加入していて良かった火災保険!その理由と必要性とはいったい?

火災保険の必要性についてしっかり把握している方はどれぐらいいるでしょうか。

大雨や落雷など自然災害が増えている中で、いつ自分の身に災害が降りかかるかわからない中で、もし自宅に損害が出た場合どうしますか?

雨・風をしのぎ、暑さ寒さをしのぐ場所でもある自宅を守らなければいけませんね。

そこで重要になるのが、火災保険なのです。

火災保険と言うと「家が燃えた時だけの保険でしょ?」と言う方が、まだまだいらっしゃる中で、火災保険は火事だけの補償ではないという事をこの記事では解説していきます。

また、賃貸物件に住んでいる方で、入居時に火災保険の加入を促されて、訳も分からず火災保険に加入していると言う方も居るのではないでしょうか?

そういった方にとっては、火災保険って本当に必要なの?と思う方も居るのではないでしょうか?

賃貸物件に入居する際になぜ火災保険の加入を促されるのか、その理由と必要性についてもこの記事で解説していきます。

火災保険の基本を理解する事で、火災保険に加入していて良かったと思うのか、また自分の火災保険は必要以上に補償が付いているのではないのか?と言う所をしっかりと見極めて、火災保険に加入していて本当に良かったと思えるようになりましょう。

1.火災保険とは

それでは、火災保険とはどのような保険なのでしょうか。

火事の時はもちろんですが、大雨による洪水などの被害や落雷・突風による損害など、多くの場面で役に立つのが火災保険なのです。

火災保険の補償範囲を説明すると、「え?そんなところまで補償してくれるの?」と驚かれる方が意外に多いです。

そこで、この章ではまず火災保険の基本について解説していきます。

1.1補償内容

それでは、補償内容について解説していきます。

火災保険の基本的な補償内容は、火災・落雷・風災・雪災・雹災・破裂・爆発の7つを起因とする事故による損害を補償する保険です。

近年の火災保険では上記の7つ以外にも、「建物外部からの物体の落下・飛来・衝突」「漏水による水濡れ」「騒擾・集団行動などに伴う暴力行為」「盗難による盗取・破損・汚損」「不測かつ突発的な事故」と言うモノまで補償の対象になるモノが多いです。

また、水災に関しては、基本的には基本補償になっていますが、マンションの上層階など洪水や浸水の可能性が低い方などの為に、選択制の補償となっている保険会社が多いです。

基本的な補償内容は以上になります。

火災保険にはこの基本補償の他に、費用保険と言うモノがあり保険金の支払いが有った事故に対して臨時費用や残存物かたづけ費用など、保険金にプラスして支払われるモノがあるという事も覚えておきましょう。

1.2対象

火災保険の対象は、一般的な住居用の「建物」と「家財」になります。

この他に、事業用の事務所や工場・倉庫や事業用の設備・什器というモノも火災保険の対象とすることが出来ます。

建物に関しては、細かく書かなくても解ると思いますが、家財と言われるとあまりピンと来ない方も居るかもしれませんが、家財道具と言うのは、家電製品はもちろんですが、食器や着ている服・布団や下着から装飾品や書画骨董など、家の中にある全般の物が対象となります。

この事は後から補償額の話をするときにもう一度話をしますので、対象となるモノに関して覚えておいてください。

1.3目的

火災保険へ加入をする目的は非常に簡単な事です。

火災や落雷・突風や水災などで損害が出た時に、その損害を補填する為です。

保険に入っていなければ、家の修理代や損害を被った家財道具の買い替えなどをすべて実費で行わなければいけません。

万が一、家を建てたのちに火災事故で家が全焼してしまった場合、その建物を建てる時にしたローンも残り、新たに家を建てる費用もローンを組まなければならず、借金が膨れ上がる事にもなりかねません。

