かんぽ生命の保険商品は、ご自分の地域に最も身近な郵便局で販売されており、安心感があることでしょう。
保険商品は、死亡保険や養老保険、学資保険、個人年金保険と、家族の一生を支えるような商品ばかりです。
しかし、身近な存在の郵便局が窓口の保険商品でも、その特徴をみなさん良くご存知でしょうか?
これらの保険に加入するかどうか検討しているならば、熟知する必要はなくても、大まかに最低限の知識は有しておいた方が賢明です。
また、実際に加入した人の評判も是非参考にしたいですよね。
そこで今回は、かんぽ生命の保険商品の特徴と、その評判について解説します。この記事を読めば、かんぽ生命の保険商品の基本的知識と利用者の評判がわかり、保険選びの良い参考となるでしょう。
目次
1.かんぽ生命について
私は生命保険へ入るため、いろいろ保険商品をチェックしようかなと思っています。
でも、民間の保険なんて加入したことが無いので、すぐに保険のわからない点を質問できたり、加入を申し込んだりできるところが良いです。
そんな身近で安心して保険に入れるところは無いですかね・・・?
第1章では、かんぽ生命とは何か?かんぽ生命の特徴について解説します。
1-1.かんぽ生命とは
かんぽ生命は、2005年10月21日、郵政民営化法で生命保険業を営むことを目的に、2007年10月1日に商号変更し株式会社かんぽ生命保険となりました。
他の生命保険会社と同様に、死亡保険・養老保険・学資保険・個人年金保険を販売しています。
会社の概要は次の通りです(2018年11月12日現在)。
名称 | 株式会社かんぽ生命保険 |
開業日 | 2007年10月1日 |
資本金 | 5,000億円 |
従業員数 | 7,490名(2018年3月31日現在) |
主な事業所 | エリア本部13・支店82 |
業務内容 | 生命保険業 |
1-2.地域に最も身近な保険会社
取り扱う保険商品の販売や各種手続き、商品に関する相談等の受付は、地域に密着した郵便局が窓口となります。
また、保険加入の際には基本的に医師の健康診査は不要な場合が多いです。
他の保険会社だと、業務上、危険が伴うような職業の方々に対し、保険加入が制限されていることもあります。しかし、かんぽ生命の商品に加入する際は、その職業による制限はありません。
地域住民に身近で、かつ加入しやすい保険として非常に人気が高い生命保険会社です。
その他、世界金融危機(2007年)で世界が混乱し、運用資産の損失を出してしまった各金融機関に対して、かんぽ生命は2008年度決算で383億円の純利益を計上し、その運用の健全性をアピールすることになりました。
1-3.保険商品一覧
こちらでは、かんぽ生命の保険商品を紹介します。とくに終身保険と養老保険は、保険加入希望者のニーズへ合わせた保険選びが可能なように工夫されています。
〇終身保険
保険加入者が亡くなるか中途解約するかしない限り、一生涯保障される商品です。
定学型、2倍型・5倍型、特別終身保険と様々なタイプがああります。
- 新ながいきくん(定額型)
- 新ながいきくん(ばらんす型 2倍)
- 新ながいきくん(ばらんす型 5倍)
- 新ながいきくん(ばらんす型 5倍)
- かんぽにおまかせ(終身タイプ):引受基準緩和型
第2章以降で詳細を解説していきます。
〇養老保険
一定の期間を定め、その満期に生存していることを条件とし、死亡保険金と同額の生存保険金が受け取れる商品です。
普通、短期、2倍型・5倍型・10倍型養老保険と様々なタイプがあります。
- 新フリープラン
- 新フリープラン
- 新フリープラン(2倍保障型)
- 新フリープラン(2倍保障型)
- 新フリープラン(10倍保障型)
- かんぽにおまかせ(満期タイプ):引受基準緩和型
〇学資保険
子供の将来の教育資金のために積み立てる商品です。
- はじめのかんぽ
第4章以降で詳細を解説していきます。
〇定期保険
一定期間を定めその期間内に死亡した場合、保険金が下りる商品です。
- 新普通定期保険
〇長寿支援保険
公的年金の他に、個人年金保険として積み立てておく保険商品です。
- 長寿のしあわせ
第6章以降で詳細を解説していきます。
次章からは、被保険者の万が一の死亡のとき、子のための積み立て、老後の資金確保の3つに着目し、「新ながいきくん」、「はじめのかんぽ」、「長寿のしあわせ」の保障内容・評判を解説していきます。
2.死亡保険「新ながいきくん」について
かんぽ生命は身近な保険会社にもかかわらず、経営も健全で保険商品も豊富ですね。興味がわきました。
まずは、終身保険がどんな内容なのか是非知りたいです・・・。
第2章では、新ながいきくんの特徴について解説します。
2-1.新ながいきくんの概要
新ながいきくんは大きく4種類に分かれ、各保険加入希望者のニーズに合わせ保険選びができます。
皆さんが気になるのは、定額型・2倍型・5倍型という3タイプでしょう。養老保険(新フリープラン)にも2倍型・5倍型・10倍型とありますが、これらは何が倍になるのでしょうか?
