中小企業の退職金制度への活用に向いている法人保険を詳細解説!

中小企業の経営状態は事業所によって様々です。また、起業して間もない企業もあれば、経営の基盤が固まりつつある企業もあります。

経営者の中には福利厚生、特に経営者ご自身と役員、従業員の退職金制度を整えたい方もいらっしゃることでしょう。

その際に注意すべきなのは、退職金を用意する際に加入する法人保険にも、経営者・役員の退職金に利用しやすい法人保険と、従業員の退職金に利用しやすい法人保険があることです。

それぞれの中小企業の資金状況等を踏まえて、法人保険へ無理のない加入契約をする必要があります。

今回は、退職金制度とはそもそも何か?経営者・役員、従業員の退職金に利用しやすい法人保険の種類を説明し、各保険のおすすめ商品も紹介します。

この記事を読めば、退職金制度について、退職金の用意に向いている法人保険の基本的な知識を得ることができ、保険選びの有効な一資料となるはずです。

目次

1.退職金制度について

  • 1-1.退職金制度とは?
  • 1-2.死亡退職金とは?
  • 1-3.経営者・役員、従業員の退職金として利用しやすい法人保険
  • 1-4.公的な共済制度も活用できる

2.長期平準定期保険について

  • 2-1.長期平準定期保険とは
  • 2-2.長期平準定期保険のメリット・デメリット
  • 2-3.長期平準定期保険のおすすめ商品

3.逓増定期保険について

  • 3-1.逓増定期保険とは
  • 3-2.逓増定期保険のメリット・デメリット
  • 3-3.逓増定期保険のおすすめ商品

4.全額損金定期保険について

  • 4-1.全額損金定期保険とは
  • 4-2.全額損金定期保険のメリット・デメリット
  • 4-3.全額損金定期保険のおすすめ商品

5.養老保険について

  • 5-1.養老保険とは
  • 5-2.養老保険のメリット・デメリット
  • 5-3.養老保険おすすめ商品

6.終身ガン保険について

  • 6-1.終身ガン保険とは
  • 6-2.終身ガン保険のメリット・デメリット
  • 6-3.終身ガン保険おすすめ商品

7.まとめ

1.退職金制度について

我が社はまだまだ起業して数年程度だが、退職金制度を整えたいと考えている。いろいろと退職金制度について検討している内に、法人保険を退職金に活用するという方法を見つけた。

まずは、退職金制度の基本的な知識の確認と、経営者・役員、従業員の退職金として利用しやすい法人保険について知りたい・・・・。

こちらでは、退職金制度の説明と、経営者・役員、従業員の退職金として利用しやすい法人保険等について取り上げます。

1-1.退職金制度とは?

退職金とは、退職した従業員に対して支払われるお金です。退職金は賃金の後払いであり、終身雇用制を基調とした日本では永年勤続を感謝する意味から広く行き渡っている制度です。

ただし、退職金自体は必ず従業員等に支払わなければならないわけでなく、法定された制度でもありません。

仮に、企業が退職金制度を設けなくても違法とは言えません。ただし、就業規則に退職金について規定を設けた場合、賃金の一部とみなされます。

そのため、退職する従業員から請求があった場合は退職金を支給する必要があります。

1-2.死亡退職金とは?

退職金を受け取る人が、本来ならば勤務していた事業所から受け取るはずだった退職金があったにもかかわらず、何らかの事情で受け取る前に亡くなった場合、遺族に対して故人の退職金が支払われることがあります。これを「死亡退職金」と言います。

こちらも、遺族に死亡退職金を支払う必要のあることは定されておらず、就業規則で規定されていなければ、支払わなくても違法ではありません。

ただし、就業規則で退職金を受け取る人が死亡してしまった場合に、「死亡退職金という形で遺族に対して支給する。」という旨の規定があれば、死亡退職金を支払う必要があります。

