公的保険制度として周知されているのが「国民健康保険」と「社会保険」です。
この2つについては、よく比較をされますので何となく知っている方も多いでしょう。
そのうち「国民健康保険=国保」に用意されている「免除制度」をご存知でしょうか?この免除制度を知っていると知らないとでは、後々に大きな差が出てきます。問題なく支払いができている場合は、とくだん問題はありません。
しかし、失業した場合や病気にかかった場合など、想定外のことも生じる可能性があります。
そこで、今回は「国保」のおさらいから、「免除」について、そして、その他にもおさえておきたい国保の仕組みをご紹介していきます。
こちらの記事を参考に、国保を活用して頂きたいと思います。
1:国保の仕組みを理解しよう
まず最初に、国民健康保険(通称:国保)の基本的な事柄について理解しておきます。既にご存知の方も多いと思いますが、基礎の基礎の復習だと思ってください。
この国民健康保険(以下、国保)は、国が行っている公的な保険制度になります。
1-1:国保とは?
国保の運営母体は、各個々人が住んでいる市町村単位で、国の制度ではありますが住んでおいる市町村で保険料や条件等がここなる場合もあります。こうした場合には、後々の手続きをする際に驚く場合もありますので、予め確認をしておくことが大事です。もちろん、事細かに確認をしなければいけないということではなく、特に気になる保険料などのポイントをおさえておくようにしましょう。
そもそも、国保は運営している市町村に対して国・県が支援する補助金と、国保への加入が支払う保険料を合わせた資源を使い運用を行っています。国保に加入している人が病院で診療を受けた場合には、窓口で本人が支払う金額を除いた治療費はこの資金から各医療機関に支払われることになります。実際には、社会保険に加入している方と同じように、治療を受けた場合にはその治療費の一部を窓口で支払うことになります。その差額については、各医療機関が月単位で取りまとめ、国保連合会を通じて支払いを受けるという流れになります。国保に加入していないと、医療機関での支払いは全額実費となりますので、手厚い支援を受けるためにも加入の漏れが無いようにしておきましょう。
1-2:国保の対象者は?
では、もう少し国保について整理していきます。
最初は国保の加入者についてです。
【国保加入者】
(1)職場の健康保険に加入していない
(2)生活保護を受けていない
(3)日本国内に住んでいる
の3つを満たしていることが基本条件になります。上記を満たしていれば、外国籍の方も対象となります。この条件を満たしていない場合には、「国保」への加入はできないことになります。また、基本的な考え方は「加入の意志」は関係ないということです。基本的に、国の保険制度になるためです。
主な加入者イメージは以下で確認してください。
(1)お店を経営している、農業や漁業を運営している方
(2)健康保険に加入していない方※パート・アルバイトの方で社会保険に加入していない方
(3)企業を退職した方
(4)外国人登録を行い、日本国内に1年以上滞在する方
などの方は、そのご本人と対象となる家族が国保への加入対象となります。
この手続きは、基本的に家族(世帯)単位での届出となります。ただし、お子様が社会人となり社会保険に加入した場合などは、世帯の登録から削除される流れとなります。この手続きが正常に行われることで、保険料の重複支払などが起きない仕組みとなっています。
1-3:国保の保険料について
今度は、最も気になる「保険料」についてご紹介していきましょう。
実際に、どの程度の保保険料を支払う必要があるか…について、ご紹介していきましょう。
国保の保険料を調べるには、計算をしていくステップがあります。このステップ順に考え方を見ていきましょう。
STEP1:基本となる「所得金額」を確認する
この「所得金額」は国保だけではなく、各種税金の基にもなりますので、ここで基本をおさえておくと良いでしょう。そもそも、「所得金額」については「前年の1月1日~12月31日」を基準として、収入から経費を引いた残りの金額のことです。つまり、手元に残った金額(企業でいえば利益)のことです。
この金額ですが、実は計算している方もいます。それは「確定申告」をしているかたです。
個人事業主をはじめ確定申告をする方は、確定申告書の「所得金額の合計」、企業につとめている方は会社から受け取る源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を確認してみましょう。
この様に知っていると意外と簡単に確認することができます。
STEP2:基準額を計算する
今度は、
所得金額 - 「33万円」 = 「基準額」 を計算します。
