家族の分をもまとめて医療費控除を申告することです。

同居は要件ではありません。

控除対象には、生計が同一であれば、例えば一人暮らしをしている大学生の子供の医療費や単身赴任中の父親の医療費なども含まれます。

2.医療費控除の対象になるものと対象にならないもの

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

それでは、医療費控除の対象になるものと対象にならないものかどうかの判断はどうやって行うのかを解説します。

医療費控除の対象は大きく分けて「治療を目的とした医療費」か「予防を目的とした医療費」かにより判断されます。

2.1医療費控除の対象になるもの

医療費控除の対象になるものは、治療を目的とした医療行為に支払った費用についてです。

おもなものとして、次のものがあげられます。

  • 病院での診療費・治療費・入院費
  • 医師が処方した処方箋をもとに購入した医薬品の費用
  • 治療に必要な医療器具の購入費用
  • 治療のためのリハビリ・マッサージ費用
  • 通院するために必要な交通費
  • 子供の歯列矯正費用
  • 保険適用外の費用を含んだ歯の治療費
  • 介護保険の対象となる介護費用

なお、医療機関に支払う診察費やお薬代には、保険外診療のものも含まれます。

また、医療費控除の対象には、風邪薬など薬局で購入する市販の薬もなる場合があります。

更に、入院中の食事代も含まれますし、妊娠・出産の場合は、不妊治療費用、検査代や定期健診、出産や入院のための費用についても対象となります。

歯の治療を行う際に、保険適用外である高価な材料を使ったという場合も含まれます。

歯列の矯正では、子供の歯の嚙み合わせを直す目的で施術を受けた場合は適用されます。

また、医療費控除の対象として医療機関に通院や入院をするための交通費も、公共の交通機関によるバスや電車などを利用した場合は対象となります。

なお、急を要している場合や公共交通機関が出来ない場合はタクシーの利用ができますが、領収書の添付が申告の際に必要となります。

2.2医療費控除の対象にならないもの

医療費控除の対象にならないものとしては、医療費が病気の予防を目的とした場合です。

対象外の具体的例として、次のものがあげられます。

  • 病気が発見され治療をした場合は対象になりますが、人間ドックなど健康診断の費用
  • 予防注射にかかった費用
  • 美容整形のための治療費用
  • 漢方薬やビタミン剤の購入費用
  • マイカーで通院する際のガソリン代や駐車料金
  • 里帰り出産のために実家へ返った際の交通費
  • 自己都合で利用した差額ベッド代

