学資保険としての解約返戻金とは?低解約終身保険の使い方を解説!

記事監修者紹介
松葉 直隆
大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。

学資保険として、「低解約返戻金型終身保険」を検討している方も多いのではないでしょうか。

この記事では、学資保険の考え方や受け取り方など基本的な所から説明し、なぜ学資保険の代わりに低解約返戻金型終身保険が使われるようになったのかを解説します。

そして、返礼率に的を絞って、学資保険と低解約返戻金型終身保険の両保険の商品を紹介する事で、その違いを理解して自分に合った方法を見つける役に立つ記事になればと思います。


この記事でわかること
  1. 低解約返戻金型終身保険の詳細や特徴
  2. 学資保険を途中で解約すると起こること
  3. 学資保険の返戻率

これらを中心に「学資保険の解約返戻金」について徹底調査していきたいと思います。

学資保険を途中解約しようか悩んでいるけど、大丈夫かな?

と思っている方は特に必見の内容となっているので、ぜひ加入前に参考にしてみて下さい!

ざっくり言うと…
  • 低解約返戻金型終身保険とは終身の死亡保障がついた保険
  • 学資保険の返戻率とは、支払った保険料総額に対してどれぐらいの受取金額があるかという意味。
  • 低解約返戻金型終身保険は貯蓄性が高い。
  • 学資保険の商品では、ソニー生命の学資保険返戻率が最大108%!貯蓄もできるので選ばれ続けています。
  • 加入している学資保険は家庭に合ったプラン?プロのプランナー無料で相談してみましょう。

ソニー生命の学資保険

 

 

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学資保険の概要と低解約返戻金型終身保険とは

学資保険とは、子供の教育費の準備を目的に加入する保険の一つです。

近年では、「学資保険」と「低解約返戻金型終身保険」が比較されたり、「学資保険の代わりに低解約返戻金型終身保険を勧められた」など、低解約返戻金型終身保険が話題に上がります。

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そこで、学資保険とはどのような保険なのか、低解約返戻金型終身保険とはどのような保険なのか。

そして、何故この2つが比べられるのかを少し解説していきます。

学資保険とは

学資保険とは先ほども書いたように、子供の教育費を準備するために加入する保険

そのため、小学校入学から大学入学や社会人になる22歳まで、定期的に給付金が出る保険が一般的な学資保険と言われます。

しかし近年では、義務教育の授業料軽減などで、高校入学や大学入学などの、まとまったお金が必要な時に備えると言うニーズが増えてきました。

従来の学資保険では、定期的に祝い金が貰えて、子供に万が一の事があった時には給付金が貰える保険が主流だったために、この様なニーズに応えることが出来なかった時期があります。

そこで台頭してきたのが、低解約返戻金型終身保険だったのです。

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低解約返戻金型終身保険とは

低解約返戻金型終身保険とはどのような商品なのか。

簡単に言うと、終身の死亡保障の保険です。

そのため、基本的には亡くなった後の葬儀代や、家族にお金を残してあげるために加入する保険であり、従来の終身保険よりも保険料が安い事が魅力の商品として販売されたのが、低解約返戻金型終身保険です。

しかし、解約返礼率の高さから、一定気にまとまった解約返戻金を受け取ることが出来ると言う特性を持つことから、高校や大学の入学時にまとまったお金を作りたいと言うニーズと合致する保険となったのです。

その事から学資保険の代わりに、この保険を活用する人が増えたのです。

学資保険の返礼率

この返礼率とは、一体何なのか。

学資保険は教育費の準備を目的に加入するため、支払った保険料よりも多くのお金を受け取れる商品が好まれるようになりました。

そこで、各社が前面に出したのが、「返礼率」です。

返礼率とは支払った保険料総額に対して、どれぐらいの受取金額があるかと言う数字です。

返礼率が100%を超えると言うのは、支払った保険料よりも多くの受取金額があるという事であり、100%を下回る場合は、支払った保険料より受取金額が少ないという事になります。

貯蓄を目的に学資保険を考える方が増えたことで、この返礼率は保険を選ぶ上で重要な役割を持つようになってきたのです。

学資保険の考え方と種類

学資保険には先ほども書いたように、貯蓄をメインとして考える商品と、貯蓄だけではなく子供の病気やケガに備える商品など、考え方やニーズが多様化する中で多岐にわたる保険商品が存在します。

ここでは、学資保険の考え方と、どのような商品の種類があるのかを解説していきます。

学資保険の考え方

学資保険の考え方は2つあります。

幼稚園から大学までや、高校・大学などの入学金など、まとまったお金が必要な時に照準を絞ってお金を貯める貯蓄型。
貯蓄だけではなく子供の病気やケガに対する保障もある保障型。