この「33万円」とは、「基礎控除」と呼ばれるすべての人が適用される所得控除となります。「所得控除」とは、納税者となる方々の事情を配慮し最低生活水準を維持するために設けられています。
STEP3:所得割額を計算していきます。
今度は、以下の図を基に各種金額を求めていきます。
計算式 |
|
①医療分 |
基準額×7.25% |
②支援金分 |
基準額×2.24% |
③介護分 |
40~64歳の方の基準額×1.76% |
④合計 |
①+②+③ |
この割合が各市町村により異なってくる点を注意しましょう。ちなみに、ここで紹介している数字は、平成31年度の千代田区の値です。
STEP4:均等割額を計算する
どんどん計算していきましょう。今度は「均等割額」についてです。この均等割額ですが、1世帯の加入者数と、介護保険料の負担対象人数を考慮して計算していきます。計算は、以下の図を参考に算出してください。
計算式 |
|
⑤医療分 |
加入者数×39,900円 |
⑥支援金分 |
加入者数×12,300円 |
⑦介護分 |
40~64歳の加入者数×15,600円 |
⑧合計 |
⑤+⑥+⑦ ← 「均等割額」 |
STEP5:最終的な金額を計算する
計算式 |
|
⑨合計 |
④所得割額+⑧均等割額 |
この様に段階を踏んで計算していくとおのずと結果が導かれます。最初は、少し悩むこともあると思いますが、1度計算してみると2回目からはスイスイと計算できるようになります。
★参考:地域別の保険料率★
平成29年度のデータを参考に保険料が高い上位20をピックアップしてみました。
1位 神戸市 |
528,594円 |
2位 熊本市 |
484,410円 |
3位 札幌市 |
483,530円 |
4位 大阪市 |
470,890円 |
5位 京都市 |
466,069円 |
6位 名古屋市 |
463,527円 |
7位 北九州市 |
462,470円 |
8位 堺市 |
459,298円 |
9位 福岡市 |
454,100円 |
10位 仙台市 |
445,015円 |
11位 広島市 |
442,069円 |
12位 浜松市 |
436,285円 |
13位 新潟市 |
434,560円 |
14位 岡山市 |
434,560円 |
15位 川崎市 |
414,861円 |
16位 千葉市 |
393,200円 |
17位 横浜市 |
388,964円 |
18位 さいたま市 |
383,635円 |
19位 静岡市 |
383,354円 |
20位 相模原市 |
342,971円 |
この様に、かなりの開きがあることをご理解いただけると思います。
1-4:国保手続きについて
今度は、国保の手続きについてご紹介していきましょう。手続きには、加入する理由により必要な書類が異なります。ここでは、加入理由別の必要書類を取りまとめています。また、脱退する時も含めてまとめましたので参考にしてください。
加入 |
他市町村から転入してきたとき |
転出証明書 |
職場の健康保険をやめたとき |
健康保険をやめた証明書 |
|
子どもが生まれたとき |
保険証、母子健康手帳 |
|
生活保護を受けなくなったとき |
保護廃止決定通知書 |
|
外国人が加入するとき |
在留カードまたはパスポート |
|
脱退する (やめる) |
他市町村へ転出したとき |
保険証 |
職場の健康保険に加入したとき |
国保と職場の両方の保険証 |
|
死亡したとき |
保険証、死亡を証明するもの |
|
生活保護を受けるようになったとき |
保険証、保護開始決定通知書 |
|
外国人がやめるとき |
保険証 |
|
そのほか |
住所、世帯主、氏名などが変わったとき |
保険証 |
保険証をなくしたり、 汚れて使えなくなったとき |
保険証、 身分を証明するもの |
|
長期旅行などで別の保険証が必要なとき |
保険証 |
|
修学のため、別に住所を定めるとき |
保険証、在学証明書 |
|
退職者医療制度に該当したとき |
保険証、年金証書 |
|
退職者医療制度に該当しなくなったとき |
保険証 |
もう少し加入等の手続きについてのポイントをご紹介していきましょう。
《国保の加入はさかのぼることが可能》
原則として、国保への加入手続きは離職後の翌日から14日以内にすることがルールです。
しかし、加入手続きは市町村に設置されている窓口であり平日しか手続きができません。
そして、健康面が原因で離職した場合などで14日以内に手続きができない可能性もあります。こうした場合には、さかのぼっての加入手続きをすることが可能です。
ただしさかのぼれる期間にもルールがあります。それは、加入資格を得た離職日の翌日ということです。しかし、さかのぼるということは保険料を支払う義務も生じます。さかのぼる日付は、離職日の翌日となりますので、改めて加入した場合には、その分の保険料を支払うことになると理解しておきましょう。
