えっ!保険料あがってる?!今すぐ自動車保険の料率クラスをチェックすべきかも!

みなさん、自動車保険には、さまざまな割引き制度があることは、ご存じですよね。

一番、有名な割引き制度には、等級(=ノンフリート等級制度)があります。

免許の色による割引きや、無事故割引きなんかも、有名ですよね。

とくに、免許の色による割引きは、気にかけておられる方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

自動車保険では、その他にも、車を運転する人の年齢を限定したり、補償を受ける人の範囲を限定すると、保険料をリーズナブルにすることができます。

こういった、割引き制度のひとつに、「料率クラス(=型式別料率クラス)」があります。

ただし、この「料率クラス(=型式別料率クラス)」、ざっくりいってしまうと、個人の努力で、なんとかしようと思っても、できるものではありません。

ちょっと、わかりずらいところもある、「料率クラス(=型式別料率クラス)」。

でも、保険料に関わってくる大事な要素ですから、この機会に、しっかりと理解して、自動車保険の保険料で損してしまわないように、心がけましょう!

1.「料率クラス」ってナニ?

白い自動車のテール

自動車保険の「料率クラス」とは、一般的には、「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」のことを言っています。

「料率」とは、簡単に言うと、保険会社が、保険料を算定するときに基準とする数値のことを言います。

たとえば、保険金額(=その保険で補償を受ける金額)が、300万円の保険契約で、「料率」が【2】であった時、1年間に払い込む保険料は、次のように計算することができます。

300万円【保険金額】×2【料率】/1,000=
6,000円【年間払い込み保険料】

保険金額が【300万円】、「料率」が【2】であるときの保険契約では、1年間に払い込み保険料は、6,000円であることがわかります。

通常、「料率」は、区分ごとに、分類されています。

「料率」による区分ごとの分類のことを、「料率クラス」と言っています。

2.「型式」ってナニ?

オレンジ色のスポーツカー

「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」では、自動車の「型式(=車両型式)」ごとに、保険料を算出するための「料率」が、リスク評価に応じて、区分ごとに分類(クラス分け)されています。

「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」は、「車両料率クラス」や、略して、「料率クラス」と言われていることもありますが、いずれも、「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」のことを意味しています。

「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」の「型式(=車両型式)」とは、ざっくり言うと、シリアルナンバー(=製造番号)のことを言っています。

私たちの身のまわりの工業製品には、必ず、シリアルナンバー(=製造番号)が、割り振られています。

修理をしたり、部品を交換したりする時に、製品のシリアルナンバー(=製造番号)を尋ねられるといったことは、誰しも経験することですよね。

また、もし、身近な方に、車好きの方がいらっしゃるのでしたら、スカイラインGT-Rのことを、「R32」や、「R33」と言ったり、トヨタクレスタであれば、「JZX90」や、「JZX90 TOURER」と言ったりするのを、聞かれたことがあるかもしれませんね。

型式を言うだけで、自動車談義に花が咲くようです(残念ながら、私には、なんのことだかわかりませんが)。

車好きの方にとって、「型式(=車両型式)」には、いってみれば、その車独自の愛称(ペットネーム)といった役割もあります。

「型式(=車両型式)」からは、モデルや、年式の他にも、エンジンの種類や、排気量、セダンやクーペなどの車の形状などなど、さまざまな情報を、知ることができます。

2.1「型式」はどうすればわかる?

とくに、車好きの方でなくても、自動車の「型式(=車両型式)」は、簡単に調べることができます。

たとえば、自動車ユーザーの方でしたら、車検証(=自動車検査証)を、必ず、車の中に置かれていると思いますが、車検証(自動車検査証)の4段目の左側に、「型式」を記載する欄があり、「〇〇〇‐△△・・・‐△△・・・」と、‐(ハイフン)で区切らた、アルファベットと数字が記載されています。

車検証(=自動車検査証)以外であれば、車の中に貼り付けてある、コーションプレート(=金属板)でも、確認することができます。

コーションプレートは、車のボンネット(エンジンルーム)の中に、リベットなどで固定されている、5cm×10cmほどの小さな金属板で、通常は、英語で表記されています。

「MODEL」と記されている箇所のアルファベットや数字が、その自動車の「型式(=車両型式)」になります。

2.2「型式」の意味って?

