大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。
火災保険の補償額って一体いくら位に設定をすればいいの?と思っている方も多いでしょう。
自宅の建物や家財道具、そして賃貸物件や貸店舗へ入居して掛ける保険など、もしもの時のために掛ける保険ですが、その適正な補償額の出し方を知らなければ、万が一の時に充分な補償を受けることが出来ない可能性もあります。
そこで、元損害保険の代理店で多くの火災保険を担当した立場から、わかりやすく火災保険の掛け方や適正な補償額の出し方を解説していきます。
- 火災保険の詳細と特徴
- 火災保険の補償範囲
- 火災保険と地震保険の関係
これらを中心に「火災保険」について徹底調査していきたいと思います。
「火災保険に加入しようか悩んでいるけど、大丈夫かな?」
と思っている方は特に必見の内容となっているので、ぜひ加入前に参考にしてみて下さい!
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目次
火災保険の基礎
火災保険の補償額の話をする前に、火災保険の基本的なところを解説していきましょう。
「火災保険の基礎なんて今さら言われなくても、知っているよ!」と言う方も、今さらと言わずに確認の意味も込めておさらいしていきましょう。
そして、「火災保険の事はあまりよく解らない」と言う方は、ここで火災保険とは一体どんな保険で、どんな補償をしてくれて、どんな考え方の保険なのかという所を、まず覚えていきましょう。
火災保険とは
火災保険とは簡単に言うと建物や家財道具をはじめ、事業用の設備什器などに損害が出た場合に、その損害を補償しますと言う損害保険の一つです。
この火災保険の損害には、火事などの人的損害や自然災害による損害などを補償してくれ、意外とその補償範囲は広いのです。
「火災保険は燃えた時だけの補償でしょ?」と言われる方が多いのですが、決して火事の時だけの補償ではないのです。
補償の範囲
先ほども書いたように、火災保険の補償範囲と言うモノは、意外と広くその補償範囲を理解していない方が多いので、ここではその補償範囲をしっかりと理解していきましょう。
- 火災
- 落雷
- 爆発 破裂
- 風災 雹災 雪災
- 水災
近年の火災保険では、上記に加えて
- 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突など
- 漏水などによる水濡れ
- 騒擾・集団行動などに伴う暴力行為
- 盗難による盗取・破損・汚損
- 不測かつ突発的な事故(破損や汚損など)
などの損害も補償の対象になります。
簡単に言ってしまうと、事故性があれば保険の対象になるという事です。
そのため、燃えたときだけではなく、「落雷の過電流で家電製品が破損した」や「部屋の模様替えの際にテーブルの角が壁にあたって壁が破損してしまった」など、意外に保険の対象になる事例が多いのです。
この説明をすると多くの方は、「え?そんな事まで対象なの?」と言われる方が多いのですが、本当にこれだけの補償範囲があるので、何かあった時は保険の対象になるのか確認してみた方が良いと言えますね。
考え方
火災保険の基本的な考え方を一言で言うと、「保険の対象の原状復帰」です。
損害を受けてしまったモノを、損害を受ける前の状態にするための費用を補償すると言うのが基本的な考え方ですので、保険太りと言われる損害額以上に保険金を貰えるなどと言うのは、基本的に期待しないでください。
火災保険の基本的な考え方は、あくまでも原状復帰し生活を元に戻すと言う事です。
建物の補償
さて、火災保険の基本を説明しましたので、ここから本題に入っていきましょう。
ここでは、建物の補償について基本的な内容から補償額の決め方までを解説していきます。
火災保険は建物と家財道具に分かれていると書きましたが、補償額に関しては、家財道具よりも建物の方が、補償額が決めやすいのです。
その理由を見て行きましょう。
補償範囲と内容
補償額の決め方の前に、基本的な補償の範囲や内容をしっかりと覚えていきましょう。
建物も家財道具も同じ火災保険ですので、基本的な補償の範囲や内容は同じになりますが、事故が起こる内容が建物と家財では大きく異なります。