1-3.経営者・役員、従業員の退職金として利用しやすい法人保険

法人保険の場合、支払われる退職金は解約返戻金等によって賄うことができます。解約返戻金とは、保険を解約することによって戻ってくるお金です。

こちらでは、経営者・役員向きの法人保険と、従業員向けの法人保険について説明します。

①経営者・役員向きの法人保険

特に経営者の場合は定年がなく、企業の規模が年々大きくなっていけば経営者・役員の責任が増していきます。また、起業して間もないなら、まだまだ企業の資金繰り(資金の調達、運用)が安定していない場合が多いです。

そのため、長期運用ができる保険、企業の規模に比例して保障が厚くなっていく保険、保険会社に支払う保険料が全て損金(個人経営者でいうなら経費)に算入でき、節税効果の高い保険を選ぶことをおすすめします。

この様な特徴を満たす法人保険は次の3つです。

名称 特徴
長期平準定期保険 定期保険の中でも長期の保険期間が設定できる保険です。例えば保険期間は99歳、100歳と言うように非常に長く、解約返戻率(解約して戻ってくるお金の割合)が高くなります。
逓増定期保険 契約後、保険期間満了までに保険金額が契約当初の金額から最大5倍まで増加する保険です。解約返戻率が契約後の早い段階で高率になります。
全額損金定期保険 保険会社に支払った保険料の全額を損金にすることができ、法人税の節税効果に優れた定期保険です。

②従業員向けの法人保険

従業員または役員にも言えることですが、役員・従業員本人が無事退職することで支払われる退職金を準備しておくことの他、彼らが亡くなったり、重い病気になったりした場合に、受け取れる保険金が設定されている法人保険を選びましょう。

この様な特徴を満たす法人保険は次の2つです。

名称 特徴
養老保険 満期までに被保険者が亡くなった場合は死亡保険金が支払われ、死亡しなかった場合は死亡保険金と同じ額の「満期保険金」が支払われる保険商品です。
終身がん保険 日本人の死因の常に上位に位置する「がん」を保障する保険です。従業員が、がんにかからず引退を迎えた場合には、解約返戻金を利用し退職金として支払うことができます。

1-4.公的な共済制度も活用できる

退職金制度を整備する方法は法人保険の活用に限らず公的な共済制度も利用することができます。

共済に加入すれば国や地方自治体から助成を受けることができることや、税負担が軽くなることが期待できます。

ただし、積み立てた保険料を会社の経営資金として緊急で調達したい場合や、経営者・役員・従業員の死亡や疾病のリスクを考慮すると、法人保険よりも活用しにくい一面もあります。

①小規模企業共済

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する共済制度です。この制度は、個人事業主や会社の経営者が「個人」で加入する共済です。

つまり、会社のお金ではなく、経営者個人がご自分の収入の中から積み立てをします。掛金は、月1,000円~7万円まで、500円単位で設定することができます。

また、共済から契約者貸付(いわゆる借金)が利用できます。

借入限度額は掛金のおよそ100%です。緊急の出費が必要な場合に役に立ちます。更に利率は年0.9~1.5%とかなり低いため、その後重い負担にはなりません。

ただし、加入してから20年程度が経たないと、解約した場合に掛金の全額が戻ってきません。

また、契約の際に設定した掛金が負担となって減額した場合、減額した分はその後運用がされないまま放置される形になります。

例えば、以前に毎月3万円の掛金を支払っていたものの、負担が重くなり掛金を毎月2万円に減額した場合、減額後は2万円分しか運用されないことになります。

②中小企業退職金共済

独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(通称:中退共)が運営している共済制度です。

この共済は、事業主が相互に掛金を出し合い、それに加えて国が掛金の一部を助成する形で運営されています。従業員全員加入が原則として必要です。

こちらの共済に新規加入すると、国や地方自治体から掛金の一部を助成してもらえたり、掛金の全額が損金に算入されるため、節税の面でも非常に頼りになる共済です。

しかし、掛金の減額が非常に難しく、業績の悪化等のやむを得ない場合でも、従業員の同意を得た上に、現在の掛金を継続することは著しく困難だと厚生労働大臣に認定してもらうことが必要です。

