大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。
自動車保険として有名なソニー損保。
日本のダイレクト自動車保険の中で、リーディング・カンパニーとも言える立ち位置を確立してきました。
今回はそんなソニー損保の自動車保険について、評判や特徴、加入メリット、そして選ぶべき人はどういう人なのかをご紹介していきます。
- ソニー損保の自動車保険の詳細
- ソニー損保の自動車保険のメリット・デメリット
- ソニー損保の評判
目次
損保保険とは?
今回紹介する自動車保険ですが、ソニー損保など損保と名のつく保険会社でしか取り扱いがありません。
ではこの損保とはなんなのでしょうか?
損保とは損害保険の略で、偶然によって生じた損害をカバーするための保険です。
自然災害、ケガ、盗難、または損害賠償など、生じた損害によって必要な保険は変わります。
そのため損害保険では、一人一人のニーズに合わせてさまざまな損害に対応できるよう、幅広い商品が用意されています。
その中の代表的な保険として、自動車保険が挙げられます。
自動車保険は自動車事故などの際に、乗車している人、乗車していない第三者、車などに生じる損害に備えるための保険です。
この自動車保険ですが、自動車損害賠償保障法に基づき、自動車や原付の所有者が義務として加入しなければならない自賠責保険と、それに上乗せする形で加入する必要がある任意保険に分かれます。
ダイレクト自動車保険とは?
ソニー損保の自動車保険を知る上で、ダイレクト型とは何かを知る必要があります。
そこでダイレクト型とは何かを説明していきたいと思います。
ダイレクト型と代理店型の違い
ダイレクト型と比較されるのが代理店型の自動車保険です。
そこでまず代理店型が何かというと、その名の通り保険会社と契約者の間に代理店が仲介業者として入って契約する自動車保険のことです。
それに対し今回のダイレクト型とは、インターネットや電話を使って契約者が保険会社と直接取引きすることです。
そもそものきっかけは1998年に保険業法が改正されて、各保険会社が保険料を自由に設定できるようになったことが始まりです。
保険料が安く、手軽に契約できるとあって、そこからダイレクト型が広がっていきました。
ダイレクト型と代理店型の特徴
ダイレクト型の特徴としては、まず値段が安いことが挙げられます。
代理店を介さず保険会社と直接契約できるため、その分代理店に払うお金が浮き保険料を安くできるというわけです。
また店舗に直接出向くことなく、郵送やインターネットで手続きを済ませることができる点も、忙しい人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
それに対し代理店の特徴としては、店舗の担当者と直接対話ができるため、プロのアドバイスを受けながら自分にあった保険が選べるという点が挙げられます。
また代理店のスタッフが、ほとんどの契約手続きも代行してくれるため、余計な手間が省けます。
それ以外にも、代理店によっては自動車保険以外の保険を取り扱っているところもあるので、他の保険もまとめて契約できます。
手軽さで言えば、ダイレクト型は24時間申し込みいつでも申し込めるため、なかなかまとまった時間が取れない方などはおすすめです。
ただプロに相談しながらじっくり選びたいという方であれば、代理店型を検討してみるのもありかもしれません。
ソニー損保の自動車保険とは?
