大学卒業後、損保ジャパン日本興亜代理店の保険会社にて5年以上勤務し、年間100組以上のコンサルティングを行う。
その後、2016年6月より保険ブリッジの記事監修を務める。
生命保険に加入を検討している場合、掛け捨てにするか貯蓄型がいいか、それぞれ一長一短があり、それが悩みどころで、頭の痛い問題ですよね・・・
でも、ちょっと待ってください!
そもそもアナタには、なぜ生命保険が必要なのですか?
まずは、なんのためにどのような形で備えるのか、そこから考えていきましょう。
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目次
掛け捨てと貯蓄型の生命保険の違い
「生命保険は基本的に掛け捨てです」と聞くと、驚かれる方が少なからずおられるかもしれません。
掛け捨てである理由は、生命保険の仕組みにあります。
掛け捨型てと貯蓄型保険の保険料の仕組み
掛け捨ての生命保険であっても、貯蓄型の生命保険あっても『保障』にあたる部分は、どちらも同じく掛け捨てとなります。
保障部分が掛け捨てとなるのは、生命保険が相互扶助の理念に基づいているためです。
相互扶助とはざっくりいってしまえば、「自分が困ったことになった時には誰かが助けてくれる、誰かが困った時には自分が助けになる」という、つまり「お互いに助け合って社会生活を円滑に営んでいきましょう」ということです。
支払った保険料は、「誰かを助けるために使われる」「使ってもよい」ことが前提となります。
このため『保障』にあたる部分の保険料は、すべて掛け捨てるということになり、同じ保障内容であれば、どの生命保険でも支払う保険料に通常であれば大きな差は生じえません。
ただし貯蓄型の生命保険の場合、支払った保険料と変わらない額の金額が戻ってくることがあるため、お得感があり実際に日本では圧倒的に人気です。
また貯蓄部分を運用することによって、掛け捨て部分をカバーするように設計された生命保険もあります。
空前の低金利が続く昨今、銀行に預けるよりも良い利息がつくということで、死亡保障を確保しつつ、同時に貯蓄機能に注目して利用されることも多くなっています。
掛け捨ての生命保険とは
掛け捨ての生命保険として代表的なものとして、定期保険があげられます。
定期保険の仕組みはいたってシンプルで、たとえば10年間や20年間などの一定期間に、もし万が一、死亡や高度障害状態になった時、保険金を一括で受け取るというものです。
定期保険には、10年間などの年数で区切る「年満了(年数で満期となる)」と、60歳までなどの年齢で区切る「歳満了(年齢で満期となる)」があります。
年満了の場合、更新型となるため、満期になった時に更新すると保険料が上がって契約時の保障が延長されます。
歳満了より年満了のほうが保険料が割安になります。
定期保険の保険料は掛け捨てとなりますので、割安な保険料で大きな保障を備えたい場合に適しています。
たとえば万が一の事態に備えて、まだお子さんが小さく手厚い保障が欲しい場合や、子どもの教育資金を確保するなど「今後、10年間は、どうしても1,000万円の保障が必要!」という場合に、効率的に備えることができる保険です。
貯蓄型の生命保険とは
貯蓄型の生命保険の代表として、終身保険や養老保険があげられます。
終身保険には満期がなく、養老保険には満期があります。
つまり終身保険とは、生きているかぎり『保障』が続く保険ということになります。
そのため、保険料は高めに設定されています。
また保険料を払い込む期間も年齢や年数で区切ったり、終身払いにして、一生涯払い続けることも選べます。
支払う期間が短ければ短いほど保険料の負担が大きく、逆に長ければ長い分だけ小さくなります。
また終身保険を利用して、大きな保障を備えるとなると、必然的に保険料の負担は大きなものとなります。
そのため、葬儀にかかる費用の準備など、死後整理金の確保を目的として利用されることの多い保険です。
また死亡時だけでなく途中解約した場合、解約返戻金が受け取れることから、老後の資金準備を目的で利用される場合もあります。
加入期間が長ければ8~9割の解約返戻金を受け取れる場合もあります。
養老保険は終身保険よりも、より貯蓄性の高い保険となります。