このように厚生労働大臣の認定まで必要となるため、減額手続きに手間と時間がかかってしまいます。

また、従業員の懲戒解雇の場合は退職金の「減額」のみしか方法が無く、更にその分の掛金は没収されることになります。

更にこの退職金の減額に対しても、中退共を通して厚生労働大臣による「認定」の手続を経なければなりません。

こちらの共済は、自己都合退職でも前述した懲戒解雇でも、退職理由を問わず、必ず従業員に退職金を支給しなければならないのが特徴です。

2.長期平準定期保険について

退職金の積み立てに向いている法人保険にも種類があることはわかった。では、経営者・役員向けで返戻率の高い解約返戻金が期待できる、長期平準定期保険について知りたい。

長期平準定期保険のメリット・デメリットは、一体何なのだろう?

こちらでは、長期平準定期保険のメリット・デメリット、そしておすすめの保険商品を説明します。

2-1.長期平準定期保険とは

長期平準定期保険とは長期の保険期間を設定する定期保険です。保険期間が99歳・100歳までと非常に長く、その保険期間に保険金額の変わらないことが特徴です。特に、定年がない経営者に向いている保険です。

また、この保険は途中で解約をすれば解約返戻金が受け取れます。この解約返戻金を経営者・役員等の退職金に充てることになります。

保険期間が長い定期保険であるため、長期的な見通しを持ってうまく活用すれば、節税や退職金等にあてるお金を効率良く積み立てることができます。

2-2.長期平準定期保険のメリット・デメリット

長期平準定期保険のメリット・デメリットは次の通りです。

①メリット

  • [節税効果]

この保険は、保険会社に保険料を支払うと1/2が損金に算入され、それだけ税負担が軽くなります。一方、もう1/2は資産計上となり保険料の積立金に計上します。

  • [解約返戻金の返戻率が高く、ピーク期間が長い]

返戻率が高く、返戻率の高いタイミング(ピーク期間)が長期間(およそ30年間)にわたり継続します。

②デメリット

  • [重い負担になることも]

法人契約ですので、会社のお金を使って退職金を積み立てていくことになります。そのため、ご自分の会社の規模・売上・営業利益を十分考慮して適切な保険料を設定しないと、加入後に会社の重い負担となることがあります。

  • [解約期間によっては損をすることも]

この保険は解約返戻金の返戻率のピーク期間が長いため、解約のタイミングを逃すというリスクは低いことが想定されます。

ただし、例えば経営者が退職する時期になって、後継者が決まらず、引退の時期を遅らせる必要がある場合、解約返戻率が低い時期に解約することもあるので、損をすることにつながります。

2-3.長期平準定期保険のおすすめ商品

こちらでは、長期平準定期保険のおすすめ保険商品として、東京海上日動あんしん生命保険「長割り定期」を取り上げます。保険内容は次の通りです。

○東京海上日動あんしん生命保険「長割り定期」の概要

長割り定期は、「低解約返戻金期間」を設定することで、割安な保険料で必要な保障や、退職金を準備することが可能です。

この期間中の解約返戻金を、通常の保険期間の解約返戻金の70%に抑えることで、保険会社へ支払う保険料を割安することが可能です。

また、経営者・役員等が在任中、死亡や高度障害状態になった場合、保険金を死亡退職金・弔慰金の財源として利用できます。

○東京海上日動あんしん生命保険「長割り定期」の返戻率

事例を上げて解約返戻率の推移を説明します。

  • 契約者:法人
  • 被保険者:経営者40歳男性(加入契約時)
  • 死亡保険金:2億円
  • 保険期間および保険料払込期間:99歳まで
  • 年間保険料:4,261,800円
経過年数 10 30 40 50 59
年齢 50 70 80 90 99
支払保険料累計 42,618,000円 127,854,000 170,472,000円 213,090,000円 251,446,200円
解約返戻金額 30,280,000円 126,260,000 160,680,000円 174,040,000円 0円
返戻率 約71.0% 98.7% 約94.2% 約81.6% 0.0%

