確定申告で医療費控除をする際に領収書は必要なの?ズバリ解説!

医療費控除は、ご自分や家族が医療機関で支払った医療費等を申告すれば、所得税・住民税の負担が軽減される税制上の優遇措置です。

ただし、医療機関側や行政側から、ご自分の支払った医療費が控除対象になるかどうか、いちいち親切に指摘してくれることは稀です。

また、医療費控除には条件や定められた提出方法があり、それに従って申告しなければなりません。

その申告の際に、必要になるのは「医療費の領収書」です。これがなければ正確な申告は行えなくなります。

一方、平成29年(2018)年から申告の際の必要書類が変更され、領収書を提出しなくても良くなりました。

だからといって、いきなり領収書を廃棄することは賢明ではありません。申告した内容に疑問を持った行政が領収書の提出を求めてくることも考えられます。

また、医療費控除の対象となる費用の中には、領収書の取得が難しいものも存在します。

そこで今回は、医療費控除申告の際に不可欠な領収書の役割と保管方法、領収書の取得が難しいケースへの対応について解説します。

1.医療費控除について

私や家族の1年間の医療費は結構な金額になっている。

公的医療保険には加入しているが、別の方法で医療費を軽減できたらありがたい・・・・。

そんな時には、医療費控除をぜひ活用しましょう。こちらでは、医療費控除の特徴と控除の対象となる医療費を解説します。

1-1.医療費控除とは

医療費控除とは所得控除の1つです。1年間にご自分や家族の支払った医療費を申告すると所得税・住民税の負担が軽減されます。

医療費控除を行う際には、ご自分の申告のみならず家族にかかった医療費を合算して申告することもできます。

この場合、ご自分および生計を一にする6親等内の親族および3親等内の姻族の中で、最も所得税率の高い人が合算し医療費控除の申告をすれば、高い節税効果が期待できます。

1-2.医療費控除の特徴

公的医療保険の適用外になる医療費まで、医療費控除の対象になる場合があります。

ご自分や家族が治療のためにやむを得ず利用したサービス、例えば医療機関に通院するための移動手段として使用した公共交通費や、本来ならば美容のために利用するレーザー脱毛を、外科手術の際に体毛除去のため用いる場合、その費用が控除対象となることもあります。

この医療費控除は、200万円を上限として還付金が受け取れます。ただし、一定の条件があります。

  • 患者の病状等に応じ、一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額であること
  • 10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額)を超えた金額が該当すること

医療費控除の計算式は次の通りです。

実際に支払った医療費の合計額-補填される金額(※)-10万円(総所得金額200万円未満:総所得金額の5%)

(※)補填される金額:生命保険会社へ請求した場合に受け取れる給付金、健康保険の保険者から支給される高額療養費や、出産育児一時金等が該当します。

1-3.医療費控除の対象とされる医療費

次のような医療費が控除の対象になります。ただし、一般常識的に考えて、あまりに高額な値段となる医療費は対象となりません。

  • 医師または歯科医師の診療または治療
  • 治療または療養に必要な医薬品購入
  • 病院、診療所等へ収容されるための人的役務の提供
  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等による施術
  • 保健師、看護師、准看護師等の療養上の世話
  • 助産師による分べん介助
  • 介護福祉士等による一定の喀痰吸引や経管栄養
  • 介護保険制度の下での一定の施設・居宅サービスの自己負担額
  • 医師等による診療等を受けることで利用する通院費、医師等の送迎費等
  • 骨髄移植推進財団に支払う斡旋に係る患者負担金
  • 日本臓器移植ネットワークに支払う斡旋に係る患者負担金
  • 高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導の内の自己負担金

2.医療費控除の申告方法について

医療費控除で、本来なら公的医療保険で適用されないサービスも対象になるのはうれしい。

しかし、医療費控除はどうやら自分で計算して申告する必要があるようだ。

申告の方法について詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、医療費控除の申告方法とその注意点について解説します。

2-1.給与所得者でも年末調整では申告できない

給与所得者の方々の場合は、毎年12月になると「年末調整」が行われます。

この年末調整は、事業所に勤務する給与所得者の所得税額について、年末に1年間の所得・給与所得者個人の生活事情と照らし合わせて再計算し、その過不足額を調整する方法です。

