お子様の誕生は、とても嬉しいものです。
しかし、その反面、将来に向かっての準備も開始しなければいけません。出来るだけ早くに始めた方がいいということは理解していても、具体的な目標がないと何も決めきれないものです。
だからこそ、教育資金とは何か、どの様に目標を定めているかについて、ご説明していきましょう。
そして、学資保険で必要になる金額の相場などを踏まえ、今後の目標設定に役立てて頂ければと思います。ここでしっかりと、目標を立てていきましょう。
目次
1:教育資金とは
2:目的にそった教育資金
2-1:目標額の目安
2-2:貯めはじめをいつにするか
2-3:貯めやすいタイプを知る!
3:方法の比較 「学資保険」と「低解約返戻金型終身保険」
3-1:学資保険
3-2:低解約返戻金型終身保険
4:大学資金の準備をイメージしよう
5:可愛い孫なら、ここに注意
6:まとめ
1:教育資金とは
そもそも「教育資金」とは、どういったモノなのでしょうか?
この「教育資金」について、難しく考える必要はありません。そもそも、名前の通り「教育」に利用する資金(お金)です。教育は、子供だけのモノと考える時代は終わり、現在は大人になってからの学びを大事する人が増えています。特に将来の年金が不安定になり、定年までの期間の収入を得るために社会人となり落ち着いてきた時に、今の仕事、将来のビジョンに向けて資格取得を計画人もいらっしゃいます。
この様に、「教育=子供」の考え方には変化が出てきているといえます。しかしながら、やはり、お子様の誕生に合わせてスタートするのが「学資保険(こども保険)」と言われる教育資金を貯める保険などが主なモノになります。
また、お子様の成長に合わせる場合と大人の教育では、準備していく金額も異なります。確かに大人の場合でも高額となる場合があります。しかしながら圧倒的にお子様の成長に合わせて合わせて必要となる教育資金の方が高額になると同時に、必要性も高くなります。一部を除いて、ほとんどのお子様が高校への進学や大学への入学を考えられます。だからこそ、教育資金の準備は必須となるといえます。
そこで、今回はお子様に必要となる教育資金についてフォーカスしてご紹介していきたいと思います。
2:目的にそった教育資金
この様な教育資金ですが、冒頭でもご紹介している通り目的を整理して準備をする必要性があります。
後に紹介する学資保険などを利用する場合でも、早く始める方がいいと言われています。大きな金額を準備するのですから、早期に開始し準備期間が長くある方がいいという事はおのずとご理解頂けると思います。
しかし、いったいどの程度の準備が必要なのでしょうか。今度は、目標額などの目安を見ていきましょう。
2-1:目標額の目安
教育資金の準備を行う為には、まず、目標の金額を設定する必要性があります。ここでご消化しするのは、進路に合わせた必要金額の目安です。
◆幼稚園~高校の費用
文部科学省の統計『子どもの学習費調査』を参考に、幼稚園~高校までの費用を整理してます。これは「学習費総額」と呼ばれる入学金や授業料に加えて、制服・教科書の費用、給食費、遠足などの費用などの「学校に対して支払うお金」を全ての合計金額となります
小学校 | 公立 | 私立 |
3年間の総額 | 66万2,340円 | 161万918円 |
1年あたりの平均 | 22万780円 | 53万6,973円 |
中学校 | 公立 | 私立 |
6年間の総額 | 182万1,397円 | 881万687円 |
1年あたりの平均 | 30万3,566円 | 146万8,488円 |
高校 | 公立 | 私立 |
3年間の総額 | 117万5,267円 | 275万5,243円 |
1年あたりの平均 | 39万1,756円 | 91万8,414円 |
高校の費用については、進学先が公立校か私立校かで大きく変ってきます。この違いにより総額が2~4倍ほどの差が出る為、かなり大きな額の差が生じてきます。
◆大学の費用
進路の違いによる費用の差は、大学になるとさらに大きくなります。 日本政策金融公庫の『教育費負担の実態調査』を参考に整理した表がこちらになります。(この統計は「国の教育ローン」を利用した人に調査を行ったものです)。