3.逓増定期保険について

長期平準定期保険は非常に長い保険期間で、その期間には保険金額は変わらないのが特徴だった。

では、保険金額をより手厚くすることができ、退職金に利用できる解約返戻金の返戻率も高い逓増定期保険について知りたい・・・・。

こちらでは、逓増定期保険のメリット・デメリット、そしておすすめの保険商品を説明します。

3-1.逓増定期保険とは

逓増定期保険は、長期平準定期保険よりも保険期間は短いですが、契約締結後、保険期間満了までに保険金額が契約当初の金額から最大5倍まで増加します。また、解約返戻率が契約後の早い段階で高くなることが特徴です。

逓増定期保険は、一定の支払保険料を損金に算入することが認められています。その割合は被保険者の年齢・保険期間によって異なり、1/2、1/3、1/4の3タイプが設けられています。

この保険を契約している法人の多くは、積み立てたお金を損金として処理して節税を行いながら、経営者・役員等の万が一の際の手厚い保険金としてだけではなく、退職金の準備としても利用しています。

3-2.逓増定期保険のメリット・デメリット

逓増定期保険のメリット・デメリットは次の通りです。

①メリット

  • [死亡保険金が大きい]

加入契約時から短期間で、死亡保険金額が当初の5倍程度まで増加します。契約時は例えば1億円だった死亡保険金が10年程度で、最大5億円まで増加していきます。

被保険者の死亡や高度障害状態に関して、一定の保険期間を経過すればその分、非常に充実した保険金が約束さます。

  • [早い段階で解約返戻金のピークがくる]

解約返戻金の返戻率は、契約してから5年~10年程度でピークになります。この時期に解約すると、保険料総額とほぼ同程度の解約返戻金を受け取ることが可能です。

②デメリット

  • [高額な支払保険料]

この保険は莫大な死亡保険金を用意できますが、一方で年間保険料が非常に高額になります。

年間の支払額は約1,000万円程度に上るので、適切な保険料で契約をしないと会社経営を圧迫することにつながります。

  • [解約のタイミングが難しいケースも]