ではここまでを踏まえて、今回のテーマでもあるソニー損保の自動車保険について紹介していきたいと思います。
事故対応
保険会社には、事故時に対応するためのサービスセンターが用意されています。
このサービスセンターで相手との交渉をしたり、保険金の支払いなどを行います。
そのサービスセンターの数ですが、ソニー損保の場合全国に25カ所あります。
この25という数字は他の損保会社と比べると少ないです。
ただ事故対応時に、保険会社の社員が現場に駆けつけることはありません。
そのためこの数でも対応しきれるのです。
ただ万が一面談が必要となった場合は、サービスセンターの選任スタッフが現場に駆けつけてくれるため、その点は安心できますね。
ただこのサービスセンターの選任スタッフというのは、契約時点であらかじめ決まっているわけでありません。
そこにも理由があって、まず一つ目が事故受付直後に迅速な対応を行うためです。
仮にあらかじめ選任スタッフを決めていた場合、そのスタッフが不在の時に対応が遅れてしまう可能性が出てきます。
事故というのは本当にいつ起きるかわかりません。
そのいつ起こるかわからない事故が、たまたま担当者が不在の時に起こってしまう可能性もあるわけです。
そういった万が一に備えて、選任スタッフを決めないという方法をとっているわけです。
そしてもう一つの理由が、事故の内容に最適な選任スタッフを選ぶためです。
事故の内容といっても状況によって異なります。
そういった違いに適切に対応するため、その場その場の事故の内容にあったスタッフを決めるわけです。
また一般的に保険会社のスタッフというのは、事故現場に駆けつけることはありません。
事故後その現場に当事者が居る時間というのは非常に短いです。
その短い時間で担当スタッフが現場に駆けつけるというのは難しいため、それよりも病院の手配や修理工場への連絡を優先して行います。
ただレッカー移動やスペアタイヤへの交換、ガソリン補給などのロードサービスが必要な場合は、ロードサービス専門のスタッフが急行するため、そこは安心して大丈夫です。
ロードサービス
上でも少し出てきましたが、ロードサービスとは車の故障時やガソリン補給、その後のレンタカー手配など車のトラブルが起きた時にサポートしてくれるサービスです。
このロードサービスを利用するためには、ソニー損保のロードサービスデスクというところに電話する必要があります。
またソニー損保の場合50kmまでのけん引は無料です。
その点もロードサービスの利点とも言えます。
保険料
ソニー損保の保険料は他社の三井ダイレクトやアクサ、チューリッヒと比べると高めです。
代理店型の自動車保険と比べると安いですが、ダイレクト型の保険の中では高めの値段設定になっています。
ただCMのフレーズでもあるように、「保険料は走る分だけ」です。
そのため車を使う頻度が少ない人にとっては、安く使うことができます。
このためソニー損保の自動車保険に乗り換える際、元々の保険料から安くなる人と高くなる人に分かれます。
ソニー損保の自動車保険は一人一人の損害リスクに合わせて価格設定がされており、年間走行距離が11,000km以下やゴールド免許の人は安くなる傾向があります。
こういった方は自動車による損害リスクが低いため、保険料も低く設定されています。
これにも理由があり、保険料にどうしても目が向きがちですが、大事なのは事故後のサポート品質です。
保険というのはそもそも事故後に保障してもらうために入るものなので、この品質が落ちてしまっては意味がありません。
そこで最安値で勝負するのではなく、価格と品質のバランスが取れた保険を提供しようと、この価格帯を設定しているのです。
保険料は走る分だけ!とは?
上でも触れましたが、ではこの「保険料が走る分だけ」とは一体どういうことなのか書いていきたいと思います。
まず自動車保険の契約時に、一年間で走る予想距離を”3,000km以下~無制限”の7区分から選択する必要があります。
そこで選択した予想距離によって保険料が安くなります。
ただ最初の時点では、どのぐらい走るか予想できない人もいると思います。
「もし予想走行距離以上走ってしまってもしっかりと保障されるのか?」逆に「予想してたよりも走らなかった」という場合があると思います。
安心してください。
その場合でもしっかりと保障、もしくは保険料が繰り越しされます。
もし予想走行距離以上走ってしまっても、その距離の差額分を支払えばしっかりと保障してくれます。
また2年目になり前年に走った距離の区分で契約した場合、「超えても安心サービス」というのが適用されるので、契約していた距離を超えた場合でも連絡・手続き不要でしっかり保障してくれます。
そして契約していた距離より走らなかった人にも「くりこし割引」というものが適用されます。
ただこれも条件があり、契約していた距離より1000km以上走らなかった場合にのみ、その距離の差にかかる保険料分が、翌年の保険料から引かれることになります。
ではなぜ走る分だけ保険料が安くなると言われるのでしょうか?
