主ながん治療の1つに、抗がん剤治療がありますが、その費用はいくらかかるかご存知でしょうか?
がん治療には、多額の費用が掛かると言われているため、不安に感じている方も多いと思います。
そこで、抗がん剤治療には実際いくらかかるのか、そしてどのような「がん」に対して行うのか、その効果はどれほどあるのかを解説していきます。
この記事を読んで、万が一「がん」になった時に、様々な治療を選べるようにしておきましょう。
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がん治療について
がんという病気が非常に深刻で、生命のリスクや治療費に関しても軽視できないものであることはわかっている。
では、このがん治療のための入院日数や、がんの進行度によってどんな治療が行われるのだろうか?
こちらでは、がんの治療の現状、がんの三大療法について、がんステージ毎の治療方法について説明します。
がん治療の現状
悪性新生物(悪性のがん)の平均入院日数の目安は、およそ19.9日とされています。
各部位の入院日数については以下の表の通りです(厚生労働省「医療給付実態調査 報告書 平成27年度 第3表」を参考に作成)。
順位 | 部位 | 平均入院日数 |
1位 | 白血病 | 約19.9日 |
2位 | 悪性リンパ腫 | 約17日 |
3位 | 肺がん・気管がん | 約12.9日 |
4位 | その他悪性新生物 | 約12.8日 |
5位 | 直腸がん | 約12.6日 |
6位 | 胃がん | 約12.5日 |
7位 | 肝臓がん | 約11.7日 |
8位 | 大腸がん | 約11.3日 |
9位 | 子宮がん | 約11日 |
10位 | 乳がん | 約9.6日 |
11位 | 良性新生物及びその他の新生物 | 約9日 |
表をみるとがんで入院治療を受ける場合、白血病・悪性リンパ腫を除いては、概ね2週間未満で退院するケースが多いことがわかります。
ただし、退院したからといって全てのがん患者が完治したというわけではなく、その後に通院治療を受けなければならない場合があります。
がんの三大療法
がん治療の基本的な方法としては、三大療法と呼ばれる手術療法、化学(薬物)療法、放射線療法があります。
ただし、がんを発症したからといって三大療法全てが一挙に施されるわけではなく、患者のがんを発症した部位・症状の進行具合により、それぞれ治療方法は異なります。
がんの手術療法
がん組織を外科的な手術で取り去る治療方法です。
早期のがんや、患者の容態が良好で手術に耐え得る体力があると判断された場合に行われます。
がんの塊を一回の手術で取り去ることができること、後に小さな転移さえ確認されなければ、完治の可能性が非常に高いことがメリットです。
手術療法では従来からの切開手術も行われますが、最近では内視鏡で行う方法が良く用いられています。
この外皮を最小限に切開する方法で、患者の身体的負担の軽減、より短期間での退院が可能になりました。
がんの化学(薬物)療法
抗がん剤・ホルモン剤等の薬物を使用する治療法です。
この治療方法には副作用のあることが有名です。
抗がん剤はがん細胞を死滅または、がん細胞を抑制する効果を持つ薬物です。
抗がん剤の投与は、点滴、注射、内服による方法をとります。
この治療法は、血液を通じて全身に作用するため、手術では取り除くことが難しい場所にあるがんや、かなり小さながんの転移にも効果が期待できます。
一方、ホルモン療法も化学療法の一つです。
乳がん・子宮がん・前立腺がん・甲状腺がん等に用いられます。
いずれもホルモンの分泌と密接な関係にあるため、この化学療法を用いてホルモンの分泌・作用を抑制し、がん細胞の増殖を防いだり、転移や再発を抑えたりします。
外皮の切開を行わないため、手術が難しい患者にも効果的な治療として期待できますが、つらい副作用を伴うことがデメリットといえます。
肝臓や腎臓等への影響も避けられないばかりか、脱毛、吐き気、不快感、手足の痺れ等の症状が現れることがあります。
しかし、近年では不快感や、手足のしびれ等の副作用をやわらげる薬が開発され、副作用の緩和が図られています。
がんの放射線療法