〇新ながいきくんは働き盛りを応援
新ながいきくん2倍型・5倍型という2つのタイプは、単純に死亡保険金が通常より2倍、5倍と増えるというわけではありません。
例えば、働き盛りで基本保険料払込期間中に被保険者が亡くなると、1,000万円の死亡保険金が受け取れますが、無事退職しセカンドライフに移行すれば、下りる保険金を2倍型なら500万円、5倍型なら200万円に抑えられます。その分保険料を割安にするという仕組みです。
一方、似たような「倍型」を設定している養老保険(新フリープラン)は、実は仕組みが新ながいきくんと同じです。
例えば、満期金を100万円で設定していた場合、保険料払込期間中に被保険者が亡くなると、2倍型なら200万円、5倍型なら500万、10倍型なら1,000万円が死亡保険金として受け取れます。
どちらも一定期間内に死亡してしまった場合を想定し、死亡保障を厚くできるという点が特徴です。
〇新ながいきくんの加入年齢範囲
新ながいきくんはタイプ別に加入できる年齢も異なります。
(1)定額型
加入可能年齢は85歳までと高齢でもOKです。
保険料払込済年齢 | 加入年齢範囲 |
55歳払込済 | 15~45歳(下限15歳は満年齢でカウント) |
60歳払込済 | 20~50歳 |
65歳払込済 | 25~55歳 |
70歳払込済 | 30~60歳 |
75歳払込済 | 35~65歳 |
80歳払込済 | 40~70歳 |
85歳払込済 | 45~75歳 |
90歳払込済 | 50~80歳 |
95歳払込済 | 55~85歳 |
(2)ばらんす型2倍
加入可能年齢は65歳までとなります。
保険料払込済年齢 | 加入年齢範囲 |
55歳払込済 | 15~45歳(下限15歳は満年齢でカウント) |
60歳払込済 | 20~50歳 |
65歳払込済 | 25~55歳 |
70歳払込済 | 30~60歳 |
75歳払込済 | 35~65歳 |
(3)ばらんす型5倍
加入可能年齢は60歳までとなります。
保険料払込済年齢 | 加入年齢範囲 |
55歳払込済 | 15~45歳(下限15歳は満年齢でカウント) |
60歳払込済 | 20~50歳 |
65歳払込済 | 25~55歳 |
70歳払込済 | 30~60歳 |
(4)おたのしみ型(一時金を4回保障)
加入可能年齢は70歳までとなります。
保険料払込済年齢 | 加入年齢範囲 |
55歳払込済 | 15~45歳(下限15歳は満年齢でカウント) |
60歳払込済 | 20~50歳 |
65歳払込済 | 25~55歳 |
70歳払込済 | 30~60歳 |
75歳払込済 | 35~65歳 |
80歳払込済 | 40~70歳 |
2-2.新ながいきくんの保障内容
基本契約と特約の内容は次の通りです。
〇基本契約
保障内容の基本契約部分は、各タイプによって死亡保障が異なります。
(1)定額型(月払保険料:男性20歳2,130円~)
- 基本保障:死亡保険金1,000万円(死亡・重度障害状態の場合)
- 倍額保障:1,000万円上乗せ(不慮の事故・所定の感染症で死亡の場合)
(2)ばらんす型2倍(月払保険料:男性20歳1,930円~)
- 基本保障その1:死亡保険金1,000万円(基本保険料払込期間中に死亡・重度障害状態の場合)
- 基本保障その2:死亡保険金500万円(保険料払込期間満了後に死亡・重度障害状態の場合)
- 倍額保障:500万円上乗せ(不慮の事故・所定の感染症で死亡の場合)
(3)ばらんす型5倍(月払保険料:男性20歳1,370円~)
