個人年金保険は老後の資金作りとして加入する人の多い保険の一つですが、この保険がどんな仕組みを持っていて、どんな特徴があるか知っていますか?個人年金保険といえど、紐解いてみると色んな種類があるためどれも同じというわけではありません。
他の保険同様に個人年金保険にも落とし穴というものが存在します。知らないで契約をするよりも、個人年金保険のことを良く知ってから契約した方がリスクは低くなります。保険で大きな失敗をしないためにも、個人年金保険のことについてよく基礎から落とし穴のことをご紹介します。
目次
1.個人年金保険とはどんな保険?
1.1 個人年金保険とは
1.2 個人年金保険の特徴
1.3 個人年金保険はこんな人たちが利用している
2.個人年金保険の仕組みとは?
2.1 個人年金保険の仕組み
2.2 個人年金保険はいくつかの種類に分かれる
2.3 年金を受け取ると税金がかかる?
2.4 変額年金と定額年金の違いは?
3.個人年金保険のメリットとデメリット
3.1 個人年金保険のメリット
3.2 個人年金保険のデメリット
3.3 個人年金保険の総合評価
4.知っとかなきゃ損をする?!個人年金保険の落とし穴
4.1 途中解約は損!
4.2 保険によっては損をする
4.3 保険会社の破綻には要注意!
4.4 定額年金はインフレに弱い!
4.5 商品によってはリスクが高い!
5.個人年金保険を選ぶときはどう選べば良いの?
5.1 まず自分にとって必要か判断しよう
5.2 次に年金の種類を選ぼう
5.3 種類が決まったら期間を選択する
5.4 数ある商品の中から自分に合ったものを選択する
5.5 保険料の支払い方法の選択
6.個人年金保険で得をするために知っておきたいことは?
6.1 個人年金保険料税制適格特約を付加して条件を満たそう
6.2 保険料を安く抑えたいなら月払いよりも年払い
6.3 口座振替ならクレジットカード払いの方がお得?
7.まとめ
目次
1.個人年金保険とはどんな保険?
将来のことを考えると、老後の資金作りやライフプランなどさまざまな課題があると思います。その中でも老後の資金作りのためにと国の年金や養老保険などに加入する・している人もいるでしょう。
将来の資金作りのための保険に「個人年金保険」というものがあります。これは国から支払われる年金とは別に、将来受け取れる年金を保険で積立てておくものです。若いうちから個人年金保険に加入しておくことで、将来国から貰える年金にさらにプラスしてお金を受け取りたい人が加入します。
それでは、この個人年金保険とは具体的にどんな保険なのでしょうか?
保険は種類によって特徴や扱いが違います。国の年金と区別するためにも、他の保険と区別するためにも個人年金保険のことを基礎から知っておきましょう。
1.1 個人年金保険とは
個人年金保険とは、国の年金とは別に個人で老後の資金の用意のための保険です。そのため基本的な考え方は国の年金と変わりませんが、その仕組みや保障内容は保険商品によって変わります。
個人年金保険も一定の年齢を迎えると積立ててきた(払い込んできた)保険料を原資として、決まった金額が受け取れます。もし受け取る前に死んでしまった場合は受取人に対し死亡保険金が支払われます。
保障内容は老後の資金作りとなるため「将来の生活資金のための貯蓄型保険」となります。
1.2 個人年金保険の特徴
個人年金保険は基本的に「誰でも加入ができる保険」に属します。そしてその特徴は公的年金同様に一定の年齢が来たら一定の期間(定めた期間)年金が受け取れます。万が一受け取り期間前に死亡してしまっても、払込保険料相当額が遺族受取人に支払われるため遺族のためにお金を残したいなどの時にも加入すると良いでしょう。
加入から払込期間終了までの間は死亡給付金として、払込期間終了後からは年金として受け取れる保険です。そのため老後の資金が心もとない場合などは個人年金保険の加入も視野に入れてみましょう。
1.3 個人年金保険はこんな人たちが利用している
個人年金保険を利用しているのは主に公的年金が少ないといわれている自営業の人や老後の生活資金を増やしたい人が利用しています。自営業の人は原則厚生年金の加入・支払がないため個人年金を利用して不足する生活資金を補います。
また専業主婦も同様です。専業主婦も公的年金が国民年金のみとなるため、夫の年金が高くない限りは生活資金が不足してしまいます。将来のことを考えるのであれば個人年金の加入をしておいた方が賢明といえるでしょう。
2.個人年金保険の仕組みとは?