自動車の「型式(=車両型式)」を見た時、最初のアルファベットは、『自動車排ガス規制、及び、低排出ガス車認定』の識別記号となっています。

アルファベットの桁数は、平成4年(1992年)までは、1桁、平成5年(1993年)から平成16年(2004年)までは、2桁、平成17年(2005年)以降は、3桁のものが表記されています。

自動車の排ガス規制は、日本では、国連で決まった試験法が、平成22年(2010年)に、自動二輪車へ、平成28年(2016年)には、ディーゼル重量車へ、平成30年(2018年)には、ガソリン(ⅬPガス)乗用車へ導入され、現在では、世界の中でも、最も厳しい水準にあります。

また、平成21年(2009年)からは、エコカー減税(新グリーン税制)が始まっています。

減税の対象となる基準のひとつに、「低排出ガス車」があります。

たとえば、最初のアルファベットの桁が、「ⅮAA」と3桁で表記されている場合でしたら、「平成17年(2005年)基準」の「排出ガス75%低減レベル」の認定を受けたハイブリッド車であることになります。

「CAA」と表記されている場合でしたら、「平成17年(2005年)基準」の「排出ガス50%低減レベル」の認定を受けたハイブリッド車になります。

●『自動車排ガス規制、及び、低排出ガス車認定』の識別記号の例

ABA 「平成17年(2005年)」規制に適合
AAA 「平成17年(2005年)」規制に適合したハイブリッド車
CBA 「平成17年(2005年)」基準の「排出ガス50%低減レベル」に適合
DBA 「平成17年(2005年)」基準の「排出ガス75%低減レベル」に適合
CAA 「平成17年(2005年)」基準の「排出ガス50%低減レベル」に適合したハイブリッド車
DAA 「平成17年(2005年)」基準の「排出ガス75%低減レベル」に適合したハイブリッド車

他にも、平成12年(2000年)規制に適合している自動車であれば、「GH」、平成12年(2000年)規制の「排出ガス25%低減レベル」の認定を受けている自動車であれば、「TA」、同年、「排出ガス50%低減レベル」の認定を受けている自動車は、「LA」、同年、「排出ガス75%低減レベル」の認定を受けている自動車では、「UA」と表記されています。

最初のアルファベットの‐(ハイフン)より後ろが、自動車メーカー側で設定する識別番号になります。

一般的な、製造番号(シリアルナンバー)にあたる部分は、最初のアルファベットの‐(ハイフン)以降の部分になります。

3.自動車保険の保険料って変わるの?

ハンドルと手

去年と同じ車に乗っていて、同じ自動車保険に加入しているのに、保険料が高くなったり、逆に、安くなったりした経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、自動車保険の保険料は、大きくは、次の3つの要素が変更された時に、上下します。

1.保険会社の「保険料率」が変更された時

2.運転する人の「等級(ノンフリート等級制度)」が変わった時

3.自動車の「型式別料率クラス」が変更された時

それぞれについて、もう少し、詳しく、見ていきましょう。

3.1保険会社の「保険料率」が変更された時

一般的な自動車保険に加入する場合、私たちは、あらかじめ、受け取る保険金の金額(=「限度額」)を設定して加入します。

「保険料率」とは、保険会社から支払われる保険金の「限度額」に対して、私たちが払い込む保険料の割合を示しています。

「保険料率」は、2つの要素(「純保険料率(保険金の支払いに充てられる部分)」と、「付加保険料率(保険会社の必要経費に充てられる部分)」)から成り立っています。

損害保険会社各社は、「保険料率」を使って、自社の自動車保険の保険料を算出しているのですが、この時、損害保険会社各社が使用する「保険料率」には、参考にしている数値があります。