終身保険であれば死亡時か途中解約した場合でなければ、保険金は受け取れません。
しかし、養老保険の場合であれば、満期時に死亡保険金と同額の金額を受け取ることができるということです。
例えば、保険金額が500万円で保険期間が30年間のものに、30歳の方がご加入の場合でしたら、60歳になるまで毎年の死亡保障金が500万円ということになります。
保険期間の30年間の間であれば、払い込み保険料の総額にかかわらず、万一死亡した場合には死亡保険金として500万円をご家族の方に残すことが可能です。
何ごともなく無事に60歳をむかえたときには、満期金として500万円を受け取ることができます。
その分、保険料は定期保険や終身保険と比べてもっとも高めの設定となっています。
保険の種類別!掛け捨てVS貯蓄型の比較まとめ
掛け捨ての生命保険と貯蓄型の生命保険は、大きく分けると次のような関係になります。
貯蓄性 | 満期 | 満期金/解約返戻金 | 保険料 | |
定期保険 | × | ○ | 満期金無/解約返戻無 | 安 |
終身保険 | ○ | × | 満期金無/解約返戻金有 | 高 |
養老保険 | ○ | ○ | 満期金有/解約返戻金有 | 高 |
定期保険VS終身保険
定期保険と終身保険を比べると、定期保険では生命保険での保障が必要になる保障期間を設定して、その期間の保障を確保します。
そのため、必要である保障の期間を考えなければなりませんが、終身保険では保障が一生涯となるため特に考える必要はありません。
また定期保険であっても終身保険であっても、万が一の死亡時などには死亡保障金(保険金)を受け取れることができます。
しかし定期保険の場合、支払う保険料は掛け捨てとなるため、満期を迎えても基本的には返戻金は受け取れません。
返戻金は全くないか、あったとしてもごく僅かです。
終身保険の場合、保障期間が一生涯となるため満期を迎えるということはありませんが、ご契約を途中解約した場合、返戻金として受け取ることができます。
例えば1,000万円の死亡保障金を備えたい場合であれば、30歳男性の方で30年間の払い込みとした場合、月払いの保険料としてはおおよそ次のようになります。
- 定期保険: 3,930円
- 終身保険:22,990円
この例からも解るように、定期保険は10年間や20年間などのあらかじめこの期間の保障が欲しいとご自身で決めた期間に、手厚い保障を備えることに適しています。
終身保険の場合は、もし万が一の時ご家族へ葬儀費用などで経済的な負担をかけないように備えることに適しています。
定期医療保険VS終身医療保険
医療保険にも、掛け捨てのものと貯蓄性のあるものがあります。
さらに保障期間も有期(期間を決めて保障される)タイプのものと、終身(一生涯=死ぬまで保障される)タイプのものがあります。
医療保険では、ケガや病気で長期に入院した場合の入院費や手術費用として備えるものですから、万が一死亡や高度障害状態になった時のために保障を備える定期保険や終身保険とは違い、加入条件がぐっと厳しいものになります。
統計的にみても、人が死亡または高度障害状態になるよりケガや病気で入院する確率の方が高いためです。
つまり通常であれば、持病があったり、健康診断で再検査が必要とされる健康状態の方は、加入できないということになります。
また女性の場合、妊娠初期での加入ができなかったり、過去に帝王切開での出産の経験があると、免責期間(5~10年)が設けられることがあります。
つまり第1子を帝王切開で出産後、医療保険に加入して、第2子も帝王切開となった場合、医療保険に加入しても5~10年以上経過後でなければ、手術給付金を受け取れることができないということになります。
逆に妊娠出産前に医療保険に加入していれば、第1子も第2子も帝王切開となった場合であっても、手術給付金を受け取ることができます。
医療保険も、他の生命保険と同様に定期(有期)医療保険の方が終身タイプに比べると、保険料は割安となります。
しかし健康状態が良好でないと加入しずらくなるため、定期医療保険に加入して、期間が切れたのでいざ更新と思ってもうまくいかない可能性が否めません。
医療保険を利用してケガや病気での入院に備えるのであれば、なるべく年齢が若く健康状態が良好なときに、期限のないものを選択することが賢明かもしれません。