それは、家財道具は基本的に建物の中にありますので、自然災害での事故が少ないのです。
一方で建物は、暑さや寒さや雨や風などの自然現象から身を守る為のモノであるために、様々な外的要因の事故が起こります。
火災だけではなく、大雨による洪水などで床上浸水や、突風で大きなものが飛んできて窓ガラスが割れたという事などまで補償の対象になります。
また、注意しなければいけないのは、瑕疵・劣化に関しての建物への損害は火災保険の対象になりませんので、気を付けておきましょう。
補償額の出し方
それでは、補償額の出し方に関して解説していきましょう。
建物の補償額はどのように出すかと言うと、その建物の広さ(延べ床面積)と構造(木造やコンクリート造りなど)で、補償額を出すことが出来ます。
また、この時に近年よく使うのは、「新築費単価法」と言うモノを使います。
新築費単価法
この新築費単価法とは、その建物を新しく建てるのに必要な1㎡あたりの単価を定めているモノです。
また、地域別・構造別で単価を設定しているので、比較的簡単に建物の評価を出すことが出来ます。
建物の評価を出すことで、火災保険の建物に対する補償額を決めることが出来ますね。
また、新築時などはその費用が分かりやすいのであまり悩みませんが、建ててから何十年と経過していると、その評価は解らなくなるので、補償額を決められないという事が起きるのです。
補償額の決め方
補償額の出し方が分かったところで、補償額の決め方をここでは少し解説していきます。
基本的な決め方は、保険の対象である建物が全焼などの全損と言われる損害を受けてしまった場合、同じ構造の同じ建物を立て直すのに必要な金額を設定すればいいのです。
そこで、先ほどの「新築費単価法」を用いることで、建物の評価額を計算します。
そこで出た金額を単純に補償額にすればいいのですが、どこの保険会社もこの金額(評価額)±30%まで設定することが出来ます。
その理由が、同じ木造の建物でもヒバやヒノキなど少し高級な木材を使用していると言う建物などがあるためです。
経験上、建物の補償額を評価額より少し上にすると言う方は居ましたが、下にすると言う方は殆ど居ませんでした。
下にすると言う方は、保険料との兼ね合いで調整したり、評価額よりも実際に建築時に掛かった費用が少ないと言う場合のみですが、先ほども言いましたようにほとんどありません。
基本的には評価額通りの補償額にしておくことで、万が一全焼してしまっても大丈夫という事です。
また、新築費単価法は「新価払い」の火災保険で使用するモノであり、「時価実損払い」と言う損害保険金の支払方法の火災保険ではまた違った評価方法があります。
しかし近年主流の火災保険は、先の「新価払い」になっていますので、「時価・実損払い」の方は覚えていなくても大丈夫です。
家財道具の補償
建物の補償を解説しましたので、次は家財道具の補償について解説していきましょう。
家財道具とは、タンスや食器棚やテーブルやソファのような家具や、テレビや冷蔵庫や洗濯機などの家電製品だけではなく、着ている服やスマートフォンなど身近なものまで、すべて家財道具としてみなされます。
補償の対象はすごく広いのですが、その代りに評価額が出しにくく補償額が決めにくいとも言えます。
建物は広さと構造が判れば評価額を出すことが出来て、補償額も決めやすいのですが、家財道具に関しては各家庭によって大きく異なります。
ここでは、その家財道具の補償額の決め方や評価の目安を解説していきます。
補償の範囲と内容
家財道具の保険と言え火災保険ですので、基本的な補償内容や範囲は建物と同じです。
建物の補償と大きく異なるのは、外部からの落下飛来と言うモノや風災や雹災などの自然災害に関する損害は少ないと言えます。
逆に言うと落雷や不測突発的な事故に関しては、建物よりも家財道具に多くみられます。
落雷に関しては、「落雷が原因の過電流により家電製品が破損した」と言う事故がいくつかありました。
家電製品の故障の原因が過電流であると解るのは稀ではありますが、修理などを頼むと原因が解る場合があります。
補償の範囲や内容で建物と違うのは、このあたりだと言えるでしょう。