一見すると、医療費控除もこちらで申告すれば良いように思われますが、給与所得者であっても原則として確定申告を行わなければなりません。

つまり、自営業者・自由業者と同じく確定申告書等を記載して、ご自分の納税地を管轄する税務署へ提出する必要があります。

2-2.原則として確定申告

確定申告とは個人の場合、その年1月1日~12月31日を課税期間として、その期間内の収入・支出、医療費、寄付、扶養家族状況等から所得を計算、その後に申告書等を税務署へ提出し、ご自分が納付しなければならない所得税額を確定することです。

申告する期間は、毎年2月16日~3月15日の1ヶ月間となります。もし期日が土曜日・日曜日と重なった場合には順次繰り下げて、月曜日までとなります。

こちらでは、確定申告を行う流れと必要書類を説明します。

〇確定申告の流れ

  1. 控除の対象となる費用の領収書・レシートを用意
  2. 確定申告書・明細書等の取得
  3. 各書類に必要事項を記載
  4. 確定申告期間(2月16日~3月15日)に税務署へ提出
  5. 控除の還付金が受け取れる時、だいたい3週間~1ヶ月半程度で指定口座に振り込まれる

必要書類

[1.提出書類]
  • 確定申告書:国税庁のホームページ・各税務署窓口で取得します。
  • 医療費控除の明細書:1年間にかかった医療費の明細をまとめる書類です。こちらも国税庁のホームページや各税務署で取得します。
  • 源泉徴収票:給与所得者の場合のみです。
  • 本人確認書類:マイナンバー(個人番号カード)の両面の写しを添付した添付台紙を準備します。マイナンバー(個人番号カード)が無い場合、①番号確認書類の写し(通知カード、住民票の写し、住民票記載事項証明書のいずれか)+②身元確認書類(運転免許証、パスポート、在留カード等のいずれか)の写しを準備します。
  • 印鑑

※明細書の作成内容によっては医療費通知(原本)の添付が必要になることもあります。

[2.書類の記載に必要な書類]
  • 医療費等の領収書・レシート:医療費控除の対象となる費用の領収書・レシートを用意します。申告の際に提示は必要ありません。医療費控除の明細書へ費用を転記する際に使用します。領収書・レシートもご自分で5年間大切に保管しましょう。
  • 医療費通知:健康保険または国民健康保険の保険者から送付された「医療費のおしらせ」が該当します。こちらの書類があれば明細書の作成が楽になります。ただし、必ず準備しなければならない書類というわけではありません。

2-3.還付申告でも申告できる

ご自分が給与所得者で医療費控除以外に申告するものが無い場合には、「還付申告」で申告しても問題ありません。

還付申告ならば、確定申告期間にかかわらずいつでも医療費控除の申告が可能です。

この申告の猶予期限は還付金が発生した翌年から5年以内とされています。

受付期間が比較的長めに設定されているので、「いつかは申告する。」と思って放置していると、医療費控除の存在を忘れてしまい、猶予期間が過ぎてしまうこともあるので気を付けましょう。

3.医療費控除の変更点

医療費控除は原則として確定申告で行い、その際に提出する書類もそれなりに多くなる。

この医療費控除は平成29年から変更された部分があると聞いた。

その変更点の詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、平成29年から変更された医療費控除の申告内容について解説します。

3-1.医療費控除の明細書とは

医療費控除の明細書は、1年間にご自分や家族にかかった医療費の明細をまとめる書類です。この書類も確定申告書と同様に国税庁のホームページや各税務署の窓口で取得します。

明細書は平成29年度分から新しく提出が必要となった書類です。この書類に記載すれば、領収書・レシートを申告の際に提示する必要はありません。

医療費控除の明細書には、領収書・レシートの他、「医療費通知」分も転記することになります。

その場合には、ご自分の保管していた領収書・レシートの内容と重複して記載してしまうこともあるので、よく双方を確認しながら記載しましょう。

医療費控除の明細書に記載する事項は次の3点となります。

  • 医療費通知に関する事項
  • 医療費の明細:医療費通知分を除いた医療費です。
  • 控除額の合計:受け取った生命保険の給付金、高額療養費、出産育児一時金等の合計額です。