参考にしている数値のことは、「基準料率」や、「参考純率」と言います。

「基準料率」や、「参考純率」は、公的な機関である損害保険料率算出機構が、損害保険会社各社の保険金の支払い実績や、加入している運転者のリスク(性別、年齢、事故歴 etc.)など、さまざまな要因を加味して、算出しています。

また、損害保険料率算出機構は、「基準料率」や、「参考純率」の数値を算出するだけでなく、算出した数値が、社会の状況に見合った適正な水準であるかどうかのチェックを、毎年、定期的に行っています(これを、「検証」と言います)。

「検証」した結果、損害保険料率算出機構が、「基準料率」や、「参考純率」の数値を改定する必要があると判断した場合、監督官庁である金融庁に、改定の届出を提出します。

届出が受理されると、「基準料率」や、「参考純率」の数値の改定が行われます。

一般的に、「基準料率」は、自動車保険の中でも、とくに、社会性の高い、自賠責保険(=自動車賠償責任保険)の保険料を計算する際に、使用されています。

このため、「基準料率」の改定が行われると、自賠責保険(=自動車賠償責任保険)の保険料が上下する要因になります。

「参考純率」は、「保険料率」の2つの要素(「純保険料率(保険金の支払いに充てられる部分)」と、「付加保険料率(保険会社の必要経費に充てられる部分)」のうち、「純保険料率(保険金の支払いに充てられる部分)」を計算する際に、損害保険会社各社が参考にしている数値になります。

もう一方の「付加保険料率(保険会社の必要経費に充てられる部分)は、損害保険会社各社で、独自に算出している数値が用いられています。

「参考純率」は、必ず、使用しなければならないといった、とくに、強制力のある数値ではありませんが、損害保険会社各社は、おおむね、この数値を参考に、自社の自動車保険の保険料の値上げや値下げを判断しています。

このため、「参考純率」の改定が行われると、一般的な自動車保険の保険料が上下する要因になります。

3.2運転する人の「等級(ノンフリート等級制度)」が変わった時

等級(=ノンフリート等級制度)とは、運転する人の事故歴の有無によって、保険料の割増しや割引きを決めるための区分のことを言います。

等級(=ノンフリート等級制度)は、通常、「1」~「20」等級に区分されています。

保険料は、等級の数字が小さいほど、割高になり、大きいほど、割安になります。

また、等級(=ノンフリート等級制度)では、たとえば、同じ等級であっても、「事故がなかった」人と「事故があった」人では、リスクが異なっていると評価されているため、「7」~「20」等級については、「無事故」と「事故有」に、さらに、細分化されています。

※(損害保険料率算出機構 自動車保険参考純率より)

通常、等級(=ノンフリート等級制度)は、6等級からスタートされます。

1年間のうちに、保険事故(保険金を請求する自動車事故)がなかった場合、翌年から、等級は、1段階づつアップされ、保険料には、その等級に応じた割引き率が、適用されていきます。

もしも、保険事故(保険金を請求する自動車事故)があった場合、一般的には、翌年から、3段階、引き下げらたものが適用されます。

ただし、保険事故の内容によっては、1段階、引き下げられた等級が適用されるケースもあります。

等級(=ノンフリート等級制度)は、損害保険会社各社で、共通のものが使用されています。

ですから、A社で、10等級であった方が、B社では、9等級や11等級として評価されることはありません。

ただし、前年の実績に基づいて評価されるため、保険事故があった場合であれば、新しく契約した保険契約には、引き下げ後の等級が適用されることになります。

3.3自動車の「型式別料率クラス」が変更された時

一般的な自動車保険では、運転する人のリスク評価による区分以外にも、運転している自動車ごとでも、リスクが評価され、区分が分類されています。

たとえば、等級(=ノンフリート等級)は、運転する人のリスク(無事故か、事故有か)を評価して、区分に応じた「料率」が、払い込む保険料に反映される制度です。

一方、運転している自動車によるリスク評価の区分のことを、「型式別料率クラス」、または、「車両別料率クラス」と言っています。

「型式別料率クラス」(=「車両別料率クラス」)では、自動車の型式ごとのリスク評価が、1、2、3などの区分(=クラス)に、分類されています。

そのうえで、自動車保険の補償内容(損害賠償保険や傷害保険、車両保険)ごとに、区分(=クラス)に応じた、「料率」が、払い込む保険料に反映される仕組みをもっています。