がん定期保険VSがん終身保険
がん保険にも医療保険と同様に定期型と終身型があります。
定期型では保障期間を5年、10年といった期間で区切って保障を備えることができ、終身型は終身(一生涯)での保障を確保することができます。
また医療保険と同様に入院給付金や手術給付金を受け取ることができますが、がん保険の場合でしたら、がんと診断が確定された時点で診断給付金を受け取ることが可能です。
診断給付金を受け取ることで、通院にかかる費用に充てるほか、抗がん治療の副作用で頭髪が抜けることによりカツラが必要になった場合、その購入費などに充てることができます。
診断給付金は1回限りのものと、数年経過後に再発した場合に受け取れるタイプのものがあります。
がん保険も、医療保険と同様に、定期型の保険料は終身型に比べて、割安となります。
がん保険や医療保険にかぎらず、生命保険の加入には年齢が関係し、年齢を重ねるにつれ保険料は上昇します。
また、年齢が上昇するということは、それだけ健康リスクも上昇していくということです。
このことを意識して、定期(有期払い)タイプがいいのか、終身(一生涯の保障期間)がいいのか、ご自身のライフプランとよく照らし合わせた上で、適したタイプを選択するように心がけましょう。
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保険会社や保険商品と同じで、保険の代理店もたくさんあって迷ってしまう方も中にはいらっしゃるかもしれません。
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そして、可能ならば1つの代理店ではなく複数の代理店で相談を受けてみましょう。
複数人に担当してもらうメリット
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保険に限らずどの業界でも同じことが言えますが、担当してもらう人の質はやはり運という部分も無きにしもあらずです。
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こればかりは仕方がないことでもありますので、時間が許す限り、様々な代理店で相談をしてみることに損はありません。
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複数の商品を知れるメリット
さらに、担当して下さる方によってはあなたに勧めてくる保険の商品も異なってくる可能性も十分にあります。
しかし、保険会社や保険商品は今や五万とある時代。
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その『保障』はなんのため?まずは、なんのために備えるか考えよう
一般的にいって、たくさん資産をお持ちで預貯金も年収の10倍以上はあるというような方でしたら、生命保険は必要ありません。
なぜなら、今の収入がなくなっても、年収の10倍=10年くらいであれば、当面の生活に困らない、生活の心配をする差し迫った理由がまったくないということになるからです。
そういった富裕層にあたられる方でしたら、生命保険を利用するよりも、もっと投資や相続税対策に適した金融商品を利用する必要性の方が高くなります。
反対に、生命保険がもっとも必要な方としては、「まだ子どもが小さく妻が外で働いて収入を得ることができないので、しばらくは夫の収入だけで生活しなければならない」方や、「住宅を取得したばかりでローンの返済を抱えている」方などが、考えられます。
このように生命保険とは、それぞれのご家庭の資産状況やライフステージによって、必要であったり必要でなかったりする『金融商品』です。
金融商品なのですから、私たち消費者はかけた費用(コスト)に見合った利益(ベネフィット)を得ることが、一番大きな前提となります。
生命保険の場合でしたら、保険料という費用(コスト)をかけて、安心や生活の保障という利益(ベネフィット)を得ることができる『金融商品』と言えるのではないでしょうか?
実際に生命保険にご加入される方のほとんどは、ご契約者の方の万が一に備えるとことを目的とされています。
生命保険の加入目的は?