そのような事が無いように、資産を守ると言うのが最大の目的になります。

これは、建物だけではなくて、家財道具や事務所・工場や設備什器に関しても同じことが言えます。

これが火災保険に加入する目的と言えるのです。

2.一部保険と超過保険

さて、火災保険の基本を説明したので、次からは火災保険の補償額に関して説明していきます。

火災保険に限らずですが、保険と言われると必ず補償額を設定しなければいけませんよね。

これは、生命保険でも同じことで、いくらの補償・保障を準備するのか?という事をしっかりと把握しておかなければいけません。

必要以上の補償・保障は保険料の無駄になる可能性が高いので、しっかりと把握しておきましょう。

そして、火災保険で特に多いのが、この章で解説する「一部保険」と「超過保険」になります。

文字通りですが、必要な補償に対して「一部しか補償がない状態」か「補償が多すぎる状態」を指した言葉です。

これから、細かく解説していきます。

2.1一部保険とは

それでは、詳しく説明していきます。

一部保険とは、評価額に対して補償額が足りていない状態の事を指します。

例えば、建物の評価が1,000万円なのに、火災保険の補償額が500万円になっているような状態です。

これでは、火災事故が起きたときなどに損害が出る前の状態に戻すと言うことは出来なくなります。

また、小損害と言える一部だけ燃えたときなど、比例填補での支払いになるため、充分な補償が出来ないと言う事態になります。

解りやすく言うと、先ほどの火災保険の掛け方をしていた場合、全焼ではなく半焼などの場合、500万円の損害が出た場合、補償されるのは250万円になるという事です。

ここで多くの方が、「500万円の補償があるのに、なぜ250万円しか出ないのだ!」と言うのですが、損害割合が50%の場合、評価通り1,000万円の補償をしていれば、保険金は500万円になりますが、補償額が500万円の場合はこの500万円の半分の250万円が保険金として支払われるのです。

この場合、事故が起こった時にトラブルになる場合が多く、また、せっかく火災保険に加入していても、効果が半減するという事になります。

これは、建物だけではなく、家財道具や設備什器に関しても言えることですので、建物および家財道具に関して、いくらの補償が必要なのか?と言うのはしっかりと把握しておきましょう。

2.2超過保険

補償が足りていない一部保険に対して、評価額以上の補償を掛けているのが「超過保険」となります。

これも、簡単に言うと、建物の評価が1,000万円に対して2,000万円の補償を掛けているという事です。

多ければ多い分貰えるだろうと思う方も居るかもしれませんが、火災保険に限らず、損害保険の基本は原状復帰です。

損害が出た物を、損害が出る前の状態に出来るだけ戻すと言うのが基本的な考え方ですので、1,000万円の物に対して、いくら2,000万円の保険を掛けても、保険金として支払われる上限は評価額の1,000万円までです。

この場合、超過している1,000万円に関しては、無駄な補償と言えるのです。

生命保険の場合には、死亡した時に2,000万円を家族に残したいから2,000万円の死亡保障に入れば良いのですが、損害保険はそうではないという事です。

また、評価額の前後20%は調整範囲と言われているので、1,000万円の評価に対して800万円~1,200万円までは、一部保険でも超過保険でもなく、評価通りと言う扱いになります。

これは、火災保険の評価は一般的な建築費を想定していますが、同じ建物でも使っている材質などによって価格が異なることがあるための調整です。

この調整範囲の事も、しっかりと覚えておきましょう。

3.火災保険の考え方

火災保険の考え方は、先ほども書きましたように、「原状回復」です。

損害が出た時に、保険に加入して補償対象である場合は、損害が出た物に対して損害が出る前の状態に出来るだけ戻すと言うのが基本的な考え方になります。

そのため、先ほど説明した「一部保険」や「超過保険」の状態にならないようにしましょう。

また、火災保険に限らず、損害保険では費用保険と言われる、保険金を支払った事故に対して臨時費用や後片付け費用などの費用保険金が損害保険金とは別途支払われます。

これは、損害が出た場合に「建物や家財道具の補償だけではなく、その他に掛かる費用も出来るだけ補填します」というモノになります。

しかし、保険金と一緒に支払われることが多いため、内訳をしっかり知らなければ、認定された損害額以上にお金を貰ったと思う方も多く、この事から「保険太り」と言う言葉が出来てしまいました。