例えば、ビタミン剤は健康増進が目的とされますので、薬局で購入した薬の中でも含まれません。

自家用車のガソリン代や駐車料金は医療費控除の交通費としては含められません。

子供には認められている歯列矯正も、大人の場合は美容目的とされるため対象外となります。

2.3医療費控除の対象になるかどうかの判断基準

このように、所得税法には医療費控除に該当するものすべてが書かれているわけではありません。

しかし、所得税法の例示規定には、あるキーワードが読み取れます。

そのキーワードとは、次の3つです。

  • 医師又は歯科医師
  • 治療又は療養
  • 病院、診療所又は助産所

このキーワードから読み取れることは、

  • 診療や治療などで
  • 診療所など認定を受けている場所で
  • 医師などの有資格者が行うものである

ということが判断基準となるのではないでしょうか。

2.3.1治療が目的なら医療費控除の対象

したがって、例えば脊椎矯正治療であるカイロプラクティックを有資格者の医師やあん摩・マッサージ・指圧・柔道整復師が行う場合には医療費控除の対象となります。

しかし、国家資格を持っていない人が行う場合には対象外となります。

また、医療費控除の対象となるものとしてコンタクトレンズや眼鏡などについても医師により治療上必要とされ、治療方法に合致するものであれば対象となります。

更に医療費控除の対処となるものとして「不妊治療」があげられます。

不妊治療は治療が目的ですから対象ということになります。

2.3.2美容・健康維持・予防が目的なら医療費控除の対象外

医療費控除の対象外として美容・健康維持・予防が目的ならなります。

例えば、

  • 予防接種
  • 美容のための
  • 疲労回復
  • 健康増進

などです。

咀嚼障害のため治療として行われるインプラントや歯列矯正の費用は医療費控除の対象となりますが、「美容目的」ということであれば対象外となります。

つまり、医療費控除の対象には治療・療養目的であればなりますが、健康維持など治療・療養目的以外であれば対象外になると言うことです。

市販薬であっても、治療のために購入する風邪薬の購入費は、医療費控除の対象になります。

しかし、医師に処置してもらったインフルエンザの予防接種は、医師によって行われたとしても目的が治療・療養ではなく「健康維持のため」となるので、医療費控除の対象とはならないのです。

目的が「予防」でうける、乳幼児のB型肝炎やおたふく風邪、ロタウイルスなどの予防接種についても、この際の費用も原則的には医療費控除の対象外です。

ただし、医療費控除の対象となる場合があります。

それは、家族にB型肝炎の患者さんがいて、B型肝炎ワクチンを医師のすすすめで接種した場合です。

3.医療費控除の対象は時代とともに変わる

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

医療費控除の対象については、国の福祉の充実といった政策や、医学の世界の進歩が著しいこともあって対象も徐々に拡大傾向にあります。

医療費控除の対象は時代とともに変わっていくと言うことがいえます。

3.1近年、医療費控除の対象に加わったもの

最近、医療費控除の対象に加わったものとして、税制改正では、次のようなものが医療費控除の対象として認められております。

  • 治療のために、医師が患者に運動療法を指定運動療法施設を利用して行わせた場合
  • 介護保険制度の下で1~5の要介護認定の適用を受けた場合に、指定介護老人福祉施設に入所する介護費の標準負担額の1/2
  • 骨髄移植を血縁者間以外から受けた患者が財団法人骨髄移植財団に支払う負担金
  • 視力回治療のために行う回復レーザー手術(レーシック手術)の費用
  • オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)の費用
  • 介護福祉士等が診療の補助として行う喀痰(かくたん)吸引等に係る自己負担額

3.2メタボ健診で指導を受け、医療費を支払った場合は注意

いわゆるメタボ健診の結果により特定保健指導を受け、その費用を支払った場合の処理については注意して下さい。

例えば、メタボ健診の結果、メタボリックシンドロームに該当して、糖尿病、脂質異常症、高血圧症と同等の状態であると認められる基準に該当したとします。

その人に対し、医師は「動機付け支援」と「積極的支援」を行う場合があります。

このうち特定保健指導の「動機付け支援」として行われる指導料は、医療費控除の対象となる医療費に該当しないこととされています。

4.セルフメディケーション税制がスタート!10万円以下でも控除が可能に

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

医療費控除は1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合、超えた額が所得から控除されて税金が還付・減額される制度です。

しかし、年間の医療費の支払いがこの制度を利用できるほど多くないという方も少なくないのではないでしよぅか。

そのような方でも、特定の成分を含むOTC医薬品を1年間に12,000円以上購入し、更にその年に会社の健康診断や自治体のメタボ検診などを受けていれば、税金が還付・減額される制度が2017年1月から始まっております。

健康診断などとは、法律や法令で定めで行われている特定健康診査・予防接種・定期健康診査・健康診査・がん検診のことです。

これらのうちいずれかを受けていれば対象となります。

※OTC医薬品(一般用医薬品):薬局・薬店・ドラッグストアなどで販売されている医薬品で、その語源は、英語の「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略で、カウンター越しにお薬を販売するかたちに由来しています。