% | |
万が一のときの家族の生活保障のため | 53.1 |
万が一のときのための葬式代のため | 13.0 |
医療費や入院費のため | 58.5 |
災害、交通事故などに備えて | 7.7 |
老後の生活資金のため | 7.7 |
参考:生命保険文化センター平成27年度「生命保険に関する全国実態調査」より
つまり、後に残されたご家族の生活の保障を死亡保険金でまかなうことを『目的』としているということになります。
このように、生命保険を検討する場合には、なんのために誰のために備えるのかという『目的』ありきで、大切なこととなります。
ご自身にとって、一番守りたい人や大切なものはなんでしょうか?
方法は、さまざまにあるかと思います。
生命保険で備えるのも、そのうちの一つです。
その方法について、考えていきましょう。
生命保険の種類を把握しておこう
生命保険で万が一に備える場合、その目的は大きく分けると3つに分かれます。
それぞれについて、みていきましょう。
ご家族の生活に備える~死亡保障
たとえば万が一、一家の稼ぎ手が死亡してしまうなど不測の事態があった場合、後に残されたご家族の生活がたちまち立ちいかなくなることが、目にみえているのでしたら生命保険を利用して死亡保障として備えることが肝心となります。
死亡した場合の保障を備えるため(=目的)の生命保険にも、いくつか種類があります。
おもに、死亡保障を目的とした生命保険は次のような種類に分かれています。
- 定期保険
- 終身保険
- 養老保険
- 収入保障保険
ケガや病気に備える
死亡保障以外にも、万が一の不測の事態として、ケガや病気で長期わたり入院するようなことも考えられます。
この場合、ケガや病気によってもたらされる家計へのダメージを最小限にとどめるために保障を備えることが、第一の目的となります。
そのための保障を目的とした生命保険にも、いくつか種類があります。
おもにケガや病気になった場合の保障を備えるため(=目的)の生命保険は、次のような種類に分かれています。
- 医療保険
- がん保険
- 介護保険
教育資金や老後資金として備える
そのほか、生命保険が果す役割として、ライフイベントへの備えがあげられます。
あらかじめ大きな出費が見込まれるライフイベントとして、お子さまの進学や、退職後の生活資金への準備などがあげられます。
これらを目的として生命保険を活用する場合や、不測の事態とまではいかずとも、なんらかの事情によって今の収入が途絶えてしまうような事態に備えるため、生活の保障を目的として生命保険を利用する場合もあります。
そういった場合に利用する生命保険の種類としては、次のようなものがあります。
- 学資保険
- 個人年金保険
- 就業不能保険
このように生命保険とひとくちにいっても、目的に合うように設計されたさまざまなタイプの保険商品があります。
生命保険を選ぶにあたってもっとも大事なポイントとなるのは、『なんのための誰のため』に備えるものであるのかということです。
このポイントを見失わず、ご自身の一番の心配事と照らし合わせて、よく検討することが生命保険を選ぶ際には大切なこととなります。
生命保険が必要な期間はいつまで?
生命保険を利用して不測の事態に備えるのであれば、『目的』と合わせて検討しなければならないのが、保障を必要とする期間はいつまでかということです。
生命保険を検討する際の大事なポイントとして、必要保障期間を割り出すことがあげられます。
たとえば、生命保険へのご加入を検討中の方が、現在40歳でお子さんが10歳だと仮定した場合、お子さんが大学に進学する予定でしたら、あと12年間は、なんらかの保障が必要ということになります。
お子さんに兄弟姉妹がおられる場合でしたら、一番下の末っ子が大学を卒業するまでが生命保険での保障が必要な期間ということになります。
またまだお子さんのおられないご家庭であっても、同様にだいたいの目途をつけて、目安となる期間を考える必要があります。
このように生命保険を利用して死亡保障を備える場合であれば、お子さんの年齢に合わせて、ある程度の必要な保障期間を割り出すことができますが、ご自身の医療保険についてはどうでしょうか?