事故が起こった時には、損害額以上にその他の費用が掛かるので、少し多く貰ってラッキーと思うかもしれませんが、決して余分に支払われているのではなく、必要な金額だろうと支払われている事を覚えておいてくださいね。

4.戸建とマンションの火災保険

 

さて、火災保険の基本を解説してきましたので、ここからは少し具体的に見て行きましょう。

火災保険の対象は「建物」と「家財道具」と説明してきましたが、持ち家の方と賃貸物件に入居されている方では、加入する対象が異なります。

持ち家の方であれば、建物も自分の資産ですので、火災保険に加入する対象は「建物」と「家財道具」になります。

一方の賃貸物件にお住まいの方であれば、建物に関しては自分の資産ではないので、火災保険に加入する必要性はありませんが、家財道具に関しては自分の資産になりますので、「家財道具」の火災保険に加入する必要性はあります。

また、賃貸物件に於いては自分の資産を守るためだけではなく、それ以外にも大きな役割がありますが、詳しくは次章にて解説していきます。

また、持ち家の方も賃貸物件にお住まいの方でも、戸建の物件なのかマンションなのかによって保険の選び方が違いますので、ここでは、その違いを解説していきます。

4.1戸建物件の場合

それでは、戸建物件の火災保険について解説していきます。

戸建物件の火災保険は基本的にあらゆるリスクに備える必要があります。

火災・落雷・風災・水災など、火災保険の基本補償にあるリスクが全て考えられるのです。

戸建の場合はマンションと違い、建物の構造が木造である事が多いため、マンションよりも火災のリスクは高まります。

また立地にもよりますが、水災と言われる大雨による浸水や土砂崩れのリスクがマンションよりも高くなります。

その事から、火災保険の基本的な補償である「火災・落雷・破裂・爆発・風災・水災・雹災」などの基本補償は省くことの無いようにしておきましょう。

また、持ち家の方は「建物と家財道具」、賃貸物件の方は「家財道具」と対象をしっかりと把握しておきましょう。

賃貸物件と言え、大雨で床上浸水などした場合は、家財道具に損害が出るという事を頭に入れておきましょう。

4.2マンションの場合

マンションの場合は、低層階(1階から2階・3階ぐらいまで)の方以外は、先ほど書いた「水災」を省く選択が出来ます。

水災と言うのは大雨の浸水や土砂崩れと言った被害を対象としていますが、マンションの場合、床上浸水をする可能性は極めて低くなり、物件のすぐ裏手に山があり土砂崩れの可能性があると言う方以外であれば、この「水災」と言う補償は必要ありません。

どうしても、「土砂崩れが心配だ」と言う立地にお住まいの方であれば、「水災」の補償を付ければいいのですが、それ以外のマンションであれば、水災補償は必要ありません

また、マンションでも同じですが、持ち家の方は「建物と家財道具」、賃貸物件の方は「家財道具」の保険に加入しましょう。

また、持ち家の方は建物の範囲が「内壁」なのか、「壁芯」なのかをしっかりと調べておきましょう。

解りやすく言うと、マンションの場合はどこまでが自分の持ち物なのか?をハッキリさせておく必要があります。

物件の内壁なのか、隣の物件との壁の半分までなのか?という事です。

少し解りづらいので、画像を参考にしてください。

同じ火災保険でも戸建とマンションでは少し補償範囲が異なるという事を覚えておいてください。

5.賃貸物件の火災保険とは

先ほど少し書きましたように賃貸物件の火災保険には、入居者の資産である「家財道具」を守ると言う目的の他に大きな目的がありますので、ここでは「なぜ賃貸物件に入居する時に火災保険が必要なのか?」という所を解説していきます。

5.1火災保険に加入する目的と必要性

賃貸物件に入居をする際には、不動産屋さんや・大家さんから「火災保険に加入してください」と言われる事でしょう。

この時に、火災保険の必要性をしっかり理解して加入すると言う方は少ないのではないですか?