3-2.医療費通知とは

健康保険または国民健康保険の保険者から送付された「医療費のおしらせ」が該当します。この通知は医療機関を受診した加入者個人ごと年1回~6回送付されます。

ただし、医療機関を受診した人がいなければ、この通知が送付されることはありません。

医療費通知は、明細書への転記のためだけではなく、お知らせの内容から本人が受診したものか、診療日数に誤りがないかなど、保険者から確認できない部分を、適正に医療費が請求されているか確認するために送付される書類でもあります。

そのため、転記の際には医療費通知ばかりに頼らず、ご自分や家族にかかった医療費の領収書は必ず大切に保管し、照らし合わせることが大切です。

医療費のお知らせ(医療費通知)の内容は次の通りです。

  • 診療年月(お手元に届いた月の約4ヶ月前から2ヶ月分の記載の場合):例えば7月に送付されたなら、3月・4月の診療分の医療費が記載されます。
  • 診療を受けた人の氏名
  • 診療区分:入院、通院、歯科、薬局、訪問看護、柔道整復
  • 診療日数
  • 医療機関名
  • 総医療費
  • 窓口負担額
  • 保険者名称

3-3.領収書はどうなる?

医療費控除の明細書に記載する場合には、領収書を準備しておく必要があります。

送付された医療費通知と照らし合わせて異なっている部分があれば、医療機関から直接発行された領収書の内容が優先されることになります。

また、医療費控除の明細書があれば領収書の添付または提示は不要となりますが、次の費用の控除を受ける場合には、その費用を証明する書類の添付または提示が必要となります。

  • 寝たきりの人のオムツ代→医師が発行したオムツ使用証明書
  • 温泉利用型健康増進施設の利用料金→温泉療養証明書
  • 指定運動療法施設の利用料金→運動療法実施証明書
  • ストマ用装具の購入費用→ストマ用装具使用証明書
  • B型肝炎患者の介護に当たる同居の親族が受ける同ワクチンの接種費用→医師の診断書
  • 白内障等の治療に必要な眼鏡の購入費用→処方箋
  • 市町村または認定民間事業者による在宅療養の介護費用→在宅介護費用証明書

4.領収書について

変更されても、医療費控除の記載には領収書が不可欠というわけか。

では、領収書の転記や取り扱いに関する注意点について詳しく知りたい・・・。

こちらでは、領収書の明細書への転記方法・注意点を説明します。

4-1.医療費のお知らせは領収書代わりにならない

一見すると、医療費のお知らせ(医療費通知)があれば、領収書が不要なように思われますが、各保険者の送付するお知らせの注意書きには次のような事項が記載されている場合があります。

「平成30年3月以前に発送した医療費のお知らせについては、確定申告時の資料としてはお使いいただけません。」という内容です。

この内容が記載されていれば、少なくとも平成30年3月以前の通知書は、いざという時に、医療費控除の内容を証明する書類にはならないということです。

ただし、前述した明細書の「医療費通知に関する事項」に記載した分の医療費は、 医療費通知(原本)を添付しなければなりません。

また、前述した通り領収書と通知書の内容が違えば、領収書の記載内容が優先されます。

そのため、医療費のお知らせ(医療費通知)があるからといって領収書を廃棄してよい理由にはならないのです。

4-2.領収書は明細書の転記に必要

医療機関等が発行する領収書には厚生労働省により例示された様式があります。こちらを参照してください(厚生労働省「医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について」)。

少なくとも医療費の内容の分かる領収証にするには、厚生労働省が例示した内容を盛り込んでいることが必要となります。

領収書の内容は次のように記載することが例示されています(医科診療報酬の例)。

  • 患者番号、氏名
  • 請求期間(入院の場合)
  • 受診料:領主所No.、発行日、費用区分、負担割合等
  • 保険の内訳:初・再診料、入院料、医学管理等
  • 保険外負担:評価療養・選定療養、その他の内訳
  • 医療費合計額