一般的に医療保険の必要性は、高齢になればなるほど増していきます。
しかしまた年齢があがればあがるほど、加入しずらくなるのが医療保険です。
なぜなら医療保険には、通常であれば、健康状態が良好な状態でないと加入できない取り決めがあるからです。
また年齢が低いうちであればあるほど、保険料も割安となるように設計されています。
生命保険で保障が必要になる期間は、各ご家庭それぞれで違ってくるのは、当然です。
保険期間の決め方
ご自身のライフプランに合った、適切な保障期間を決めるよう、心がけるようにしましょう。
保険料を何歳まで払えばいい?~保険料払込期間
通常、生命保険へ加入する時にはいつまで保険料を払い込むのか、その期間を選択して加入します。
いつまで保険料を払うのか、その期間を考えることも、必要保障期間と合わせて考慮すべき大切なポイントとなります。
保険料払込期間は、大きく次の2つに分かれています。
- 有期払い(期間を決めて払う)
- 終身払い(一生涯払う)
有期払いはさらに、年齢(60歳や65歳など)で払い込む期間を決めるものと、期間(10年や20年)で決めるものに分かれています。
終身払いは終身=一生涯ということになります。
つまり死亡するまでの期間、保険料の支払いを続けるということです。
生命保険での保障がいつまで必要であるのか、あらかじめはっきりしている場合でしたら、有期払いを選択して年齢や期間での払込みを設定しましょう。
そうでない場合でしたら終身払いにして、小さな金額を長く支払うことが適しているということになります。
たとえば、1,000円の商品を購入するとして、2年後には手元に欲しいので1年で500円払う×2年=1,000円として支払うのか、期間は設けずにコツコツ払うということで、100年かけて10円づつ(10円×100年=1000円)支払うのか、ということになります。
保険料の支払い方
生命保険の保険料の支払い方には、おもに、次の5つの方法があります。
- 月払い
- 半年払い(半年一括払いと言われることもあります))
- 年払い(年一括払いと言われることもあります)
- 予納・前納払い/全期前納払い
- 一時払い
月払いの場合でしたら月1回、半年払いでしたら半年に1回、年払いは年1回、契約した保険料の金額を払い込みます。
1~3は、一般的にいうところの分割払いにあたります。
また予納は、月単位でまとめて支払う方法、前納払いは年単位でまとめて支払う方法となります。
契約した保険料を8ケ月や10ケ月など月単位で取りまとめて支払う、あるいは5年分や10年分などをまとめて払うなど、前納するといったイメージです。
ほとんどの保険会社では割引の適用となり、分割払いで支払うよりも保険料が割安となることの多い支払い方法です。
一時払いは、契約時の保険料の全額を一括ですべて支払う方法です。
4~5は、一般的にいうところの一括払いにあたります。
また全期前納払いは、月払いや年払いの全期間分の保険料を一度に支払って、保険会社に預けておくような形になります。
支払期日になれば、保険会社が預けた中から月払いや年払いとして支払いますので、解約した場合や万が一、生命保険の保障期間中に被保険者の方が死亡した場合には、納めた保険料は返金されます。
また年末調整や確定申告のときに、生命保険料控除を毎年計上することができます。
また年末調整や確定申告での生命保険料控除は、保険料を支払ったその年にしか計上できません。
生命保険の必要保障額について
生命保険は『なんのため誰のため』の備えなのか、まずそれありきで、目的を考えることが重要なポイントとなります。
次に、はずせないポイントとして、いつまで保障が必要なのかという、生命保険での保障が必要となる必要保障期間を、ご自身のライフプランとよく照らし合わせた上で計算して割り出すことがあげられます。
また、支払方法をよく考えて選択することも大切なポイントとなります。
必要保障期間と合わせてこの点をおさえおかなければ、後々に、払い込む保険料の総額に大きな違いが顕在化してくるためです。
また必要保障期間を誤ると、生命保険で保障を備えるメリットを十分に生かすことができなくなります。
以上の3点に加えさらに大事なポイントとなるのが、必要保障額の割り出しです。
必要保障額とは「なんのため誰のため」「いつまで」「いくらくらい」備えればいいのかの、「いくらくらい」の部分にあたります。