また、家具も少ないし火災保険に加入する必要性も無いと思う方も多いでしょう。

しかし、賃貸物件の火災保険は入居者の家財道具を守るためだけではなく、大家さんをも守る保険とも言えるのです。

これは、入居中に火事を起こしてしまった場合や、設備の破損・汚損をしてしまった時には、原状回復をしなければいけません。これは、多くの賃貸借契約で決められている事です。

賃貸物件用の火災保険には「家財道具」だけではなく「個人賠償責任特約」・「借家人賠償責任特約」という2つの特約がセットされています。

先ほど書いたような、火事や設備の破損・汚損をした時に、大家さんは入居者に対して損害賠償請求をして認められれば、入居者はその費用を支払わなければいけません。

火事となると、建物全体の修理費なども加わり数百万円~数千万円になる場合もあるのです。

この損害賠償額を入居者が支払えないという事になると、大家さんも困ってしまいます。

この様な事が起こった時に「借家人賠償特約」や「個人賠償責任特約」があれば、保険金が大家さんに支払われて、原状回復が出来るのです。

賃貸物件に入居をする際の火災保険は、入居者の為だけではなく、大家さんの為の保険とも言えるのです。

5.2火災保険以外で備える場合

賃貸物件の火災保険について少し説明しましたが、基本的には火災保険に加入しておけば問題ないのですが、火災保険ではなくても、このリスクをカバー出来ればどのような保険でも問題は無いのです。

少し捻くれた話ですが、保険会社によっては、傷害保険・火災保険・賠償責任がセットになった保険を売っている場合があります。

保険の補償内容や保険料にもよりますが、賃貸物件向けの火災保険の保険料と同じ保険料で、ケガへの補償も付けることが出来れば、こちらの方が良いと思いませんか?

実際に、私は賃貸物件に入居をする際に、管理会社及び大家さんに許可を貰って、火災保険ではなく、この様なパッケージ商品に加入しました。

その代り、保険証券をしっかりと大家さんに見せて、説明をしたので問題はありませんでしたが、基本的には受け入れられない場合が殆どです。

そもそも、この様な保険商品は保険屋さんであれば知っている営業マンもいるかもしれませんが、一般的な不動産屋さんなどではこの様な保険商品自体を取り扱っていないので、参考までに知っておいてください。

基本的には、賃貸用の火災保険に加入するようにしましょう。

6.火災保険の加入率

これまで火災保険に関して説明していきましたが、実際に火災保険の加入率はどれぐらいあるのでしょうか?

賃貸物件や持ち家の方であれば、100%加入していると思う方も多いと思いますが、実際には、約80%の加入率で長年推移しています。

これは内閣府の発表した数字になりますが、あくまでも世帯数での話であり、全建物と言う訳でもありません。

人が住んでいる建物だけでも約8割は火災保険に加入していますが、残りの約2割は火災保険に加入していないという事になります。

近年では、火災保険の補償内容の説明や、自然災害の増加で自己防衛への意識の高まりなども有り、火災保険に加入する方も多くなっていますが、まだまだ2割の方にとっては火災保険の必要性や補償内容の説明・理解という所が追い付いてないのも事実でしょう。

これが、火災保険の実際の加入率です。

7.火災保険と地震保険

火災保険とは切っても切れない関係の保険と言えるのが地震保険でしょう。

地震保険とは、名前の通り地震・噴火・津波による損害を補償する保険です。

火災保険では、この地震・噴火・津波による損害は免責事項となり補償の対象ではないのです。

そのために、地震・噴火・津波の損害に備えるためには、この地震保険に加入しておかなければいけないのです。

そんな地震保険と火災保険はどのような関係性があるのでしょうか。

7.1火災保険と地震保険の関係

火災保険と地震保険の関係は、簡単に言ってしまうと、地震保険に加入するには火災保険に加入しておかなければならず、この2つの保険は二つで一つ(にこいち)の関係と言えるのです。

