アカウント型保険には入ってはいけないって本当!?注意点を徹底解説

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一般的な終身保険は月々の保険料額と保障金額が契約時点で確定しています。このため「葬儀費用として○○円遺したいから、○○円の保険に入ろう」などと計画を立てて契約することができます。一方アカウント型保険は積立期間の利率が分からないため、積立が終わるまでいくらの終身保険に入れるか分かりません。積立利率が思ったより低かった場合、死後に遺すお金について予定が狂ってしまいます。

 

4.3.定期部分の保険料が上がる

アカウント型保険の特約は定期保険がほとんどなので、更新ごとに保険料が上がります。定期保険の保険料が上がるのはアカウント型保険に限ったことではありませんが、アカウント型保険特有のデメリットがあります。アカウント型保険の場合、特約保険料が上がっても月々の保険料総額は変わりませんが、積立に回す金額が減ります。「保険に入って、積立もできている」と思っていたら、実は保険料の大半が特約部分の掛け捨て保険料になっていたというケースもあります。

 

4.4.解約返戻金を少なく感じやすい

アカウント型保険を解約する場合、積立部分から解約手数料などを差し引いた金額が解約返戻金になります。アカウント型保険では保険料の一部分を特約保険料に回しているため、思ったほど積立が増えないという場合があります。払込期間が一定を超えると解約返戻金が払込保険料を超える終身保険と比べて、「○○年も契約していたのに、解約返戻金はたったこれだけ?」と感じてしまうことも少なくないようです。

 

5.アカウント型保険ってどれのこと?具体的に教えて!

代表的なアカウント型保険の商品をご紹介します。また、現在の主力であるアカウント型保険の後継商品にも触れておきます。

 

5.1.明治安田生命「ライフアカウント L.A.」

アカウント型保険の草分け的存在として発売されたのが、明治安田生命の「ライフアカウントL.A.」です。現在はすでに販売終了しています。終身保険のための積み立てを主契約として、定期保険・医療保険・介護保険などを特約で付けることができるという商品で、アカウント型保険の原型を作りました。現在は保障の見直しのみを行なっています。

 

5.2.明治安田生命「ベストスタイル」

ライフアカウントL.A.の後継商品が「ベストスタイル」です。ライフアカウントL.A.から主契約である積立部分を取り去った、「組み立て型」と呼ばれる保険です。契約の形としては、主契約は無く、特約のみを組み合わせた新しい形の保険となっています。

 

こうなってくると、実質的には複数の保険契約をして、保険料をまとめて払っていると考えても違いはありません。そのように考えると、アカウント型保険より構造がシンプルになったと言えるでしょう。

組み立て型保険の保険料のイメージ

 

ベストスタイルの特徴としては、「終身保障変更制度」があります。この制度を利用すると、更新型の特約の保険期間を終身に変更することができます。たとえば定期保険を終身保険に変更したり、入院特約を終身入院特約に変更したりできる制度です。契約から1年以上が経過すると、変更ができるようになります。アカウント型保険では積立期間が終わってから終身保険の契約ができましたが、この保険では保険料の払い込み期間中に保険期間を延ばすことができるのです。

 

5.3.日本生命「みらいのカタチ」

日本生命はかつて「生きるチカラ」というアカウント型保険を取り扱っていましたが、現在の主力は「みらいのカタチ」という商品です。これは明治安田生命の「ベストスタイル」と同様、アカウント型保険からアカウント部分をなくした形の組み立て型保険です。

 

特徴は、定期保険や医療保険などの保険で更新の無い全期型を選択することができる点です。全期型を選ぶと、契約当初の保険料は更新型よりも高くなりますが、更新による保険料アップが無いので、保険料の総額は安くなる傾向があります。

 

5.4.住友生命「Wステージ未来デザイン1UP」

住友生命の主力商品「Wステージ未来デザイン1UP」は、主契約を終身保険かアカウント(積立)か選べる保険です。終身保険を選択した場合は定期付終身保険に、アカウントを選択した場合にアカウント型保険に近い内容となっています。

 

ただし、一般的な定期付終身保険・アカウント型保険とは異なる点があります。それは、自分で必要な特約を選ぶのではなく、保障があらかじめセットになっている点です。セットになっている特約は、就労不能や要介護になったときに保険金が年金で支払われる就労不可・介護年金特約と、死亡時に保険金が年金で支払われる収入保障特約です。どちらもだんだん保障額が減少してゆく逓減型です。定期保険や医療保険などほかの特約を追加することは可能です。

住友生命「Wステージ未来デザイン1UP」で主契約にアカウントを選択した場合の保険料・保障金額のイメージ図

 

6.アカウント型保険あるある!こんな「困った!」に注意

アカウント型保険を契約している方が陥りがちな事態について解説します。

 

6.1.解約返戻金がない!