がん組織に放射線を局所的に照射する治療法です。
最近では、がんの大きさ・位置を正確に測定し、がん細胞のみに正確な照射が可能になりました。
こちらの治療法は、手術では難しい位置にあるがん細胞を死滅させることが可能なうえに、外科手術に体力的に耐えられない患者でも治療が可能です。
ただし、放射線の影響により照射部分が炎症してしまう障害があらわれます。
また、めまいが生じたり、倦怠感等の症状があらわれたりすることもあります。
がんステージと治療について
がんステージとは、がんがどれくらい進行しているのかを表す度合いを指します。
がんのステージは進行度合により、概ね0、I、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの段階に分かれています。
ステージ0が最も状態が軽いがんのことで、ステージⅣが最も進行している状態のがんのことです。
ステージ0
がんの状態
こちらに該当するがんは、いわゆる「初期のがん(上皮内新生物)」と呼ばれています。
がんが身体や臓器の表面等に留まっている状態を指します。
この段階でがんを発見し、速やかに適切な治療を施せば完治が期待できます。
つまり、転移・再発の危険性はほぼ0といえます。
がんの治療方法
ステージ0のがんを治療する場合は、原則として手術療法となります。
手術療法によりがんを切除し、その病巣をしっかりと取り去ることが可能です。
早期発見・早期治療が、生命と金銭的なリスクを軽減する最善の方法といえます。
ステージI
がんの状態
このステージから「悪性のがん(悪性新生物)」と呼ばれるようになります。
ただし、ステージⅠに該当するがんは、腫瘍が大きくなっていますが、筋肉の層に依然として留まっている状態です。
ステージⅠでは5年生存率が80~90%を超え、完治も期待できます。
がんの治療方法
患者の様態も、急激に悪化しているわけではないケースが多いので、ステージ0の場合と同様、原則として手術療法となります。
ステージII
がんの状態
腫瘍が筋肉の層を超えて広がってしまった状態です。
リンパ節へ少し転移している場合も該当します。
また、がんの発症部位により大きく生存率に差が出るのもこのステージの特徴です。
例えば、膵臓癌の5年の生存率は13~17%程度ですが、甲状腺癌の5年の生存率は90%超です。
がんの治療方法
発症部位、患者の健康状態により、治療の選択肢が多様化していきます。
腫瘍が切除可能な場所にあり、患者の体力・様態も安定しているなら、こちらの場合も手術が行われます。
手術後、より確実にがん細胞を死滅させる目的で化学療法・放射線療法等を追加することがあります。
ステージIII
がんの状態
腫瘍が筋肉の層を超えリンパ節への転移がはっきり確認できるようになります。
リンパ節まで拡大すると、がん細胞はリンパ管や血液にのり、他の臓器に転移し爆発的な増殖が始まります。
生存率も更に減少し、膵臓癌の5年の生存率はわずか5%~10%程度に低下します。
一方、甲状腺癌の5年の生存率は依然として90%を超えます。
がんの治療方法
発症部位、患者の健康状態により、治療の選択肢が多様化していきます。
腫瘍が切除可能な場所にあり、患者の体力・様態も安定しているなら、こちらの場合も手術が行われます。
そのまま切除がすることが難しい場合は、手術前に化学療法等で腫瘍を十分に縮小させてから、手術療法を行なう方法があります。
ステージIV
がんの状態
がん細胞が臓器の壁を超え、血管に拡大し、がんを発症した部位から遠い臓器へ転位が確認できるなど深刻な状態となります。
がんが発症・転移した部位いずれも、一部を除き生存確率は厳しい状況になります。
膵臓癌は5年の生存率はわずか1%~4%程度となります。
一方、甲状腺癌の5年の生存率は依然として70~80%程度になります。
がんの治療方法
この段階になると原則として手術は行われません。
主に抗がん剤治療による化学療法を中心とに治療が施されるようになります。
治療目的はがんの完治というよりは、延命治療に重点を置くことになります。
抗がん剤治療について
がんステージによっては、完治が期待できる場合もあれば、延命治療に専念しなければならない場合もあるということか・・・・。
