いまさら聞けない「掛け捨て」ってナニ?そこから詳しく解説します!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

生命保険を検討中の方や、すこし調べたことのある方でしら、すでにご存じかもしれませんが、「生命保険は、基本的に掛け捨てです」と言われると、ほとんどの方は驚かれるかもしれませんね。

それは、解約した時に戻ってくるお金があって「貯蓄代わりなる」とか、満期になった時にそれまでの保険料から積み立てたものが返ってくるといったような話が、一般的に言わているせいかもしれません。

でも、保険とは、基本的には、「掛け捨て」です。

今回は、王道中の王道、「掛け捨て」の保険について、すこし詳しくみていきましょう。

基本さえおさえてしまえば、ご自身のライフプランや予算に合ったナットクの保険商品が選べるようになります!

専門家にアドバイスを受けることも選択肢のひとつですが、その時にも、基本がわかっているのとわからずにいるのでは、全然、違ってくると思いませんか?

保険選びで、必要以上に労力を使わなくてもすむように、今から、すっきりさせてみましょう!

目次

1.「掛け捨て」ってナニ?

2.「掛け捨て」の生命保険の仕組み
2.1「原価」と「コスト」
2.2生命保険の「原価」って?

3.「掛け捨て」の保険~3つ特徴
3.1保険料が割安
3.2保障機能に特化している
3.3解約しても戻ってこない

4.「掛け捨て」の保険、種類はいろいろある!
4.1死亡保障が目的の掛け捨ての保険
4.2医療保険
4.3がん保険
4.4介護保険

5.定期保険をおさらいしてみよう!
5.1定期保険って?
5.2逓減型定期保険
5.3逓増型定期保険

6.こんなときは、掛け捨てがおすすめ!
6.1必要な期間がはっきり決まっている
6.2住宅を購入する予定がある

7.掛け捨ての保険を選ぶとき、注意すべきこと
7.1保険期間に注意!
7.2更新に注意!

8.その保険、ダイジョウブ?
8.1必要保障額と家計のバランスを考えてみよう
8.2「掛け捨て」と貯蓄型の使いわけ

9.まとめ

1.「掛け捨て」ってナニ?

生命保険についての話の中などで、よく耳にする「掛け捨て(かけ捨て)」という用語ですが、いわゆる正式な保険用語ではありません。

広く一般的に、私たちが、生命保険で保険契約をした際に、支払うことになる保険料のことを、「掛け金(掛金)」と言われていることがあります。

厳密には、「掛け金(掛金)」とは、「定期的に積み立てたり、支払ったりするお金のこと」のことをいい、共済制度(JA共済や全労済など)へ支払う保険料のことを指します(その場合、正式には「共済掛金」と言います)。

生命保険の保険商品の中には、契約が満了を迎えたときや、途中で解約した時に、払い戻されるお金のあるタイプのものがあります。

そういったタイプの保険は、「貯蓄型」や「貯蓄性のある」保険と言われています。

つまり、「掛け捨て(かけ捨て)」とは、掛け金として支払った保険料が、契約が満了を迎えたときや、途中で解約した際に、払い戻されることがない状態のことを言います。

このようなことから、「掛け捨て」とは、一般的には、「掛けたお金」がもどってこないため、あたかも捨てたような状態である、という意味合いで、いわゆる、お金がもどってくる保険契約に対して、お金がもどってこない保険契約のことを、指して言われています。

2.「掛け捨て」の生命保険の仕組み

生命保険とは、どのような契約形態であっても、基本的には、すべて「掛け捨て(かけ捨て)」となります。

その理由は、次のような、生命保険の仕組みにあります。

2.1「原価」と「販売コスト」

一般的に、私たちが保険の契約をした際に、生命保険会社に支払う保険料は、「純保険料」と「付加保険料」の2つから成り立っています。

「純保険料」とは、将来的な保険金や給付金の支払いに充てられる部分のことを指して言います。

いわば、純粋な保険料という意味合いで、純保険料と呼ばれています。

これに対して、「付加保険料」とは、人件費や宣伝費、販売手数料、事務所を維持するための諸費用など、生命保険会社を運営していくうえで必要となる諸々の経費として充てる部分となります。

いわば、保険契約に付加されている手数料という意味合いで、付加保険料と呼ばれています。

一般的にいっても、消費者である私たちが、お店などでなにか商品を買うときには、必ず、その商品の「原価」+「販売コスト」を支払っています。

生命保険の保険商品でも、その保険の「原価」にあたる純保険料と、「販売コスト」にあたる付加保険料の2つを支払うことになります。

ただし、お店で買うような、ごく一般的な商品であれば、その商品の仕入れ値が、そのまま原価であることが多く、非常にシンプルでわかりやすいのですが、生命保険での商品(保険)の「原価」にあたる純保険料の場合は、予定利率や予定死亡率など、総計データを基礎に複雑な計算式を使って、算定されています。

純保険料を算定する際にあたって使われる総計データとは、日本アクチュアリー会という、保険数理の専門家集団が作成して発表している「標準生命表」というものが、使われることになっています。

この生命表をもとに、各生命保険会社で純保険料部分は計算されていますので、同じ契約形態の保険商品であれば、どの生命保険会社の保険商品を選んだとしても、原価としては、差異がなく、横並びとなります。

ただし、純保険料については、各社、横並び状態ですが、「販売コスト」にあたる付加保険料については、保険料全体に占める割合は、おおよそ30~60%で、各生命保険会社によって違いがあると言われています(現在、付加保険料を公開しているのは、ライフネット生命一社のみとなっています)。

現在、日本国内で取扱いされている金融商品の中で、生命保険の保険料に占める付加保険料の割合は、特出して高いと言われていますが、一般的には、販売コストが30~60%という商品は、よくあるありふれたもので、それほど高い数字ではありません。

2.2生命保険の「原価」って?