4.1期間

期間については、

平成29年1月1日~平成33年12月31日

なので、最初の確定申告で適用となるのは平成30年3月期に行う申告となります。

4.2特例の対象となる人・ケース

特例の対象となる人・ケースは、健康増進への一定の取り組みを行っている人とあります。

そのためには次のいずれかを受けている必要があり、それを証する書類として次の書類が必要となります。

  • 特定健康診査、いわゆるメタボ健診・・・領収証又は結果通知表
  • 定期健康診断・・・勤務先の名称を記載した結果通知表
  • 人間ドック・・・・領収証又は結果通知表
  • 市区町村で行うがん検診・・・領収書または結果通知表
  • 予防接種・・・領収書または予防接種済証

これらのいずれかを受けた場合は、特例を受けるために結果通知書等は必要な書類となりますのできちんと保管しておきましょう。

4.3所得控除の金額

所得控除の金額は、世帯合計で1年間に支払った費用が1万2,000円を超えるときに、その超える分の金額が課税所得から差し引かれ、減税となります。

所得控除の最大限度額は8万8,000円です。

4.4どんな市販薬が控除の対象になっているのか

どんな市販薬が控除の対象になっているのかと言いますと、対象となる医薬品は、医療用薬品のうち市販薬にスイッチされたという条件が付きます。

商品名が、内容成分も含め、厚労省のホームページで公開され、随時更新されていきます。

ご家庭で使っている医薬品が対象商品に含まれているか確認するとよいでしょう。

また「購入しようとしている医薬品が新しい医療費控除の対象であるかどうか」については、購入するときに薬局で相談して下さい。

ただし、この特例と従来の医療費控除は同時に受けられませんので、いずれかの選択適用となります。

しかし、医療費控除は適用が受けられなくても、この新制度であれば適用される人がいるのではないでしょうか。

5.不妊治療の費用は医療費控除の対象になる

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

不妊治療にかかった費用も医療費控除の制度では、申請することができます。

不妊治療を行っている方にはも申請すると不妊治療にかかった費用の一部が戻ってきて、住民税が軽減されます。

5.1不妊治療はどこまで医療費控除の対象になるの?

不妊治療を続けている方の不妊治療には多額のお金がかかります。

そこで利用したいのが、医療費控除や助成金の制度です。

医療費控除と、自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。

自分だけでなく、生計をともにする世帯で申請できますので、家族分の医療費すべてを計算します。

申請できる期間は、過去5年までさかのぼって申請可能です。

医療費控除の対象になる金額は1年間に支払った医療費が10万円から上限が200万円までです。

5.2医療費控除の対象になる不妊治療の費用は?

医療費控除の対象になる不妊治療の費用は、不妊治療の治療費、検査代、お薬代、不妊治療のために行われた鍼治療やマッサージ代です。

その他、病院に行くときの往復の交通費についても対象となりますので、電車やバスなど公共交通機関を利用した日と交通手段、駅名、料金をメモしておいて下さい。

ただしタクシーは急を要する場合や公共交通機関を利用できない場合しか利用できません。

ただ、足を怪我して動けないなどの理由がある場合は利用できますので、タクシーを利用しなければならなかった理由をメモ書きしておくとよいでしょう。

5.3医療費控除が申請できる条件は?

医療費控除が申請できる条件は、その年の1月から12月までの1年間の医療費が10万円を超えていた場合に、医療費控除の申請ができます。

医療費控除は自分だけでなく、世帯で申請しますので、医療費が世帯の全員で10万円超えていたら申請できます。

10万円を超えていない場合でも、年収から経費を差し引いた額の所得の5%が10万未満の場合は、医療費控除ができますので、源泉徴収書を確認してみて下さい。

例えば、給与と賞与の合計が150万円台で、45,000円以上の医療費がかかっているということであれば、医療費控除が行えます。

共働きで夫婦ともに収入がある場合の請求者は、生計が同じ家族で申請するので、医療費控除の申請はどちらからでもができます。

ただし、収入が多い方が申請した方の還付金は多いので、収入が多い方が申請することをおすすめです。

しかし、法律上では同じ世帯として認められない入籍していない事実婚のカップルは、医療費をまとめて申告できません。

5.4不妊治療の医療費控除の方法は?