「型式別料率クラス」(=「車両別料率クラス」)のクラス(=料率の区分)は、毎年1月に、損害保険料算出機構によって、見直しが行われています。

たとえば、Aという型式の自動車について、自動車保険の保険金支払い実績に対する保険料の割合や、発生した自動車事故の件数、安全性能など、直近の保険データに基づいて、さまざまなリスクを評価した結果、適用しているクラスと見合っていると判断された場合であれば、クラスは移動されず、そのまま、据え置かれます。

一方、リスクに対して、クラスが低いと判断された場合では、その度合いによって、「+2」、または、「+1」の範囲で、クラスの移動が行われます。

また、リスクに対して、クラスが高いと判断された場合であれば、「-2」、または、「-1」の範囲で、クラスの移動が行われます。

新発売されてから、約3年が経過した型式の自動車については、その度合いによって、「+2」よりも大きく(「+3」、「+4」など)移動することがあります。

あるいは、「-2」よりも大きく(「-3」、「-4」など)、クラスが移動することもあります。

このため、新しく発売された車を購入して、3年が経過している場合であれば、「型式別料率クラス」(=「車両別料率クラス」)が、大きく変更されている可能性がありますから、少し、注意するようにしておきましょう。

また、保険データの蓄積が少ない、新発売されてから、3年未満の型式の自動車については、排気量や、新車価格などに基づいて、クラスが決定されています。

通常、損害保険会社各社は、自社の自動車保険の保険料を算出する際に、損害保険料算出機構の「型式別料率クラス」を参考にしています。

このため、損害保険料算出機構の「型式別料率クラス」(=「車両別料率クラス」)が変更されると、一般的な自動車保険の保険料も、上下する傾向がみられます。

4.自動車保険をおさらい!

並ぶ自動車

ここで、今一度、自動車保険について、おさらいをしておきましょう。

もしも、自動車事故を起こしてしまった場合、私たちは、民事上の責任を問われることがあります。

民事上の責任とは、もしも、自動車事故で、他人にケガをさせてしまった場合のケガの治療費や、仕事を休むことになった時の休業補償費、事故によって自動車が壊れてしまったため、修理する必要がある時の車の修理代や、買い替えが必要な時の買い替え費用など、自動車事故で発生する、さまざまな費用(=損害賠償金)を負担する義務のことを言います。

自動車事故で他人が所有しているものを壊した場合も、同様に、費用(=損害賠償金)の負担が発生します。

この時、個人の経済的な負担を軽くするために加入するものが、自動車保険です。

自動車保険は、もしも、自動車事故を起こした時に、相手方のケガの治療費や、休業補償費、あるいは、他人の所有しているものをあやまって壊してしまった時に負う損害賠償責任について備える、「賠償責任保険」や、ご自身のケガの治療費や、同乗者の方のケガの治療費に備えるための、「傷害保険」、ご自身の車の修理費用などに備えるための、「車両保険」に、分かれています。

4.1「賠償責任保険」(「対人賠償保険」)

一般的な自動車保険では、お相手の方がいる事故であった場合に、相手方のケガの治療費や、通院・入院費用に備える保険を、「対人賠償保険」と言っています。

通常、「対人賠償保険」では、加入することが法律で義務づけられている、「自賠責保険(=自動車賠償責任保険)」で、カバーしきれない損賠賠償の費用について備えていきます。

このため、保険金額に限度を設けず、加入することが、一般的です。

4.2「賠償責任保険」(「対物賠償保険」)