それでは、そんな個人年金の仕組みとはどのようになっているか。
名前は聞いたことがあるけれど、仕組みが解らないと言う方も多くいるのではないでしょうか。
そこで、個人年金保険の仕組みを書いていこうと思います。
2.1 個人年金保険の仕組み
個人年金保険はいくつかの種類に分かれ、それぞれ特徴があります。
個人年金保険は一つの括りから選択するのではなく、個人年金保険の種類によって自分で選択し加入する必要があります。しかし自分がどんな目的で加入したい、どんな方法で年金を受け取りたいのかさえしっかりと明確に分かっていれば難しいことはありません。
最初は種類が複数あるため頭がこんがらがってしまうかもしれませんが、自分の目的さえ見失わなければ、自分に合った個人年金保険を選ぶことができます。
では個人年金保険の仕組みをご紹介しましょう。
2.2 個人年金保険はいくつかの種類に分かれる
個人年金保険は年金を将来どのように受け取るかで大きく3つの種類に分かれます。
- 終身年金 被保険者が生きている限り年金が受け取れる。しかし死亡した場合には年金の支払いが終了するので遺族に年金は支払われない。
- 有期年金 被保険者が生きている限り一定期間年金が受け取れる。しかし死亡した場合には遺族に年金は支払われない。
- 確定年金 被保険者の生死に関係なく一定期間年金が受け取れる。被保険者が死亡した場合には残りの期間分は遺族に支払われる。
それぞれ違った特徴があり、それぞれのリスクも異なります。例えば終身年金と有期年金の場合、早期に被保険者が死亡した場合は受け取れる年金があったとしても遺族にその年金が支払われることはありません。
また終身年金と有期年金は保障期間がついている保証期間付終身年金と保障期間付有期年金もあります。これは保障期間中は生死に関係なく年金を受け取れます(死亡したとしても)が保障期間を過ぎると年金の支払いは終了し、遺族に年金は支払われません。
自分がどの期間の保障が欲しいのか、もし死亡した場合には遺族にも年金を受け取って欲しいのかで加入する年金保険を選択します。
2.3 年金を受け取ると税金がかかる?
個人年金保険は年金を受け取る人が誰かによって税金のかかり方が違います。契約者と年金受取人が同一の場合は「所得税(雑所得)」がかかりますが、これが被保険者と年金受取人が違う場合は「贈与税」がかかります。税金対策をしたいのであれば、契約者・被保険者・年金受取人はすべて同じ人にした方が良いでしょう。
贈与税は受け取る年金額や返戻金額、一時金額が大きければ大きいほど高くつきます。500万を超える場合には約70万近くの税金がかかる計算になるので被保険者と年金受取人が違う人にする場合はよく話し合って決めた方が良いでしょう。しかし贈与税は1年間で受け取る年金が110万円以下の場合にはかかりません。そのため年間で受け取る額と一時期で受け取る額で比べてみると良いでしょう。
2.4 変額年金と定額年金の違いは?
