『患者申出療養』を理解しよう!高額になっていく治療費への対策は大丈夫?

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ここでの例外は以下となっています。

逆に13歳未満・虫歯の本数が多いなどの理由で歯科医院から虫歯予防の継続的な管理を受けに行っているケースは保険適用

2-5「評価療養」と「選定療養」の決まり事

『保険外併用療養』費制度を扱っている病院などの医療機関は「評価療養」と「選定療養」に対しての決まり事があります。

・病院、医療機関での掲示
(院内で私たち患者の確認しやすい所に内容・費用などを貼り出し選択出来るようにしておく事)
・患者への同意
(事前にきちんとした治療内容・負担金を話し同意を得る)
・領収書発行
(評価療養・選定療養で診療を受けた場合、領収書を発行すること)

当然の事ですが、これらは私たち患者側もきちんと知っておくことが必要ですね。

3.先進医療や治験

『保険外併用療養』の制度に入っている「先進医療」や「治験」とはどういう物なのでしょう。

そして、どのようにして『保険外併用療養』制度として扱われるのか、ここではその2つを見て行きましょう。

3-1治験の流れから説明

『保険外併用療養』制度には、私たち一般の者にはいささか分かりづらいワードが出てきます。

その中でも「治験」とは何なのでしょう。

安全性や効力などを立証した後、承認され保険収載する可能性がある「評価療養」にはこう記されていましたね。

再生医療等製品の治験に係る診療

再生医療

身体の疾患部分(骨・臓器・神経など)を、健康な組織や細胞を素として体外で培養したりして、体に戻す治療技術です。

治験

前途の再生医療や未承認の薬を、以後の国が認める医療になるように、実験的に使用する「臨床実験」を言います。

承認されれば保険適用も

『保険外併用療養』の制度を使って、未承認だが使ってみて効果を見ますが、その行程は「治験」として情報が蓄積され、その医療技術のなかで承認されれば後世の人達が保険を使って治療できるかもしれないのです。

3-2先進医療とは、その審議の過程

厚生労働大臣が定め認める「評価療養」の中で、健康保険の対象とならない高い技術を用いて行う医療のことを言います。

高度な医療技術と言われる「先進医療」、その費用は保険が適用されておらず患者側が全額負担することになっています。

しかし入院の基本部分やほけん範囲内での診療などでかかった費用は『保険外併用療養』費として健康保険で給付されます。

これを「混合診療」と言います。

3-3通常は混合診療禁止

前途を簡単に言うと先進医療を含め『保険外併用療養』の制度は「混合診療」が認められているという事になります。

高額医療費が自己負担となる混合診療について見て行こうと思います。

図

※日本医師会ホームページより

日本の健康保険が使える範囲は、厚生労働大臣が定めています。私たちが日頃、風邪などで健康保険を利用している診療(薬・材料など)がそうですね。

混合診療とは、健康保険が使える診療と健康保険で賄えない診療(自由診療)を一緒に使って病気を治す行為を言います。

この2つの医療範囲を一緒に利用することは、禁止されています。

健康保険の範囲外で発生した費用を、私たち患者側が100%支払うことで、混合し高額になってしまいます。

この行為を良しとしてしまう医療機関が多くなると、平等な保険制度から逸脱してしまい、その恩恵を受けられなくうので禁止されているんです。

しかし、一方で進歩してきた医療技術を欲している患者さんがいることも事実です。

なので例外として「評価療養」と「選定療養」は、禁止されている混合診療を行っていいです、と言うのが『保険外併用療養』なのです。

4.『患者申出療養』の実績

『保険外併用療養』の制度が開始されて間もないですが、皆さん今日までどのくらいの結果が得られているか知っていますか?

今まで未承認の薬を心待ちにしていた患者さんは、施行以降使えることになったのでしょうか。

ここでは、『患者申出療養』によって実際に承認された医療をご紹介してみたいと思います。

4-1『患者申出療養』・承認例

2016年9月21日に厚生労働省評価会議で1例目となる承認が条件付きで決定しました。

1例目

申請日2016年9月7日『腹膜播種陽性(腹腔細胞診陽性)の胃癌への抗癌剤治療』

腹膜にがんが転移している物を腹膜播種陽性

腹膜に転移していないが手術中の洗浄液にがんの細胞が確認される状態を腹腔細胞診陽性

イチイ科の植物から抽出成分で作られた「パクリタキセル」と呼ばれる抗がん剤を腹腔内・静脈内投与、そしてS-1と言う経口剤での併用療法で申し出て同年の10月に実施されたものです。

かかった費用

・健康保険外ものが44万6000円

・他療養にかかった保険適用部分44万4000円(自己負担3割換算)