つまり、何にどれくらいの金額を見込んでおく必要があるのか、その金額を見定めるということになります。
必要保障額はライフプランニング次第
必要保障額を割り出す場合、次のような計算式を用いる方法があります。
【一生分の収入】-【一生分の支出】=【必要保障額】
この場合の一生分とは、一家の大黒柱である夫が死亡した場合、配偶者である妻が亡くなるまで、お子さんがおられる場合でしたら、末子が経済的に独立するまで(たとえば大学卒業まで)です。
一生分の収入に加えるものとして、公的保障である遺族基礎年金や、会社員の方であれば遺族厚生年金、会社から支給される死亡保障退職金などがあります。
さらに妻が働いて得る収入や、ご家庭にある預貯金や資産も含まれます。
一生分の支出とは、あとに残されたご家族の今後の生活費や住居費、教育費などのことです。
つまり、必要保障額の金額は、それぞれのご家庭のライフプランニングによっても、また、人それぞれの働き方や、子どもの有無や人数、また、ひとり親かどうかでも、違ってくるということです。
生命保険を検討する際には、はずしてはならない大事なポイントというものがあります。
また、ご自身のライフプランとも合致した生命保険のプランであるかどうかということも、よく確認すべき重要なポイントです。
つまり「なんのため誰のため」「いつまで」「いくらくらい」備えればいいのか、ご家庭それぞれの教育方針やライフプランによってさまざまに異なってきます。
そのため、過不足のない保障を適切な時期に備えようと思うのであれば、押さえるべきポイントがあるということです。
保険料の目安は収入の3~10%程度
生命保険は基本的に「万が一」に備えるために利用するものですが、どの生命保険を選べばいいかわからなくなってしまったというような場合でしたら、まず「万が一はめったに起こらない」ということを念頭におくようにするといいでしょう。
なぜなら、日本人の平均寿命が延び続けている昨今、確率的にいっても私たちは、なんら大過なく寿命をまっとうすることのほうが多く「生き続ける」ことを前提にすべきだからです。
万が一とは、その言葉からもわかるように、万にひとつ=めったにはおこらない、ということでもあります。
また人生には、万難を排したつもりであっても、すべて良しということはありません。
つまり、心配しだすとキリがなくなるということです。
また潤沢な余剰資金があって無尽蔵に使えればいいのですが、多くの方の場合、資金は有限でその中で保険料として支払える上限(予算)というものが必ず存在しているはずです。
生命保険の場合『保障』を考えだすと、アレも心配コレも必要と際限がなくなりがち。
たちまち予算オーバーになって家計も頭の中もパンクしてしまう羽目になりかねません。
本来なら『保障』を手に入れて安心できるはずの生命保険が、家計や心身の負担になってしまうことは本末転倒です。
そういった事態を避けるためにも「万が一はめったに起こらない」「生き続ける確率のほうが高い」ということを念頭にすべきです。
また家計にムリなく支払いを続けることができる保険料の金額として、手取り収入(所得税や社会保障費を納めた後に実際に手元に残るお金)の3~10%を目安にする方法もあります。
たとえば手取り収入30万円の方でしたら、1万円~3万円の範囲であれば、あまり家計を圧迫することなく支払いを継続することができる常識的かつ適切な保険料であると言えるでしょう。
つまり生命保険を検討する場合、1万円~3万円という限られた予算(保険料)の中で、生き続けることを念頭に、「なんのため誰のため」「いつまで」「いくらくらい」備えればいいのかを考えることが、大切なポイントとなってきます。
まとめ
以上、掛け捨てや貯蓄型の生命保険についてみてきましたが、いかがでしたか?
生命保険を考えることとは、ご自身のライフプランを考えることにほかなりません。
ライフプランがしっかり見定まれば、「これは必要でこれは必要でない」と取捨選択ができるようになります!
そうなれば、どんなにややこしく思える「生命保険」選びであっても、どーんとこいっ!ですね。
またライフプランニングを考える際には、ご家族でよく話合うことも大切です。
そして、ムリ・ムダ・ムラのない保障をゲットするよう、心がけるようにしたいですね!