地震保険だけ加入したくても、それはできないのです。

あくまでも火災保険に加入して、その上で地震保険にも加入すると言う事しかできないのです。

そして先ほども少し書いたように、火災保険では補償対象外の地震・噴火・津波の損害をカバーするために地震保険があり、この2つの保険をしっかりと契約する事で、あらゆるリスクに備えられるようになるという事です。

7.2地震保険とは

地震保険の補償内容を少し詳しく書いていきましょう。

先ほども書いたように、地震保険の支払い事由は、「地震・噴火・津波による保険の対象の埋没または流出による損害を補償します」と言う保険です。

また、この保険は各損害保険会社と再保険会社と政府の三者により販売・運用されていますので、保険料はどこの保険会社で加入しても同じ保険料になっています。

また、地域によって保険料率が異なるため、同じ大きさ・材質の建物でも地域によって保険料が異なります。

そして、損害の認定方法が明確で4種類しかなく、保険金の支払い方・割合もしっかりと決まっています。

下記に損害の認定方法と保険金の支払い割合を表にしていますので、しっかりと見ておきましょう。

建物の場合

全損 軸組・基礎・屋根・外壁等の損害が

建物評価額の50%以上

地震保険金額の

100%

(時価額が限度)

焼失・流失した部分の床面積が

建物の評価額の70%以上

大規模半損 軸組・基礎・屋根・外壁等の損害が

建物評価額の40%以上50%未満

地震保険金額の

60%

(時価額の60%が限度)

焼失・流失した部分の床面積が

建物の評価額の50%以上70%未満

小規模半損 軸組・基礎・屋根・外壁等の損害が

建物評価額の20%以上40%未満

地震保険金額の

30%

(時価額の30%が限度)

焼失・流失した部分の床面積が

建物の評価額の20%以上50%未満

一部損 軸組・基礎・屋根・外壁等の損害が

建物評価額の3%以上20%未満

地震保険金額の

5%

(時価額の5%が限度)

全損・大規模半損・小規模半損に至らない建物が床上浸水または地面から45cmを超える浸水をした場合

家財の場合

全損 家財全体の時価額の

80%以上

地震保険金額の

100%

(時価額が限度)

大規模半損 家財全体の時価額の

60%以上80%未満

地震保険金額の

60%

(時価額の60%が限度)

小規模半損 家財全体の時価額の

30%以上60%未満

地震保険金額の

30%

(時価額の30%が限度)

一部損 家財全体の時価額の

10%以上30%未満

地震保険金額の

5%

(時価額の5%が限度)

少し前までは、全損・半損・一部損の3種類でしたが、近年では地震の発生も多く、また地震保険の加入率も上がり、そして何よりも迅速に保険金の支払いが出来るように、半損の割合を細かくして、4種類に改定されています。

また、保険金の支払われない場合もありますので、少し確認しておきましょう。

地震保険の支払いが出来ないケース

・保険の対象の紛失・盗難によって生じた損害

・門・塀・垣のみに生じた損害

・地震等が発生した翌日から10日以上経過後の損害

・損害の程度が一部損に至らない損害

上記の4つが地震保険の支払いにならない条件です。

注意する部分としては、「地震等の発生した翌日から10日以上経過後の損害」という所です。

これは火災による損害がメインになるのですが、10日以上経つと、その損害の原因が地震によるものなのか、そうではないのかの判断が出来ないという事です。

ここだけは注意しておきましょう。

8.火災保険の事故例

ここからは火災保険の事故例を少し具体的に解説していきます。

保険金の対象となった事故例や、保険の支払い対象外になった事故例の2種類を解説していきます。

8.1保険金の支払いの対象となった事故

火災保険の支払い対象となった事故は意外と多くあり、火災事故はもちろん対象になりますが、火災以外の事故では、意外と思われる方も居るかもしれませんが「落雷」の損害です。