短大 | 国公立大学 | 私立大学(文系) | 私立大学(理系) | |
入学費用 | 88万円 | 82万3,000円 | 95万6,000円 | 102万9,000円 |
在学費用 | 293万4,000円 | 434万円 | 592万4,000円 | 700万4,000円 |
合計 | 381万4,000円 | 516万3,000円 | 688万円 | 803万3,000円 |
入学費用には受験料や、受験のための交通費、そのほか入学金・寄付金など、入学時に大学に支払った総額だけではなく入学しなかった大学への受験料・納付金も合算して計算しています。
在学費用は授業料のほか、実習費なども含め在学中にかかる費用の総額で、大学は4年間、短大は2年間での計算となります。大学は国公立がもっとも安くなり私立文系との差は100万円ていどに抑えることができます。
しかし、理系になるとその差も大きくなってきます。
◆その他の費用
教育資金は学校だけと考えてはいけません。学習塾・予備校や、家庭教師がさいたる例です。それ以外にお稽古ごとについて教育資金の中に含まれます。文部科学省の統計を参考に整理しています。
公立 | 私立 | |
幼稚園 | 8万3,505円 | 15万1,127円 |
小学校 | 20万6,937円 | 58万4,069円 |
中学校 | 29万2,562円 | 27万8,863円 |
高校 | 15万5,795円 | 23万7,641円 |
合計 | 73万8,799円 | 125万1,700円 |
幼稚園から高校までの間に、70万円~125万円程度、学校の学費とは別の教育資金を準備する必要性があるということになります。
また、ここでは含まれていない費用として大学や高校までの交通費や一人暮らしの生活費などがあります。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | その他 の費用 | 合計 | |
すべて公立 | 66万2,340 円 | 182万1,397円 | 137万9,518円 | 117万5,267円 | 516万3,000円 | 73万8,799円 | 1,094万321円 |
幼稚園だけ私立 | 161万918 円 | 182万1,397 円 | 137万9,518 円 | 117万5,267 円 | 516万3,000 円 | 80万6,421 円 | 1,418万5,224 円 |
高校だけ私立 | 66万2,340 円 | 182万1,397 円 | 137万9,518 円 | 275万5,243 円 | 516万3,000 円 | 82万645円 | 1,260万2,143 円 |
私立高校から私立大(文系) | 66万2,340円 | 182万1,397円 | 137万9,518円 | 275万5,243円 | 688万円 | 82万645円 | 1,431万9,143円 |
私立高校から私立大(理系) | 66万2,340円 | 182万1,397 円 | 137万9,518 円 | 275万5,243円 | 803万3,000円 | 82万645円 | 1,547万2,143円 |
すべて私立(文系) | 383万9,621円 | 881万687円 | 383万9,621円 | 275万5,243円 | 688万円 | 125万1,700円 | 2,737万6,872 円 |
すべて私立(理系) | 383万9,621円 | 881万687円 | 383万9,621円 | 275万5,243円 | 803万3,000円 | 125万1,700円 | 2,852万9,872円 |
この表を見てください。前段でご紹介した金額を整理したものです。
こうしてみると纏まったお金が進学のたびに必要になること。そして最も安い公立の学校へ大学まで通った場合でも「1000万円」を超える金額が必要となることをご理解頂けると思います。
これは、かなり大きな額になることを十分にご理解頂けると思います。こうしてみると、一度に1000万円以上のお金を用意することではありませんが、ある程度の準備をしておかないといけない事をご理解頂き準備をすることが大切である事をご納得頂けると思います。また、十分に注意して頂きたいのは、進学先を決めるのはお子様であるということです。