なお、医科診療・歯科診療、調剤報酬や訪問看護療養費の場合には、それぞれ領収書の内容が異なることもあります。

この内容をしっかり確認しながら、医療費控除の明細書に記載していきます。医療費控除の明細書はこちらを参照してください。

明細書用紙では、「2 医療費(上記1以外)の明細」に領収書に記載された内容を転記していきます。

明細書には、「⑴ 医療を受けた方の氏名」・「⑵ 病院・薬局などの支払先の名称」・「⑶ 医療費の区分」・「⑷ 支払った医療費の額」、「⑸ ⑷のうち生命保険や社会保険などで補塡される金額」を記載していきます。

書き写す際には、領収書の記載内容と相違しないように気を付けましょう。

4-3.領収書には保管義務がある

明細書の記載がどうも面倒だと思われる人は、2019年度分(平成31年)の確定申告までなら、領収書の添付または提示による申告が可能です。

明細書に転記した場合でも、領収書は大切に保管する必要があります。

なぜなら、税務署側が医療費控除の内容に疑義がある場合、明細書の記入内容を確認するため、領収書(医療費通知に係るものを除く。)の提示または提出を求めることがあります。

そのため、確定申告期限等から5年間はご自分で領収書を保管しなければなりません。

5.領収書の保管について

領収書を大切に保管しなければならないが、書類はいろいろな理由で混ざったり、どこに行ったか分からなくなったりすることが多々ある。

領収書を保管するコツのようなものが何かないだろうか?

こちらでは、自分や家族の医療費の領収書を保管する方法について説明します。

5-1.家族の医療費の領収書はまとめて保管

医療費控除は自分や家族にかかった医療費を合算して申告できますが、申告した医療費分の領収書は大切に保管する必要があります。

そのため、医療費を支払った月ごとにクリアファイルに入れ、1年ごとにそのファイルを収納フォルダーまとめ、保管用に使う引き出しを決めて保管しておくことが良いでしょう。

透明なファイルなら、一目で医療費の領収書であることがわかり、確定申告の際にすぐに用意できます。

医療費控除は、最も所得税率の高い人が合算し申告をすれば、高い節税効果が期待できます。

そのため、一家の大黒柱であるご主人が、妻や子にかかった医療費の領収書を集めて保管することがおすすめです。

また、整理した領収書について、定期に一覧表を作成しておくことも明細書の作成に有効な方法です。

たとえば領収書1枚に1行の一覧表を作成します。世帯の構成員のご自分や妻、子にわけ、医療機関ごと・日付順で記載します。

各人や・医療機関ごとの小計を算出しておいても明細書の転記の際に便利です。

エクセル等の表計算ソフトを利用すれば、手書きよりも必要事項の記載や医療費の算出も簡単で正確に作成できます。

5-2.医療費控除にならない医療費も一応保管する

実は申告する人が医療費控除にはならないと勝手に判断して、捨ててしまう領収書もあります。

しかし、本来のケースでは医療費控除の対象にならないサービスが、諸事情によって対象となる場合もあります。

例えば、「差額ベッド代」です。こちらは「特別環境療養室」という有料の病室を利用した場合にかかる料金です。

こちらの料金は、患者側が特別環境療養室の利用を請求した場合には医療費控除の対象外となります。

しかし、病院側の事情により特別環境療養室へ入院しなければいけない場合であれば、医療費控除の対象となります。

このような場合には、領収書へ補足的にその旨を書き込んでおきましょう。

後日、医療費控除になると判明する医療費も想定されるので、医療費かかわる領収書は全て保管しておくことが無難です。

5-3.領収書の再発行はできる?