- 基本保障その1:死亡保険金1,000万円(基本保険料払込期間中に死亡・重度障害状態の場合)
- 基本保障その2:死亡保険金200万円(保険料払込期間満了後に死亡・重度障害状態の場合)
- 倍額保障:200万円上乗せ(不慮の事故・所定の感染症で死亡の場合)
(4)おたのしみ型(月払保険料:男性20歳2,960円~)
- 基本保障その1:死亡保険金1,000万円(基本保険料払込期間中に死亡・重度障害状態の場合)
- 基本保障その2:死亡保険金200~800万円(保険料払込期間満了後に死亡・重度障害状態の場合)
- 一時金:200万円(生存中4回受け取り)
- 倍額保障:200~800万円上乗せ(不慮の事故・所定の感染症で死亡の場合)
〇特約
任意で基本保障に追加することができます。
(1)災害保障
- 死亡保険金:1,000万円
- 傷害保険金:(身体障害の状態により)100~1,000万円
(2)医療保障
- 入院初期保険金:75,000円
- 入院保険金(日額):15,000円
- 手術保険金:(外来)7.5万円・(入院)30万円
- 放射線治療保険金:15万円
2-3.新ながいきくんの注目点
新ながいきくんは各プランいずれも、通常プランまたは低解約返戻金プランのどちらかを選べます。
この低解約返戻金とは、保険料払込期間中に解約する場合、解約返戻金額(解約して戻るお金)は非常に低額となりますが、その分保険料は安くなる特徴があります。
働き盛りの一定期間にご自分(被保険者)が死亡した時、配偶者・子に多額の死亡保険金を残し、かつ保険料を安く抑えたいときには、10倍型で低解約返戻金プランを選ぶことがおすすめです。
3.死亡保険「新ながいきくん」の評判について
新ながいきくんは、かんぽ生命が工夫を凝らした商品と言えますね。
では、実際に加入している方々の意見を聞きたいです・・・。
こちらでは、新ながいきくんを評価する意見、批判的な意見を取り上げます。
3-1.新ながいきくんを評価する意見
新ながいきくんに肯定的な意見のある方々は、やはり低解約返戻金プランと、身近な郵便局ということを評価している場合が多いです。一例をあげます。
〇30代男性
新ながいきくんの10倍型・低解約返戻金プランを利用しています。業務に自動車を良く利用するので、事故に遭う可能性も考慮して、保険料の払込期間中は死亡保障を厚くしました。
死亡保障を厚くする割には10倍型かつ低解約返戻金プランなので、保険料は安いです。自分が万一の事態となっても、妻や娘に十分な保険金が下りるので安心です。
〇40代女性
父の代からお世話になっています。郵便局の保険は民営化されても、加入しやすいですね。
私も主人同様に仕事を持っているので、かんぽ生命の新ながいきくんに加入しています。これで、万が一の時も安心です。
3-2.新ながいきくんに批判的な意見
新ながいきくんに批判的な意見のある方々は、老後の貯蓄対策に利用が難しい点と、特約の医療保障の有用性を疑問視する声が多いです。一例をあげます。
〇50代男性
確かに死亡保障としては役に立つかもしれないが、老後の資金の確保という意味では弱いな。
低解約返戻金型の終身保険には、保険料払込が終了した後、もっと返戻率が高い商品もある。
〇30代女性
特約に医療保障を付けるくらいなら、ネット申込の医療保険で月払保険料が1,000円未満のものもあります。そっちの方が安いでしょう。
ネット型の安い医療保険と、内容もあまり変わらないような気がします。それだったら、死亡保険一本で販売を徹底させた方が、保険料もっと安く設定できるかも?