1-5:社会保険との違い
もう1つ基本的な事柄についても、ご紹介しておきます。それが、「社会保険」との違いです。そもそも、社会保険、国民健康保険は日本の2大保険制度です。様々な場面で、特集などが組まれて、2つの違いや「ドットがお得?」などの記事を見かけることがあります。そこで、ここでは社会保険との違いについて、ポイントを絞ってご紹介していきましょう。
そもそも、社会保険と国民健康保険の最も大きな違いは「対象者」になります。イメージして頂きやすいこの違いですが、社会保険はいわゆるサラリーマンの方です。ただし、会社勤めしている人が全員社会保険に加入しているかといえば、少し違います。規模の小さい会社にお勤めの場合や扶養の範囲内でお仕事をされている方は対象外となっている場合もあります。また、2つとも公的な保険制度ではありますがその保険料などにも違いがありますので、社会保険に加入する場合や脱退する場合、逆に国保に加入する場合や脱退する場合にはその内容を確認する様にした方が良いでしょう。
2:国保の二重支払いに注意
社保と国保について、多く生じる可能性があるのが二重支払いです。
もともと、国保に加入していた人は就職した場合や結婚した場合には、社会保険へ加入する必要が出てくる場合があります。この場合には、国保の脱退手続きが必要となります。社会保険の場合には、会社側が何かと手続きの支援をしてくれたり案内をしてくれますが、国保の場合には自分で手続きをする必要があります。この手続きですが、「うっかり」ということもありますし、手続きが平日のみということで中々いけないという方もいます。
手続きすることを認識していれば後々、手続きは可能ですが手続き自体を知らないという方も多いのが実際です。自分でするという認識を持っていない人が実は多いのです。自分で脱退の手続きをしていないと、国保側はまだ加入していると認識して月額の請求処理を行います。実際には、銀行口座から自動引き落としをしている人が大半ですので、自動で何カ月も保険料が引き落とされているという結果を招きます。実施には、市町村からの請求書が届いている場合や口座から引き落とされていると、支払っておかないといけないと思ってしまうことも多々あります。こうして、何カ月も支払いを続けてしまっているということが起きてしまうのです。
ただし、この二重の支払は、本来支払う必要がない保険料です。実際には、国保を脱退した際の保険料は「資格喪失日の属する月の前月分まで」を支払う必要があることになります。では、こうした期間を経過した際の払い戻しが出来るかですが、「払い戻し(返金・還付)」を受けることが可能です。
簡単に、その手続き方法をご紹介しておきます。
払い戻し方法①|脱退手続きをする
そもそも、国保の脱退手続きをしないと始まりません。それが出来ていないと、何も始まりません。ここは、必ず手続きする様にしましょう。二重に支払った保険料の払い戻しができるのは、2年間までと決まっています。ですので、出来るだけ早くに手続きをする様にしましょう。
払い戻し方法②|保険料を再計算してもらう
国保の脱退手続きがきちんと終わると、その月末に保険料が再計算されることになります。
払い戻し方法③|通知が届く
保険料の計算がされると、1~2週間程度で「保険料額通知書」が自宅に届きます。この通知を確認すると、再計算された保険料や支払いすぎの保険料を確認することが出来ます。この通知は、後日必要になる場合もありますので、保管しておく様にしましょう。
払い戻し方法④|還付通知
保険料を払い過ぎている場合には、「還付通知書」と呼ばれている通知書が届きます。ここで記載されている返金額が、後日返金される金額になります。基本的に返金されるのは、本人の口座となります。返金先の口座については、申請をする用紙が別途同封されていますので、そちらに必要事項を記載して申請する様にしましょう。申請してから還付(口座に振り込まれる)までの期間は約2~3週間程度となります。ただし、市町村により手続きにかかる時間はまちまちなのが実情です。還付通知が届いたら、振り込まれる時期を確認すると安心です。
この様に、申請をすることで還付をうけることも可能です。ただし、還付までの期間もあることや手続きの手間を考えると還付を受けることなく、確実に切り替えをしておいた方が良いでしょう。ただし、うっかりしていた場合などは還付手続きをして支払いすぎた保険料は確実に返金してもらう様にしましょう。
3:国保の免除制度について
もう少し、国保についてご紹介しておきたい内容があります。それは、「免除制度」についてです。国保に免除制度があることを知らない方も多くいます。どうしても保険料を支払えない時には、免除制度を活用する様にしましょう。では、そんな免除制度についてご紹介していきましょう。
3-1:どんな時に免除される?