評価額の目安
補償の内容や範囲の解説をしましたが、続いて大事な評価額の目安を紹介していきましょう。
保険会社によっては少しずつ金額が違うかもしれませんが、保険会社が家財道具に関するおおよその目安を出していますが、その目安が下記の表になります。
単位:円
家族構成 | 2名
大人のみ |
3名
大人2人 子供1人 |
4名
大人2人 子供2人 |
5名
大人2人 子供3人 |
独身 | |
世帯主の年齢 | 25歳前後 | 490万 | 580万 | 670万 | 760万 |
300万 |
30歳前後 | 700万 | 790万 | 880万 | 970万 | ||
35歳前後 | 920万 | 1,000万 | 1,090万 | 1,180万 | ||
40歳前後 | 1,130万 | 1,220万 | 1,310万 | 1,390万 | ||
45歳前後 | 1,340万 | 1,430万 | 1,520万 | 1,610万 |
そんなに必要?と感じる方も居れば、その金額よりも大きい金額が必要と感じる方も居るでしょう。
この評価額はあくまでも目安です。
夫婦で長く暮らせば、それなりに物も増えていくでしょう。
子供が出来れば、さらにたくさんのモノが増えていくでしょう。
そして、それは意外と無くならないモノであり、増えていくものなのです。
その事から、家族構成や年齢によって大まかな目安を提示して、あとは自分たちでどれぐらいの家財道具があるのかを見ていければ、自ずと補償の必要額は解るでしょう。
補償額の決め方
補償額の決め方をここでは解説していきます。
評価の目安でも書きましたが、自分たちの家の中にどれだけの家財道具があるのかを認識するところから始めましょう。
評価の目安通りと言う方も居るでしょうし、それよりも少ない・多いと人によって大きく必要補償額は変わります。
目安はあくまでも目安であり、家具・家電や食器などから着ている服や布団まで生活に必要な物がどれだけあり、それをいくら位で購入したのか、また今同じようなものを買うならいくら必要なのか?などを調べて、補償額を決めましょう。
火災保険は、損害保険ですので、生命保険などのように遠い先を考えずとも、1年や長くても5年後までが保険の期間になるので、生活が変わったと言う時などは、保険の更新時に改めて補償額が適当かどうかを確認しましょう。
補償額の決め方は、まず自分の家にどれだけの家財道具があり一体いくら位あるのかを認識するところから始まります。
その事をしっかりと覚えておきましょう
建物の用途別の加入方法
建物の用途別の火災保険の加入の仕方を解説していきます。
住宅物件でも住居だけで使用する専用住宅と、店舗と併用している店舗併用住宅の2つに大きく分かれ、また事務所や工場だけに使用している建物もあります。
建物の用途が違えば、加入する保険も少しずつ異なってきます。
ここでは、建物に焦点を置き、火災保険の加入の仕方を解説します。
住宅物件の場合
住宅物件の火災保険は、一般的な火災保険の商品になります。
現在主流の住宅用の総合火災保険は、補償範囲も広く保険金支払い方法が「新価払い」と言う方法であり、損害額の100%を支払うという事になっています。
自宅などに損害が生じた場合には、原状復帰費用(修理費用)が支払われることになります。
例を出すのであれば、カーポートが雪害などで破損をした場合、修理可能であればその修理費用が修理不能であれば、同等のカーポートを設置する費用が保険金として支払われます。
住宅物件に関しての注意点は得に有りません。
新築費単価法で建物の評価を出してその評価通りの補償額を掛けるようにしましょう。
店舗併用住宅の場合
店舗併用住宅の場合は、少し複雑になります。
まず、住宅と店舗の割合によっては、専用住宅としての扱いになります。
しかし、この場合は住宅の一部(応接間のみ店舗として使用)などの条件になりますので、ある程度の面積で店舗や事務所などをしている場合は、店舗併用住宅として保険に加入しなければいけません。
その際には住宅物件と同じように構造・免責で建物の評価を出して、その上で店舗として使用している箇所の使用方法(事務所なのか、作業スペースなのか、飲食店なのか)によっても保険料率が変わってきます。