当たり前だと思うかもしれませんが、ここが実は落とし穴でもあります。それは、親が全て公立を希望してもお子様が行きたい学校が私立であったり、県外で一人暮らしを望んだりすることがあるという事も理解しておかなければいけないということです。
だったら、全て私立の理系で準備しておけばいいのか。
確かに、そうかもしれませんが全てのご家庭でそれが出来るとは限りませんし、また、お子様が多い場合や大学を海外で過ごしたいなど、様々な要素で必要金額は増える場合、そして逆に下がる場合があります。準備していた金額より必要な金額が少なくてすむ事は問題ありませんが、足りない場合を想定すると実はいくらあっても心配ということになってしまいます。
だからこそ、必要であると思う金額を予め設定して(進路の想定などを考慮して)目標金額を決める必要性があるのです。この目標金額を設定するという行為は、進路を決めるのではなく「お子様の将来を考える」ということです。
2-2:貯めはじめをいつにするか
では、この様に大きな金額を準備する、貯めはじめるのはいつが良いのでしょうか。「早くはじめる」と考えれば基本的にOKですが、この「早く」とうKeyWordにも注意が必要です。成長と共に必要な金額は大きくなりますので、その点も考慮する必要があります。
そこで、段階に応じて準備をする必要性があるということになります。お子様の独立までを「乳児期→保育園・幼稚園→小学校→中学校→高校→大学」と分けてポイントを整理してみました。
・保育園・幼稚園に通い始めると毎月の保育費・月謝がプラスされ、生活費の総額が高くなる
・小学校は公立の場合、保育園・幼稚園時代よりも小さい出費で済むことが多くあるが、お稽古事が増える時期
・中学・高校は部活や塾などの費用が加算される
小学生のころとは違い随時の出費が増える時期のため、生活費の増加が生じることになり今までよりも貯蓄しにくくなる時期となる。
・大学は学費にや仕送りも必要になり貯蓄ではなく、今までの貯蓄を切り崩す可能性がある
どうでしょうか。この様に見ていけば教育資金の貯蓄はお子様が小さい頃に始める方が良いことがご理解頂けると思います。平均的に教育資金を貯めやすとされる時期は「乳児期と小学校6年間」と言われています。また、準備期間の目安としては15年は必要とも言われています。
しかし、すべてが貯蓄じゃなくてもよいのです。現在は、奨学金が教育ローンなどの制度もあります。頑張って、お子様自身があるバイトをするなどの方法も選択肢の1つといえます。とはいえ、出来るだけお子様には負担を掛けたくありませんし、普段の生活が厳しくなるのも避けたいと考えます。だからこそ、出来るだけ早い時期から準備を開始していくと良いのです。
2-3:貯めやすいタイプを知る!
ここまでで、大きな金額を準備する必要性があることはご理解頂けたと思います。では、その準備の仕方ですが、これにも様々な方法があります。
大事なのは、無理をしすぎないということ。無理をして途中で準備を止めてしまっては元も子もありません。
そこで、1つの参考としてためやすいタイプを知ることも方法としてあります。ここでは、性格に応じた貯め方を整理しています。決して、これでないとダメということではなく1つの参考にしてみて下さい。
まずは、自分のタイプを知りましょう。
①毎月コツコツ確実に貯めたい
②貯めるのは苦手だけど、「天引き」なら貯められる
③お金の管理は得意。より有利なものを見つけて預け替えたい
④余裕がなくなったときに利用目的にかかわらず、貯蓄を取り崩す傾向がある
⑤インフレリスクに備えるため、一部を投資に回した方がいいと考えている
⑥子どもは海外留学にも行かせたいという願望がある
①~⑥までの中で自分にあったものはどれでしょうか。複数選んでも大丈夫です。自分にあった方法を以下に解説します。
(1)毎月コツコツ確実に貯めたい2・貯めるのは苦手だけど、「天引き」なら貯められる⇒天引き&自動積立型