考え方の違いですが、貯蓄をメインで考えるのであれば返礼率の高い保険を選び、より良い保険を選ばないといけないですし、保障も欲しいと言う方は、返礼率が悪くても欲しい保障があるかどうかを見極めなければいけません。

また貯蓄を考えるのも、定期的に祝い金などの給付を貰うのかまとまってお金を貰うのかによっても、選ぶ保険が異なります。

自分がどの様な考えで、どのような商品を求めているのかをしっかりと把握するようにしましょう。

保障型の学資保険

保障型の学資保険とは、学資保険の中でも返礼率は低いものの、子供の病気やケガに対する保障を付けることが出来る商品や、子供の死亡を保障するような商品の事です。

考え方とすれば、保障も欲しいけど定期的な祝い金も欲しいと言う方に向いている商品と言えます。

保障がある分、貯蓄としての強みに欠けるため、貯蓄を目的とする方には向いていない商品という事です。

また、保障型の学資保険は従来の学資保険と言う考え方が出来るので、支払った保険料以上のお金を受け取ることが出来ない可能性が非常に多い保険という事を理解しておきましょう。

貯蓄型の学資保険

学資保険に対するニーズが多様化し、貯蓄を目的とする保険を求める方が多くなったことにより、保障を一切無くし、貯蓄性がある保険が多く販売されるようになりました。

それが、貯蓄型の学資保険と言えます。

この学資保険にも、いくつかのタイプがあります。

貯蓄型学資保険の種類
  • 幼稚園や小学校の年齢から高校や大学入学の時期まで、定期的に祝い金が受け取れるタイプ
  • 大学入学や大学在学中に的を絞って給付金が貰えるタイプ
  • 大学入学時と社会人になる年齢である22歳の時の2回で給付金が受け取れるタイプ

それぞれ、どのタイミングでお金が欲しいのかをしっかり考えて、保険商品を選びましょう。

また、基本的に貯蓄性の学資保険では返礼率が高く、100%を超える商品が多いのですが、稀に100%を下回る商品がある事がありますので、返礼率はしっかりと確認しましょう。

低解約返戻金型終身保険の特徴とメリット・デメリット

学資保険の代わりとして用いられることの多い、低解約返戻金型終身保険とはどのような特徴のある保険なのかを、ここでは解説していこうと思います。

「将来まとまったお金を用意できます」「お子さんの大学入学費用のために」などと勧められた人も多いのではないでしょうか。

この保険は基本的には死亡に対する保障をする商品であり、その保障期間は終身という事で、葬儀代などの為に掛ける方が多い商品です。

それでは、この保険が何故そのような目的で活用されるのかをここでは説明していきます。

低解約返戻金型終身保険の特徴

低解約返戻金型終身保険は、終身の死亡保障の保険です。

亡くなった後に、死亡保険金を受け取るための保険ですが、普通の終身保険とは少し違った特徴があるため、貯蓄性が高くなっている商品なのです。

それは、保険料払込期間中の解約返戻金を支払った保険料の70%程に抑えることで、普通の終身保険よりも保険料を安くしています。

そして、保険料払込期間が終了すれば、解約返戻金が支払った保険料より多くなり、終身保険という事も有り、契約がある限り解約返戻金が増えていくと言う特徴があるのです。

そのため、老後資金や教育資金の準備として販売する方法が執られたことで、学資保険の代わりに出来ると言う使い方が一般的に広まったと言う訳です。

一見するとすごく良い商品に見えますが、しっかりとメリットとデメリットがありますので、そこもしっかりと理解しておきましょう。

低解約返戻金型終身保険のメリットとデメリット

この保険のメリットとデメリットはどのような所にあるのかを解説していきます。

メリットは先ほども書いたように、解約返戻金が契約の続く限り増え続けるという事と、返礼率が非常に高く、貯蓄性に優れた保険商品という事が言えます。

そのため、老後資金の準備や教育費の準備に活用されることが多くなりました。

また、この保険のデメリットは、保険料払込期間中に解約をすれば、支払った保険料の70%程の解約返戻金が無いため、大きな損をする可能性があるという事です。

また、解約返戻金を抑えて保険料の安さを売りにしている事から、「払い済み」にしたりすると、解約するのと同じくらいの大きな損をする可能性があるという事です。

貯蓄性が高いという事は、保険会社がその分、お金の運用をしっかりとしないといけない商品と言うことなので、保険契約者からはしっかりと保険料を支払ってもらわないといけないという事です。