逓増定期保険の加入に向いているのは、経営者の引退がそろそろ近づいてきており、後継者が確実に存在している企業の場合です。

解約返戻金の返戻率のピークは早い段階で到来しますが、その状態が長期間継続しません。

そのため、経営者の引退時期が迫っているにもかかわらず、後継者候補はいまだ決まっていない状況だと、解約するタイミングを誤る場合があります。

解約のタイミングで退職金が支出されないと、解約返戻金が多額の益金として算入され、支払う法人税も多くなってしまいます。

3-3.逓増定期保険のおすすめ商品

こちらでは、逓増定期保険のおすすめ保険商品として、マニュライフ生命「プロスペリティ新逓増定期保険」を取り上げます。保険内容は次の通りです。

○マニュライフ生命「プロスペリティ新逓増定期保険」の概要

プロスペリティ新逓増定期保険は、会社の成長と共に重くなっていく経営者・役員の責任に対応して、保障が増えていく商品です。

この商品は、第1保険期間と、第2保険期間があり、第1保険期間が経過すれば保険金額が段階的に増加し、最大で基本保険金額の5倍になります。

損金の算入も工夫されており、次のような方法をとります。

保険期間の前半6割→保険料の1/2が損金算入、残りの1/2は資産計上

保険期間の後半4割→支払保険料全額を損金算入、資産計上した前払保険料を後半4割の期間で案分し損金算入

○マニュライフ生命「プロスペリティ新逓増定期保険」の返戻率

事例を上げて解約返戻率の推移を説明します。

  • 契約者:法人
  • 被保険者:経営者50歳男性(加入契約時)
  • 基本保険金金額:1億4,000万円
  • 保険期間および保険料払込期間:72歳まで
  • 第1保険期間:7年
  • 年間保険料:15,985,760円
経過年数 1 6 7 9 22
年齢 51 56 57 59 72
基本保険金金額 14,000万円 14,000万円 14,000万円 31,500万円 70,000万円
支払保険料累計 15,985,760円 95,914,560円 111,900,320 143,871,840円 351,686,720円
解約返戻金額 10,052,000円 90,664,000円 107,352,000 133,994,000円 0円
返戻率 約62.8% 約94.5% 95.9% 約93.1% 0.0%

4.全額損金定期保険について

法人保険の中には、毎年支払った保険料の全額を損金として算入できる保険もあると聞いている。

会社を立ち上げてまだ数年程度で、資金繰りが潤沢とはいえない。そんな我が社には魅力的な保険といえる。

全額損金にできる法人保険について詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、全額損金定期保険のメリット・デメリット、そしておすすめ商品を説明します。

4-1.全額損金定期保険とは

全額損金定期保険とは、支払った保険料の全額を損金にすることができる、法人税の節税効果に優れた保険です。

こちらの保険は、起業してまだ数年程度で資金の調達、運用を安定させる必要がある企業向きの定期保険といえます。

全額損金定期保険は最近、三大疾病(がん・心疾患・脳疾患)になったときにお金が受けとることができる商品や資産形成ができる商品、介護保険商品等、バリエーションが広がっています。

4-2.全額損金定期保険のメリット・デメリット

全額損金定期保険のメリット・デメリットは次の通りです。

①メリット

  • [節税効果]

保険会社に支払った保険料を全額、損金に算入できるため法人税が軽減され、まだまだ会社経営で業績が上がっていない段階では、頼りになる法人保険です。

②デメリット

  • [解約返戻金は全額雑収入]

この保険は決算時に払い込んだ保険料なら全額損金算入が可能となる一方、解約返戻金が全額雑収入として計上されることになります。

これは、税務上の益金となり、解約返戻金に多額の法人税がかかってしまうことを意味します。

解約返戻金の返戻率が高くなるピークは、概ね10年前後と割と長めなので、その期間に解約して役員等へ退職金として支払い、多額の法人税の納付を回避することをおすすめします。

4-3.全額損金定期保険のおすすめ商品

こちらでは、全額損金定期保険のおすすめ保険商品として、FWD富士生命「生活障がい定期保険」を取り上げます。保険内容は次の通りです。

○FWD富士生命「生活障がい定期保険」の概要

この保険は、経営者・役員の死亡、所定の高度障害状態・要介護状態、5つの疾病(悪性のがん・急性心筋梗塞・脳卒中・慢性腎不全・肝性脳症を伴う肝硬変)による重篤な状態を保障する法人向けの保険です。

下りる保険金は死亡退職金・弔慰金等として活用が可能です。なお、こちらの保険は個人契約もできます。

法人契約の場合は、一定の要件の下で保険料を全額損金扱いにできます。

○FWD富士生命「生活障がい定期保険」の返戻率

事例を上げて解約返戻率の推移を説明します。

  • 全額損金タイプ
  • 契約者:法人
  • 被保険者:経営者55歳男性(加入契約時)
  • 保険金額:3億円
  • 保険期間および保険料払込期間:80歳まで
  • 年間保険料:6,030,600円
経過年数 1 5 10 20 25
年齢 56 60 65 75 80
支払保険料累計 6,030,60円 30,153,000円 60,306,000円 120,612,000円 150,765,000円
解約返戻金額 3,210,000円 24,450,000円 51,480,000円 44,160,000円 0円
返戻率 約53.2% 約81.0% 約85.3% 約36.6% 0.0%

5.養老保険について

従業員のための退職金の準備に向いている保険は、「養老保険」であると聞いたことがある。

この養老保険について詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、養老保険のメリット・デメリット、そしておすすめの保険商品を説明します。