不妊治療の医療費控除の方法について、具体的に、医療費控除の申請方法や戻ってくる金額、不妊治療の医療費控除の注意点を解説します

確定申告とともに、医療費控除の申請は行います。

申請用紙の入手には、国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署でもらって下さい。

確定申告書の書き方が複雑でよくわからない場合は、税務署の担当者の所で尋ねて下さい。

担当者は書き方を教えてくれたり、代行して書いてくれたりします。

申請に要なものは次のものです。

  • 医療費の領収書とレシート
  • 源泉徴収票の原本
  • 医療費控除分の内訳
  • 身分証明書
  • お金を受け取る口座情報
  • 印鑑
  • 確定申告書

交通費についてはメモ書きなどの添付でも大丈夫です。

必ず医療費のレシートや領収書は捨てずに取っておいて下さい。

念のために関係ないかもしれないと思うレシートも捨てずに取っておいて、申請のときに対象になるか尋ねてみると、対象になる場合もありますから、捨てずに取っておくことをおススメします。

医療費控除の申請は、最寄りの税務署に、確定申告書と必要書類を一緒に提出します。

確定申告の時期になると、出張相談を市役所や区役所などで行っている場合もあるので、そちらで提出可能な場合もあります。

医療費控除で戻ってくる金額は、かかった医療費から、10万と支払いを受けた保険金、助成金を差し引いた金額が対象となります。

算出された金額に課税所得額に応じた税率をかけた金額が、指定口座へ申請から約2ヶ月で振り込まれます。

医療費控除を申告する際の注意点として、次の点があります。

  • 不妊治療費から不妊治療の助成金をひいたものが医療費控除対象となります。
  • 不妊治療のためのサプリメントや健康食品は対象外です。
  • 妊娠検査薬や排卵検査薬は対象外となります。
  • 不妊治療の助成金申請期間と確定申告の対象時期がずれていることも多いです。