これは走行距離と事故発生率が比例するためです。
確かに走行距離が増える分、事故にあう可能性も増えるというのは納得できますよね。
そのため走行距離が少ない人は保険料が安く、走行距離が多い人は保険料が高く、といった非常に合理的な考え方のも価格設定が行われています。
もらい事故の場合相手との交渉はできない
このもらい事故とは信号待ちで急に後ろから追突されるなど、自分に過失なく損害を受けることです。
これはどの保険会社にも共通していることですが、もらい事故の場合相手との交渉できません。
これは法律の定めでも決まっていることなので、追突してきた相手との交渉ができないのです。
ただ追突されたソニー損保契約車の人なら、相談のような形で話を聞いてもらうこともできます。
こういったもらい事故のとき、示談交渉で不安がある場合は弁護士に相談することになります。
それを踏まえて、ソニー損保の自動車保険では自動車事故弁護士費用特約といって、弁護士に相談する際の費用を負担してくれる特約というの用意してあります。
保険を使用すると等級が3等級ダウンする
自動車保険の場合、事故での損害の有無を保険料に反映させる「ノンフリート等級制度」というものがあります。
このノンフリート等級制度というのは、割引率に応じてランク分けがされており、そのランクのことを「等級」と呼びます。
この等級は初めて自動車保険を契約したときまずは、6等級からスタートします。
そして1年間無事故なら、翌年1等級上がるという仕組みになっています。
ただ見出しにもある通り、事故で保険を使ってしまうと、この等級が3つ下がります。
3つ下がることで保険料がおよそ20%~30%増額されると言われています。
また支払われた保険金の額に関係なく、一回の事故で3つ下がります。
これはソニー損保の自動車保険だけでなく、ほとんどの会社が同じ制度を用いています。
ソニー損保の自動車保険のメリット
保険料は走る分だけ
一番のメリットは、この保険料は走る分だけという料金体系です。
最初の契約時点で、予想走行距離である「距離無制限」~「3,000km未満」の7区分から選ぶことができ、その人の走行距離に応じた保険料で契約することができます。
その他にもゴールド免許など、条件によってより細かく料金体系が分かれているので、当てはまる人にとっては非常に安く料金を抑えることができます。
例えば距離無制限を契約した人と比べて、11,000km以下の距離の人は保険料が20%安くなり3,000km以下だと30%も安くなります。
さらに契約した距離と比べて、1000km以上実際の走行距離が短かった場合、差額分は次年度に繰り越しすることができるため、非常に無駄のない料金体系というのもポイントです。
おりても特約
これはソニー損保独自の特約で、車を降りている状態での事故によるケガや身の回り品の損害、損害賠償責任を補償するというものです。
補償範囲は契約車両はもちろん、家族が所有する別の車で出かけた場合にも適用されます。
このおりても特約はケガの補償・身の回り品の補償・損害倍賞責任の補償という3つの補償で構成されています。
一つ目のケガの補償は、レジャースポーツ時のケガなど、車での外出先でケガをしてしまった場合に補償されます。
二つ目の身の回り品の補償は、外出先で所有家電の破損や盗難にあった際、補償してくれるというものです。
最後損害倍賞責任の補償は、外出先で相手の所有物を壊してしまったり、相手にケガをさせてしまった場合に補償されるというものです。
このようにソニー損保には、車から降りた後の補償特約をつけることができるので、この点もメリットといえるでしょう。
インフォームド・コンセント方式の事故対応
これはどういうことかという、事故解決までの方法を会社スタッフが複数案提案し、その方法のメリット・デメリットをしっかりと説明した上で、契約者本人と一緒に解決策を決めようというものです。
特に医療の現場でも用いられることが多い言葉です。
またトラブルナビと言われる、事故直後の行動をナビゲートしてくれるアプリも活用できます。
これにはGPS機能が付いており、ロードサービスをボタン一つで呼び出せる機能まで付いています。
こういった、事故後の対応もその人に合ったサポートをしてくれるという点は、非常に安心できますね。
手厚い補償内容
ダイレクト型自動車保険というとどうしても価格競争になりがちです。
ただソニー損保の場合、価格優先ではなく品質重視です。
そのため他のダイレクト型自動車保険と比べると、保険料は若干高めですが、その分手厚くサポート体制の整った補償が受けられます。
ロードサービスの充実
ロードサービスはソニー損保の自動車保険に加入すると無料で付帯します。
そのロードサービスですが、24時間365日対応受付で、全国約9,000カ所拠点でサービスを受けることができます。
また車だけでなく、人へのサポートも充実しています。
このサポートは主に4つあって、1つ目が帰宅専用サポートといって車が自力走行不可能と判断された場合、自宅までの交通費を限度額なしで補償してくれます。
それに宿泊専用サポートで宿泊した場合、その宿泊場所までの交通費と自宅までの交通費が合わせて補償されます。
2つ目が目的地到着費用サポートといって、車で行く予定だった目的地までの交通費が限度額なしで補償されます。