では、化学療法の一つである抗がん剤治療の特徴、その注意点について詳細を知りたい。
こちらでは、抗がん剤治療の特徴や注意点、各部位の抗がん剤の種類を説明します。
抗がん剤治療とは
抗がん剤治療とは、薬物を使用する治療法の一つです。
抗がん剤は、がん細胞を死滅またはがん細胞を抑制する効果を持つ薬物です。
抗がん剤が効くがんと効かないがん
抗がん剤は万能の治療法ではなく、大きな効果が期待できるがんもあれば、効果が期待できないがんもあります。
効果が期待できるがんには、急性骨髄性白血病・悪性リンパ腫が該当します。
逆に、抗がん剤治療を行わなければ、これらのがんを発症した場合は完治も延命も難しくなります。
抗がん剤治療を行えば、50%程度の確率で治癒するといわれています。
また、がんを死滅させることは難しいですが、がんが小さくなり、延命効果が期待できるがんには胃がん・大腸がん・子宮がん・前立腺がん等があります。
一方、抗がん剤治療の効果が期待できないがんもあります。
スキルス性胃がん・悪性黒色腫・膵臓がん等が当てはまります。
抗がん剤の治療方法
抗がん剤の投与は、点滴、注射、内服による方法をとります。
ただし、投与する抗がん剤の種類は1種類とは限りません。
現在では、2~4種類程度の抗がん剤を用いる「多剤併用療法」が多く行われています。
なぜなら、がんが拡大・転移で増殖した場合、様々な種類のがん細胞が混在するケースが想定されます。
そのため、単一の抗がん剤では、特定のがん細胞には効果があるものの、それ以外のがん細胞には効果が見られないということがあります。
数種類の抗がん剤を併用することで、それぞれの薬の特色を活かし、より効果を高めることが期待される使用方法といえます。
抗がん剤の注意点
抗がん剤のデメリットとしてあげられるものに、患者にとってのつらい副作用があります。
この原因は、抗がん剤ががん細胞のみならず正常な細胞も攻撃してしまうからです。
副作用も様々で、どのような副作用が大きく出てしまうのか、患者各自の健康状態や体質にも影響されます。
主に、副作用として確認されている症状を下表にあげておきました。
どうしても不安な場合は医師に詳細を確認してみましょう。
治療時期 | 副作用 |
抗がん剤治療開始 | アレルギー反応、 吐き気、嘔吐、 発熱、便秘等 |
7日以内 | 倦怠感、食欲不振、不快感、嘔吐、下痢等 |
7日~14日後 | 肝障害、腎障害、貧血、口内炎、下痢、食欲不振、胃もたれ等 |
1ヶ月後 | 肝障害、腎障害、貧血、脱毛、皮膚のしみ、手足の痺れ、膀胱炎等 |
なお、抗がん剤治療の患者に必ず上記のような症状が出るというわけではありません。
また、最近では副作用を抑制する薬の注射・投与で症状の改善が図られています。
各部位の抗がん剤
各部位によっても、使用される抗がん剤は異なります。
また、がん細胞を死滅させる効果のある抗がん剤もあれば、死滅させることは難しくともがんの進行を遅らせる抗がん剤もあります。
各部位の抗がん剤については下表を参考にしてください。
各部位のがん | 抗がん剤の種類 |
肺がん |
|
食道がん |
|
胃がん |
|
膵臓がん |
|
肝臓がん |
|
乳がん |
|
大腸がん |
|
前立腺がん |
|
悪性リンパ腫 |
|
抗がん剤の費用について
抗がん剤治療では1種類だけではなく複数の抗がん剤が投与され、治療効果を上げる方法がとられているようだ。
では、抗がん剤治療の費用はどの位になるのだろう?詳細を知りたい・・・。
実は、抗がん剤の費用は患者の体の大きさや、抗がん剤の種類、投薬期間によっても大きく異なります。
こちらでは、抗がん剤の費用の算出方法と、主ながんの投薬期間と費用について紹介します。
抗がん剤の費用はどう算出する?
抗がん剤治療は、患者各自のがんステージによって、複数の抗がん剤をどのように組み合わせ、いつ使用するかという計画を立てます。
同じ部位の治療をする患者でも、がんステージに合った薬剤の組み合わせ方によって、費用に大きな差が出ます。
さらに、患者ごとの体重・体表面積の違いによって、抗がん剤を投与する量が違いますので、こちらも費用に影響が出てきます。
体表面積とは?