メリットもデメリットもしっかりとありますが、デメリットもしっかり理解して無理のない保険料の設定にする事によって回避する事は可能ですので、しっかりと理解して保険料を決めるようにしましょう。

低解約返戻金型終身保険の代用方法

これまでも書いてきましたが、この保険は老後資金や教育費の準備などに活用されることが多い商品と言いましたが、なぜそのような活用が出来るのかを説明します。

老後資金に関しては、保険料払込期間が終わった後は解約返戻金が増えていくと言う仕組みがあります。

そのため、貯蓄目的であれば自分の好きなタイミングで解約をして支払った保険料よりも多くの解約返戻金を受け取って、生活費に充てたり旅行に行ったりと、様々な方法で使うことが出来ます。

また保障目的であっても、その保障が必要ではなくなった場合(葬儀代が貯蓄で賄えるようになったなど)などは、解約して、上記の様に生活費に充てたり旅行に使ったりできるという事。

それでは、学資保険にはどのように使われるのかと言うと、保険料払込期間を10年や15年などの期間で設定できる商品を選択する事で、大学入学時にはまとまったお金を準備できると言う仕組みを利用します。

保険料払込期間中の解約は損をすると書きましたが、その期間をしっかりと保険料を納めてしまえば、あとはまとまったお金が入るのです。

保険料払込期間を10年・15年に設定する事で、生まれたばかりの子供のために加入するのであれば、高校入学時の頃に保険料を払いおわり、その3年後には解約返戻金を使って入学金に充てたり、授業料の足しにしたりすることが出来ます。

この使い方であれば、学資保険の貯蓄型と大きな違いはないのです。

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そして、もし大学入学時などに使わなければ、そのまま置いておくことで社会人になった時や結婚するときなど、まとまったお金が欲しい時のために準備できるという側面もあります。

それに満期が無いために、解約返戻金は増え続けるので、大きな損をする事はありません。

しかし、契約者が損をしない保険と言うのは保険会社にとっては、リスクの高い商品であるので、保険料払込期間が短い(10年や15年)と言った商品は、近年少なくなっていますので、保険料払込期間が短い商品をしっかり探すようにしましょう。

そして、保険料と返礼率をしっかりと確認して、無理のない保険料(何があっても払える金額)をしっかりと設定して、保険に入るようにしましょう。

学資保険の代わりになる保険商品

ここでは、学資保険の代わりになりえる保険商品を紹介していきます。

低解約返戻金型終身保険と養老保険の2種類の保険を紹介しますが、基本的にこの両保険は死亡保障の保険であり、学資保険ではありません。

そのため、同じ低解約返戻金型終身保険でも、学資保険の代わりに使えない商品も多くあります。

ここでは、学資保険の代わりに使える商品をピックアップしていますので、その内容を見て行きましょう。

オリックス生命(RISE「ライズ」)


オリックス生命の終身保険である「RISE(ライズ)」は低解約返戻金型の終身保険であり、保険料払込期間を短く設定できる保険商品であるために、学資保険の代わりとして、大学入学金などの教育費の準備に活用することが出来ます。

その内容を見て行きましょう。

(今回は、学資保険の代わりになるような内容で書きますので、老後資金用などにも活用は出来ますが、今回はその内容を割愛します。)

加入条件

保険料払込期間 保険期間 保険金設定額
10年間 終身 200万円~5,000万円
15年間
20年間

契約条件

契約者30歳男性・死亡保険金300万円

保険料・返礼率例

保険料払込期間 10年間 15年間 20年間
月々の保険料 19,877円 13,188円 9,858円
保険料払込総額 2,386,440円 2,373,840円 2,365,920円

解約返戻金

(払込期間終了直後)

返礼率

2,336,940円

97.9%

2,406,360円

101.3%

2,476,020円

104.6%

保険料払込期間を10年・15年・20年で設定できるので、予算と目的をハッキリとさせて、高校入学時にでも活用できるようにするのか、大学入学時に活用をするのか、社会人になる時に活用するのか、様々な活用方法が出来ます。

また、学資保険ではないので子供の年齢に囚われることはありません。

また、10年払い済みは元本割れをしていますが、あくまでも保険料払込期間終了直後の解約ですので、1年ぐらい据え置きをすると、100%は超えていきます。

予算と、返礼率の推移を考えて保険料の払込期間を決めましょう。

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ソニー生命(米ドル建養老保険)