保険商品も住宅物件用ではなく、店舗総合などの店舗用の保険になります。
注意しなければいけないのは、店舗総合保険などは、保険金の支払い方が「時価実損払い」となっている事があり、簡単に言うと損害の80%の支払いになる可能性があるという事です。
そうならない為に、「価格協定特約」を付加して損害額の100%である新価払いと同じ支払条件にしておく必要があるという事です。
事務所や工場の場合
最期に事務所や工場などの居住を伴わない建物に関してですが、建物の評価は構造・面積で評価が出せますが、加入する商品が店舗総合保険または普通火災保険になります。
これは、店舗や事務所や工場用の保険であり、補償範囲が住宅用よりも狭く、火災・落雷・破裂・爆発・風災・雹災・雪災と言う基本的な補償のみとなっています。
また、保険金支払い方法も時価実損払いとなりますので、気になる方は価格協定が付けられるか確認して、事故の時に困らないようにしておきましょう。
家財道具の用途別加入方法
ここでは、家財道具や設備・什器などの火災保険の加入方法に関して少し解説していきます。
基本的には建物と同じになりますので、内容としては重複する部分でもありますが、この章で大切なのは、貸店舗などに入居をする方の火災保険に関する事がメインになってきます。
また賃貸物件に入居する場合なども含めて解説していきます。
住宅物件
住宅物件の場合は、持ち家の場合は、目安評価額を参考にして補償額を決めていきましょう。
また保険商品は、基本的に建物の商品と同じになります。
また賃貸物件に入居する方は、建物は大家さんのモノなので、家財道具に関して火災保険を掛けてそこに「借家人賠償責任特約」「日常生活賠償責任特約」の2つを付けるようにしましょう。
賃貸物件に入居する場合も、単身なのか家族なのかによって補償額は変わってきますが、単身・独身の方でも最低補償額が300万円とする保険会社が多いので、補償額は300万円にしておきましょう。
店舗併用
店舗併用の場合は家財道具だけではなく、事務所や店舗で使用しているモノは全て設備・什器と言う扱いになりますので、家財道具と一緒にはしないでください。
店舗と自宅を併用している物件の場合は、建物と家財道具と設備・什器の3つを保険の対象とし補償額を決めて保険に加入しましょう。
事務所や工場
事務所や工場の場合は先ほども説明した、設備や什器がメインになってきます。
また、業種によっては金型や鋳型など特殊な道具を使う場合があり、その金型や鋳型と言うのは一つが大きな金額になる場合がありますので、別途明記物件として保険の対象を限定し明記しておくことをお勧めします。
その他の現金や手形などを補償の対象とする保険もありますが、保険会社もリスクがあるので、あまり売りたがりませんが、現金や手形な動かせるものを対象とする動産総合保険と言うモノもあります。
事務所や工場では、何に保険を掛けないといけないのかをしっかりと把握しましょう。
近年では、包括的にリスクをカバーできる保険も出てきていますので、業種に合った保険を選ぶようにしましょう。
貸店舗など
貸店舗に入居する場合の火災保険について解説していきます。
貸店舗と言っても、居住世の賃貸物件に入居するのと考え方は同じです。
大家さんに迷惑を掛けない為に、「借家人賠償責任」は必ず付けないといけないので、火災保険に加入しなければいけません。
その際に、火災保険の対象にするのは店舗を営業する店子さんの持ってきた什器(飲食店であればお皿やグラスなや調理器具など)が保険の対象になります。
基本的に、身一つで入居し営業するという事は滅多に無い事だと思いますので、一般的にはこれで問題ないのですが、過去に以下のような相談を受けたことがあります。
「火災保険に入りたいが店舗も設備や什器もすべて大家さんの物で、持ってきたものが無くそのまま営業しているのですが、火災保険に入れませんか?」
と言うモノでした。
借主さん(店子さん)の所有するモノが全くないのであれば、保険を掛けることは出来ません。
財産が無いのに、保険は掛けられませんよね。
もし今後貸店舗を借りてお店をすると言う方は、その物件に設備・什器まで付いていてラッキーと思うのではなく、火災保険に加入できるような什器を少しでも買い足しておくことや、大家さんと色々な相談をする必要があるという事です。