5-1.養老保険とは

養老保険は、個人向けの保険としても盛んに販売されている保険です。満期までに被保険者が亡くなった場合に死亡保険金が支払われ、死亡しなかった場合は死亡保険金と同じ額の「満期保険金」が支払われます。

企業が退職金の積立に利用する場合、役員・従業員の全員を被保険者にすることになります。

死亡保険金の受取人を被保険者の遺族にし、満期保険金の受取人をご自分の企業にします。

なお、従業員の退職時期が早まった場合、解約返戻金が満期保険金の代わりに退職金の財源の役割を担うことになります。

また、福利厚生目的であることをはっきりと示すために、「福利厚生規程」を作成する必要があります。

死亡保険金および満期保険金または解約返戻金も、役員・従業員とその家族の福利厚生を目的に利用されるため、「福利厚生プラン」と呼ばれています。

5-2.養老保険のメリット・デメリット

養老保険のメリット・デメリットは次の通りです。

①メリット

  • [節税効果]

養老保険(福利厚生プラン)は、保険料の1/2を損金に算入できるという扱いが認められており、節税効果が期待できます。

  • [赤字を計上するリスクの軽減]

法人が満期保険金を受け取った場合には、そこから既に支払った保険料総額の1/2を差し引いた額が益金に算入されます。

そのため、従業員等へ退職金を支払うことで大きな赤字を計上するリスクが軽減されます。

ただし、あくまで満期保険金の受取時期と退職金の支給のタイミングが同じ場合に期待できる効果と言えます。

②デメリット

  • [保険料が高い]

養老保険は、死亡保険金または満期保険金のどちらかが必ず支払われるので、保険料はその分高額です。

そのため、加入契約後に保険料の支払いが会社の経営を圧迫するおそれがあります。

したがって、「福利厚生プラン」に加入する場合、会社の業績を十分考慮した上で、支払保険料を設定する必要があります。

  • [タイミングによって黒字幅が増える]

満期で下りる保険金と、従業員等の退職のタイミングが合わないと、益金だけが計上されてしまいます。この場合には、法人税が余計にかかってしまうことになります。

5-3.養老保険のおすすめ商品

こちらでは、養老保険のおすすめ保険商品として、エヌエヌ生命「養老保険」を取り上げます。保険内容は次の通りです。

○エヌエヌ生命「養老保険」の概要

従業員のための福利厚生の充実や退職金準備に活用できる法人保険です。

一定の期間に死亡・高度障害状態になったときの保障を確保でき、保険期間の満期時に満期保険金が支払われる商品です。

○FWD富士生命「生活障がい定期保険」の返戻率

事例を上げて解約返戻率の推移を説明します。従業員が60歳で退職することを想定した場合は次のようになります。

  • 従業員10名さまプラン
  • 契約者:法人
  • 被保険者:従業員40歳男性(加入契約時)
  • 保険金額:500万円
  • 保険期間および保険料払込期間:60歳まで
  • 年間保険料:2,759,080円
経過年数 1 5 10 20
年齢 41 45 50 60
支払保険料累計 2,759,080円 13,795,400円 27,590,800円 55,181,600円
解約返戻金額 1,030,000円 11,553,000円 24,284,500円 50,000,000円
返戻率 約37.3% 約83.7% 約88.0% 約90.6%

6.終身ガン保険について

死亡や高度障害状態が保障される養老保険は心強いが、日本人の死因の上位を占めるがんを保障する法人保険もあるという。

我々経営者・役員、そして従業員の治療保障には頼もしい保険といえる。

法人向けの終身ガン保険についてもその詳細を知りたい・・・・。

こちらでは、終身ガン保険のメリット・デメリット、そしておすすめ商品を説明します。

6-1.終身ガン保険とは

一度発症すると非常に厄介な病気といえる「がん」を保障する保険です。従業員が、がんにかからず引退を迎えた場合には、解約返戻金を利用し退職金として支払うことができます。