領収書を紛失した場合には、まずご自宅を探すことが先決です。それでも見つからない場合は、医療機関側に再発行を依頼しましょう。

ただし、医療機関では領収書を再発行しない場合もあるので注意が必要です。

とはいえ、大きな医療機関や、領収書をコンピュータ化して管理している医療機関では、「領収額証明書」または「支払証明書」という形で、患者が支払った医療費を証明する書類の発行に応じることがあります。

この証明書の発行は有料で、医療機関によってそれぞれ料金が異なります。

再発行を検討する際には、まず医療費を支払った医療機関に相談して、手数料を聞いてから発行してもらうかを決定しましょう。

手数料によっては、数千円に上ることがあります。控除申告で還付されるお金と、どちらが高いかを比較検討してから判断しましょう。

6.領収書の取得が難しい場合の対応

領収書の保管は大切だが、医療費控除の対象になるものの中には、そもそも領収書の取得が難しいケースもある。

この場合には、どのような対応をとればよいのだろう?

こちらでは、交通費を例に、医療費控除の対象となるケース、領収書の取得できなかった時の対応を解説します。

6-1.交通費は医療費控除の対象

交通費は原則として医療費控除の対象になります。ただし、入院のための移動、通院のための移動で一般常識的に考え、あまりに高額な費用となる場合は対象外です。

とはいえ、足腰が弱く公共交通機関の利用は困難でタクシーを利用したり、公共交通機関を使用する場合でも、自宅から治療を受ける医療機関が離れていて通院費用が高額になったりすることもあります。

このような場合は、医療費控除の対象になる可能性があります。

主に医療費控除となる交通費は次の通りです。

  • 医療機関で治療を受ける本人のバス・電車の移動料金:基本的に控除の対象となる料金です。
  • 付添人のバス・電車(地下鉄)の代金:治療を受ける本人の家族で、本人が小さな子または高齢者等で付き添う必要性が高い場合に該当します。
  • タクシー代:控除対象は限定されますが、①足を骨折または足腰が不自由で歩行が困難のため、電車・バスの移動ができない、②妊婦で陣痛が起き、出産するため医療機関へ向かう場合が該当します。
  • 遠隔地の医療機関を受診するための移動料金:自宅近くの医療機関で受診可能であるにもかかわらず、自己都合で遠隔地の医療機関を受診する場合の交通費は適用外ですが、高度医療を受けるため遠隔地の医療機関まで移動する必要がある時は控除対象です。
  • 往診の場合の送迎費:患者からではなく医師の往診を受けた場合なら、訪問診療の請求書に交通費が含まれ控除対象になります。

一方、主に医療費控除とならない交通費は次の通りです。

  • 入院している家族の世話で移動した料金:治療を必要とする患者本人が、通院のために移動するわけではないので控除対象外です。
  • 患者本人の一時帰宅の交通費:患者本人の移動であっても、通院のためではないので対象外です。
  • マイカーで通院した費用:ガソリン代・高速料金・駐車場代いずれも控除対象外です。

6-2.各交通機関を利用したらできるだけ領収書を取得しよう

タクシー代は目的地の医療機関へ到着した時に、要求すれば受け取れるので忘れずに取得しましょう。

また、往診の場合の送迎費は必ず訪問診療の請求書に交通費が含まれています。その医療費支払い後に領収書を受け取っておきましょう。

しかし、電車・バスの交通費について、領収書はなかなか取得が困難なこともあるでしょう。

そうはいっても、領収書がないまま明細書に転記だけすれば良いわけではありません。

次項では、交通費で領収書の取得ができなかった時の対応を解説します。

6-3.領収書の取得できなかった時にはこうする!

電車・バスの公共交通機関の場合なら、その窓口等に行けば領収書の発行自体は可能です。

しかし、医療機関への通院の度に発行してもらうことは面倒で、このようなマメに領収書を請求するケースはあまりないでしょう。

電車やバスを使って通院し領収証がないならば、ご自分でまとめた明細(一覧表)を作成し、その内訳がわかるようにします。このような方法で通院した料金を記録しても問題ありません

医療費控除の明細書への記載する場合は、領収書が出れば「〇〇〇病院への通院費」というやり方でまとめて十分です。

しかし、領収書のない交通費については領収書の代用として、ご自分で作成した明細(一覧表)に①いつ、②誰が、③どんな方法で、④どこの医療機関に行ったのかを作成します。

作成した明細(一覧表)は提出しなくても問題ないですが、税務署から照会があれば、申告した内容と比較して誤りがないかチェックを受けられるため、他の領収書と共に5年間保管しましょう。