確定申告を行う際にまだ助成金が出ていない場合は、助成金なしで医療費控除の申請をして下さい。

そして助成金が振り込まれてから、申告の訂正を行います。

または、過去5年間以内なら医療費控除の申請はできるので、助成金が振り込まれてから申請しても大丈夫です。

6.医療費控除における交通費の適応範囲とその判断材料について

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

10万円以上の多額の医療費を支払ったとき、確定申告を行えば所得税が還付されます。

対象となるのは医療費全額ではなく、保険金などで補てんされる金額と10万円(または所得金額の5%)を引いた額となります。

控除を受けようとする場合には、医療費控除を受けられるかどうか計算する必要があります。

このとき判断に迷ってしまうのが、「医療費に何を含めていいのか」という点ですね。

医療費には、診療・治療の費用や医師の処方した医薬品の購入費用などに加え、診療を受けるために通院した交通費も含まれます。

ただし、この交通費が認められる範囲には制限があります。

医療費控除の交通費について解説します。

6.1交通費の医療費控除 通院に伴う自家用車のガソリン代・駐車場料金は控除対象外

病院までの交通手段として自家用車を使う人もいるでしょうが、自家用車で通院するための「ガソリン代」「駐車場代」は医療費控除の対象となる交通費にはなりません。

国税庁では、医療費控除の対象となる通院費は、医師などの診療を受けるため、

  • 直接必要なもので、かつ、通常必要なもの

でなくてはならず、また通院費は

  • 人的役務への支払い

を指すとしています。

「人的役務」というのは人間が行うサービスのことを指します。

ですから、電車やバスの運転手に手間賃を払うような支出であれば医療費控除の対象として認められるということです。

自分で自家用車を運転する場合は、他人のサービスを受けて支出をするわけではありませんので、医療費控除の対象にはなりません。

医療費控除について、所得税法に、「医療費とは医療に関連する人的役務の提供の対価でそのうち通常必要であると認められるもの」と規定されています。

所得税法施行令でも病院などへ「収容されるための人的役務」とされており「病状に応じて」「一般的に支出される水準を著しく超えない部分」と決められています。

また、所得税基本通達では「直接必要な費用」「通常必要なもの」とされています。

これらの法律の内容をまとめてみますと、医療費控除の対象となる交通費は、

  • 他人が運転してくれるもので
  • 医療に直接関係があり
  • 通常用いられるもの
  • を利用した場合の常識的な金額まで

と言えるのではないでしょうか。

国税庁の回答で「人的役務」の代表例とされているのが「電車賃」「バス賃」などです。

これらの代表的な交通機関に加え、法の規定に沿っていれば、事情によってはそれ以外も認められることもあります。

例えば、離島から海を渡って島外に診療を受ける場合が認められたり、雪山遭難などで緊急搬送されるヘリコプターの費用などが認められたりすることもあるようです。

国税庁サイトの質疑応答例にも「一般的な回答にすぎず、納税者が行う具体的な場合には当てはまらないこともある」と注意書きがありますので、特殊な場合は、税務署に相談することをおススメします。

6.2公共交通機関はOKでタクシーは特別な事情以外では基本的に対象外

国税庁が配布している「医療費控除を受けられる方へ」という案内パンフレットでは、控除の対象に含まれないものの例として「電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除きタクシー代」が挙げられていいます。

通院費に日常生活での公共交通機関は認められるますが、原則タクシーの利用は認められません。

タクシー利用は、法律が認める「通常の」交通手段ではないからです。

ただし、例外的に、公共交通機関を使えない事情があればタクシーが認められます。

国税庁の質疑応答事例を見てみますと「病院に収容されるためのタクシー代」が認められたものがあります。

【照会要旨】

突然の陣痛のため、タクシーを利用して入院した場合、そのタクシー代は、医療費控除の対象になりますか。

【回答要旨】

照会の場合のタクシー代については、医療費控除の対象となります。

病院、診療所、老人保健施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価のうち、病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額は、医療費控除の対象となります(所得税法施行令第207条)。
タクシー代については、一般的にはその全ての金額が医療費控除の対象となるわけではありませんが、照会の場合のように、病状からみて急を要する場合や、電車、バス等の利用ができない場合には、その全額が医療費控除の対象となります。

(注) タクシーの利用を余儀なくされる場合において、そのタクシー代の中に高速道路の利用料金が含まれているときは、その高速道路の利用料金も医療費控除の対象となります。

参照:国税庁ホームページ

とあります。

これは入院時のケースになりますが、パンフレットを見ますと通院費にもついても同様の取り扱いをしております。

電車やバスが使えない場面としては、次のような場合が考えられます。

  • 深夜で公共交通機関の電車もバスも止まっている場合
  • 歩くことができない病状などから、電車やバスの利用が困難な場合
  • 電車やバスなどの運行や路線が少ない地域で、公共交通機関を利用することが困難な場合

タクシーを利用した場合は必ず領収書をもらわなければなりません。

医療費控除の申請に、2017年分確定申告から領収書を提出する必要はなくなりましたが、領収書は5年間自宅で保管することになっています。

交通費の領収書と受診した医療機関の領収書をもとに、税務署からどの時間帯にどこのどんな診療科を受診したものか尋ねられた際には、明確に説明を明確できるようにしておく必要があります。