どのような薬剤を組み合わせるかの他に、抗がん剤の費用を計算する場合には、患者の身長・体重も考慮されることになります。
抗がん剤の使用量は、体重または体表面積によって決定されることになります。
体表面積の計算式は次の通りです。
身長0.725×体重0.425×0.007184=体表面積
例をあげて計算してみますと以下のようになります。
身長160cm、体重50kgの方
1600.725×500.425×0.007184=1.50112m2
身長170cm、体重60kgの方
1700.725×600.425×0.007184=1.69495m2
身長が高く、体重の重い方ほど体表面積は大きくなり、抗がん剤の費用が高くなります。
投薬期間と費用
抗がん剤の投薬期間は、がんが治るまで休みなく投与を続けるというわけではありません。
各部位や、どんな薬剤を使うかでも投薬期間は大きく異なります。
この投薬期間は、概ね一日数回の服用や投与を1週間~12週間を1クールとして行い、何周目かに薬を休むという方法がとられます。
こちらでは、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんの抗がん剤の投薬期間と費用の一例をあげます。
患者の各ステージや抗がん剤の種類、手術後の再発予防を目指す治療か、それとも再発・移転・切除が困難ながん治療かによって、事例としてあげた費用と実際の費用が大きく異なる場合があります。
肺がん(非小細胞肺)
治療目的 | 抗がん剤(例) | 治療方法 | 治療費総額 |
手術後の再発予防 | テガフール・ウラシル配合剤 | 24ヶ月間にわたり1日2回服用。 | 698,400円 |
再発・移転・切除が困難ながん治療 | カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ | 1コース(3週間)で、6コースにわたり投与。効果が確認できなければ別の抗がん剤治療へ移行。 | 2,821,860円 |
胃がん
治療目的 | 抗がん剤(例) | 治療方法 | 治療費総額 |
手術後の再発予防 | テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム | 12ヶ月間にわたり1日2回服用。 | 854,280円 |
再発・移転・切除が困難ながん治療 | シスプラチン+カペシタビン+トラスツズマブ | 1コース(3週間)で投与、2コース以降は治療費が異なる。効果が確認できなければ別の抗がん剤治療へ移行。 |
1コース目268,600円 2コース目以降235,780円~ |
大腸がん(結腸がん、直腸がん)
治療目的 | 抗がん剤(例) | 治療方法 | 治療費総額 |
手術後の再発予防 | テガフール・ウラシル配合剤+ホリナートカルシウム | 1コース(5週間)で5コースにわたり1日3回服用。 | 1,106,000円 |
再発・移転・切除が困難ながん治療 | セツキシマブ+イリノテカン | 1コース(2週間)で投与、2コース以降は治療費が異なる。効果が確認できなければ別の抗がん剤治療へ移行。 |
1コース目432,260円 2コース目以降321,500円~ |
乳がん
治療目的 | 抗がん剤(例) | 治療方法 | 治療費総額 |
手術後の再発予防 | エピルビシン+シクロフォスファミド | 1コース(3週間)で4コースにわたり服用。 | 288,200円 |
再発・移転・切除が困難ながん治療 | エピルビシン+シクロフォスファミド+フルオロウラシル | 1コース(3週間)で投与。効果が確認できなければ別の抗がん剤治療へ移行。 | 78,930円 |
公的医療保険と抗がん剤の費用
各部位のがんによってもかかる費用は様々で、効果が確認できなければ他の抗がん剤を試す必要もあるのか・・・・。
それぞれ抗がん剤の費用も高額ではあるし、全額自己負担になれば家計も厳しくなる・・・・・。
そこでこちらでは、抗がん剤に公的医療保険が適用されるのか、公的な制度の活用、その注意点を説明します。
公的医療保険の適用について
公的医療保険には、事業所に勤める従業員等が加入する健康保険、それ以外の方々が加入する国民健康保険があります。
抗がん剤治療は公的医療保険が適用される場合がほとんどで、例に挙げた治療費であれば、7割が健康保険で賄われ、3割が患者の自己負担となります。
ただし、仮に月100万円の治療費がかかった場合、患者の自己負担額はその3割の30万円となります。
3割負担になるとはいえ1ヶ月30万円も払うことは、貯金のあまりない方や、低所得者には金銭的な面で非常に厳しい事態となることが想定されます。
そこで、費用が高額になった場合には、所得により一定の金額が戻ってくる公的な制度を活用しましょう。
それが高額療養費制度です。
この制度の内容については次項で説明します。
高額療養費の活用
高額療養費制度とは、1ヶ月にかかった治療に関係する費用が一定額を超えた場合、その差額が戻ってくる公的な制度です。
例をあげて説明すると、年収350万円の方であるなら1ヶ月57,600円が自己負担限度額となります。
つまり、抗がん剤治療でどんなに1ヶ月の治療費がかかろうと自己負担限度額の57,600円を超えたならば、その分のお金は患者の預金口座に戻されることになります。
この高額療養費制度には特別な加入条件は必要なく、健康保険または国民健康保険に加入している方なら誰でも利用できます。
治療が長期に継続することが明らかであるなら、ご自分が加入している公的医療保険の保険者(健康保険:各組合、国民健康保険:市町村)へ、高額療養費の事前申請を行っておくことも検討しておきましょう。
公的医療保険は万能ではない!