お相手の方のいる事故で、相手方の車の修理費用や、買い替え費用、あるいは、相手方がいない単独事故(=自損事故)で、建物や、電柱、ガードレールなどを破損してしまった時の修理費用に備えるための保険を、「対物賠償責任保険」と言います。

「対物賠償責任保険」も、「対人賠償責任保険」と同様に、「他人」に対する賠償責任に備えるための保険です。

このため、「対物賠償責任保険」も、「対人賠償責任保険」と同様に、保険金額に限度額を設けずに、加入することが、一般的です。

4.3「傷害保険」

一般的な自動車保険では、傷害保険に加入することで、自動車事故によるご自身のケガの治療費や、同乗者の方のケガの治療費に備えることができます。

傷害保険には、「人身傷害補償保険」と、「搭乗者傷害保険」の2つのタイプに分かれています。

どちらか一方を選択して加入する以外に、両方に加入することもできます。

4.4「車両保険」

自動車事故では、ご自身の車の修理費用が必要になることもあります。

お相手がわかっている事故では、一般的には、ご加入先の損害保険会社の担当者間で話し合いをして、それぞれの事故の責任の割合に応じて、費用を負担する必要がある時には、損害金額が確定した後に、責任の割合に応じて、賠償金額の割り振りが行われます。

自動車事故が起きた時に、責任の割合を話し合うことを、「示談(示談交渉)」、責任の割合のことを、「過失割合」と言います。

通常、「過失割合」は、1対9や、4対6など、不注意の度合いや、交通ルールはどうであったか、交通ルール違反はなかったかどうかなどの他にも、過去の判例を基準にして、それぞれの責任の比率が決めらます。

たとえば、「過失割合」が、4対6(お相手の過失割合が4、こちらの過失割合が6)であった場合、仮に、お相手の車の修理費用が30万円であった時には、こちら側に、損害賠償金として、18万円(30万円÷6×10)の負担金が生じます。

同様のケースで、こちら側の自動車の修理費用が20万円であった時、8万円(20万円÷4×10)を、相手方に請求することができます。

ただし、自動車事故には、相手方のいない単独事故(=自損事故)や、もらい事故(過失割合が生じない事故)が、あります。

あるいは、相手がわからない、あて逃げ被害や、盗難被害に合うこともあります。

そういったケースに備えるための保険が、「車両保険」です。

また、車両保険には、免責事項(保険金を支払わないとされている条件)として、自然災害の地震や、地震を起因とした火災や、津波被害があります。

このため、地震による被害では、保険から補償を受けることができませんが、同じ自然災害であっても、台風による水害や、風害であれば、通常は、補償を受けることができます。

5.「型式別料率クラス」って?

赤い自動車と人形

自動車には、使用する目的にあった種別(一般乗用車や、タクシー、トラックなど)があります。

種別以外にも、同じ自家用車であっても、スポーツカータイプのものや、コンパクトカー、ファミリー向けのワンボックスカーなど、さまざまな形状や、構造、装備、性能があり、それぞれに、リスクが異なっています。

こういった、自動車ごとの特性や、その自動車のおもなユーザー層などに基づいて、リスクの違いを、総合的に判断するための区分が、「型式別料率クラス」(または、「車両別料率クラス」)です。

自動車を使用する目的には、おもに、「人が乗るために使用する」のか、それとも、「荷物を運ぶために使用する」のかといったこと以外にも、自家用にする車か、業務用にする車かどうかによっても、それぞれ、リスクが異なっています。

自動車保険では、使用する目的以外にも、自動車の種類(一般の乗用車や、コンパクトカー、軽自動車など)や、その車を運転する人の性別や年齢、事故歴があるかどうかによっても、自動車事故の発生するリスクや、事故が起きた時の被害の大小に差が生じると考えられています。

このようなことから、自動車保険では、個々の契約者の負担する保険料が、使用目的(日常使いするのか、通勤や通学で使うのか)や、車種、運転者の年齢や、過去の事故歴など、それぞれのリスクの差異に応じたものとなるように、保険料の「料率」に、区分が設けられています。

簡単にいうと、それぞれのリスクごとで分けられている、「保険料率」の区分のことを、一般的な自動車保険では、「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」と言っています。

「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」でのリスク評価は、自動車保険の補償内容について、それぞれに、「対人賠償責任保険」が「4」、「対物賠償責任保険」が「5」、「傷害保険」が「3」、「車両保険」が「5」など、数値で示されています。

5.1「料率クラス」はどう決まる?