コツコツ貯めたい人も、貯めるのが苦手な人もこの貯め方が負担が少なくなります。職場の制度に財形貯蓄制度があれば、是非、給料からの天引きを活用してください。
財形貯蓄制度がなければ、自動積立などを活用すれば問題ありませんが、口座にお金を入れるのを忘れない様にしておきましょう。積み立てと同じ感覚で貯められるのが、貯蓄型の保険商品です。学資保険など貯蓄型保険に加入して、毎月の保険料を口座振替で支払うこと貯蓄していきます。こうした商品は、手をつけにくい貯蓄とされているので確実にためていきたい場合には、良い方法だといえます。
(2)お金の管理は得意。より有利なものを見つけて預け替えたい⇒自分で預け替え型
貯蓄の管理に自信がある人はこの貯め方が向いています。児童手当を生活費用口座とは別の口座で貯める方法や、他にプラスになるモノがあれば積極的に活用すると良いでしょう。
また、定期預金なら、銀行などが実施しているのボーナス時のキャンペーンなどの活用、1万円から買える個人向け国債などもありますので常に情報にアンテナを張り、楽しみながらためていくのも良いでしょう。ただし、
冒険をし過ぎない事に注意をしておきましょう。あくまで貯めることが目的ですので、楽しむことが勝負となっては元も子もありません。
(3)利用目的にかかわらず、貯蓄を取り崩す傾向がある⇒資金隔離型
1つの目安である15年間の間には家計や生活環境の変化がないといえません。当然、変化があるものとして考えるのが普通です。その中で教育資金に手を付けないと言い切ることが出来ない場合には「資金隔離」が出来る方法が良いでしょう。
なかなか手を付けれない、または、手間が掛かる方法を選択するということです。その1つが学資保険などの保険商品の活用です。解約まで時間も手間もかかるだけに、どうしてもおっくうになってしまいます。それが大事なのです。
そうした手間が嫌であれば、解約をする事を避けれる場合が多いため、この様な方法を活用していきましょう。
(4)インフレリスクに備えるため、一部を投資に回した方がいいと考えている⇒投資ミックス型
教育資金が必要になるのは10年、15年と少し先になるためインフレが進んだときに備えてたいと考える方には投資ミックス型が向いています。
これは、普段の積み立てに投資信託などの積立投資商品を組み込んでいくという方法です。しかし(2)と同様に全額を投資するなどの冒険をするのは控えましょう。(2)と同様に目的は教育資金を貯めること、つまり増やすことですので全額を投資しゼロやマイナスになる可能性は避ける必要があります。
(5)子どもは海外留学にも行かせたいという願望がある⇒外貨商品ミックス型
これからの時代は、今まで以上に海外留学やホームスティなどが日常化する時代です。こうした事を視野に入れている方は、外貨商品をミックスして貯める方法なども視野に入れてもいいでしょう。
例えば、外貨建ての保険や、外貨MMF、外貨預金などを利用しご両親自身がより海外の動向に目を向けることもできます。また、送金などをする際にも利便性は高いといえます。
3:方法の比較 「学資保険」と「低解約返戻金型終身保険」
教育資金を貯める方法として有名なのは「学資保険」です。
しかし、選択肢が学資保険だけではありません。
ここでは、学資保険と比較される低解約返戻金型終身保険についても見ておきましょう。
3-1:学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金の確保を目的とした保険商品のことです。基本的な保障内容としては生命保険と同様に毎月決まった額の保険料を払い、予め決めておいた時期に祝い金や満期学資金を受けとるものです。
学資保険のメリット|2つのメリットを理解しておきましょう
メリット①|親にもしも場合には、保険料の支払い免除の措置がある
考えたくはありませんが、お子様がまだ成人していない際に突然の事故などで親がなくなったり、重度の障害を受けてしまった場合には、お子様を保護する目的でそれ以降の保険料の支払が免除される仕組みがあります。
この場合でも、給付金の額は同じ様に支払われます。また、育英金が下りる場合もあります。こうした事を考えると、万が一がおきてもお子様の進学に問題がおきないということです。