そもそも、免除制度とはどんな時に利用するこが可能なのでしょうか。いつでも、自由に免除が出来るということではありません。いくつかのポイントがそろう場合に、国保の免除制度を受けることが可能になりますので、その条件を見ていきましょう。
免除ポイント①|免除を受けれる人とは?
実際には、細かい条件等は各市町村により異なりますので、ここでは基本となる条件とご紹介していきます。
「地震や水害といった災害」を受けた場合
こうした場合には、生活の維持以前に様々な側面で支援を受けなければいけなくなります。当然、病院などに行く可能性も高くなります。しかし、災害を受けた方は家や家電を含め日々の生活がままならない事も多くあります。こうした方を保護する方法として、国保の保険料が免除になる仕組みがあります。
それ以外にも、「収入が低い」「病気等で働けない」「生活保護を受けている」といった収入が安定しない方も同じ様に、日々の生活の基礎を支援する策として国保の保険料が免除されることになります。ただし、収入の額やそれぞれの状態により全額の免除が出来る場合もあれば、減額となる場合もあります。
免除ポイント②|減額はどの程度?
実際に免除となるのは、「全額」「7割」「5割」「2割」と申請された方の状態を考慮し(審査)減額の割合が決まっていきます。申請者としては、「全額」を希望したいという思いがあると思いますが、全額となる場合は少ないと言われています。ただし、市町村によりその判断基準は異なると同時に公開されている訳ではありません。申請をしないことには、どうなるかは分かりませんので、希望する場合は出来るだけ早くに申請をする様にしましょう。
免除ポイント③|期限
国保の免除申請については、基本的な期限がある点を押さえておきましょう。
それは、「期限の7日前まで」です。
と定められています。つまり納期限が過ぎてしまった保険料については、残念ながら免除・減額の対象にはなりません。
また支払った国民健康保険料についても、さかのぼって減免してもらうことはできません。
特別な理由があったと認められた場合は、納期限以後でも減免の対象となる場合がありますが、国民健康保険の免除・減額の申請をする場合は、できるだけ早めに市町村に相談しておきましょう。
その他にも「学生の場合の免除・減額制度」
この制度は、自分自身が意識していなくてもご両親などが手続きをしていることが殆どのため、社会人になり始めて知ったという方も多くなります。大学生になり、親に頼らず学生生活を頑張っている場合や一度、就職をしてから改めて大学などの学校に通う。学生になるという場合にも免除申請を行うことが可能です。ただし、こうした場合には「減免申請」という申請を行うことが正しくなります。国保の場合には、「減税」というキーワードよりも「減免」というキーワードを知らない方が格段に多いので、ここで簡単にご紹介しておきましょう。
学生の場合での減免割合は「7割」「5割」「2割」の3つの割合があります。この割合では、「7割」が一番良いのですが、実際には前年度の所得金額と世帯数で決まります。
失業や退職の場合にもこの制度を利用することが可能です。平成22年3月31日から、自己都合退職や倒産が原因で退職した方も国民健康保険の支払いが大幅に減額できる仕組みがあります。対象となるのは雇用保険受給資格者証の離職理由欄に記載されている番号が「11」、「12」、「21」、「22」、「23」、「31」、「32」、「33」、「34」の人。気になる減免の金額ですが、目安は「前年度の給与所得の30/100」とされています。この割合は各市町村により異なります。この点も踏まえると、やはり事前に相談をしておく必要があるという点をご理解いただけると思います。実際には、手続きが遅くなれば減免対象となる月はあとになります。きちんと申請や相談をすれば、その分、負荷の軽減になるということをおさえて手続きをする様にしましょう。
3-2:免除手続きについて
では、このように便利な免除手続きについてご紹介していきましょう。
最初にご紹介したいのは、免除申請に必要となる書類についてです。
【免除申請必要書類】
(1)雇用保険受給資格者証
(2)雇用保険受給資格者証(または離職票)
(3)国民年金保険証
(4)身分証明書
(5)印鑑(シャチハタ不可)
この中で、(1)雇用保険受給資格者証については、失業してから失業手当の受給手続き(ハローワークなどで)を行った後に発行されるため、手元にない場合には努めていた会社が発行してくれる「離職票」を代用することになります。
これ以外にも、
- 失業保険の受給額
- 預金通帳
- 光熱費の利用料金明細書
- 配偶者の所得証明
など、生活が苦しいことを証明する書類が必要になる場合があります。予め用紙しておくと手間が省けますが、きちんと必要書類を確認して申請手続きを行う様にしましょう。
【最寄りの役所で相談・申請】