アカウント型保険の解約時には積立部分を解約返戻金として受け取れます。この金額について、誤解している方が多いようです。

 

アカウント型保険の証券には解約返戻金の予想が書いてあるのですが、契約期間が10年を超えたときから急激に解約返戻金額が増えるように書いてあることが多いようです。どのくらい急増するかというと、最初の更新が10年後だとすると、当初10年間での積立と同額かそれ以上が、11年目以降は1年間で貯まっていくような書き方をされているのです。

 

10年寝かせればお宝保険に化けるかのようですが、違います。この試算は、定期保険や医療保険といった特約をすべて更新せず、保険料をすべて積み立てに回した場合の金額です。

保険料の半分以上を特約保険料に回すような契約をしている場合、特約の更新をしなければ、更新を境に解約返戻金が倍以上のペースで増加します。しかし、更新のタイミングですべての保障を無くすというのは非現実的です。これでは保険に入っているのではなく、保険会社に積み立てをしているだけの状態です。

 

現実には、多少特約を減らすことはあっても、特約をすべて無くすということはないはずです。積立金が急増するということは無く、むしろ更新で特約保険料が上がる分、積立金に回る割合は少なくなります。以下の図は少し極端ですが、特約保険料が上がった結果積立に回す分が0円になってしまった場合のイメージ図です。

積立が0円になるので、当然ながら積立部分は増えず、解約返戻金は更新直前と変わらないまま推移します。このからくりを知らずに「契約から10年超えて、解約返戻金が増えているはず」と期待すると、解約返戻金の少なさにがっかりすることになります。

 

6.2.終身保険の保障、これしかないなんて!

アカウント型保険の積立部分は、解約返戻金だけではなく終身保険の原資でもあります。更新による特約保険料の上昇を頭に入れていないと、解約返戻金のケース同様積立部分の金額を実際より高く見積もってしまい、終身保険に変えるときにその保障金額の少なさに愕然……となってしまいます。

 

積立を終えて終身保険にするタイミングというと、現役を引退した頃に設定する方が多いでしょう。現役を退いて「終身保険は若い頃に契約していたアカウント型保険があるから安心」と思っていたら、終身保険の保障金額が期待していた半分にもならない、なんてことになっては悲惨ですよね。現役引退後に終身保険に新しく入れば、保険料はかなり高額になりますし、かといって退職後に現金で貯めるのも難しいです。

 

6.3.自分の保険なのに、内容が分からなくなった

これは保険のしくみの複雑さゆえの「あるある」です。特約部分の定期保険や医療保険などはまだしも、積立がいくら貯まっているのか、現在の解約返戻金はいくらなのか、このままいくと終身保険はいくらになりそうかなど、分からないままにしがちです。

 

また、しくみが複雑なのでほかの保険への乗り換え検討をしていない方も多いです。普通、保険の広告などで「自分が入っている保険と比べて安い」と思えば、乗り換えを検討するものです。ところがアカウント型は複数の保障への保険料をまとめて支払っているので、自分の保険が高めなのか安く上がっているのかも分からなくなってしまいます。

 

7.アカウント型保険と税金の関係とは?

続いて、アカウント型保険と税金の関係について解説します。保険料を支払う時の所得控除保険金を受け取ったときの課税、2つのトピックについて取り扱います。

 

7.1.保険料控除は受けられる?

支払った保険料に応じて一定の金額の所得額から控除するしくみを保険料控除と言います。保険料控除には一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3種類があり、それぞれ控除額の上限は4万円です。

 

アカウント型保険に加入している場合も、保険料控除を受けることができます。アカウント型保険の場合は一つの契約に複数の保障が特約の形でついているので、特約ごとに控除額が決まります。例えば、定期保険特約の保険料は一般生命保険料控除の対象、医療保険特約の保険料は介護医療保険料控除の対象といった具合です。積立部分は一般生命保険料控除の対象となります。

 

年末近くになると保険会社から生命保険料控除証明書という書類が届くので、そちらを見ればどの控除がいくらなのか分かります。

 