ソニー生命が学資保険の代わりに販売しているソニー生命の米ドル建保険ですが、返礼率の高さが特徴であり、強みでもあります。

しかし、「米ドル建」と言うのが、注意しなければいけないポイントとなります。

その保険の内容を見て行きましょう。

加入条件

加入可能年齢 保険料払込期間 保険期間 保険金設定額
0歳~78歳 5年払い 15年満期~20年満期の中から1年単位で設定可 2万米ドル~1,000万米ドル未満または、円に換算して7億円以下の低い方
10年払い
18年払い

契約条件

契約者30歳男性・死亡保険金2万米ドル・18歳満期

保険料・返礼率例

保険料払込期間 5年間 18年間
月々の保険料 259.18米ドル 85.36米ドル
保険料払込総額 15,550.80米ドル 18,437.76米ドル

解約返戻金

(払込期間終了直後)

返礼率

20,000.00米ドル

128.6%

20,000.00米ドル

108.4%

保険の内容の話をすると、満期を15歳~20歳の中から選べるので、どのタイミングに向けてお金を貯めるかを、しっかりと考えて資産形成をするのであれば、返礼率も高いので、魅力的な商品と言えます。

しかし、外貨建てと言うのをしっかりと把握しておかないといけません

メリットも高いですが、その分デメリットも高くなります。

為替レートによって保険料も保険金も変わる事、そして円換算にする場合には手数料が執られる事をしっかりと理解しておくことが重要になります。

また、老後資金ならまだしも、学資保険と言う観点からすると、積立時に円高で、受け取り時に円安になっていれば、すごく良い保険ですが。

その逆を行ってしまった場合には、「当初2万米ドルが200万円だと思って加入したら、満期時には180万円になっていた」という事があり得ます。

返礼率は高くなりますが、「いくらの金額が必要だから備える」と言う、金額目標があるのであれば、あまりお勧めできない商品と言えます。

外貨建ての保険は、為替レートにすごく左右される保険と言うのをしっかりと理解していてください。

学資保険の解約・満期の注意点

学資保険は今まで書いてきたように、子供の教育資金の準備をする目的の保険です。

その学資保険における解約や満期金の受け取りに関する注意点を少し説明していきます。

学資保険解約のリスク

学資保険も、学資保険の代わりになる保険も途中解約をすると、元本割れ(支払った保険料よりも低い解約返戻金)を起こします。

無理なく保険料を支払えれば、満期時や解約時に支払った保険料よりも多くのお金が貰えるのですが、「仕事が変わった」「生活スタイルが変わった」など、人生には様々な思いもよらない事が起こります。

そして加入時は払えていた保険料が苦しくなってきたなどの理由で、解約をする方が居ます。

しかし、積み立て型の保険や終身保険などの貯蓄性がある保険には、契約者貸付と言う制度もあります。

あまり頻繁には使ってはいけませんが、一時的に保険料の払い込みが苦しくなったなどの場合には、保険会社からお金を借りることが出来るのです。

金利は高いので、すぐに返済をすれば大けがにはなりませんが、返せなかったとしても満期返戻金から差し引かれる事になります。

この様に、保険を続けるという事をまず、考えて行ってほしいという事と、保険料を設定するときは、今の経済状況を考えるのではなく、10年後・15年後までの間に何があっても変わらず支払える保険料をしっかりと設定する必要があります。

学資保険満期時の税金

学資保険など、支払った保険料よりも多くの給付金を受け取る事の出来る保険の話では、税金(所得税など)の話が付きものです。

簡単に言うと、保険による満期返戻金などの利益(支払った保険料と受け取った保険料の差額)が50万円を超えない限り、受け取ったお金に税金はかかりません。

満期金や解約返戻金で、支払った保険料よりも50万円以上の差額が出る保険は、ここ数年販売されていません。

そして、万が一あるとしても、いわゆる「お宝保険」と言われるバブル期などに加入した保険の一部ですが、実際には殆ど存在しません。

しかし、この50万円以上と言う数字は、念のため覚えておきましょう。

まとめ

学資保険と学資保険の代わりになるような保険を比較して説明してきましたが、如何でしたか?

学資保険には学資保険の、代わりになる保険には代わりになる保険の、それぞれの強みや弱点が存在します。

子供の教育資金の準備はすごく大切ですが、考え方や備え方や期間・金額など、いつまでにいくら貯めたいなど、しっかりとプランを建てることによって、どの保険が自分に向いているのかをしっかりと見極める必要があります。

その中で、学資保険が向いているのであれば、学資保険にすれば良いですし、外貨建ての保険が良ければ外貨建ての保険にすれば良いのです。

子供の事もしっかりと考えて、無理なく自分に合った保険を選ぶようにしましょう。

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