〇必要な項目

ご自分で明細(一覧表)を作成する場合、内訳の様式は法定されていないものの次の項目は必ず記録しましょう。

  • 医療機関で治療を受けた本人氏名
  • 続柄
  • 治療を受けた日付
  • 通院・入院した医療機関(診療科も記載)
  • 通院費
  • 備考欄:付き添いやタクシーを使用した場合の理由を記載できるようにしておきます。

〇明細を作成する際の注意点

やはり、ご自分で明細を作成するならば正確性が求められます。通院の場合なら治療した日と交通費を支払った日が一致するようにメモし、エクセル等の表計算ソフトで交通費専用の明細(一覧表)を作成し、それに記載することがおすすめです。

また、家族にかかった医療費を明細(一覧表)へまとめる場合は、日付ごとに家族全員のデータを書き込むのではなく「治療を受けた人」を分けて「受診した医療機関」ごとに確認できるようにすると、医療費控除の明細書に転記する際、わかりやすく、かつ楽に行えます。

〇具体例をあげて説明

こちらでは例をあげて説明します。

(例)

  • 家族構成:夫・妻・子(長男・次男)の4人世帯
[1]子(次男)の風邪の治療で妻が付添人となり、医療機関へ行くため交通費を使用した

治療を受けた本人氏名 続柄 医療機関 診察日 交通費 備考
〇〇〇〇 次男 ×××病院(小児科) 6月21日 市バス600円

行き:300円

帰り:300円

△△△△ ×××病院(小児科) 6月21日 市バス1,000円

行き:500円

帰り:500円

次男付添い

往復で利用していれば、往復の料金も記載しましょう。

なお、自宅から医療機関が離れていて複数の公共交通期間の利用が想定されるならば、「利用区間」も項目として入れておきましょう。次の事例をご覧ください。

[2]子(長男)が腕の骨折治療の通院で片道の交通費を使用した。帰りは私(夫)が自家用車で迎えに来た。

治療を受けた本人氏名 続柄 医療機関 診察日 交通費 利用区間 備考
□□□□ 長男 ×××病院(整形外科) 10月3日 550円 市バス250円

地下鉄(××駅~××駅)300円

帰りは父親であるご自分の自家用車で帰宅したため、医療費控除には該当しません。

7.まとめ

ここまで、医療費控除申告の際に不可欠な領収書の役割と保管方法、領収書の取得が難しいケースへの対応について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の記事では、

  • 医療費控除を行う際には、ご自分の申告のみならずご家族にかかった医療費を合算して申告することが可能
  • 医療費控除は、公的医療保険で適用されない医療費も対象となることがある
  • 医療費控除は、給与所得者であっても確定申告または還付申告で行う必要がある
  • 医療費控除は平成29年に変更され、医療費控除の明細書の提出が必要になった
  • 医療費控除の明細書があれば、領収書の提示は不要
  • ただし、依然として領収書は申告の際に必要な書類なので、5年間は大切に保管する
  • 交通費のような領収書の取得し難いものは、ご自分で明細(一覧表)を作成し大切に保管する

でした。

確定申告や還付申告で行う医療費控除は、場合によっては大量の領収書をコツコツ確認しながら明細書へ転記することが必要になることもあるでしょう。

この煩雑な作業を軽減するために、日ごろから定期に表計算ソフト等で一覧表を作成し、転記しやすいように工夫することが大切です。

『保険相談したいけど、結局どこがおすすめ?』

店舗よりも自宅やカフェで相談できる方が移動が楽な上に、保険は一度きりで決められないこともあるはず。
そこで強くおすすめしたいのが、訪問型の無料保険相談サービスである、『保険コネクト 』です。

所属する全てのFP(ファイナンシャルプランナー)が44社全ての保険を扱うことのできる日本最大級の保険代理店です。
保険業界の経験者を採用しており2500人以上と、他社よりも精鋭のベテラン揃いです。

保険相談は結局のところFPが信頼できるかに左右されるため、保険のことは、まず最初に「保険コネクト」で無料相談をしてみるのがよいでしょう。

 「保険コネクト 」を見る