しかしここのところは高額療養費制度適用のためこの金額よりは多少低めになると思われます。

2例目は2017年2月6日承認

重症心不全の患者に対する植え込み型の補助人工心臓を用いた治療です。

この方は腎機能障害が確認されたため、心臓移植が叶わなかったそうです。

従来心臓移植が出来る方は、待っているその間、人工心臓を補助として使用していくそうですが、その場合健康保険が使えます。

しかし今回申し出した方のように心臓移植が不可能と判断された場合、人工心臓使用に対しては保険適用外とされています。

・保険使用費用:約3000万円程

・患者申出療養制度:約2000万円程

実施は同年4月以降とされています。なお2017年2月現在同じ申し出で約6人の方が予定しているそうです。

4-2『患者申出療養』・対象病院

治療法を探しかかりつけ医と相談した結果、『患者申出療養』の制度を申請しようと決意します。

その申請は何処へ出すのでしょう。

(1)臨床研究中核病院(2)特定機能病院なる医療機関へ申請します。

(1)臨床研究中核病院

2017年現在『患者申出療養』の相談窓口実地設置病院は79病院です。

臨床研究中核病院として条件を満たす医療機関となるには当然ですが、かなりハードルが高くなっています。

水準は国際水準での臨床研究などにおいて大きく役割を担っている病院とされていますが、概ね私たちが良く見聞きする大学病院などがそれに該当すると思っていいでしょう。

〈東京医科歯科大学医学部附属病院〉や〈国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院〉などが挙げられます。

(2)特定機能病院

2016年現在、特定機能病院は84箇所となっています。

高度医療の研修・実施能力と施設を備えた400床以上の病院でなお且つ厚生労働大臣が認めるところです。

(1)(2)と両方を持っている病院も存在します。

4-3患者申出療養・医療費控除

未承認薬や高度先進医療が、保険収載されれば医療費控除の対象になるので、医療費控除が出来るかそうでないかは『患者申出療養』制度の今後に期待されますね。

医薬品医療機器等法で「日本の薬局に置かれるもの!」に該当しない未承認薬を買うお金は、医療費控除の対象外です。

しかし『患者申出療養』で未承認薬を服用指導したケースなら、その診療部分の費用は医療費控除になります。

5.『患者申出療養』の問題点を探る

始まったばかりの『患者申出療養』は、私たち患者側からの選択肢の拡大や医療技術の強化になるようですが、まだまだ未知数な制度のようです。

今までの経緯から、専門的な事・人道的な事など、いくつかの課題もあるようです。

5-1安全性

実施例の少ない診療において、医療の事故なども心配毎のひとつでもあります。

そのため、慎重に計画を立て審議されるようですが、一方で患者のリスクへの覚悟も必要となっています。

5-2人道的な見方から・治験危惧

『患者申出療養』を申し出ても、その決められた基準に入らなかった患者さんたちも、様々な関係からの意見を集め、実施の方向も考慮してやってみようというのが『拡大治験』と言います。

これには費用負担が一部発生する可能性があるそうです。

陽子線治療や重粒子線治療は、一部の疾病「小児がん」「手術非適応の骨軟部腫瘍」での保険適用が認められましたが、まだまだ他の「がん」に対しての粒子線治療は、先進医療の枠内で止まっています。

それらよりずっとハードルの高い保険収載性がある『患者申出療養』の評価療養は、結局めどが立たなければ、いつまでたっても高い治療費ばかりが発生する混合診療になる危惧があると言われていますね。

5-3準備期間の必要性

『患者申出療養』制度への申請自体、かかりつけ医と臨床研究中核病院などの相談から始まります。

その申し出を、国が申請書類を受け取り、審議そして実施までは原則6週間とされています。

しかし申請を申し出る際に作成する計画書は、患者への説明から立証・証明・倫理の審査などのデザインを綿密に作らなくてはいけません、その為申請に至るまでには、数か月や1年などの月日が必要になってくると思われています。

6.『患者申出療養』で備える生命保険

近年、生命保険には先進医療保障と言う特約がある商品が多く売られてきていますね。

特別な治療だけに、健康保険が使えない高額となる医療費を、月々わずかな特約価格で、賄えるほどの金額が保障金として約束されています。

なかなか先進医療を受けるという意識が薄いので、生命保険会社の医療保険でそれに加入している人は決して多く有りません。

6-1高額医療費・生命保険の保障は

がん治療で行われることがある「陽子線治療」は約268万円程と言います。

保険適用外の「重粒子線治療」だと、なんと約308万円にもなるそうです。

これらの金額に見合う先進医療保障は、今や普通の商品として出回っているので、加入していれば費用だけなら安心とも言えます。

6-2『患者申出療養』特約も

外国の医療先進国では使用可能な抗がん剤などの未承認の薬は、1ヶ月使用するとその薬剤費用が月約100万円以上もしてしまうというのがほとんどのようです。

変な話ですが、1年2年と承認されないまま使用していたら、高級外車やマンションが買える勢いの費用になってしまいます。

そんな大金を、出せる方ってそうそういるとは思えませんよね。

そうなると、生命保険会社で先進医療を対象にした特約を作ったくらいなのですから、もしかしたら近い将来『患者申出療養』特約が付いた商品が売られるかもしれません。

高額な医療費の助けは生命保険かも

っと思っていましたが「アクサ生命保」から、『患者申出療養』制度に対応した特約が付いた医療保険が2016年の9月から商品化されていますね。

まだ、あくまで『患者申出療養』のサポートと言う名目での保障金額が最大で1千万円、月の掛け金は400円を付加するだけとなっています。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか?今や治らない病気はない!とまで言われている世の中ですが、安全性や倫理性を外しては医療とは言えませんよね。

今こうして書いている時にも、日本には治療法がない難病と戦っている患者さんたちが、未承認薬を心待ちにしていると思うとやり切れませんが、

多くの人が『患者申出療養』の制度について知り、理解されることによって、これから先の日本の高度医療が、費用を気にすることなくもっと国民皆に受けやすいものとなることを祈っています。

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