変額年金と定額年金とは、年金の運用方法のことです。変額年金はリスクが伴うものの、その分リターン(自分に戻ってくる)が期待できるものです。変額年金は将来受け取る年金を増やしたい人が利用しますが、運用に失敗すると払い込んだ保険料を下回るため資産運用知識がないと失敗しやすい商品です。また元本や預金保険制度・投資家保護基金の保障・対象にはならないので変額年金を選ぶときはよく考えて手を出した方が良いでしょう。
次に定額年金は保険会社が運用をするので保険会社運用の良し悪しに関係なく最低限の年金が保証されています。契約時にいくら受け取れるか明確に分かるので将来の人生プランが立てやすく、安全性も高い年金です。しかし契約時期によっては割高な保険料になる(予定利率に左右される)のでメリットばかりではないのも確かです。
3.個人年金保険のメリットとデメリット
個人年金保険にもメリットとデメリットが存在します。この2つを天秤にかけて、自分にとって必要であるかそうでないかの判断の材料とするのも良いでしょう。
メリットやデメリットは人によって反対のものとなりますが、概ねの判断材料にはなります。良い面ばかりに気を取られると必ずどこかで失敗します。そうならないためにも、悪い面にもしっかりと目を向けて自分が失敗しないように気をつけましょう。
個人年金保険は将来の老後のための資金作りのための保険です。失敗すると老後の生活が苦しいものへと変化してしまうので、運用方法や受け取る年金額にはよく注意して受け取る期間や年金額を決めるようにしましょう。
3.1 個人年金保険のメリット
個人年金保険の種類によりそのメリットが変わりますが、例を挙げてみるならまず確定年金の場合には支払った保険料を上回る返戻率を誇ることが殆どです。そのため貯蓄目的で利用してきた人も多いです。また一定の条件を満たせば節税対策として生命保険料控除制度を適用させることができます。これにより年間約4,800円~9,600円、18,000円ほどの節税ができます。
また個人年金保険は支払った保険料の一部をそのまま貯蓄に回してくれるので強制的な貯蓄力があります。自分で貯金しようと思っていても、なかなか貯められないという場合には個人年金保険に加入して強制的に貯蓄をするのもアリでしょう(途中で引き出せないリスクを理解したうえで)。
銀行に貯めていると、いつでも引き出せるという安心感から、ついつい使ってしまうという人は、個人年金保険を利用することで自分にとって必要な老後の資金を貯められるようになります。自分への自制も兼ねて、なかなか貯められないと感じているなら利用するのはいかがでしょうか?
3.2 個人年金保険のデメリット
終身年金や有期年金の場合早期に亡くなったとしても、遺族に年金が支払われないため元本割れを起こす確率が高いのがデメリットです。また早期の解約は他の保険同様、損の一言しかありません。
ただ目的もなく、周りに言われたからときちんとした目的意識を持っていないのに契約する、保険料が生活水準に合っていないなどの場合に早期解約へと追い込まれるので注意が必要です。
また定額年金の場合、インフレ対応がないので大きな利益は見込めません。また契約者と年金受取人が違う場合には税金が多くかかってきます。生命保険料控除制度を利用したとしても、贈与税で一気に税金で持っていかれるという恐れもあるので契約者と受取人を違う場合にするならきちんと対策をしておかないと、いざという時に大変な事態になります。
3.3 個人年金保険の総合評価
安全に老後の資金を貯めたいのであれば定額年金がおすすめです。しかし大きな利益は受け取れないため、最低限の保証とだけ覚えておきましょう。個人年金保険はどの保険を選択するかでメリット・デメリットが変わってくる商品です。
失敗したくないのであれば、最初の保険選択で失敗しない、早期解約しない、保険料は無理のない範囲に設定するように心がけておきましょう。また税金に対してもいくらかの知識を持っておきましょう。
4.知っとかなきゃ損をする?!個人年金保険の落とし穴
個人年金保険は将来の老後生活の資金を作るのに良い保険です。しかし保険には必ず落とし穴というものが存在します。
知らないと損をしてしまったり、人より多く保険料や税金を支払うことになるので注意しましょう。個人年金に限ったことではありませんが、保険は早期・途中解約をすると損しかありません。また保険内容をよく確認しないまま、保険営業マンの言いなりになってしまうと失敗をする恐れがあるので注意しましょう。
個人年金保険で失敗をしないためにも、落とし穴には気をつけるようにしましょう。
4.1 途中解約は損!