何度もご紹介していますが、申請や相談をするのはお住まいの市町村窓口(市役所などの役所)になります。必要書類を窓口に持参し免除・減免の申請を行います。予め、電話當を入れ内容を伝えたり、持参書類の確認をすると手続きはスムーズになります。
また、この相談をする際に既に保険料を滞納している場合には、必ず事前に電話連絡をする様にしましょう。払う意志があるということを伝えておくことが大事です。実際に、こうした電話をしておくと役所は電話があった履歴を残す仕組みをとっています。履歴があれば、相談をしていることや払う意志があることがきちんとわかり、相談にも乗ってくれやすくなります。
実際には、支払いが難しいということをきちんと説明できるようにすることがベストです。決して、安易に減免を期待するということではなく、どうして支払えないのかを伝えるということが必要なのです。
実際には、こうした相談の後、役所で申請内容に問題がないかなどの確認や申請された区分に該当するかなどを検討し、最終的な減免などの確定を行います。
4:国保の料金を見直してみよう
今度は少し違う視点で「国保」の「保険料」について考えてみましょう。国保の保険料がどうしても払えない。生活を圧迫している方については、こちらを読んで頂きたいと思います。
既に、ご紹介している点もありますが、それは抑えらいとして確認していきましょう。
国保保険料見直し①|減免制度を活用
既にご紹介していますが、平成22年の3月31日から失業や退職をした方については、国民健康保険料の減免が適用されます。「退職」の中には「自己都合退職」も含まれることになっていますので、お仕事を辞めた場合には対象となる確率が格段に高くなりました。この減免の割合は市町村で異なりますが、基本的な計算式は「前年度の給与所得×30/100」とされています。実際にこの割合で減免されと家計の負担は大きく軽減されますので、申請をする様に意識しておきましょう。詳細な割合や申請などの方法はご紹介している内容をふまえ、各市町村の役所に相談するようにしましょう。
国保保険料見直し②|学生は軽減可能
学生は、基本的に社会人よりも収入が少ないのが一般的です。しかし、そうした中でも親元を離れ、親の扶養からも外れて頑張っている方々もいます。そうした方については、国保の減免制度が適用されます。それだけではなく、「国民年金保険」も減免されることになります。
国保保険料見直し③|障碍者
これは、全ての方が対象となる訳ではありませんが、自治体の施策として対象となるかたに減免などの適用を行う場合があります。予め認定を受けているということが大前提となりますが、こうした制度の有無も確認をしない手はありません。
その他にも母子家庭など、収入が減少している、少ない家庭を救済する対策を各自治体が行っています。保険料の支払いが厳しいので後回しというのではなく、相談をするようにしていきましょう。
5:国保の保険料を滞納するとどうなる?
ではこうした保険料を滞納した場合には、どうなっていくのかもご紹介しておきましょう。
滞納処置①|保険証の有効期限が短く
国保から支給される保険証は、あくまで保険料を支払っていることが前提となります。つまり、保険料を支払っていないと保険料の有効期限が短くなってしまいます。短くなった場合の有効期限は1~6か月ほど。滞納げ継続するとその都度、有効期限は短くなっていきます。窓口にいけば再度、保険証を発行してくれますが、都度、支払い計画などについての相談を受ける必要性があります。また、滞納分の保険料を支払う様に促されることは覚悟しておきましょう。
滞納処置②|治療費の全額負担
保険料の納付期間を1年経過しても支払いをしない場合や督促に対して何も対応しない場合には、保険証の有効期限が切れてしまいます。こうした場合には、保険証は使えなくなり通常3割負担でよかった保険料は、全額負担となります。
滞納処置③|最終的には
最終的な処置としては「財産差し押さえ処分」が実施されます。これは、本当に最終的な方法とされていて、実際には、それまでに自宅へ担当者が訪問し催促される、注意や勧告を受ける場合がほとんどです。
最終的には支払いをしなければいけないものですので、難しい場合には相談をしていくことでこうした最悪の場合をなくしていきましょう。
6:まとめ
いかがでしょか。
国保の保険料が高い、高いと相談をする方が多いのですが、実際には、無理な取り立てを国がしているわけではありません。
それぞれの方の収入に応じて保険料を計算し請求しているため、収入が大幅に減った場合にはご紹介した通りの支援制度が整っています。実際には相談をしていけば解決策が出てくるのが殆どです。
だからこそ、今回ご紹介して内容を踏まえ、免除や減免の制度を活用できるようにしていきましょう。そうしていくことで、保険証を使って治療などを継続的にでき安心した生活を送れるようになるはずです。