7.2.死亡保険金を受け取ったら

死亡保険金を受け取ったら、通常の保険と同様に保険料負担者・被保険者・受取人の関係に応じて税金の種類が決まります。

保険料負担者 被保険者 保険金受取人 税金の種類
A A B 相続税
A B A 所得税
A B C 贈与税

アカウント型保険の場合は、保険金だけでなく積立部分も払い出されます。この積立部分についても、死亡保険金の一部として取り扱います。

 

7.3.医療保険特約の保険金を受け取ったら

医療保険特約の入院給付金や手術給付金などは非課税です。

 

8.ココだけは気を付けて!アカウント型保険

アカウント型保険について、気を付けるべきポイントをまとめました。

 

8.1.保険のしくみをよく理解すること

何かと悪い評判が目立つアカウント型保険ですが、商品自体に欠陥があるわけではなく、しくみが複雑で分かりにくい点が「入ってはいけない保険」などの評価を生んでしまっています。

 

どんな保険であれ、しくみを理解せずに契約していれば自分にとって不利益になっているのに気づけない、悪い保険になってしまいます。アカウント型保険を契約している場合は、「入ってはいけない」などの情報を目にすると解約したいと思ってしまうと思いますが、まずは自分の保険のしくみをしっかり理解しましょう。

 

8.2.アカウント型保険がベストな選択か

保険のしくみを理解したうえで、現在の保険がベストな選択かどうかを見極めましょう。まずは要らない保険を付けていないかを点検してください。子どもが巣立ったのに成人前と同じ定期保険をかけていたり、十分な貯蓄があるのに高い医療保険をかけていたりということはないでしょうか。実際に保険金がおりる状況をイメージして、絶対に必要な保険かどうかを考えてみましょう。

 

必要な保険が分かったら、「いま何の保険にも入っていないとしたら、どの保険に入るのがベストか」を考えてみてください。これは金銭面だけではなく、「担当者とは直接会って話せる関係が良いから、ネット専業や通販型はいや」といった希望も含めて考えます。複数の保険会社の商品を組み合わせるのがベストという結論になるかもしれませんね。自分で考えるのが大変だという場合には、複数の保険を取り扱っている保険ショップや、代理店に属していないFPに相談するのも良いでしょう。

 

ベストな保険の組み合わせが分かったら、解約してそちらに乗り換えるべきか考えてみてください。金銭面でいえば、アカウント型保険で保険料の大半が掛け捨ての特約保険料に回っている方は、解約のデメリットはあまり大きくありません。積立部分の利率が市場金利に合わせて変動するので、高金利のお宝保険になっていることも無いはずです。解約で損をするのは解約時に差し引かれる手数料くらいのものなので、乗り換えのデメリットよりもメリットのほうが大きくなる場合が多いのではないでしょうか。

 

8.3.マネープランをよく考えてみよう

アカウント型保険の怖さは、貯蓄しているつもりで、いつの間にか不要な保障の保険料を払い続けてしまう点ではないかと思います。アカウント型保険の特約は更新型が多く、更新の都度特約の保険料が上がります。しかし、引き落とされる保険料の総額は変わらないので、保障内容と保険料について無関心になりがちです。その結果、不要な保障のための保険料がどんどん増える一方、終身保険の原資となるべき積立金が一向に貯まらないという状況に陥ることが最も危険なのです。

 

こうした事態を防ぐために必要なのは、自分の保険の現状をしっかり把握することと、更新ごとにマネープランを見直すことです。死亡保険にせよほかの保障にせよ、どれだけの保障が必要かは家族の状況や貯蓄額によって変わってきます。向こう10年の間に亡くなったら、何のためにどのくらいお金が必要か。あるいは病気になったとき、貯蓄で賄えるかどうか。こういった見通しを持って入らなければ、どんなに優れた保険商品であっても「損な保険」になってしまいます。

 

9.まとめ

アカウント型保険は、かつて大手保険会社の主力商品として出回った商品です。その特徴は、払い込んだ保険料を一旦アカウントに積み立て、そこから特約保険料を支払うという点にあります。自由度が高いなどのメリットがある一方、しくみの複雑さゆえにアカウント型保険の良さを活かせていない契約をしている方も多いようです。

 

アカウント型保険には悪評も多いですが、必ずしも悪い保険というわけではありません。保険のしくみをしっかり理解し、自分の考えや家庭の状況に合っているかをよく考えることが大切です。もし「合っていないかも」と感じたら、乗り換え検討をしてみましょう。

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