個人年金保険に限ったことではありませんが、途中解約や早期解約は損の一言しかありません。途中解約・早期解約の原因として考えられるのは、保険料が払えなくなったり、そもそも保険に入る目的があやふやだった場合などが最も多い理由です。
保険料の設定は今の生活、将来の生活に渡り無理のない範囲にするべきです。多少の無理は大丈夫とたかを括っていると後で支払えなくなり解約する羽目になります。
解約返戻金が発生する保険だからといっても早期解約をしてしまうとその解約返戻金すら発生しないこともあるので注意が必要です。
4.2 保険によっては損をする
終身年金や有期年金などは早期に亡くなってしまうと支払った保険料を下回る恐れがあるため、加入する保険形態によっては損をする可能性が高い保険です。
終身年金や有期年金は、受け取れる年金期間がある程度決められているなどの特徴がありますが、被保険者が亡くなった場合には、受け取り年金に残りがあったとしても遺族が受け取ることができないため元本割れのリスクが高いです。
そのため安全に、確実に年金を受け取りたいのであれば、確定年金を選択した方が良い場合もあるので、このようなリスクを理解したうえで保険形態を選択するようにしましょう。
4.3 保険会社の破綻には要注意!
保険会社の破綻はそうそうありませんが、万が一加入している保険会社が破綻した場合には損をするので覚えておきましょう。保険会社が破綻すると、生命保険契約者保護機構が保険契約事態は維持してくれますが、その代わりに保険金が削減されたり、契約条件をさらに上乗せされるなどして今の契約状況よりも不利になる恐れがあります。
そのため保険会社が破綻すると元本割れしやすいのです。保険会社の破綻は滅多にあることではありませんが、このようなリスクがあることを頭に入れておいた方が良いでしょう。
4.4 定額年金はインフレに弱い!
定額年金は将来受け取れる年金が決まっているため、もし金利が大幅に上がったとしても、その影響は受けないので大きな利益は見込めません。逆に金利が下がった場合にはその影響を受けないので大きな損失は受けません。そのため安全性重視な保険を選びたいなら定額年金がおすすめですが、大きなリターンは望めないことは理解しておきましょう。
固定金利保険、つまり定額年金は長期に渡り金利が固定されてしまうため、保険会社が一部の運用に成功したとしてもその利益は全くとして受け取れません。しかし失敗したときのリスクを考えると安心です。つまるところ、定額年金はあまり冒険をせずに切実に老後の資金を用意したい人向けの保険になるので過度な期待や心配は不要ともいえます。
4.5 商品によってはリスクが高い!
定額年金とは逆に変額年金はインフレ・デフレに左右されるのでとてもリスクが高い商品です。運用知識があればまだ良いですが、初めてという場合にはあまり手を出さない方が良い商品です。
興味がある方は自分である程度の知識の勉強と、担当者に詳しい話を聞くことをおすすめします。商品によって特徴や運用法も変ってくるので資料で見るだけよりも詳しく話を聞いた方が失敗も少ないでしょう。
5.個人年金保険を選ぶときはどう選べば良いの?
では個人年金保険はどう選べば良いのでしょうか?