大きなポイントして理解しておいて頂きたいのが貯蓄と学資保険の違いです。貯蓄では、こうした保障がないということ。つまり、安心の度合いが大きく異なる点です。
メリット②|定期預金などに比べて税制面で優遇
学資保険は生命保険会社が展開する保険商品です。保険商品であるため、年末に行う年末調整で保険控除の申請ができる対象になります。毎年の年末に行う年末調整等の手続きを行うことで税金が減額される仕組みを活用するのは、長い目で見てとてもお得です。
デメリット①|元本割れのリスク
最大のデメリットはこちらです。受け取る額が支払った額を下回る元本割れのリスクが存在します。商品や特約などのオプションで違ってきますが、親や子どもの病気などに備える特約をつけている場合、特約を多数ついている場合は元本割れのリスクが高くなります。また、当然ですが途中解約をした場合も同じです。
デメリット②|保険料が高い
デメリット①にも関係しますが、特約と呼ばれるオプション制度が充実している為、複数の特約をつけてしまいがちになります。1つ1つの特約は安くても複数を契約してしまうことで保険料が高くなってしまいますので、注意しておきましょう。
デメリット③|持病があると加入できない
注意しないといけないのは、持病があるかどうか。一般的な生命保険であれば、加入者の健康状態だけを問われますが学資保険の場合には、お子様の健康状態も関係してきます。
3-2:低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険とは、普通の終身保険よりも貯蓄性ある商品として人気があります。この商品を活用して老後資金を準備したり学資保険代わりに教育資金を準備することが出来ると今大注目の商品です。もちろん保険商品ですので一生涯の死亡保障を確保するために使っても割安として、終身保険として紹介されることも多くなっています。
メリット①|終身の死亡保障になる
終身保険の保障制度も備わっている為、老後の心配を減らす意味でもメリットは高いといえます。
メリット②|通常の終身保険より保険料が割安
低額というのが何よりも大きなメリットといえます。保険料は払い続けるものであるからこそ、できるだけ押さえておきたいと思うのが普通です。それでいて保障内容はある程度充実していけるというのが理想です。
メリット③|将来お金が増える
その貯蓄性を活かして、お金を増やす、残す事が可能です。この特性を活かして教育資金として契約をする方が多いのです。
デメリット①|途中で解約してしまうと減る
保険商品は、途中解約をしてしまうと元本割れなどのリスクがあります。特に貯蓄性の高い商品だからこそ、この部分には注意が必要です。
デメリット②|お金が拘束されてしまう
これをデメリットと呼ぶかどうかは人それぞれです。簡単に引き出しが出来ない部分は、保険商品全体の特性として捉え、引き出ししにくい部分をメリットとして捉えて頂きたいと思います。
4:大学資金の準備をイメージしよう
冒頭でご紹介している通り、教育資金を考える場合にはお子様の未来(将来)を考える必要性があります。その1つが、大学資金の準備イメージです。お子様の成長の過程で何を将来したいのかは変わってきますが、まずは、親としてどういった将来像を持つのか。ご家庭によっては、自分の病院を継ぐ必要性があり、医者になって欲しいと思う方もいらしゃいます。海外でグローバルに働いて欲しいなど、親の希望は多々あります。
まずは、そうしたイメ―ジを整理しておくことが大事です。無理維持をするということではなく、あくまでイメージです。その将来像に向けて大学はどんな所に入って欲しいのか、そこに至るまでの教育方針や高校など大まかでいいのでイメージをしましょう。
まずは、それを行うこと。その中で、今の家計状況、これから10年、20年先の収入状況を整理した上で、大学資金の準備をどの様に、どの程度したらいいかの計画を立てます。現在では、大学へ進学する人も増え、大学に行くのが普通を考える方も出てきています。必ず大学にいかなければいけないのか。と問われたらNOと回答しますが、教育資金としては大学を想定して準備しておくことがBetterといえます。教育資金不足で大学の進学を断念するよりも、資金を考慮して大学を選ぶという選択肢を持たせるということです。