6.3通院時の付き添いは控除対象?被治療者の年齢や病状によって対応は変化

原則として、控除対象となる交通費は、診療等に「直接必要なもので、かつ、通常必要なもの」に限られていて、通院についても患者本人に限られています。

ただ、国税庁サイトの質疑応答事例には「患者さんを世話するための家族の交通費」が認められることもあります。

子どもの通院に母親が付き添う場合のように

「年齢や病状からみて、患者を一人で通院させることが危険な場合」

です。

この場合、医療費控除の対象に付添人の通常必要な交通費がなります。

ただ、子供が入院した後は、患者本人が通院しているわけではありませんので、母親が子どもの世話のために通院してもその交通費は控除対象とは認められません。

6.4.医療費控除における交通費の控除申請の仕方

2017年の確定申告から医療費控除の申請方法が大きく変わっております。

それは、医療費の領収書の提出がなくなった代わりに、「医療費控除」の明細書を提出しなくてはならなくなっております。

もちろん交通費についても明細に記載しなければなりません。

6.4.1交通費申請の書類は、Excelで管理シートを作成しておくと便利

領収書の提出はなくなりましたが、確定申告後5年間は税務署が確認のために領収書の提出を求めることがあります。

そのため、領収書は5年間自宅で保管しなければなりません。

一方、医療費控除の対象として認められる交通費は公共交通機関であることが基本です。

これらの公共交通機関でいちいち領収書をもらうことはあまりないのではないでしょうか。

このことは国税庁も理解しております。

一般の疾病ではないが、「医療費控除の対象となる出産費用の具体例」を説明する国税庁のページでは

「通院費用については領収書のないものが多いのですが、家計簿などに記録するなどして実際にかかった費用について明確に説明できるようにしておいてください」

とあります。。

法律上、医療費控除の対象として認められる交通費は「診療等を受けるために直接必要なもので、かつ通常必要なもの」です。

公共交通機関を利用した場合は領収書でなくても認められますが、その交通費がどの診療をうけるためのものだったのかということは必ず説明できるようにしておかなくてはなりません。

普段から、医療機関ごとに、治療を受けた日と交通費をメモする習慣を身に着けておくことが必要です。

医療費の明細は、

  • 医療を受けた方の氏名
  • 病院・薬局などの支払先の名称
  • 医療費の区分
  • 支払った医療費の額
  • 生命保険や社会保険で補てんされる額

を記入します。

1年を通じて「医療を受けた人」「支払先」ごとにまとめて記入することもできます。

例えば、TさんがA病院に年に5回通院した場合、TさんについてA病院への5回分の診療費と5回分の交通費をまとめて記入すれば大丈夫です。

作業が楽で便利なのはエクセルで管理シートを作成し、その都度必要事項を入力しておき、確定申告時にソートをかけて合計額も算出しておくことです。

出来上がった明細書は、税務署に提出したものと同じものを保管しておいて下さい。

もしも、税務署から問い合わせを受けたときに、個々の領収書とともに、明細の計算についても説明が行えます。

6.4.2交通費の計上方法は、総合計を国税庁発行の医療費集計フォームに記載して提出

国税庁のサイトで確定申告書は簡単に作成することが可能です。

サイト内に「確定申告書等作成コーナー」というページがありますので、必要項目を入力していけば申告書ができ上がります。

また、申告書だけでなく、それに添付する各種内訳書等も作成できるのはもちろんですが、さらにその内訳を申告書の必要箇所に自動的に反映してくれるという便利な機能もあります。

便利な機能が医療費控除についてもありますので、是非活用した下さい。

国税庁サイト「確定申告書作成コーナー」などから「医療費集計フォーム」をダウンロードすることが出来ます。

この「医療集計フォーム」はエクセルで出来ており、必要な個所を入力します。

具体的には、

  • 医療費を受けた方の氏名
  • 病院薬局などの名称
  • 医療費の区分
  • 支払った医療費の金額

などです。

交通費の「医療費の区分」は「そのほかの医療費」となります。

セルをクリックすると「該当する」というタブが出てきますので、それを選択します。

1件1件入力してもよろしいのですが、あらかじめ手元に受診者別に医療機関、医療費の区分ごとの集計がなされている資料があれば、その資料に基づいて金額を入力しても大丈夫です。