「純保険料」は、「危険保険料」とも言われています。

「危険保険料」とは、死亡時に支払われる保険金や入院や手術を受けた時に受け取る給付金など、その保険契約の「保障」として機能する部分のことを指して言います。

つまり、危険保険料とは、保障として機能する部分のことですから、いってみれば、その生命保険(保険商品)の本体(=「原価」)であると言えます。

ただし、保険商品の中には、純保険料の部分が、「危険保険料」+「貯蓄保険料」で構成されているものもあります。

満期を迎えたときに満期保険金が支払われるタイプや、契約を途中で解約したときにある程度まとまった金額を受け取ることができるタイプの保険契約が、この「貯蓄保険料」のある保険に該当し、「掛け捨て」の保険に対して、「貯蓄型(貯蓄部分がある)」保険であると言われてます。

つまり、いわゆる、「掛け捨て(かけ捨て)」とは、純保険料の部分が、危険保険料として、そのまま「保障」として使われる保険契約であるということになります。

●保険料のイメージ図

3.「掛け捨て」の保険~3つ特徴

「掛け捨て(かけ捨て)」の生命保険の契約では、「純保険料」部分に「貯蓄」部分が、上乗せされませんので、次のような特徴があります。

3.1保険料が割安

「掛け捨て(かけ捨て)」の保険では、純保険料部分に「貯蓄」部分の上乗せがないため、「貯蓄型」の保険と比べると、ぐっと割安な保険料で保障を備えることができます。

たとえば、同じ1,000万円の死亡保障を備えたい場合であれば、「掛け捨て」で備える場合と、「貯蓄型」で備える場合、次のように払い込む保険料が違ってきます。

【例】 30歳男性 保険金額:1,000万円

月払い保険料 年間払込保険料 期間払込保険料累計額
掛け捨て型 2,920円 35,050円 1,226,400円 (65歳満了時)
貯蓄型 14,620円   175,440円 6,140,400円( 65歳時点 )

3.2保障機能に特化している

あまりにも当たり前のことに思われるかもしれませんが、生命保険とは、万が一がおきた場合に、予想される経済的な損失を補てんすることを目的として、加入することが大前提となっています。

いわば、万が一のとき、経済的なリスクを最小限にとどめるための『リスク回避(軽減)装置』であり、そのために備えるものとなります。

また、私たちが保険契約に支払う保険料とは、自分のためであると同時に、同じ保険集団に属している誰かのために、使われる(使ってよい)ことも大前提としています。

これを、相互扶助の理念と言います。

生命保険は、この相互扶助の理念のもと、誕生した社会システムです。

このようなことから考えても、「掛け捨て」と呼ばれている保険料は、決して、捨てられているわけではありません。

もし万が一の時には、何倍何十倍にもなって、必ず、自分や家族に返ってくるものであり、保険金として受け取るようなことがなく、なにごともなく無事に過ごせれば、他の誰か困った人のために、必ず、役立っています。

つまり、「掛け捨て(かけ捨て)」の保険とは、保険料に貯蓄部分の上乗せがなく、純保険料がそのまますべて保障にまわされる、非常にシンプルでわかりやすい保険商品であり、保障に特化している保険商品であると言えます。

3.3解約しても戻ってこない

「掛け捨て(かけ捨て)」の保険では、純保険料部分に貯蓄部分が含まれていないため、契約満了を迎えても満期保険金や、契約途中で解約しても払戻金を受け取ることはできません。

あっても、ごく少額の場合がほとんどとなります。

4.「掛け捨て」の保険、種類はいろいろある!

生命保険の保険商品には、さまざまな種類がありますが、加入目的にしぼって考えた場合、大きくは、3つに分けて考えることができます。

1.遺族保障(死亡保障)⇒万が一のとき、残された家族のための死亡保険
2.病気、ケガによる入院や手術による出費を保障⇒医療保険
3.老後の生活資金や要介護状態になったときを保障⇒個人年金保険、介護保険

このように、3つに分かれている加入目的の保険それぞれについて、「掛け捨て」の保険と、「貯蓄型」の保険があります。

次から、少し詳しくみていきましょう。

4.1死亡保障が目的の「掛け捨て」の保険

遺族保障(死亡保障)を目的とした「掛け捨て」の保険としては、「定期保険」があげられます。

定期保険とは、一定の決まった期間(定期)についての保障を備えることに適した保険商品です。

たとえば、まだ子どもが生まれたばかりで、この先10年くらいは子育てに専念したいといったご家庭でしたら、10年間は、夫のみが一家の稼ぎ手である、シングルインカムとなります。