公的医療保険制度は、国民の医療にかかわる金銭的負担に配慮した優れた制度といえますが、注意点もあります。
まず、前述した高額療養費制度は患者の自己負担限度額を超えて費用を支払った場合について考えていきます。
一律、自動的に患者の預金口座に振り込まれるわけではなく、患者自身が、加入している公的医療保険の保険者(健康保険:各組合、国民健康保険:市町村)へ、事後に申請しなければいけません。
事後申請の場合、国民健康保険加入者は、1ヶ月の自己負担限度額を超えて費用を支払うと、しばらくして市町村から通知書が送付されてくるので、指示に従って申請書に必要事項を記載し、市町村窓口に提出します。
一方、従業員の方々が加入する健康保険の場合は、医療機関等から提出された「診療報酬明細書(レセプト)」をもとに、自動的に高額療養費を払い戻しされるケースもあれば、ご自分で計算して自己負担限度額を超えたことを判断し、加入している各組合へ申請するケースもあります。
高額療養費の手続きに関して不安な場合は、ご自分の加入している保険組合へ一度確認を取ってみることをお勧めします。
次に、健康保険や国民健康保険、高額療養費制度のいずれも、適用される範囲は保険診療に限られる点です。
例えば、通院のための交通費や差額ベッド代、1食360円までの入院時の食事代は全て自己負担となります。
公的医療保険制度だけでは対応できないサービスも、入院・治療の際には確実に存在します。
抗がん剤治療を受けるためのポイント
抗がん剤治療は、長期間を要し、費用も高額になることはわかった。
公的医療保険制度や高額療養費制度で、自己負担額が大きく抑えられることはありがたい。
しかし、抗がん剤の治療費へ目が行きがちだが、他の医療費はどの位かかるのだろう?
こちらでは、抗がん剤の治療費の他にかかってしまう費用について説明します。
抗がん剤の治療費だけに注目するのは問題!
抗がん剤の治療費は公的医療保険で3割自己負担になることや、高額療養費制度の活用で費用が抑えられることは、前述した通りです。
しかし、がん治療全体を視野に入れると、様々な検査や、入院のための食事代、通院すれば交通費等、予想外の費用負担があることを痛感することでしょう。
次項では、抗がん剤治療を除いた主な医療行為、各サービスをあげます。
抗がん剤治療に関係する費用とは?