好きな保険を選びたくても、こうメリットやデメリットが飛び交っているとどれを選んで良いのか分からなくなりますよね。しかしきちんと目的さえ見失わなければ、保険選びで失敗することは稀です。時には外的要因により思わぬリスクを受けることもありますが、基本はまず自分がどうしたいか・どの保障が欲しいのかを明確にしておきましょう。
また個人年金保険を選ぶときは順番を追って選択していくと自分の考えもまとまりやすくなります。自分にとって必要か、そしてどんな方法で年金を受け取りたいのかなど一つひとつ整理していくことで自分の目的をもう一度確認できるようになります。
5.1 まず自分にとって必要か判断しよう
まず一番大切なことは、本当に自分にとって個人年金保険が必要か判断することです。将来の老後の生活資金が心もとない、足りないと感じているのであれば保険に加入した方が良いといえます。しかし貯蓄が十分にあり、人に言われてなどの場合には自主性に欠けるため保険に加入するのは適切でないでしょう。
まずはしっかりと自分の意志を持つことです。保険選びはゲームではありません。自分の選択によって今後得をするか損をするかが決まります。そのため誰かの言葉に踊らされたり、心揺さぶられている状態での契約は早期解約や途中解約を招きやすいといえます。
何のために加入するのかをきちんと明確にすることが、保険選びへの第一歩です。
5.2 次に年金の種類を選ぼう
自分にとって本当に個人年金保険が必要かどうか判断したら、次は年金の種類を選択しましょう。一生涯年金を受け取りたいのか、一定の期間だけでいいのか、また自分が死んだとしても遺族に年金を受け継ぎたいのかなどを目安に決めます。
ここの選択を間違えると後で保険の見直しをしなければいけないので自分の目的に合った年金の種類を選ばなくてはいけません。
自分が望んでいる年金受け取りの形や運用方法を選択し、きちんとライフプランを立てるようにしましょう。その場限りで凌いでいると後で失敗し、後悔することになるので注意しましょう。
自分だけで決められない場合には家族に相談するのも良いでしょう。
5.3 種類が決まったら期間を選択する
種類が決まったら、終身年金を除いた年金保険は期間を決めなくてはいけません。もしどれが最適か分からない場合には最も多いとされる受け取り開始年齢と期間を聞いて選択するようにしましょう。しかしあくまで分からない場合なので、自分がこの期間と決めている場合にはそちらを優先しましょう。
ある程度の貯蓄があるなら期間を短めに、貯蓄が少ないのであれば期間を長めに設定したりと自分の状況に合わせて柔軟に対応しましょう。また保険料が心配な場合は保険料を無理のない範囲に設定し、そこから決められる期間を選択しても良いでしょう。
5.4 数ある商品の中から自分に合ったものを選択する
次に数ある商品の中から自分に合ったものを選択しましょう。大きなリターンを求めるのであれば変額年金など自分のニーズに合った商品を選びます。また返戻率の高さで選択するのも良いでしょう。今は解約する予定が無くても、今後どうなるかはわかりません。当然解約しない方が良いですが、いざという時のために返戻率の高い保険を選択しておくのも手です。ですが返戻率が高いと保険料も高くなってしまうので、自分の生活が苦しくならない範囲の保険料設定にすることは忘れないようにしましょう。
数ある商品の中からどれを選んで良いか迷うという場合には、商品同士を比較するのも良いでしょう。その場合は同じ条件同士で比較することでその違いやメリットが分かりやすくなります。良いものを見つけるためにも、比較するのをおすすめします。
5.5 保険料の支払い方法の選択
最後に保険料の支払い方法の選択です。最も多いのは月払いですが、保険料総額を減らしたいのであれば年払いや一括払いがおすすめです。しかしこれらは一度に多くのお金を支払わなくてはいけないため、ある程度の貯蓄が必要となります。
自分の無理のない範囲で支払えるのであれば、多少なりとも保険料総額が減らせる年払いや一括払いを選択することをおすすめします。
年払い・一括払いをすることで劇的に保険料総額が少なくなるわけではありませんが、余裕があるならこちらを選択した方が節約はできるでしょう。
6.個人年金保険で得をするために知っておきたいことは?