また、大学ではなく専門学校にいく、高校卒業は働く。そうしたことも1つの選択肢でしかありません。教育資金を準備するのであれば、1つの目安として大学資金を準備するイメージで計画を立てていきましょう。
5:可愛い孫なら、ここに注意
学資保険などの加入は、親でないと出来ないというルールはありません。
実際に可愛い孫の為に加入する方も多くいらっしゃいます。しかし、1つ注意して欲しい事があります。
それは税金です。両親ではない場合の加入については、制限はありませんが給付額を渡す際には「贈与税」が掛かるという仕組みになっています。
現在は、控除枠が設けられており、その範囲内では非課税となりますが、この仕組みがあることをご存知ない方もいらしゃいます。
可愛い孫の為に、しっかりとした応援をしたいという思いで学資保険等に加入される際には、こうした税金についても知っておく必要性があります。実際に、この程度を準備したいという金額を設定した後、現時点での課税額についても確認し、その分を上乗せして準備を開始するなどの工夫を取る様にしてください。もちろん、そのあたりの計算は保険会社でも相談可能です。可愛いからこそ、こうした事前の準備を行って頂ければと思います。
6:まとめ
如何だったでしょうか。お子様の成長や進学に合わせて、長期的な準備を行う方法や目安の金額についてご紹介しました。お子様の成長はとても希望に満ちています。将来、どんな職業につくか、どんな大人になるかを考えることはとても楽しいことであり、日々の生活のハリにもなります。お子様が望む進路に進ませてあげることは、ある意味、親の責任です。
そして、それができる環境を作る事も果たすべき責任といえます。教育資金を準備しておくという事は、こうした責任を果たしていく準備となります。未来に向かっての準備、大事なお子様のためであれば、多少の苦労もいとわないのが親であると言われます。確かに、それはとても大事なことです。
しかし、教育資金の準備のために、普段の生活が厳しくなり笑いの無い家庭になってはいけません。また、親が望む通りの成長していかない事もあり、それを無理やり軌道修正することも得策ではないといえます。といっても、どうしても自分の想いが入るのが教育です。そのあたりのバランスには答えは存在せず、手探りで進むしかない事もあります。しかしながら、少しでも望む道に進めるように準備を開始して頂きたいと思います。
教育資金の準備は、学資保険という考え方が定着をしていますが、今回ご紹介した様にその他の方法もあります。また、タイプにより貯蓄していく方法にも選択肢があります。どのような方法を取ったとしても、まずは、無理をしないこと、そして、継続することが大事です。既にご紹介している通り、保険商品などを活用しても短期で解約をしてしまえば元本割れをするリスクがあります。また、いざという際に資金不足となってしまいます。進学は、意外な事でもお金が必要になるからこそ、家計の負担を軽減する意味でも計画的な準備を考えて開始してください。実際に、進学のタイミングで想定外の費用がかさんだという声は多数あります。
最近では、制服もブランド化されており、意外なほど金額が高いこともしばしばあります。同時にお稽古や部活。場合によっては、普段しているスポーツで遠征にいくなど、最初から全てを想定することが出来ない事柄も多数あります。こうした普段の出費については、貯蓄で賄い、進学という節目、節目については準備している教育資金を活用するというように、2つの軸で準備をしていくことが得策といえます。準備できていれば、ある程度の変更にも備えることができ、また、慌てることもありません。同時に、子どもに諦めてもらう事も多少なりとも減ってくるでしょう。こうした方法も踏まえ、バランスを取った準備を心掛けてください。
お子様の成長は、未知数です。その未知数が、限定されることなく広がる方法として、今回は教育資金についてのご紹介をさせて頂きました。これから生まれてくる。そして、今成長しているお子様の為に、今一度、教育資金の準備について考えて頂くきっかけになればと思います。