保険はあくまでも、財産を守るモノです。
また、貸店舗などに必要な「借家人賠償責任」などは単体での加入が基本的に出来ないので、火災保険に加入できるようにしておきましょう。
その他の注意点
ここでは、実際の事故例などを交えて加入時の注意点などを解説していきます。
火災保険の事故に関しては、火事が起こった時だけでしょ?と言う方が意外に多いのですが、それだけではなく、実際にどの様な事故がありどのような支払いが有ったのかを知ることで、火災保険に強くなっていきましょう。
事故例
火災保険には建物と家財道具の2つの対象があると説明しましたので、ここではその2つを別けて事故の事例を解説していきます。
建物の場合
建物の事故で、実際に有ったのは、「雪害によるカーポートの破損」です。
降雪地域以外では、雪による損害が意外に多くあります。
その中でも、屋外にあり雪が積もると重さに耐えられなくなるものがカーポートなのです。
実際に事故があったのも、カーポートが雪の重みに耐えられずに、柱が歪んでしまったと言うモノでした。
こういう場合は、カーポート自体の修理が出来るか出来ないかですが、修理が出来るのであれば修理代が損害額になります。
修理が出来ない場合には同程度のカーポートの設置費用が損害額として支払われます。
保険会社によっては損害を受けたカーポートの値段を調べて、その額が損害額と言う認定を出す場合がありますので、新設した場合に保険金の方が多かったという事や、保険金では足らなかったという事があります。
足りなかった場合のために臨時費用と言う費用保険がありますので、安心してください。
またこの時の事故では、修理費用が保険金として支払われました。
家財の場合
家財道具の事故はあまり多くないのですが、レアなケースで言うと表札の破損事故がありました。
新居に引っ越したばかりで、表札も新しく作成・購入し玄関に着けたところ、接着が甘く数時間後に落下し表札が割れたという事がありました。
この表札に関しては見解が分かれる場合がありますが、玄関や門柱に設置している場合には建物の付属設備とみなされる場合もありますが、家財道具とみなされる場合もあります。
私が担当した事故は、設置中と言う判断で家財道具と言う見解になりました。
この見解があっているか間違っているかは一概には言えませんが、建物と家財道具の両方火災保険を掛けていると、安心できるという事です。
注意点
少し注意点を説明しておきましょう。
火災保険の注意点は、補償額もしっかりと決めないといけませんが、建物の構造や広さと所在地と言うモノがすごく重要になってきます。
加入するときは、あまり重要だとは思わないかもしれませんが、事故が起こった時に住所表記が違った、地番が違ったなどで少し複雑になるケースがあります。
また専用住宅であれば大きな問題は無いのですが、店舗や事務所と併用して使っている住宅などの場合は、先ほども説明した様に、どのような用途の店舗や事務所なのかをしっかりと告知しておくようにしましょう。
用途によって、リスクが異なるため、事故が起こった時に保険金の支払いが出来ないという事になりかねません。
小さなことだとは思いますが、しっかりと確認しておくようにしましょう。
地震保険について
火災保険と切っても切れないのが地震保険ですので、ここで地震保険についても少しだけ解説しておきましょう。
地震保険について
地震保険とは、地震・噴火・津波を原因とする、火災・埋没・流失を補償する保険です。
そして、地震保険も建物と家財道具の2つを対象としている保険であり、基本的には人の住んでいる建物にしか掛けることは出来ません。
また、地震保険単体では加入する事が出来ず、火災保険とセットでの加入と言うのが条件になります。
地震保険の補償額
地震保険の補償額は、火災保険の補償額の50%が限度額になります。
火災保険で建物2,000万円・家財道具1,000万円の補償額である場合、地震保険の補償額は建物1,000万円・家財道具500万円が限度であり、それ以上は掛けることが出来ません。
しかし最近では、この補償額を地震による火災の時に限りの30%や50%を上乗せして支払う特約が有る保険会社もあります。