3-3.評判を分析
新ながいきくんの倍型で設定される商品は、働き盛りの方々が、保険料払込期間に亡くなった場合を想定した保障内容となっています。
つまり、家庭を養うため、お金がドンドン必要な時に亡くなっても、残された家族の当面の生活費・教育費を賄う役割を担っています。
そのため、肯定的な意見のある人に働き盛りの方々が多いのは、その備えに丁度良い保険商品だからでしょう。
ただし、他の保険会社の低解約返戻金型終身保険のように、死亡保障というより、解約して受け取る返戻金を目当てに契約する場合なら、新ながいきくんは物足りない内容と言えるかもしれません。
4.学資保険「はじめのかんぽ」について
近い将来、妻との間に子を設けるかもしれません。そのときのために、子供の教育資金に役立つ保険へ加入を検討したいです。
かんぽ生命で子供のための保険は販売しているのでしょうか・・・?
第4章では、はじめのかんぽの保障内容について解説します。
4-1.はじめのかんぽの概要
はじめのかんぽは子の学資保険として、保険料を積み立てて、子が一定の年齢になったら、満期保険金として下りる商品です。
コースは3種類あり、「大学入学時コース」、「小・中・高+大学入学時コース」、「大学入学時+在学中コース」に分かれています。
また、子が生まれていない段階でも、出産予定日の140日前から保険加入ができます。子が生まれて慌ただしい時期に、つい加入を忘れるということもありません。余裕を持った加入が可能です。
そして、保険料を払い込んでいる期間内に、保険加入者(親)が亡くなった場合は、以後の保険料の支払いは免除され、契約した通り満期となったら満期保険金が下ります。
4-2.はじめのかんぽの保障内容
こちらではコースごとの基本保障と、特約の内容を解説します。
〇基本保障
基本の保障内容は、各コースによって設定金額の条件・保険金の取得方法が異なります。
(1)大学入学時コース(子の加入可能年齢:0~12歳)
満期保険金(基準保険金額)は50~700万円となります。大学入学時(18歳時)に一括で受け取ります。
(2)小・中・高+大学入学時コース(子の加入可能年齢:0~3歳)
満期保険金(基準保険金額)は50~500万円となります。小学校、中学校、高校入学ごとに、学資祝金が受け取れます。
例えば保険金の受取総額が390万円なら、学資祝金は、15万円(小学)・30万円(中学)・45万円(高校)、満期保険金は300万円という形で下ります。
(3)大学入学時+在学中コース(子の加入可能年齢:0~12歳)
満期保険金(基準保険金額)は50~700万円となります。大学在学中に学資年金という形で保険金を受け取れます。
例えば保険金の受取総額が300万円なら、大学1年75万円・大学2年75万円・大学3年75万円・大学4年75万円となります。
〇特約
任意で基本保障に追加することができます(特約の基準保険金額300万円の場合)。
- 入院初期保険金:22,000円
- 入院保険金(日額):4,500円
- 手術保険金(外来)22,500円・(入院)90,000円
- 放射線治療保険金:45,000円
4-3.はじめのかんぽの注目点
大学生活は最も学費がかかり、私大の場合は1,200万円以上となります。そのため、親元からはなれ独り暮らしを始めた場合、大学4年間の生活費の工面は、学生がバイトをして稼ぐ場合も多いことでしょう。
しかし、大学に入るのは学業のためです。バイトも良いですが、高度な知識を学ばせるためには、生活費の補助は必要不可欠です。
とくに「(3)大学入学時+在学中コース」は、この大学生活4年間のサポートに有効な備えと言えます。
もちろん「(2)小・中・高+大学入学時コース」のように、入学時に必要な教材費を祝金で賄う方法も有効ですね。
5.学資保険「はじめのかんぽ」の評判について
はじめのかんぽは、子が生まれる前から契約することができて、余裕を持って加入できますね。
では、実際に加入している方々の意見を聞きたいです・・・。
こちらでは、はじめのかんぽを評価する意見、批判的な意見を取り上げます。
5-1.はじめのかんぽを評価する意見
はじめのかんぽに肯定的な意見のある方々は、やはりコースが選べる点と、子の出生前に加入できることを評価している場合が多いです。一例をあげます。