これと帰宅専用サポートを併用することで、目的地から帰宅までの交通費も補償することができます。
次に3つ目がレンタカー費用サポートといって24時間までレンタカーの基本料金を負担するというものです。
借りた営業所と異なる営業所に返す場合、乗り捨て費用も補償されます。
最後4つ目が宿泊費用サポートです。
これはその名の通り、帰れなくなった場合の宿泊費を補償してくれるものです。
ここで書いたようにロードサービスは、車だけでなくその後も考えて、人へのサポートも充実しているという点がメリットですね。
ソニー損保の自動車保険のデメリット
保険料が割高
やはり人によってはこの点がネックになるのではないでしょうか。
ソニー損保の保険は品質を重視している分、他のダイレクト型保険と比べると値段が高めです。
走行距離によって料金が変動するタイプなので、普段から走行距離が短い人にとっては保険料が安くなる可能性がありますが、走行距離が長い人の場合、こういった価格変動型だと保険料が割高になってしまいます。
走行距離が長くなってしまう自覚のある方だったら、価格が変動しないタイプの保険がおすすめかもしれません。
ソニー損保の自動車保険が向いている人
ソニー損保は自動車保険のリーディングカンパニーとして、不動の位置を確立してきました。
その知名度が何よりの証拠だと思います。そんなソニー損保ですが、確かに値段は高めです。
ただその分品質への評価というのはかなり高いです。
だからこそ、価格で選ぶというよりも、品質そのもので選びたいという方には、おすすめの自動車保険です。
特に事故後の対応が充実しているため、入って終わりでなく万が一事故にあった時にもしっかり備えたいという方には、ぴったりの保険ではないでしょうか。
それに保険料が高いと言っても料金体系が走った分だけなので、走行距離が少ない人にとっては、保険料が安く事故後の対応も充実した保険を選ぶことができるのでお得です。
つまり事故後の対応も充実していて、品質にこだわりたいという方であればソニー損保を検討するのがいいでしょう。
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ソニー損保の実際の評判は?
ソニー損保の自動車保険に加入している人の声を見てみると、事故後のスタッフの対応が良かったという点が挙げらえます。
迅速な対応はもちろん、状況を把握しながらその場その場にあった対応をしてくれるという点が、良い評判につながるのでしょう。
特に親切な対応というのが目を引きます。
そういった点で対応というのは満足している方が多いという印象を受けます。
ソニー損保の自動車保険が他社より優れているわけ
ソニー損保の保険料は走る分だけといった料金体系は、リスク細分型自動車保険とも呼ばれています。
この料金体系は最近の自動車保険では主流になりつつあり、ソニー損保以外にも各社が取り入れています。
ただこの走る分だけの料金体系は、ソニー損保が他者よりも優れています。
それはなぜかというと、まず走行距離の区分数が多いということです。
この7区分というのは、ソニー損保が最も多いです。
それだけ細かく区分されているということは、契約者のニーズにも応えやすいということにつながります。
契約者が自分の走行距離にあったプランを幅広く選べるというのは、ソニー損保の優れた点の一つです。
次に「くりこし割」があるということです。
契約時に申告した予想走行距離よりも、実際に走った距離が短かった場合、1000km以上であればその余分走行距離分の代金を次年度に繰り越して使うことができます。
こういった契約者に沿ったサービスというのも、他者と比べて優れている点と言えます。
またソニー損保は2015年2月に安全運転をすれば、保険料がキャッシュバックされるという「やさしい運転キャッシュバック型」を販売したことが話題となりました。
これは日本では初めてとなる「運転行動連動型」のテレマティクス保険と呼ばれ、安全運転の促進とより安い保険料を実現できるとあって評判になっています。
そもそもこのテレマティクス保険のテレマティクスとは、テレコミュニケーションとインフォマティクスを組み合わせた造語で、車に通信システムを乗せてサービスを提供するというものです。
そしてソニーが導入した「運動行動連動型」テレマティクス保険というのは、車内に設置してあるドライブカウンタがアクセルやブレーキの踏む具合を感知し、それを得点として算出し、得点に応じて保険料をキャッシュバックするというものです。
ソニー損保では最大20%のキャッシュバックが設定されており、より安全運転を働きかける取り組みとして話題になっています。
まとめ
ソニー損保は確かに保険料は他社と比べると高めの設定ですが、その分事故後のアフターフォローや、より契約者のニーズにあった保険料プランなど、質の良い商品を提供しています。
それに評判にもあった通り、スタッフの迅速な対応を評価する方が非常に多いです。
それに普段の走行距離が短い人にとっては、かなりお得な保険でもあります。
こういった方でしたら、質の良い保険がお得な価格で加入できるとあって非常におすすめです。
料金区分も他社と比べても豊富にあり、その人にあった保険料のプランが選べるというのもまた、優れている点です。
迷ったら、ソニー損保の自動車保険と言ってもいいぐらい、今のところ自動車保険の中ではおすすめの保険です。