この落雷の損害と言うのが、インターネットなどをするときに必要になる、ルーターへの損害でした。

ピンと来ないかもしれませんが、インターネットが繋がらなくなり、調べるとルーターに過電流が流れて故障してしまっていたという事があり、その原因が落雷による過電流だったのです。

この場合には、故障の原因が「落雷」なので、家財道具に火災保険を掛けていると、保険の対象となるのです。

この場合は、ルーターですが、家電製品ではどれで起こるかわかりません。

パソコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機・配電盤など、家には家電製品や配電盤など電気系統のものが多くあり、過電流が流れると故障の原因となります。

このリスクは、どこの家庭でもあるという事です。

8.2保険金の支払いの対象とならなかった事故

次は保険金の支払いの対象にならなかった事故について少し解説していきます。

これは、マンションのオーナーさんからの相談でしたが、「所有するマンションの個室の天井から水が漏れている」という事と「別の個室ではベランダの扉付近から雨漏りをしている」と言う相談を受けました。

結果から言うと、どちらの事故も保険金の支払い対象にはなりません。

まず天井からの水漏れに関しては、水漏れの原因は共同配管の亀裂でしたが、その亀裂の原因が経年劣化によるものだったのです。

火災保険の支払いは基本的に事故性があるかないか・突発的なモノかどうかという事がメインになりますので、経年劣化は事故性もなく突発的なモノではないので、支払の対象とはなりません。

そして、ベランダの扉付近からの雨漏りに関しては、この「雨漏り」自体が火災の免責事項に該当しますので、そもそも支払いの対象にはなりません。

保険金の支払いに「なる・ならない」は、保険会社によって少し規定も違うことがありますので、ご自身の火災保険の約款や保険の手引きなどの保険金の支払いに関するところをしっかりと確認しておきましょう。

9.火災保険は必要か?

火災保険について、基本的なところから解説してきましたが、まだ「本当に必要なのか?」と思う方も居るのではないでしょうか?

火災保険は、火事だけではなく、自然災害などからも建物や家財道具を守ってくれる保険です。

また、賃貸物件などに於いては、入居者の家財道具を守るためでだけではなく、大家さんの財産をも守る役割もある保険です。

火災保険と聞くと、火事になった時だけの保険でしょ?とまだまだ多くの方が思っていると思いますが、近年では大雨や突風をはじめとする自然災害が多くなり、また大きな地震も各地で頻繁に起こっています。

自分の家や家財道具に損害が出た時には、生活の困窮という事になりかねません。

これらの災害に備えるためにも、火災保険と言うモノは必要な保険と言えるでしょう。

また、どのような損害が出ても、実費で直すことが出来ると言う方にとっては、火災保険は必要のない保険と言えるでしょうが、そのような方は決して多くなく、一般的な方は火災保険にしっかりと加入するようにしましょう。

10.まとめ

火事に遭うのは4世代に1回と言われるほど、一生の間に火災事故を経験すると言う方は少ないと言われています。

しかし、自然災害はいつどこで起こるかわからない、いつ自分に降りかかるかわからないのです。

火災保険に加入していれば、自然災害での損害も保険の対象になることが多く、万が一の時に頼りになります。

「火災保険に加入していて良かった」と思うか、「火災保険に加入しておけばよかった」と後悔するかは、あなた次第ですが、火災保険の補償内容や考え方、保険金の支払いになる場合とならない場合をしっかりと確認して、転ばぬ先の杖として、火災保険に加入しておきましょう。

それが、生きて行くうえで重要な「衣・食・住」の「住」を守る事になり、生活の困窮を防ぐことになります。

加入率も8割と高い数字ですが、まだまだ加入していないと言う方もいらっしゃることでしょう。

この記事を読んで、火災保険に少しでも興味を持って、加入を考える方が増えれば幸いです。

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