その場合、稼ぎ手の方に万が一のことがあった場合、すぐさま生活に支障をきたすことが、想定されますので、10年間にかぎって生命保険で死亡保障を備えるなどの選択肢が考えられます。

また、保険商品で保障する期間をあらかじめ考えない場合でしたら、「収入保障保険」という選択もあります。

収入保障保険は、死亡保障の金額が、徐々に下がっていくことが特徴の死亡保険のひとつです。

定期保険と同じように保険料は「掛け捨て(かけ捨て)」となりますが、万が一のときに受け取る保険金は、一時金として一括で受け取る以外に、年金形式として毎月決まった金額のものを受け取ることができます。

4.2医療保険

病気やケガによる入院や手術による出費を保障するための保険商品として、医療保険があります。

一般的に、医療保険とは、病気やケガで入院したときに、ご契約者の方が、1日につき5,000円や1万円の入院給付金を受け取るものです。

一回の入院につき、限度支払日数が設けられているものが多く、60日程度のものが主流となっています。

また、入院給付金だけでなく、手術(公的医療保険の対象となる手術)を受けた場合などに、その内容に応じて、入院日額の10~40倍の金額を、手術給付金として、受け取ることができます。

医療保険の多くは、保険料が「掛け捨て(かけ捨て)」となりますが、一定の条件を満たせば、生存給付金として、還付金が受け取れるタイプのものもあります。

4.3がん保険

医療保険の中でも、とくに、「がん」に特化して保障を備えるものが、がん保険となります。

通常の医療保険では、入院時や、手術を受けた時に、給付金が支払われますが、がん保険では、がんと診断が確定された時点から、給付金を受け取ることができます。

ただし、一般的な医療保険では、保険会社との契約(申込書および健康告知書の提出・第1回目の保険料の払込み)が、すべてそろった時点から、保障が開始されますが、がん保険では、90日や180日などの「待機期間」(免責期間や不補填期間と言います)が設けられていることが一般的であり、もしも、この期間中に、がんと診断確定されても、保障を受けることができません。

また、ごく初期のがん(上皮内新生物といって、他の組織に浸潤していない状態)の場合も、がん保険では保障されない場合があります。

医療保険と同じく、保険料は基本的に「掛け捨て(かけ捨て)」となりますが、一定の条件を満たせば、生存給付金として、還付金が受け取れるタイプのものもあります。

4.4介護保険

介護保険とは、介護にかかる費用に備えるための保険です。

現在、日本では、家族形態の変化や、介護の担い手であった女性の社会進出がすすんだこと、超高齢化社会の余波をうけて、平成12年(2000年)から、国が介護サービスを提供する公的介護保険制度がスタートしています。

ただし、この制度が利用できるのは、40歳以上の方で、介護保険料を負担している方(および扶養されているご家族の方)に限られています。

40歳以上の方でしたら、万が一、介護状態になったときには、まず第一に、公的介護保険制度の利用が考えられますが、制度を利用するにあたっては、市町村からの要介護認定を受ける必要があります。

また、市町村から認定された要介護度や、年齢(40歳~64歳、65歳以上)によって、受けることができる介護サービスの内容が変わってきます。

自己負担金の金額としては、実際にかかった費用の1割負担となります。

民間の介護保険の場合、給付金の支払基準を、要介護認定2以上としている場合が多く、給付金を受け取る期間は、有期(10年など一定の期間や、70歳まで、80歳までなどの年齢によって区切られている)タイプや、終身タイプのものがあります。

保険料は、基本的には、掛け捨てとなりますが、介護保険での保障期間中に介護状態にならなかった場合、還付金を受け取れるタイプのものもあります。

民間の介護保険は、おもに、公的介護保険制度でまかないきれない部分を補完するために、利用されてるとされていますが、要介護認定を受け始める年齢が、平均75歳(厚生労働省調べ)と、平均寿命(簡易生命表2015年 男性80.79歳、女性87.05歳)と拮抗していることが、この保険の存在意義をわかりづらくしている点かもしれません。

5.定期保険をおさらいしてみよう!

このように、ひとくちに「掛け捨て(かけ捨て)」の保険といっても、さまざまな種類の保険に、掛け捨てタイプとして備わっています。

ここでは、いまいちど、死亡保険としての「掛け捨て(かけ捨て)」保険である定期保険について、見ていきましょう。

5.1定期保険って?

定期保険とは、保険商品の本体である死亡保障部分についてのみ、払い込む保険料の純保険料部分が充てられる保険商品です。

定期保険として保障を備える期間は、1年から30年の間で設定することができますが、一般的には、10年~20年のものが選択されています。

例えば、定期保険を10年間で契約し、その後、設定した10年間の保険期間を過ぎると、契約満了となり、通常であればその契約は解消となりますが、そのまま自動更新されるタイプの保険商品もあります。

人気記事ランキング

1 2

がん保険?これだけ読めば大丈夫!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る