この特約を使う事により、火災の時と言う限定はありますが、地震による火災の場合補償額が80%や100%になる保険があるという事です。
また、地震保険の補償額が火災保険の50%が限度の理由は、地震保険は被災した方の当分の生活費や建物に後片付けの費用などに使って欲しいと言う考え方と、地震の被害は広域で大きな損害になる可能性が高い事で、保険会社及び再保険会社が支払い不能になるのを防ぐと言う意味もあるのです。
おすすめの商品
火災保険の補償額に関して、基本的なところから補償範囲・補償額まで解説してきましたので、どのような保険商品があるのかを少し紹介していきましょう。
火災保険に関しては、どこの保険会社も大きな差はありません。
基本的な補償は同じですので、ここでは、どこが違うのか?どんな特徴があるのか?という事を紹介しますので、自分に合った保険会社を見つけられるヒントにしていただければと思います。
東京海上日動
東京海上日動は、損害保険会社のリーディングカンパニーと言って良いほど、新しい事や独特の事をする保険会社です。
東京海上の火災保険は「トータルアシスト住まいの保険」がベースの火災保険ですが、この火災保険は他社と比べても一般的な保険と言えます。
基本の補償も特約も、特筆する箇所はありません。
しかし、東京海上日動が力を入れているのは、「トータルアシスト超保険」と言う商品です。
これは、生命保険・損害保険共にカバーできる保険であり、自動車保険や火災保険もすべて一緒になった保険であり、その中から自分の必要な保険を選ぶと言う商品です。
この保険の火災保険の部分にあたる、住まいの補償では地震保険で補償出来きれない残りの50%を補償する特約が有ります。
この特約は、損保ジャパン日本興亜にもあるのですが、少し内容が異なり、東京海上日動の方は純粋に地震保険の上乗せと言うイメージになります。
損保ジャパン日本興亜に関しては、次の章で解説していきます。
損保ジャパン日本興亜
損保ジャパン日本興亜の火災保険も、ベースは他社の商品と変わりません。
強いて言えば、補償の対象が少し広く、不測突発的な事故で保険の支払いを受けられるなど、あらゆる事故に対応できるという所が強みかと思います。
また、先ほども少し解説した、地震保険の補償額を上乗せ出来る特約が有ります。
損保ジャパン日本興亜の場合は、地震による火災による損害のみという事で、東京海上日動よりは限定的ではありますが、阪神淡路大震災のように、地震を原因とした火災に対する不安は解消できるのではないでしょうか。
三井住友海上
損害保険のメガ3社の一角と言われる三井住友海上の火災保険は「GKすまいの保険」と、「GKすまいの保険グランド」の2つがラインナップされています。
三井住友海上は自動車保険に現在力を入れているイメージであるため、火災保険に関しては特筆する内容がありません。
しかし決して保険の内容が優れていないと言う訳ではなく、一般的な火災保険であり加入するのも何も問題はありません。
地震保険の特約などが必要でなければ、保険料次第ではこの保険会社を選択するのもアリでしょう。
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まとめ
さて、火災保険の補償額にスポットを当てて解説してきましたが如何だったでしょうか。
火災保険の基本的なところも解説はしてきましたが、多くの方が火災保険の補償額をいくらにするのか?と言う部分が疑問に感じると言う事で、その補償額の出し方を解説しました
補償額をしっかりと把握する事で、保険の無駄をなくすことも出来ますし、保険の不足を埋めることも出来ます。
保険は全般的に解りにくいと言う方が多いですが、保険と言うモノは実はシンプルで、必要な補償・保障を準備するだけなのです。
ただ、その補償・保障がいくら必要なのかが解らないだけなのです。
この記事を読んで、火災保険に関しては自分の補償額をしっかりと把握して、現在火災保険に加入しているのであれば、補償額は適切なのかを確認してみてください。
また、これから火災保険に加入すると言う方であれば、補償額をしっかりと計算し、無駄のない保険を掛けるようにしてください。