がんに関しては従業員のみならず、経営者や役員もその疾病のリスクがあります。

在職中に、速やかな治療と金銭的サポートを受けるために、従業員のための保険として契約することの他、経営者・役員のまさかのための備えとしても有効な保険といえます。

企業が退職金の積立に利用する場合、前述した養老保険と同様、役員・従業員の全員を被保険者にすることになります。

終身ガン保険の場合も、福利厚生目的であることをはっきりと示すために、「福利厚生規程」を作成する必要があります。

養老保険の場合と同じく、役員・従業員とその家族の福利厚生を目的に利用されるので、「福利厚生プラン」と呼ばれています。

6-2.終身ガン保険のメリット・デメリット

終身ガン保険のメリット・デメリットは次の通りです。

①メリット

  • [節税効果]

終身ガン保険(福利厚生プラン)は、保険料の1/2を損金に算入できるという扱いが認められており、節税効果が期待できます。

  • [終身保険の強みを活かした保障]

そもそもこの保険は一生涯保障であるため、その特徴を活用した従業員に有利な選択肢があります。

従業員の退職時に解約返戻金を退職金に充てることの他、解約返戻金を受け取って退職金に充てるのではなく、残りの期間の保険料を会社が負担して、被保険者の個人名義に変更する方法もあります。

②デメリット

  • [保険料が高い]

終身ガン保険は保険期間が終身であるため、保険料はその分高額です。加入契約後の保険料の支払いが、会社の経営を圧迫するおそれがあります。

したがって、養老保険の「福利厚生プラン」に加入する場合と同様、会社の業績を十分考慮した上で、支払保険料を設定する必要があります。

  • [解約返戻金の返戻率がやや低い]

従業員の退職時期が早すぎると、解約返戻率がかなり低いうえに、返戻率がピークになっても、その割合が90%が超えないことがほとんどです。

がん保障に手厚い分、積み立てたお金が目減りしてしまうケースが多いです。

6-3.終身ガン保険のおすすめ商品

こちらでは、養老保険のおすすめ保険商品として、マスミューチュアル生命「終身ガン保険」を取り上げます。保険内容は次の通りです。

○マスミューチュアル生命「終身ガン保険」の概要

こちらの保険は、がんに対する幅広い保障と、支払保険料の1/2を損金に算入することができます。

がん保障内容としては、契約プラン(A300型、A100型、B型)にもよりますが、次のようになります。

  • がん診断給付金:被保険者が、初めて医師からがんと診断確定されたらA300型1,800万円、A100型は600万円が受け取れます(B型はなし)。
  • がん入院給付金:がんで入院した場合は、入院1回につき最大6万円が支給されます(支払日数無制限)。
  • がん手術給付金:手術1回につき最大120万円が支給されます。
  • がん在宅療養給付金:退院1回につき最大180万円が支給されます。
  • がん死亡・高度障害保険金:がんで死亡または高度障害状態になった場合は、最大6,000万円が受け取れます。

○マスミューチュアル生命「終身ガン保険」の返戻率

事例を上げて解約返戻率の推移を説明します。

  • 従業員20名の場合(B型)
  • 契約者:法人
  • 被保険者:従業員35歳男性(加入契約時)
  • がん入院給付金日額:10,000円
  • 保険期間および保険料払込期間:終身
  • 年間保険料:6,302,000円
経過年数 1 5 10 30
年齢 35 39 44 64
支払保険料累計 6,302,000円 31,510,000円 63,020,000円 189,060,000円
解約返戻金額 1,915,000円 26,227,400円 56,404,600円 161,565,400円
返戻率 約30.3% 約83.2% 約89.5% 約85.4%

7.まとめ

法人保険は、手厚い保障が約束されると共に、解約返戻金は退職金として利用できます。非常に魅力的な保険内容ですが、まずはご自分の会社の経営状態を十分考慮して、無理のない保険料を支払うことに注意するべきでしょう。

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