個人年金保険で失敗したくないと思うのと同様に、誰しも得をしたいと思いますよね。
ではどんなことをすれば得をすることができるのでしょうか?誰しも必ず得ができるわけではありませんが、これらのことを実現させるだけでも些細な得を得ることができます。
最大の得を得たいのであれば変額年金に加入するのが一番ですが、これはリターンが大きい分リスクも高いのが特徴なので、大々的におすすめすることができません。
ここでの得とは保険料をどれだけ安くできるかなど保険料に関することになるので、無理がないのであれば一度考慮してみてはどうでしょうか。
6.1 個人年金保険料税制適格特約を付加して条件を満たそう
個人年金保険は通常の生命保険控除に加えて個人年金控除を受けられるのが一つのメリットですが、これはどの個人年金保険ならOKというわけではありません。個人年金保険料控除を受けたい場合には個人年金保険料税制適格特約を付加する必要があります。また付加したあとは一定の条件を満たさなければ適合にならないので注意が必要です。
しかしこの控除を受けられると大体平均4,800円~最高18,000円ほど節税ができる見込みなので、税金対策をしたいなら是非とも特約付加・条件クリアを目指したいところです。
この控除を受けるための条件とは以下の通りです。
- 年金の受取人は被保険者本人かその配偶者のみ
- 年金の受取人は被保険者と同一である
- 保険料の払い込み期間が10年以上であること
- 個人年金種類が確定・有期年金の場合は受け取り開始年齢が60歳以上かつ受け取り期間が10年以上であること
これらに加えて以下の制限がなされるため注意が必要です。
- 契約内容及び年金受取人の変更が一切できない
- 特約のみの解約はできない
- 契約者配当金は年金支払い開始前に引き出すことができない
- 一部解約や減額をした場合には解約返戻金は積立となり増額年金の原資となる
などです。他にも注意したいことは多々ありますが、保険会社や商品によって異なる点や注意したい点があるので基本はこちらを目安とし、必ず契約する前に確認することをおすすめします。特に注意したいのが、特約をつければ控除を受けられると思っているパターンです。控除を受けるには条件を満たさなければいけないので注意しましょう。
また特約付加後は特約のみの解約、受取人の変更などができなくなるので改め理解しておきましょう。
6.2 保険料を安く抑えたいなら月払いよりも年払い
保険料を安く抑えたいなら月払いよりも年払いの方がおすすめです。しかし誰しもが月払いから年払いに変更できるわけではありませんよね。まずは自分の貯蓄と相談して行いましょう。今の生活を苦しめる恐れがあるのに、年払いを選択するのは賢い選択とは言えません。安くなるといっても多少、の範囲です。
そのため無理して年払いに変更する必要はありません。それよりも口座振替からクレジットカード払いにした方がポイントが貯まるので、コツコツ重視でそちらを選択すべきです。
安くするために多少の苦労は惜しまないと今を切り詰めていても、どこかで綻びが生じます。自分の首を絞めることにならないためにも、無理のない範囲で選択するようにしましょう。
6.3 口座振替ならクレジットカード払いの方がお得?
もしクレジットカードを持っていて、カード払いでも抵抗が無いのであれば口座振替よりもカード払いで保険料を支払うことをおすすめします。というのも、クレジットカードには支払った額によりポイントが付加されるものがあります。貯めたいポイントがあるのであれば、保険料の支払いをカード払いにしておくと多くのポイントを貯めることができます。
毎月の付加ポイントは少なくても、保険料総額を考えるとカード払いにした方がお得にポイントを貯めることができます。カードの引き落とし口座と保険の引き落とし口座が同一の場合には、カード払いにした方がその分ポイントも付くのでおすすめです。
しかしすべての保険商品がカード払いできるわけではないので注意しましょう。またポイントがないクレジットカードもあるので、加入前に一度確認するようにしましょう。
7.まとめ
老後の生活資金を作るための保険は個人年金保険だけではありません。しかし個人年金保険にもこの保険にしかない魅力があります。まずは自分にとって個人年金保険がどう必要なのかを明確にしてみましょう。他の保険でも代用ができるのか、それとも個人年金保険の方が良いのか…。自分の考え・ニーズに沿った保険を選択できるかが保険選びのカギとなるので、失敗や後悔をしないためにもきちんと自分の考えは持つようにしましょう。