「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」は、保険料の負担をできるだけ公平にするための仕組みをもっています。

たとえば、「型式別料率クラス(=車両別料率クラス)」では、リスクが高いと評価される集団と、リスクが低いと評価される集団の保険料には、差が設けられています。

自動車を使用する目的や、車種、運転者の年齢、過去の事故歴など、リスクの差に応じて、「料率」に区分を設けることで、それぞれの集団に、異なる保険料が、設定されています。

しかしながら、このような区分を設けたうえでも、自動車を型式別に見た場合、まだ、リスクに差が生じると考えられています。

そこで、同じ型式の自動車であれば、自動車ユーザーの利用目的や、ニーズに応じた形状や、構造、装備、性能が、ある程度、似通った集団であると考えることができるため、自動車の「型式」による区分が、自動車保険の「料率」を区分するための一つとして採用されています。

また、同じ型式の自動車を1つの集団として判断するため、自動車の「型式」のリスクが高いと判断されると、事故を起こしていない自動車も含めて、「型式」のクラスは上がります。

リスクが低いと判断されると、クラスが下がることもあります。

また、自動車の「型式」による料率区分は、自家用乗用車(自家用普通乗用車、自家用小型乗用車)と、自家用軽四輪乗用車に適用されています。

6.普通自動車の料率クラスって?

夕闇と自動車

自家用乗用車(自家用普通乗用車、自家用小型乗用車)では、料率クラスが、「1」~「17」の17クラスに分類されています(2020年より)。

保険料は、クラス「1」が最も割安に、クラス「17」が、最も割高になります。

また、クラス間の保険料率の差は、約1.1倍として計算されています。

保険料のもっとも割安なクラス「1」と、もっとも割高なクラス「17」の差は、約4.3倍として計算されています。

7.軽自動車の料率クラスって?

自家用軽四輪乗用車では、料率クラスが、「1」~「3」の3クラスに分類されています(2020年より)。

クラス間の保険料率の差は、約1.1倍として計算されています。

保険料のもっとも割安なクラス「1」と、もっとも割高なクラス「3」の差は、1.2倍として計算されています。

8.料率クラス、調べることはできる?

自動車のインパネ

一般的な自動車保険では、「料率クラス」に適用されている数値は、公表されていません(一部の損害保険会社では、公表していところもあります)。

ただし、自動車保険にご加入されている方であれば、保険証券で、適用されている料率クラス(=「型式別料率クラス」)を確認することができます。

もっと、正確に知りたい場合であれば、ご契約先の保険会社に問い合わせすることでも、確認することができます。

また、損害保険料率算出機構のホームページでは、自動車の型式だけでなく、それぞれの自動車のメーカー名、車名で、「型式別料率クラス」を検索することができます。

ただし、損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス」と、損害保険会社が使用している「型式別料率クラス」は、必ずしも、イコールであるとはかぎりません。

損害保険料率算出機構の「型式別料率クラス」は、目安になる基準として、参照するとよいでしょう。

9.まとめ

赤いスポーツカー

以上、自動車保険の料率クラスについて、見ていきましたが、いかがでしたか?

型式別料率クラスには、仕組みを補う料率区分として、「衝突被害軽減ブレーキ(AEB)の装着」や、「新車・新車以外」もあります。

新しく自動車を購入して、自動車保険に新規でご加入される方や、車両保険を検討されている方は、是非、型式別料率クラスをチェックしてみてくださいね!

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