医療費控除の対象となる医療費の合計額は、自分が特に計算しなくても「医療費集計フォーム」で自動的に行われます。

確定申告書を国税庁サイトの「確定申告書作成コーナー」で作成するときに、「医療費集計フォーム」の内容を反映させることもできます。

確定申告書をサイト内で作っていって、医療費控除を入力する段階に進むと、「入力方法の選択(医療費控除)」を聞かれますので、そこで「医療費集計フォームを読み込む」を選択します。

そして「次へ進む」をクリックしていくと、確定申告書作成に自動的に反映されます。

「入力方法の選択(医療費控除)」で、国税庁の「医療費集計フォーム」を使わない選択もできますが、別途、必要項目の記載された明細書を作成して確定申告書に添付しなければならない手間がかかります。

転記する手間や計算ミスを考えますと、国税庁サイト内の「確定申告書コーナー」で国税庁の「医療費集計フォーム」を読み込んで作成する方が便利で確実に行うことができます。

医療費控除は医療費がかさんだ納税者への配慮ですから積極的に活用することをおススメします。

ただ、適用範囲は細かく決まっておりますので、大切なことは事前の情報収集です。

また、領収書の提出はなくなりましたが、明細を自分で作成して提出しなくてはなりません。

国税庁サイトの「医療費集計フォーム」を使うことによって、簡単で正確に確定申告ができますので、便利な仕組みを賢く使って税の負担を軽減しましょう。

7.医療費控除で必ず押さえおくべき7つのポイント

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

医療費控除では必ず押さえおくべきポイントがあります。

ポイントとして、次の7つは押さえておきましょう

7.1医療費控除は自分だけではなく家族の支払いも対象となる

医療費控除は、あなたご自身だけでなく、あなたと一緒に生計を立てている配偶者の方やお子様等のために支払った医療費も含みます。

税法では健康保険証が別々でも、合算が認められています。

7.2医療費控除は5年前まで申告できる

医療費控除は、あなたがもし申告をし忘れていても、5年間は遡って申告することができます

7.3会社員も確定申告をする

医療費控除を、よく生命保険料控除などの年末調整と混同する人がいますが、医療費控除は年末調整の対象ではありません。

ですから、会社員の方も、自分で2月16日~3月15日の間に確定申告をしなければいけません。

7.4家族の中で1番収入が多い人が申告をする

所得税は所得が高い人ほど税率が高くなります。

したがって、家族で合算して申告する場合は、所得が最も高い人が申告したほうが有利になる場合があります。

7.5住宅ローン控除などで所得税の支払いがなくても確定申告する

所得税の支払いが住宅ローン控除などによってなくても、医療費控除により課税所得を下げることによって住民税が軽減されることがあります。

ですから、所得税の支払いがなくても、医療費控除の確定申告をしておきましょう。

7.6確定申告に必要なもの

確定申告には次のものが必要です。

給与所得の源泉徴収票(原本)(給与所得のある人)
領収書など医療費の支出を証明する書類
医療費明細書
参考:国税庁ホームページ
「明細書・計算明細書等(平成29年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」
「申告書の提出」

7.7確定申告はインターネットでもできる

原則として、確定申告をする場合は住民票がある地域の税務署で行います。

ただし、最近では、インターネットで確定申告をする「e-Tax」というものもあります。

インターネットで確定申告は簡単に行うことが出来ますので、くわしい内容については国税庁のホームページの「国税庁e-Taxのご案内」をご覧ください。

8.まとめ

確定申告の時の医療費控除の対象ってなに?わかりやすく解説します!

医療費控除の対象について解説してまいりましたが、いかがだったでしょうか。

医療費控除の基本的対象は、治療を目的とした医療費ですが、他にも、治療を受けるための交通費なども対象となると言うことは意外だったのではないでしょうか。

しかし、医療費控除の還付を受けるためには、確定申告をしなけれならなりません。

また、従来の医療費控除とセルフメディケーション税制とどちらかを選べるようになっておりますので、控除額の概算を計算したうえで、あなたにできるだけ有利な方を選んで活用することをおすすめします。

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