抗がん剤や副作用を緩和する薬剤を除けば、次のようは費用が想定されます。
各検査の費用
各検査の費用としては、転移しているかどうかを確認するリンパ節生検は2万円~3万円程度かかり、血液検査、心電図検査、レントゲン等では5,000円程度が費用となります。
入院時食事代
こちらは3割負担が適用されず、原則として1食360円分が自己負担となります。
食事代は1食360円を超えた分に公的医療保険が適用されるにとどまります。
なお、平成30年4月1日からは100円値上げされ、1食につき原則として460円分が自己負担となります。
差額ベッド代
正確には、特別療養環境室料と呼ばれる費用です。
大部屋で入院する場合は公的医療保険が適用されますが、患者がプライバシーを重視し、より良い医療を受けるため、公的医療保険外の病室を利用したときに請求されます。
費用の平均は、およそ一日6000円程度になります。
通院のメリット・デメリット
がん治療は前述した「1-1.がん治療の現状」の通り、一部の治療を除いて平均入院日数は14日未満です。
ただし、抗がん剤治療は2年を要する場合があります。
つまり、2年にわたり入院するのではなく、概ね通院による抗がん剤治療が行われることを意味します。
通院の場合は、慣れ親しんだ自宅から医療機関へ通えるので、心が平穏な状況で治療を受けることが期待できます。
また、入院の際に入院費も気にする必要は無いでしょう。
しかし、問題は自宅から医療機関までの交通費です。
医療機関が自宅近くなら問題は無いですが、移動距離が長ければそれなりの費用がかかります。
また、マイカー移動か、公共交通機関を使用するか、それともタクシーを使用するかで毎月かかる交通費に差が出ます。
がん治療は、治療費や関連するサービスばかりではなく、ご自分の居住環境等も勘案してどう費用を賄うかを判断する必要があります。
がん保険と抗がん剤治療について
抗がん剤治療費のみならず、他の費用も無視できないことはわかった。
また、医療機関で入院治療を終えても、長い通院治療が待っているかもしれない・・・・・・・金銭的な面で非常に不安だ。
そこで、万が一のための備えとして、非常に頼もしい味方になるのが「がん保険」です。
こちらでは、がん保険の特徴と、抗がん剤治療にお勧めの保険商品を紹介します。
がん保険とは
がん保険は、生命保険会社または共済等と、がん治療のための金銭的サポートを契約する保険です。
がん保険のタイプとしては、「掛け捨て」型が多く出回っています。
この掛け捨て型とは、保険加入者が保険会社へ支払った保険料に関して、契約期間の終了や解約をした場合、1円も戻ってこない保険商品を指します。
お金が戻らない保険商品なので、各保険会社は保障内容の充実や支払保険料を低く抑えるというように、保障内容を工夫し、加入者を獲得するための激しい競争を行っています。
抗がん剤治療の強い味方
がん保険で受け取る給付金の種類は多岐にわたります。
がん保険の給付金としては次のような種類があります。
- がんで入院した際には入院給付金
- 通院をすることになれば通院給付金
- 手術療法の場合は手術給付金
- 医師によりがん診断確定されれば診断給付金
当然のことながら、抗がん剤治療や放射線療法の給付金もあります。
実際の治療にかかった費用より受け取る給付金が多かった場合、保険会社に返還する必要はなく、残ったお金は医療機関への交通費に充てるのも良いですし、生活費に充てても構いません。
抗がん剤治療におすすめがん保険を紹介
こちらでは、抗がん剤治療に特化したがん保険商品を紹介します。
がん保険選びの参考にしてください。
チューリッヒ生命「終身がん保険プレミアム」
主契約は、抗がん剤・ホルモン剤治療、放射線治療に関する保障内容となっています。
保険の概要
毎月の支払保険料は、男性580円~・女性550円~(共に20歳で加入する場合)と破格の安さといえます。
抗がん剤治療にような長期の通院治療を要する場合に、有効な金銭的サポートになる保険です。
保障の内容
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金
回数無制限で、投与・処方を受けた月毎に10万円~60万円が受け取れます。
ステージ0のがん(初期のがん)も対象とされ、入院・通院を問いません。
放射線治療給付金
回数無制限で、放射線治療治療を受けた月毎に10万円~60万円が受け取れます。
ステージ0のがん(初期のがん)も対象とされます。
その他、ガン診断給付金、ガン入院給付金、ガン通院給付金等を特約として付加することができます。
まとめ
抗がん剤は、がん治療に使用されてまだ40年程度しか経っていない治療法です。
手術療法は100年以上、放射線療法は約50年以上経ちますが、まだまだ新しい治療方法が開発・導入されています。
その意味では、抗がん剤をはじめとした化学療法は、尚のこと新しい治療方法がどんどん実用化され、より効果的ながん治療へと進歩していくことでしょう。
誰でもがん患者となる可能性を有しています。
そのため、公的医療保険や民間のがん保険の知識や活用法を学んで、事前に十分な備えを整えておきましょう。