〇20代女性
生まれてくる我が子のため、既にこの保険へ加入しました。やはり出産予定日の140日前から加入できるという点が、非常にありがたいです。
他の学資保険と比較して、保険内容も非常シンプルで条件が少ないのもメリットの一つです。サポート体制も、さすがはかんぽ生命、不明な点は電話対応で解消できます。加入してよかった。
〇30代男性
私は大学生の頃、生活費で結構苦労しました。親には学費を払ってもらっていたので、生活費も頼むとはなかなか言えなかったし。
子供にはそんな苦労させたくないので、「大学入学時+在学中」のコースで現在積み立てています。これを備えとして、子供には学業に専念してもらいたいですね。
5-2.はじめのかんぽに批判的な意見
はじめのかんぽに批判的な意見のある方々は、特約を付けると元本割れを起こす場合のあることに不満が多いです。一例をあげます。
〇30代女性
郵便局に用事があったとき、局員から熱心に勧誘されました。入院特約も付ければ安心と言われてスッカリその気に・・。
でも、加入後よくよく計算をしてみると、元本割れすることがわかって愕然としました。こんなことなら定期預金の方がまだ利回りも良かった。ガッカリです。
〇20代女性
はじめのかんぽに加入する際は、郵便局が販売しているからという理由で、内容もあまり見ないで契約しました。
局員の方は親切に教えてくれて好印象でしが、入院1日1000円程度しか出ないことがわかり、ちゃんと選べばよかったと残念に思いました。
5-3.評判を分析
はじめのかんぽはご自分や子のニーズに合わせてコースが選べ、子の出生前のかなり早い時期から加入できるので、出産準備や出産後の対応に追われることなく加入ができます。
一方、批判的な意見では、確かに特約を付加すると元本割れを起こすケースがあります。
しかし、子の健康と、教育資金の確保の両立を図る目的であるなら、どうしても医療保障の保険料分が多くなります。
結果として返戻率(戻ってくるお金の割合)が下がったり、元本割れを起こしたりします。
そのため、保障内容をよく吟味し、返戻率を高めるため満期保険金に特化し特約を省くか、子供の病気・ケガの備えのため特約を付加するか、を決定しましょう。
6.個人年金保険「長寿のしあわせ」について
私の叔父は、そろそろ老後の資金の準備をはじめたいと話しています。公的年金は今後どうなるかわからないので確かに老後は心配です。
かんぽ生命で、老後の資金確保に役立つ保険商品は無いでしょうか・・・?
第6章では、長寿のしあわせの保障内容について解説します。
6-1.長寿のしあわせの概要
こちらも低解約返戻金型で、死亡保障を行わず保険料を抑え、長生き期間中の保障を重視する個人年金保険です。
最終年金支払年齢まで、ご自分が生存している限り年金を受け取ることができ、基本契約の加入は告知の必要がありません。
加入年齢範囲は保証期間(被保険者が亡くなった場合も、金額が受け取れる期間)によってそれぞれ異なります。
(1)保証期間20年・年金支払期間30年の場合
- 年金が60歳支払→加入年齢50歳
- 年金が65歳支払→加入年齢50~55歳
- 年金が70歳支払→加入年齢50~60歳
(2)保証期間15年・年金支払期間20年の場合
- 年金が75歳支払→加入年齢50~65歳
- 年金が80歳支払→加入年齢50~70歳
ご自分の健康状態等をよく把握しながら、加入年齢等を検討していきましょう。
6-2.長寿のしあわせの保障内容
保障内容は非常にシンプルです。加入可能な年金額は10万円~90万円となります。
保証期間の途中で被保険者が死亡しても、遺族に残りの期間分のお金がまとめて支払われます。
また、特約を任意で基本保障に追加することができます。
(1)災害保障
- 死亡保険金:1,000万円
- 傷害保険金:(身体障害の状態により)100~1,000万円
(2)医療保障
- 入院初期保険金:75,000円
- 入院保険金(日額):15,000円
- 手術保険金:(外来)7.5万円・(入院)30万円
- 放射線治療保険金:15万円
6-3.長寿のしあわせの注目点
こちらでは事例を上げて、将来受け取る年金額をシミュレーションしてみます。
(例)
- 保険加入者:男性
- 加入年齢:50歳
- 年金支払開始年齢:65歳
- 年金額:90万円
- 払込保険料総額:22,113,000円
→補償期間84歳時:1,800万円
→更に94歳時:2,700万円(返戻率122.1%)
長生きすればするほど返戻率も高くなり、お得に年金を受給することができます。
7.個人年金保険「長寿のしあわせ」の評判について
長寿のしあわせは内容がとてもシンプルでわかりやすいですね。日本では長寿化が進んでいるので、お得に年金をもらえる方々が多くなるかもしれませんね。
では、実際に加入している方々の意見を聞きたいです・・・。
こちらでは、長寿のしあわせを評価する意見、批判的な意見を取り上げます。
7-1.長寿のしあわせを評価する意見
長寿のしあわせに肯定的な意見のある方々は、長期間年金が受給できる点、原則として無告知で加入可能な点を評価している場合が多いです。一例をあげます。
〇50代女性
私が長寿のしあわせを選んだのは、生存中の受取金額を重視したからです。公的年金だけで、退職してからとても今の生活水準を維持することは難しいので。
長期間でかつ生存中の受取金額が大きい商品をみていたところ、長寿のしあわせが一番でした。また、基本契約だけなら無告知なので簡単に加入できました。
〇60代男性
長寿を考えた良い個人年金保険だと思う。公的年金は正直どうなるかわからない。私は健康が取り柄なので、即加入を決めた。
内容も簡単だし、長生きすればそれだけ受取金額は増加する。健康に自信ある人は、この保険に加入するべきだろう。加入できて、とても満足している。
7-2.長寿のしあわせに批判的な意見
長寿のしあわせに批判的な意見のある方々は、長生きできるか不安な点、死亡保障の無い点を不安視している場合が多いです。一例をあげます。
〇50代女性
内容はとてもシンプルでわかりやすいですが、「元本+利得」になるためには90歳~95歳まで生きる必要があります。
正直そこまで長生きできるか不安になってきました。今は健康でも年を取ればそれだけケガや病気もしやすくなるし・・・・。
〇50代男性
保証期間のあるのは魅力だが、死亡保障がないのは少々不安だ。私が死んでも遺族へまとまったお金は残したいと思うようになった。
解約返戻率が抑制されているので、容易に解約することも難しいのが少々痛い。
3-3.評判を分析
長寿のしあわせは内容がわかりやすく、生存中の年金受け取りに特化した保険商品です。
そのため死亡保障は付きませんが、もしも保証期間中に被保険者が亡くなっても、残りの保証期間分の年金が一括で受け取れます。
元本割れを起こしてしまいますが、遺族にとっては、ある程度まとまった金額が受け取れることになります。
そのため、批判的な意見でもあるように、長生きできるか不安な人へあまりお勧めできない商品といえます。
やはり、現役時代から健康に気を使い、老後になってからも大きな病気をしないよう、健康へこまめに気を配れる人向けの商品といえます。
8.まとめ
かんぽ生命の保険商品は、ユニークな工夫を凝らした商品や、非常にシンプルで分かりやすい商品等、幅広い内容のものが多いですよね。
また、郵便局という身近な存在が、頼れる保険商品を販売しているのも魅力です。
〇ただし、保険選びは慎重に
そうはいっても、かんぽ生命の保険商品は、誰もが納得できる商品かといえば、批判的意見をみるに、そうと言えないことは明らかです。
そのため、郵便局が窓口だし保険商品も安心できると、安直に考えて加入するのは早計です。
他にもご自分のニーズにふさわしい保険商品があるかもしれません。ある程度、時間に余裕があるならば、他の保険会社の商品と比較しながら選んでいきましょう。
〇相談・アドバイスは別の視点から
郵便局の局員は親切に保険内容を教えてくれると思いますが、別の専門家の意見も聞いておいた方が無難です。
最近では、駅前やショッピングモール等に店舗を構える「無料の保険相談窓口」も随分増えました。
こちらを利用して、保険を相談すれば、多様な視点から保険商品を分析してくれることでしょう。
なお、なかなか来店が難しい場合は、訪問型の無料保険相談サービスを選ぶのも良いでしょう。
相談スタッフの質やサービス内容は、店舗型と変わりはありません。